私は医療従事者ではありませんが、日々生活している中でも、アメリカと日本とでは医療に大きな違いがあるなと感じることが多くあります。
例えばアメリカでは、医療費が高いので手術をしても入院期間はとても短く、日本だと2週間は入院を余儀なくされるような開腹手術でも3日程度で帰宅します。
しかし、早く家に帰れるからと言って治癒が早まるわけでもなければ、痛みが早くなくなるわけでもありません。病院で寝たきりでも、家で寝たきりでも同じなら、お金かからない家で寝たきりの方が良くない?と言うのが、アメリカ式の考え方なのかもしれませんね。
入院しているなら、痛みがひどければナースを呼んで痛み止めを点滴に入れてもらうことができます。しかし家だと、そんなことはできません。
その場合に備えて、おそらく大半がそうだと思いますが、手術後に万が一襲ってくる痛みに対処するために、医者は麻薬レベルの強い薬を処方します。
「え?麻薬?あの、コカインとかアヘンとかフェンタニルの麻薬?」
と思った方は多いでしょう。
はい、私も思いました。
Opioids, powerful pain medications that diminish the perception of pain, may be given after surgery. Intravenous opioids may include fentanyl, hydromorphone, morphine, oxycodone, oxymorphone and tramadol. Examples of opioids prescribed in pill form after surgery include oxycodone (OxyContin, Roxicodone, others) and oxycodone with acetaminophen (Percocet).
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オピオイド系の薬にも、色々な種類があります。どれを処方するかは、医者次第なのですけれど、薬を受け取る際には身分証の提示をしなければいけない点が、他の処方箋と大きく違います。
全ての医療機関かどうかはわかりませんが、こうした強いお薬を処方される場合には、有効期間が72時間と短かったり、デジタルでは遅れないので紙の処方箋を薬局に持っていかなければならなかったり、安全策がとられていることが多いです。
夫は服用を拒否
去年、夫は大腸憩室症の手術をしました。これは開腹手術で、大腸にできたポリープ的なものを除去する手術でしたが、夫は手術後に来るかもしれない万が一の痛みに供えて、このアヘン系の薬を処方されました。
術後、痛いというのでこの特別な痛み止めを渡そうとした所、夫が薬の名前を見て拒否したのです。万が一にもこういうものを体に入れたくない、と。
実際、アメリカが薬物中毒大国に陥ってしまったもともとの始まりは、医者から受け取った処方箋に対して中毒になった患者が増えたことでした。
こうした強い痛み止めは、飲むと痛みが取れて楽になります。と同時に、次に痛みがいつ襲ってくるのかという不安に駆られてしまうこともあるのだそうです。そのため、痛くならないために飲み続けて自身の不安を解消しようとし、それが中毒へ発展してしまうことが多いのだとか。
快楽を求める薬物中毒者というイメージとは大きく異なっていて、私にとっては目からうろこでした。
ワシントンDCに勉強できる場所がある
薬物に関する学習教材は、ワシントンDCにあるDEA博物館にあります。
ここでは、私達が知らない違法薬物の種類や特徴、具体的にどんな形をしているといった細かい点まで、分かりやすく説明されています。そして、どんな風に中毒に陥っていく人が多いのかという点も、事例を使って紹介されています。
多くの場合、医師の処方通りに飲んでいれば、中毒性が高い薬でも問題になるリスクは最小限に抑えられます。しかし、間隔を短くして飲むとか、水で飲めと言われているのに噛んでしまったり、過剰摂取するなど、飲み方に問題があると中毒になりやすいのだそうです。
生きている人間はすべて、誰もが病気で手術をするリスクはあります。それに術後の痛みに耐えられない可能性もあるでしょう。そんな時に、楽になれる選択肢があることは、患者にとっては嬉しいことだと思います。
大切なことは、処方された薬を飲むのは悪くないと知ること。そして、処方箋通りの服用にとどめることなのかもしれません。
DEA博物館はこちらから
DEA Museum
700 Army Navy Dr
Arlington, VA 22202
火曜~土曜
10am – 4pm