人種差別に直面したら、どうする?

少し前に開催されたアカデミー賞授賞式で、人種差別的な行為がステージ上で行われたのではないかと、X上で大きな議論となりました。

まずはこちらをご覧ください。

ロバートダウニーJrの受賞シーン
エマストーンの受賞シーン

このケースでは、明らかな人種差別的な行為だという意見だという意見もあれば、いやいや必ずしもそうは見えない、という意見がありました。

それでは、こちらはどうでしょうか?

明白すぎて誰も言い訳出来ない人種差別のケース

ちなみにこのアイルランドで起こった人種差別のケースは、メダルを渡さなかった白人女性は、言い訳を頃見たものの上手くいかず、結局は辞職に追い込まれました。

当然なので、誰もこの大人を可哀そうとは思わないでしょう。

人種差別は、誰がどう見ても差別だろうというケースもあれば、その場にいた人しか感じ取れない空気感や雰囲気から微妙に感じ取れる場合もあります。

微妙な差別の場合には、鈍感力が高い人なら気づかないこともあるかもしれません。

私も含めてアメリカで生活している人の大半は、多かれ少なかれ人種差別を経験しています。これからアメリカへ来る人もおそらく、嫌な経験をすることがあるかもしれません。

そんな時には、私達はどのように消化すればよいのでしょうか?

専門家によるおすすめの方法をご紹介しますね。

目次

  1. 無視する
  2. クソ野郎!という気持ちは恥ずかしくない
  3. 落ち着くためにその場を離れる
  4. 場合によっては安全な場所へ避難しよう
  5. 記録を残す
  6. 権利のある人へ報告
  7. 最後の手段はSNS

1.無視する

人種差別は犯罪行為です。その犯罪行為が自分に対して行われているのに、対峙せずに無視しろとは何事だ!という声が聞こえてきそうですね。

しかし、人種差別は心の中に抱えている憎悪というとても嫌な部分から起こるもので、対峙すると事態が悪化するリスクがあります。事態が悪化して暴力行為になったり、ひどければ殺人事件に発展する事態にもなりかねません。

そのため、もしも可能なら無視をすることを専門家は薦めています。

2.クソ野郎!という気持ちは恥ずかしくない

いわれのない人種差別を受けて、気分が良い人なんていません。

このクソ野郎め!!と怒りや憎しみがふつふつとわいてくることでしょう。

その気持ちは、人間としてごく自然の気持ちです。恥ずかしいことはありません。原因を作った人種差別野郎が悪いのです。

3.落ち着くためにその場を離れる

もしも無視することが難しければ、自身の気持ちを落ち着かせるためにその場を離れるという選択肢もあります。事態を悪化させないためにその場を離れたら、深呼吸をしましょう。

その場を離れる際に、人種差別野郎および何も言わずにやり過ごそうという周囲のとりまきたちに対して、丁寧にエクスキューズミーなんて言う必要はありません。黙ってその場を離れれば、人種差別野郎たちはヒソヒソと「あれはマズかったんじゃない?」と話し合いをするかもしれません。

4.場合によっては安全な場所へ避難しよう

人種差別にもいろいろな種類があります。もしも身の危険を感じたら、できるだけ人が多くいる公共の場所へ避難してください。暴力的な人種差別者でも、人が多い場所では手を出さないことが多いものです。

それに人が多くいる場所なら、万が一の時に監視カメラに映るチャンスが期待できますし、誰かが証人となってくれることも期待できます。

5.記録を残す

もしも同じ人から継続的に人種差別的な行為を受けている場合には、記録に残しておくことはとても大切です。

その理由は、もしも将来的にそのクソ野郎を訴訟することになった場合、過去の一つ一つの差別行為も役立つからです。

記録に残す方法ですが、スマホに音声で録音しても良いですし、メモするだけでもOKです。日時を含め、どんなシチュエーションで誰に何をされて、そこにはほかに誰がいたかについても、細かく記録を残しましょう。

6.権利のある人へ報告

繰り返される人種差別行為にウンザリしているなら、職場なら上司へ、学校なら教師やカウンセラー、もしくは校長へ報告しましょう。基本的にアメリカではもみ消されることは、それほど多くありません。きちんと調べてくれます。

報告したことを逆恨みされて、さらに人種差別行為を受けるかもしれません。

そしたら、再び上司へ報告するのです。

事態が一向に改善されない場合には、使えない上司よりも上の上司へ報告したり、警察へ報告したり、弁護士へ相談するという方法も効果があります。

7.最後の手段はSNS

弁護士を雇う経済的な余裕がない場合や、住んでいる地域が人種差別的なエリアで警察もあまり取り合ってくれないという八方塞がりな場合には、最後の手段としてSNSを使うという方法があります。

SNSを使うなら、動画や画像などがあると、より大きな反響が期待できるでしょう。

近年では、もみ消されそうな事件でもSNSのおかげで解決できたというケースは少なくありません。

最後に、↓↓は人種差別に対する私の考えです↓↓

理由は何?人種別に平均年収が大きく違うアメリカ!

