アメリカで憧れのマイホーム!購入方法や注意点とは?

close up of a woman holding a home for sale sign

アメリカのアパートなど賃貸物件で生活している人の中には、更新の度に容赦なく値上がりする賃料にうんざりしている人も多いのではないでしょうか。「嫌なら出て行けばよい」とはわかっていても、賃料が値上がりする度に生活が圧迫されますし、精神的なストレスも大きくなってしまいますよね。留学や駐在組はあまり関係ないことかもしれませんが、ずっとアメリカにいる移住組なら、遅かれ早かれマイホームを購入することを検討するのも良いかもしれません。

目次

  1. ステップ1:何よりも最初にすることは何
  2. ステップ2:Realtorと物件探し
  3. ステップ3:物件が見つかったら、いよいよMortgage申請
  4. ステップ4:魔の30日間がスタート
  5. ステップ5:いよいよクロージング

1.ステップ1:何よりも最初にすることは何?

マイホームを購入しよう!と思った時に最初にする事は、金融機関からPre-ApproveとかPre-Qualitiedと呼ばれる書類をもらうことです。これは、言ってみるなら住宅ローンの仮審査に位置づけられるもので、「このぐらいの価格なら審査に通るし買えそうでしょう」と太鼓判を押してくれるような役割があります。

Pre-Approveを申請する際には、特定の不動産を抑えておかなければいけないということはありませんし、Realtorを見つけていない状態でもOKです。購入を考えている不動産のざっくりとした予算で申請して、金融機関からOKをもらうという書類です。

Pre-Approveを取得するのにかかる期間は?

フルタイムで仕事をしていて、勤続年数がそれなりにある人なら、Pre-Approveを申請してから承認されるまでにかかる期間は、数日ととても短いです。私もこれまで何回かマイホームを購入しているのですが、どの場合でも、勤続年数が長く安定した収入のある夫を基準に審査を受けるので、1日とか2日程度で承認してもらえます。

しかし、世帯ごとに家計の状況は異なりますよね。そのため、人によってはPre-Approvedをもらう最初のステップでも、数か月かかってしまうこともあるのだとか。ケースバイケースでどんな書類が必要になるか分からないので、提出できそうな収入関連の書類は、全てスキャンしてパソコンにPDFファイルとして保管しておくことをおすすめします。

購入したい不動産の価格よりも高いのが理想的

Pre-Approvedの書類を申請する際には、自身でどのぐらいの予算内で不動産を購入するかという点を決めて申請します。金融機関は、その金額に応じて承認するかしないかを決定するわけですが、ここで注意点があります。

申請する金額を低くすれば、確かに承認してもらえる確率は高くなります。しかし、実際に買いたいと思った不動産の価格が承認された価格よりも高い場合には、ローンのプロセスが遅くなってしまうリスクがあるので注意しなければいけません。

そのため、Pre-Approvedの申請では、予算よりも若干多めの金額で申請するのがおすすめです。例えば、予算が$200,000ぐらいなら、申請は$230,000ぐらいにする、のような感じですね。

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有効期限に注意

Pre-Approvedの書類を発行してもらった場合、有効期限がついているので注意しましょう。多くの場合には、発行してもらった日から90日間で、失効します。失効したらもうマイホームは買えない、ということはなく、失効したら再度申請すれば、全く問題ありません。

引っ越した先でマイホームを購入しようと考えているなら、引っ越す前にPre-Approvedを取ることもできます。しかし、あまりにも早すぎると、実際に住宅ローンのプロセスを始める前にPre-Approvedのステータスが失効してしまうリスクがあるので、注意してくださいね。

2.ステップ2:Realtorと物件さがし

金融機関からPre-APprovedのお墨付きをもらうということは、「その予算内の不動産なら、住宅ローンが下りる可能性がとても高い」ということです。これをもってRealtorを探し、どのぐらいの予算でどんな家を探しているのかを告げれば、いよいよそこから物件探しが始まります。

Realtor の探し方

どのエリアにも、Realtorはたくさんいます。資格を持っていれば誰でもRealtorになれるわけですが、その人のRealtorとしての質や、自分との相性は人それぞれです。

