ネット界では昨今、頻繁にベーシックインカムの導入が叫ばれています。イエールの成田教授やホリエモンなども、ベーシックインカムにした方が良いとおっしゃっていますよね。
私たちがベーシックインカムと聞くと、これまでの生活を送りながら、プラスで国が毎月いくらかをくれる、とイメージする人が多いかもしれません。しかし、実際にはそうならないのがカラクリですね。
- もらえるのは生きるために必要な最低限の金額だけ。余裕はない。
- 社会保険の制度がなくなり、その中でやりくりしなければいけなくなる。
などが考えられます。そんな中、アメリカではすでにベーシックインカム制度が導入されている地域があると耳にしたので、今回はそれを調べてみました!
目次
1.アメリカのベーシックインカムとは?
アメリカのベーシックインカム制度は、Universal Basic Income(UBI)と呼ばれています。これは、アメリカ政府が行っている公的福祉という位置付けではなく、現在では州の下にある市町村レベルの自治体が独自に行っている政策です。
そのため、全米すべての自治体が実践しているというわけではありません。また、支給される条件や金額も、その自治体ごとに異なっています。
2.ベーシックインカムの目的
アメリカが行っているベーシックインカムの目的は、貧困層の減少にあります。現在、全米で50万人を超えるといると言われているホームレスを救済することを目的としているだけでなく、ホームレス予備軍も救済することが、この制度の目的です。
ベーシックインカムと言うと「働かずに家でゲームしていてもお金が入ってくる便利な制度」だと勘違いする人は多いでしょう。しかし実際には、もっと窮地に追い込まれている人たちを、ギリギリの場所へ引き戻せるかもしれない制度なのです。
そう考えると、働かずにお金がもらえる制度というよりも、フードスタンプとか貧困世帯を対象にした公的福祉と考えたほうが分かりやすいかもしれませんね。
3.どの自治体がやってるの?
この制度を導入している自治体は、たくさんあります。
カリフォルニア州コンプトン | 2020年から2022年までの2年間、市民全員に毎月$450を現金で支給。現在は受付無し。 |
カリフォルニア州ロサンゼルス | 貧困層を対象に毎月$1,000。支給される期間は12カ月間。 |
コロラド州デンバー | 準備中。貧困層を対象に抽選で、一時金で$6,500、毎月$500が支給される予定。 |
フロリダ州アラチュア | 服役経験のある市民が対象。現在は新規申し込みを受け付けていない。 |
ジョージア州 | 毎月$850を2年間。貧困世帯の女性のみ。 |
イリノイ州 | 毎月$500を12ヶ月間。貧困世帯のシカゴ市民が対象。 |
ルイジアナ州 | 毎月$660を12カ月間。一人親の貧困世帯。 |
ニューヨーク州 | 隔週で$500か$1,000を3年間。世帯収入に制限あり。 |
ニュージャージー州 | 半年ごとに$3,000を2年間。新規募集は終了。 |
中には、無条件でお金をくれるという自治体もありましたが、大半は寄付によって運営されている非営利団体による福祉サービスなので、世帯収入には制限があります。
世帯人数 | 年収ライン |
1 | $14,580 |
2 | $19,720 |
3 | $24,860 |
4 | $30,000 |
5 | $35,140 |
6 | $40,280 |
7 | $45,420 |
8 | $50,560 |
ヨーロッパではすでにベーシックインカム制度を広く導入して、成功を収めている地域が少なからずあるようです。アメリカではどこまで普及するのかこうご期待ですが、もしも該当する人は、ぜひ活用してはいかがでしょうか?