今回はアメリカにおける人種差別のお話です。差別のことなんて知りたくないという人、アメリカには人種差別がないと信じている人は、読んで不快になるかもしれません。私のブログで一日を台無しにしたくない方は、読まずに退出されることをおすすめします。

アメリカには、さまざまな人種が生活しています。近年では肌の色による明らかな差別は少なくなってきたとはいえ、まだまだいろいろなところに根強く残っています。なぜなら、それがアメリカの歴史だから。

2022年度における人種別の平均年収を見ると、その差がとてもよく分かります。

人種Average IncomeMedian IncomeTop 1% Income
White Non-Hispanic$75,132$52,011$460,175
Black$51,394$38,800$250,001
American Indian$49,159$35,000$400,000
Asian$83,154$60,000$461,750
Pacific Islander$58,684$42,800$351,025
人種別の平均年収

平均年収の差は、そのまま経済格差へとつながります。年収が高い人は良い生活ができ、広くてナイスな家に住み、子供にハイレベルな教育を受けさせることができますよね。それに、遺産だってたっぷり残せます。

しかし平均収入が低い世帯では、働けど暮らしが楽にならず、ぢっと手を見る毎日が続くのです。頑張ってもその日の暮らしが精いっぱいで、贅沢は敵だを家訓とする家庭も多いでしょう。

こうした経済格差に、自分の力ではどうすることもできない人種差別的な要素が入っていたとしたら?

それが、アメリカが抱えている闇なのかもしれません。

近年では、人種による格差は少しずつ改善されていて、代わりに経済格差が広がっていると言われています。しかし、経済格差の中にも人種差別的な要素がちりばめられていることはご存じでしょうか?今回は、なぜそんなことが起こるのか、理由を検証してみました。

目次

  1. 経済状況
  2. 教育レベル
  3. ネットワーク
  4. そしてまだまだ残っている深層差別
  5. まとめ

1.経済状況

人種別の平均年収を見ても分かるように、人種による経済格差は依然として存在しています。経済弱者はどうしても様々な機会を逃してしまいますし、経済的に余裕がある人ならアクセスできるサービスや機関、そして機会にも無縁となってしまうでしょう。

具体的な例をあげますね。

高収入のお仕事は白人が採用されやすい、というデータがあります。このデータから分かることは、白人がマイノリティより優れているという事ではなく、マイノリティは高賃金のお仕事には採用されづらいという事なのです。

不採用でもマイノリティには生活がありますから、何か仕事を見つけなければいけません。そのため、条件を落とした仕事探しをするわけですね。その結果、低賃金のお仕事に集中してしまいます。

そして次に転職する場合にも、経験がないとかスキルがないと言われたり、より確実に採用されるために条件を落としたところへ応募すれば、今度はToo Overqualifiedと言われて拒否られる。残念ながら、そんな悪循環は現在でも多く起こっています。

2.教育レベル

教育に関しては賛否両論で、学校に行かなくても成功者になれると声高に叫ぶ人も一定数います。確かに、そうした少数の例外もあるでしょう。そして多くの場合、そんなことを言うのはかなり高い確率で白人の男性です。

しかし多くの場合には、教育レベルは雇用機会に大きな影響を与えます。だから、教育レベルは低いよりも高いに越したことはありません。マイノリティは特に、です。

昨今のアメリカで経済的な成功を収めているアジア系が多いのは、教育レベルと大きな関係があります。アジア人は全般的に、親に勉強しろと言われれば素直に勉強するし、勤勉な親に育てられて子供も勤勉になる確率が高いのだそうです。その結果、よりレベルの高い大学へ行って高い教育を受け、給料の高い仕事へ採用されるチャンスが上がるわけですね。

またアジア人に医師や弁護士、会計士など資格取得者が多い理由も、社会に出てからの見えない差別に対抗するための策だと考える人はたくさんいます。それが、子供の大学進学率やどこへ進学するかという点にも影響しているのかもしれません。

3.ネットワーク

これは大人になってから感じることが多いものかもしれません。アメリカには、Good Old Boy Systemという言葉があります。一言でいうなら、「白人男性によるコネ」です。

具体的には、採用や昇進の際には、友達や知り合い、どっかの偉い親や親戚が介入してきて「こいつを雇え」とソフトな圧を掛けてくるわけですね。

それだけではありません。例えば同じような条件の候補がいた時、どちらを雇うかは採用者の判断にゆだねられます。

もしも採用担当が特定の思想や価値観を持っていた場合、マイノリティではなく白人を雇う可能性はとても高くなります。

アファーマティブアクションが現在でも必要だというのは、そうした背景があるからですね。

4.そしてまだまだ残っている深層差別

これは、業界や企業、そして採用に関わる様々なレベルの人達によって作り出されている差別意識です。

例えば、企業へ応募する際には、履歴書を最初に送ります。アメリカの履歴書には年齢や人種などの記載はないものの、名前を見れば人種をイメージできるケースは少なくありません。

  • Hanako Smith →ジャパニーズかなと予想できる
  • John Chang →チャイニーズ系な雰囲気あり
  • Alexander Williams →白人っぽい

みたいな感じです。

提出した履歴書の内容がほとんど同じでも、名前からマイノリティの香りが漂う場合には、なんと面接の連絡がもらえるチャンスは50%以下になってしまうのだそうです。

こうした事実を理解しているアメリカ人のマイノリティは、子供に名前を付ける時には人種が分からないようにと配慮をすることも少なくありません。

5.まとめ

いかがでしたか?書いていて少しずつはらわたが煮えくり返ってきたので、この辺にしておきます。ネットで調べればいろいろ出てくるので、興味のある方はぜひチェックしてみて下さいね。