Realtorを選ぶ際には、何を重視するかという点を決めておくことをおすすめします。

  • フレンドリーな対応(愛想が悪い人もいます)
  • 素早いレスポンス(メールしても3日ぐらい放置する人もいます)
  • 交渉力(無理そうなものでも押してくれる人が頼れます)
  • マメかどうか(Inspectionに立ち会ってくれるかどうか、など)

ちなみに私は、待つことがとても嫌な性分なもので、Realtorを選ぶ際には、メールでもテキストでも、こちらからの質問に30分以内、もしくは1時間以内に返信してくれる人を選びました。Realtor探しのプロセスでは、本当にいろんな人がいて、折り返し電話をくださいと言っても完全スルーだったり、レスポンスが遅いことに対して真剣に言い訳する人などもいました。

Realtorのサービス料はかかりません

不動産の売買では、RealtorFeeなるものが、売買価格の6%程度含まれています。基本的にこれを支払うのはSellerですが、契約方法によってはBuyerが負担するとか、折版にするなど、さまざまです。しかし、デフォルト設定はSeller、つまり不動産を売る側が、クロージングの際にこの費用を負担することになっています。

売買価格の6%って、結構な金額です。$200,000の物件なら、6%で$12,000です。これを、売る側のRealtorと、買う側のRealtorとで折半します。つまり、$6,000ずつということですね。

そして、下世話な話をするなら、独立しているRealtorなら、この$6,000はすべて自身の利益となりますが、どこかの不動産業者に所属している人だと、不動産業者と折半になったり、半分以下が自身の取り分になったりするようです。

物件探しは即決がオススメ

アメリカの不動産購入は、じっくり慎重に考えていると、あっという間に他の人に買われてしまう可能性がとても高いです。これは私自身、とても驚いたことの一つです。そのため、事前にしっかりリサーチをして、自分たちに譲れないものを優先順位ごとにリストアップし、満足できる物件があったら、即決するぐらいの勢いが必要です。

家の雰囲気が分かる形容詞とは?

それと、Realtorが物件をどのような形容詞で表現するかによって、なんとなくイメージを掴むことができます。

  • Cozy →狭い
  • Charm →古い
  • Character →ダサい、時代遅れ

これらの言葉は、要注意です。もちろん、古くて小さな家を安く購入して、DIYで変身させたいという人もいます。その場合には、

” We’re Fixer Upper.(私たちはリモデルなどで家を価値を上げることが得意なの!”

と言えば、Realtorは喜んで、古くて汚く、修理が必要そうな家を紹介してくれることでしょう。

ちなみに、私が探していた家は、

  • Open (Open conceptとも言う) →間取りが開放的
  • Bright →光が入って明るい
  • Move-in Ready →修理の必要がなく、掃除やペイントなどもすべて終了しており、すぐに入居できる

でした。Move-in Readyは、Fixer-Upper物件と比べると当然ですが高額になります。しかし、引っ越しで疲労困憊している時に、家のことでストレスを抱えたくなかったので、私は不動産探しをする際には、まずRealtorにこの3点を明確にしました。そして、Cozy、Charm、Characterな物件は、時間の無駄なので見せないでくれ、ともお願いしました。

早く決めるなら事前リサーチが必須

Realtorも忙しいので、一日中つきっきりで物件探しを手伝ってくれるわけではありません。viewingという内見も、多くても1日3件程度しか連れて行ってくれません。

しかし、これは交渉次第でどうにでもできます!

引っ越し先や転勤先で不動産探しをするなら、何度も足を運べませんし、長引くとホテル生活が長くなってしまいますよね。

私が実践したことは、ネットでRealtorを見つけてコミュニケーションをとり、Zillowrealtor.comなどで見つけた物件をリストアップしていきます。

実際の物件を見ずに決めるのはさすがにリスキーでしたので、3日間だけ新天地へ下見のために足を運び、Realtorには「この日で決めるので、1日中時間を作ってほしい」とお願いしました。

Realtorはとても協力的な人で、viewingを6件したあと、その日のうちにオファーを入れることができました。

Earnest Money Deposit(手付金)を入れる

気に入った不動産に正式にオファーする際には、Earnest Money Depositと呼ばれる手付金をいれます。これは、物件の価格によって変わるのかもしれませんが、$200,000~$400,000程度の価格の不動産なら、Earnest Moneyは$1,000ぐらいが相場です。

