アメリカで新築の家は不人気?その理由とは?

新築というと、日本人の私なら浮足立ってしまいます!しかしアメリカでは、新築は必ずしもそんな嬉しい反応をする人ばかりではない模様。どうして新築なのに嬉しくないのでしょうか?その理由を、私は4年ほど前に経験しました。

目次

  1. 理由1:Move in Readyとは限らない
  2. 理由2:快適さを求めるとカネがかかる
  3. マイホームの購入で注意すること
  4. コスパで選ぶなら築5年前後の物件

1.理由1:Move in Readyとは限らない

アメリカで住宅を購入する際には、

  • Fixer Upper(修理が必要だけれど安い)
  • Ready to Move-in(そのまま荷物を搬入すれば快適に住める、値段は高め)

などがあります。

新築の場合には、壊れていて修理が必要という事は少ないので、Ready to Move-inに分類されるのでしょう。しかし実際には、どこがReadyじゃ!と叫びたくなるような状況は多いです。

一般的に新築の物件には、

  • 窓にカーテンもブラインドもついていない。外から丸見え。
  • 壁はもちろん真っ白け
  • 家電などはすべて未使用なので、配線ミスなどで使えない!という事は多い
  • 庭を見ると木が1本もない
  • 芝生すら敷いてないことも普通
  • 庭にフェンスすらない
  • 玄関のドアにデッドボルトがついていない。ピッキングで簡単に開く。
  • ガレージの扉がなんと手動。リモコンとか一切なし。
  • 庭に面したキッチンのドアを開けると、庭へ降りる階段すらなくてまるで崖。安全対策としてえ柵がついている。

などがあります。これらすべてをDIYで対応できれば良いですが、業者に依頼すると信じられない高額な費用を徴収されます。

ちなみに、以前に新築物件を購入した友人は、なんと窓が上下さかさまについていたのだとか。欠陥なので無償修理してもらえたようですが、その状態で1年間暮らしたそうです。

2.理由2:快適さを求めるとカネがかかる

私たちが購入した家も、上記の項目に該当することは多く、全部を早急に対応すると、数万ドルという出費がかかることが分かりました。自宅を購入する際にすでにいろいろな諸経費でお財布は空っぽなのに、自宅をクローズして鍵を受け取った後でも出費は止まりません。

結局、やりたい箇所すべてを一気に実践することはできず、まずは早急に必要な部分のみを選んで業者へ依頼しました。

  • 庭にフェンスをつけた→それほど広くもないのに9,000ドル
  • 窓にブラインドを設置→大小様々なサイズの窓が25個もあって3,000ドル
  • 真っ白な壁で気が狂いそうだと夫が言うので、業者にペンキ塗りを依頼→4,000ドル
  • ガレージの扉をリモコンで開閉できるようにした→1,000ドル
  • 玄関のドアにデッドボルト→確か500ドル程度
  • 裏庭にパティオを設置→4000ドル
  • ホームセキュリティの設置→大した数をつけてないのに1,500ドル
  • 天井についてた学校みたいな蛍光灯を別のライトに交換→1,500ドル

本当は庭にパティオではなくて屋根付きでスクリーンポーチのデッキにしたかったのですが、見積もりは4万ドルと言われたので、あきらめました(涙)。

3.マイホームの購入で注意すること

アメリカでマイホームを購入する際には、注意したいことがあります。それはただ一つ。

鍵をもらったら、後はぜーんぶ自分の責任

という事です。これは新築物件でも中古物件でも同じで、修理が必要な個所は売買契約書にサインして鍵を受け取る前にしっかり対応してもらわなければいけません。

もちろん、自分が欲しい設備をリクエストしても、対応してもらえることは少ないでしょう。「買った後に自分でやれ」と言われるだけです。しかし、家電の配線ミスで動かないといった欠陥部分は、事前に言えば対応してもらえます。それなら、自分たちにコストはかかりません。

しかし鍵を受け取った後だと、自分で業者に依頼して治してもらうか、DIYで試行錯誤するしかなくなります。コストがかかってしまうわけですね。

慣習的に、Home Insuranceなるものを付けてくれる売主はいます。私もマイホームを売却した時には、つけるように不動産業者から指示されましたし、購入する時には売主がつけてくれました。

想定外の出費

私たちが購入した家は新築のモデルハウスで、見た目はとてもオシャレな雰囲気でした。しかし、見た目がおしゃれ=機能的というわけじゃありません。見た目は良いのに使い勝手が良くないとか、見た目は良いけど作りがチープ、という部分はたくさんありました。

それを、購入してからオーナーがチマチマとリノベーションという名のもとに変更するわけです。

例えば私たちが購入した家の玄関は、ドアは耐腐素材なのですが、フレームの部分で建築コストをケチったらしく、なんと木材が使われてました。年間を通して湿度が高いエリアなので、この地域で建築材に木材を使う家はほとんどありません。それなのに、見た目が良ければなんでもありと思ったのでしょうか、玄関のフレームが木材だったために3年で腐ってしまい、結局私たちで5,000ドルも払って玄関の枠ごと全交換する羽目になりました。

家を購入する際には、購入前に細かい部分までしっかりとチェックをした上で購入することをおすすめします!

モデルハウスで得したこともあった

モデルハウスだったからこれがついてきた!という事もありました。

例えば、ベースメント1,200 sqがすべてカーペットになっていて、おまけにバスルームまでついていたことです。見た目をよくするための策だったのだと思います。

リビングルームには、暖炉(Fire Place)もついていました。ただ作りがチープで、なんと暖炉周りには断熱材ナシ。おかげでキンキンに冷えた風が暖炉の下から吹き込みます(笑)これは、分厚い断熱材でDIY対応しました。

4.コスパで選ぶなら築5年前後の物件

新築の家を購入するようなコストがなく、快適に住めて、それでいて老朽化による修繕費用も掛からない物件を選ぶなら、築5年から10年ぐらいのものが良いと思います(不動産業者談)。このぐらいの築年数だと、それまでにオーナーが数回入れ替わっていて、ある程度のリノベを済ませてくれていることが多いです。

それに、それまで人がそこで生活しているので、家電の配線ミスで動かないなんてこともありません。

築10年を超えると、屋根とかウォーターヒーターなどお金がかかる修理部分が出てきたりするので、それはそれでしっかりチェックをした上で購入することをおすすめします。