授業中にガム!トイレ!アメリカの学校はやりたい放題?

アメリカは、個性を大切にする国です。それは学校でも同じで、授業中でも子供たちは日本と比べると自由度が高いような気がします。

授業中にガムをクチャクチャ

日本だと、授業中にガムをクチャクチャ噛むなんて、昭和の時代には不良ぐらいしかいませんでした。しかしアメリカでは、授業中のガムが認められています。

息子が小学校3年生ぐらいの時、友達でガムを噛んでいる子を発見しました。一つ分けてもらい授業中にクチャクチャしてみたところ、本人曰く、集中力がアップしたのだそうです。もちろん、本当かどうかは全く不明です。

それに味を占めた彼は、そこからハイスクールを卒業するまで毎日、朝から晩までガムをクチャクチャしまくっていました。先生に怒られないのかと聞いても、誰にも何も言われない、と。友達におすそ分けすることもあり、2日1箱のペースでガムを食べてました。

私は、少しでも息子のガム習慣にプラスの効果を与えたいと思い、キシリトール入りのガムばかりを与えてました。そのためかどうかは知りませんが、彼はガムを卒業するまでは、適当な歯磨きでも虫歯は一本もありませんでした。

小学校高学年でもおやつタイムがある!

これは学校によって千差万別だと思いますが、学校によっては小学校の高学年でもおやつタイムが設けられている所がたくさんあります。息子の場合、小学校高学年の時に通っていた小学校では、授業中に自由におやつを食べてよいシステムとなっていて、各自食べたいおやつを持ってきて、自由に食べていました。授業と並行しながら食べられるおやつに限定されていたものの、お弁当箱みたいな容器を開けてフルーツを食べていたり、ドーナツやマフィンなどを食べる子もいました。

トイレは自由に行き放題!

woman studying inside the classroom

日本の学校では、トイレは授業の間に行かなければいけないというルールがありますよね。授業中に手を挙げてトイレに行きたいといっても、先生に却下されたことが多かったものです。

しかしアメリカでは、トイレは授業中に手を挙げていくシステムとなっている所が多いです。特に小学校では、授業と授業の間の休み時間というものが明確ではなく、あっても移動時間となってしまうため、トイレに行きたい人は、自分のペースで先生に申告して行けるわけです。

クラスによっては、友達同士でトイレに行ったまま帰ってこないという事態を避けるため、1度に行けるのは1人だけというルールを設けている先生もいました。また別の先生はトイレパスなるものを自作して、トイレに行く時にはそのパスを子供に渡していました。

ミドルスクールになると、授業の間は教室の移動時間となるため、のんびりトイレに行く時間はやはりありません。そのためトイレは、やはり授業中に手を挙げて行く子が多いです。

テストが終わったらスマホで遊んでもOK!

日本では、テストの時間内に終了した場合には、見直しをするか、机に突っ伏して寝るかの2択しかないと思います。しかしアメリカでは、テストを終了したら目の前にいる先生へ提出し、残りの時間は静かにしていれば何をしてもOKなことが多いです。もちろん寝ても良いですし、スマホでゲームをしてもOKです。

息子もミドルスクールになってからは、このシステムがとてもお気に入りだったらしく、スマホといっしょにイヤホンを持参していました。イヤホンをうっかり忘れた日には、最悪な機嫌で帰宅することもありましたね。

学年がミックスのクラスがある!

すべての学校にそうしたクラスがあるわけではありません。これは小規模な学校に多いのですが、例えば2年生と3年生とミックスしたクラスなどが、アメリカにはあります。

息子が小学校2年生の時、1年生の生徒数と2年生の生徒数の数が半端だという事で、1年生と2年生を混ぜたクラスが作られました。2つの学年があるからと言って担任が2人になるというわけではなく、一つのクラスの中で、限られた時間の中で、担任の先生が1年生と2年生の両方を教えるというわけです。

1年生にとっては、上の学年の内容も学べるという事で、親は大歓迎でしたね。でも2年生の親は、大反対。だって2年生で学ぶべきところを完全に網羅してもらえないことが分かっていましたから。

カリキュラムという点では、親も子供も満足度はそれほど高くはなかったようです。実際そうしたクラスに入った息子の友人は、不満しかなかったと言っていました。

アメリカで暮らすならアマゾンプライムはマスト!?

アメリカは国土が広く、いろいろなショップに素敵なアイテムがたくさんあります。しかし、店舗によっては売り切れていたり、欲しいものが見つからないということは多いものです。品ぞろえがしっかりしていて、万年在庫切れなんてことが少ない日本から渡米してきた人にとっては、イライラしたりガッカリすることも少なくありません。

そんな人にぜひおすすめなのが、アメリカ人なら全員持っていると言っても過言ではないアマゾンプライムです!

目次

  1. アマゾンプライムとは?
  2. ビデオも見放題!しかも無料!
  3. 音楽好きにおすすめ!Prime Music
  4. Kindleだって読み放題
  5. 写真の保存もアマゾンプライム
  6. 会員限定のセールへ売り切れ前に参加できる

1.アマゾンプライムとは?

アマゾンプライム(Amazon Prime)とは、いわずもがなAmazonが提供している有料会員サービスです。日本版アマゾンでも、ありますよね?アメリカ版のアマゾンプライムの魅力は、なんといっても送料無料で最速宅配をしてくれるという点だと思います。広い国土なのに注文してから配達されるまでの日数はわずか2日。早ければ翌日に届く、なんてことができるのも、アマゾンプライムならではです。

しかも、アマゾンプライムを利用すると、送料がかかりません。最低利用金額がいくら以上でなければ送料無料、なんてルールはなく、1ドルとか2ドルのショッピングでも、送料無料で送ってもらえます!