これは、手数料ではなく手付金なので、最終的に家をClosingする際には、そこに組み込まれます。ただし、書いたチェックがClosingの時まで監禁されないというわけではありません。チェックを描いて渡すと、数日中に換金されるので、注意してくださいね。

ちなみに、このEarnest MoneyはNon-Refundableです。もしローンの審査に通らなくても、戻ってきません。

3.ステップ3:物件が見つかったら、いよいよMortgage申請

気に入った物件が見つかったら、いよいよ住宅ローン(Mortgage:モゲージ)を申請します。申請するのは、Pre-approvedをもらった金融機関です。ここからいよいよ本格的に、ローンの利子や毎月の支払、そしてローンを通すために必要な書類を提出する作業が始まります。

金利はどうやって決まる?

ローンの申し込みをすると、クレジットチェックをした上で、金利(Interest rate)がどのぐらいになるのか、そして30年Fixed Loanだと毎月の支払がいくらになるかという点で見積もりを出してくれます。

金利は、クレジットスコアによって変わりますが、スコアが800前後ある人なら、その金融機関が提供する金利の中でも最低金利を獲得できる可能性が高いので安心してください。

スコアが700以下になってしまうと、金利面ではかなり不利な状況になってしまうかもしれません。低金利で借りられる人と比較すると、毎月の支払がずいぶん高くなってしまうので、場合によっては「負担が大きすぎて買えない」状況にもなりかねません。

ポイントとは?

提案された金利を下げる方法の一つに、Point購入があります。これは、いくらか費用を払う事で金利を下げてもらえるというものです。自身のFICOスコアが高くても、市場の金利情勢が良くなければ、金利は高くなってしまいます。そんな時に、ポイントを購入することで、金利を下げてもらうことができ、毎月の住宅ローン返済額を低く抑えられるのです。

ポイント購入については、金融機関によって異なりますし、金融情勢によっても変わると思います。例えば、3%の金利を2.9%にするなら$1,000、2.8%にするなら$1,800、のようにいくつかの選択肢があり、選べます。もちろん、購入しないという選択もできます。

どんな書類が必要?

住宅ローンのプロセスでは、主に収入と雇用に関する書類の提出を求められます。

  • 過去3年分の納税状況(1040フォームとかW2フォームなど)
  • 資産状況(審査に含めたい口座をリストアップし、過去の明細書を提出します。これはかかり数年分ではなく、過去数カ月分程度でOKです。私は、Saving AccountやIRA口座、職場でしている401K口座などを提出しました。
  • 雇用状況。雇用主から何かを取得する必要はなく、いつから働き始めたという自己申告でOKです。

ちなみに、これらの書類は、Mortgageの申請をする前に分っていることなので、マイホームを購入すると決めた時から少しずつ準備しておくことをおすすめします。特に金融機関からのステートメントは、全てPDFなどのデジタルで提出しなければいけません。フォルダに分かりやすいラベルを付け、整理して見やすくしてから提出すると、感謝されますよ!

働きながら金融機関とのやり取りは大変

我が家では、住宅ローンの手続はすべて私が担当しました。毎日朝から晩まで連絡が必要ということはないものの、ローン会社から「この書類を提出してください」とか「この部分の説明をしてください」的なメールは結構頻繁に来ました。書類などは速やかに提出しなければいけませんし、説明する場合にも、明確かつ簡潔に説明することが求められます。結構ドキドキしますし、ストレスにもなりました。

もしもカップルのどちらかが専業主夫や専業主婦、もしくはパートなどで自宅にいる時間が多いなら、ぜひその人が手続き対応をすることをおすすめします。

私は、普段の仕事は自宅が多く、しかもパソコンを使って作業しているため、メールが来たらリアルタイムで分かります。そのため、必要だと言われた書類も速やかに提出できたので、手続きは比較的スムーズに進みました。

4.ステップ4:魔の30日間がスタート

住宅ローンのプロセスは、一般的に申請してから30日でのクロージングを目指すと言われています。審査のプロセスは簡略化されていないものの、確実にスピードアップしているようですね。

この30日間というのは、必要な書類がすべて提出されて問題なかった場合のコトです。もしも書類に不備があったり、もっと必要な書類が増えたり、審査が難航すると、当然ですが時間はかかります。その点は、覚えておきましょう。

お金の動きには要注意

住宅ローンのプロセスでは、注意しなければいけないことがあります。それは、審査が終了するまでは、可能な限りお金は使わないということです。

  • クレジットカードでショッピングするのは少額でもNG
  • ローンを組んだり、新しく車を買うのもNG
  • 貯金を引き落とすのもNG。口座間の移動もダメ。ただし入金はOK。

ローンがクローズするまでは、とにかくお金は使わない、何も買わないことを徹底してください。このぐらいなら大丈夫かな、と思っても、大丈夫ではないことが多いです。もしも大丈夫でない場合、ローンが不承認となり、住宅ローンが組めません。つまり、不動産も購入できない結果となってしまいます。

引っ越した先で家具を買うのにカードを使いたいというのも、クローズするまではNG、待ちましょう。

私の場合、普段の生活で浸かっているチェッキングアカウントは、審査の対象に含めていなかったので、問題ありませんでした。しかし、クレジットカードはお財布から出して自宅に置いておき、ネットショッピングなどもすべて一時的に凍結しましたね。

不動産購入のダウンペイメントを引き下ろしたい

預貯金の中には、不動産を購入する際に必要となるダウンペイメントもあるでしょう。それを引き落とすのも、ローン業者から審査完了の連絡が来るまでは待ちましょう。

私の場合、ローンを組む際に、「頭金がこのぐらいになるから、この口座とこの口座からいくらずつ引き出そうと考えています」と事前に申告しました。できれば時期に余裕をもって早めに下ろしたかったのですが、ローン業者から「クローズの準備ができるまで、下ろさないように」と言われ、結局、口座間の移動ができたのはクローズの1週間前でした。

5.ステップ5:いよいよクロージング

ローン業者から「クローズの準備が整いました」と審査完了の連絡が来たら、いよいよ最終段階です。不動産の初期費用を持って、クロージングを行います。

不動産のクローズは、不動産名義の書き換えなどが作業があるため、Taitleカンパニーと呼ばれるところで行います。法律事務所というわけではありませんが、Title Officerと呼ばれる人が仕切り、売主とそのRealtor,買主とそのRealtorが一堂に会して行います。

クロージングの際に必要な書類は、

  • 身分証明書
  • 初期費用(現金持参はNG。事前に銀行でCheckを発行してもらいます。)

夫婦でJoint名義なら、どちらも出席が必要

不動産を購入する際には、夫婦でJoint名義にすることが多いですよね。うちも、そうしています。この場合には、クロージングの際にも、夫婦が両方同席することが必要です。

出席できない時にはどうする?

遠方に住んでいるために出席できない時には、夫婦の片方が出席して、もう一人は委任状を提出するという形でも認められます。ただし、そのためには前もって準備しなければいけない分厚い書類があります。

その書類は、まるでちょっとした本のように分厚くて、おそらく100ページ以上はあったような気がするのですが、夫婦どちらも署名しなければいけない箇所が複数カ所あり、1つでも抜けていると、書類不備となってしまいます。

私も実は、現在住んでいる自宅を購入した時には、遠方からの引越しで、子供の学校などがあったため、夫だけがクロージングに出席しました。事前に分っていたので、Realtorにもローン会社にも伝えておいたのですが、クロージングのギリギリ前になって分厚い書類を夫が渡され、「署名をしたらNotarizeし、奥さんにも署名してもらってNotarizeし、それをこちらに返送するように」と言われたのです。

署名をするだけなら、その日にできますよね。しかし、引っ越したばかりの新天地でNotarrizeできるオフィスを検索してアポを取り、それを郵送で私が住んでいる場所まで送り、私も署名したらNotarizeしてもらい、書類を返送するという作業を、とても限られた時間で行わなければいけませんでした。

実際、ギリギリで間に合ったからよかったのですが、間に合わなければクロージングの予定日時が変更となったことでしょう。

ちなみに、Notarizeは法律事務所で対応してもらえるのが一般的ですが、近年ではUPSでも対応可能となりました。UPSならアポなしで行けますし、費用もリーズナブルなのでおすすめですよ!

投稿者: samuraipassport

こんにちは!アメリカ在住のジャーナリスト兼ライターです。アメリカへの移住から生活まで初心者が知っておきたい情報を発信していきます!アメリカに住んでみたい人や海外に憧れている人にとっても役立つ情報が満載です!

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