Amazon Primeについての詳細はこちら

2.ビデオも見放題!しかも無料!

Amazon Primeのメンバーになると、動画のストリーミングサービスも無料で利用できます。映画やテレビドラマなどが約2万作品、いつでもオンデマンドで見放題です。

ビデオのストリーミングサービスというと、アメリカではNetflixとかHuluなどがよく知られていますよね。どちらも魅力的な作品が充実していますが、アマゾンプライムも負けていません!最新の映画はもちろん、レトロな作品まで、幅広く取り揃えています。

ただし、日本のアマゾンプライムが揃えている映画のラインナップとは異なるという点がデメリットですね。日本語には対応していないので、中には日本作品もありますが、全部というわけではないですし、かなーり少数となってしまいます。

アマゾンプライムのビデオは、スマホに保存すれば、携帯して外出中に楽しむこともできます。

3.音楽好きにおすすめ!Prime Music

アマゾンプライムには、音楽好きをうならせるPrime Musicというサービスも無料でついています。こちらもストリーミングサービスで、常時100万曲以上を無料で楽しめます。

しかも、アプリをダウンロードすれば、スマホやタブレットに音楽をダウンロードできるので、オフラインの状態でも音楽を楽しめるという特典もついています!

4.Kindleだって読み放題

アマゾンの電子書籍Kindleも、プライムメンバーなら読み放題です。全部の書籍が無料で読み放題というわけではありませんが、無料で読める作品はたくさんあり、中にはマンガなどもあります。しかも、マンガは10冊までは無料でレンタルができるので、10冊をまとめレンタルして、1冊読み終えたら11冊目を追加レンタルする、という必殺技も使えます。

また、毎月追加で$9.99を払えば、Kindle Unlimitedメンバーとなり、無料で楽しめる作品の数がさらにアップsます。

Kindle Unlimitedの申し込みはこちら

5.写真の保存もアマゾンプライム

アマゾンプライムでは、スマホやタブレットに保存されている写真やビデオを、Amazonが提供するクラウドで保存できるサービスも提供しています。ストレージできる容量は、なんと無制限。こちらは完全無料のサービスというわけではありませんが、毎月かかる料金はリーズナブルなので、ぜひおすすめです。

アマゾンフォトへこちら

6.プライムメンバーはセールへ早めに参加できる

アマゾンプライムメンバーになると、ブラックフライデーやAmazon Prime Dayなどビッグなセールに、他の人より30分早く参加できるという特典がついています。ビッグなセールにいち早く参加すれば、あっという間に売り切れてしまう商品でも、確実にゲットできそうですね。

どんどん増えてる!アメリカのスーパーの無人レジ!

アメリカのシアトルにある「支払わなくても自動的に商品をスキャンして支払えるAmazonストア」が日本へ上陸することは、大きな話題となっていますよね。そこまで画期的なシステムではありませんが、アメリカではコロナの少し前あたりから、利用者がセルフで商品をスキャンして支払うという無人レジが増えています。

目次

  1. 無人レジとは?
  2. 無人レジでの支払い方法
  3. 無人レジの使い方
  4. 無人レジで困ったときにはどうする?

1.無人レジとは?

無人レジとは、買い物を終えて支払いをする際に、レジの所にスタッフがおらず、利用者が自身で商品をスキャンして支払いを済ませるという新しいショッピングのスタイルです。アメリカにあるすべてのショップがこの無人レジを導入しているというわけではなく、多くの場合にはWalmartやスーパーのようなチェーン店舗を持つ、大型の食料品店が多いです。

無人レジ機は、英語での会話に自信がない人にとっては、大きな味方です。アメリカのスーパーでは、スモールトークと呼ばれる「たわいのないおしゃべり」が一般的で、レジの人とお客さんが「元気?」「調子はどう?」なんて、正直どうでも良さそうな会話をします。英語に自信がない人にとっては、この会話がとてもストレスだ、ということもありますよね。そんな時、無人レジ機を使えば、英語でのコミュニケーションが不要になるので、精神的にとても楽です。

2.無人レジでの支払い方法

無人レジでの支払い方法は、クレジットカードやデビットカードなどのカード類、そして現金という支払い方があります。コロナの影響で不要な接触を避けるため、現金での支払い方法が選択できなくなり、カード払いのみとなった無人レジもありますが、これはカード社会のアメリカならでは、と言えますね。

もしもカード払いしか受け付けていないレジ機の場合には、商品のスキャンを始める前の一番最初の段階で、「現金の受付はしていません。それでも良いですか?」というスクリーンが出てくることが多いので、お金を支払う段階になって「現金が使えない!なんじゃこりゃ!」となることはありません。

ちなみに、無人レジ機の中には、キャッシュバック機能がついているものもたくさんあります。キャッシュバックというのは、ショッピングをした際にカード払いをした時に、お釣りとして現金を受け取るという仕組みです。

例えば、20ドルの現金が必要だけれど、お財布に入っていないとします。通常なら、銀行のATMに行って引き出しますよね?もちろん、その方法でもOKです。しかし、キャッシュバックという方法を使えば、ATMに行かなくても20ドルをゲットできます。

スーパーで買い物をする時、例えば15ドルのショッピングをして、20ドルをキャッシュバックしたいとリクエストします。そうすると、支払い総額は、買い物分の15ドル+キャッシュバック分20ドル=合計35ドルとなり、35ドルがカードにチャージされます。そして、キャッシュバックの20ドルが、お釣りという形で出されます。

無人レジ機でも、キャッシュバックに対応している所は多いです。スーパーとATMの2カ所に行くのは面倒だなという時や、近くに銀行のATMがなく、別の銀行のATMを使うと手数料がかかってしまうという時には、キャッシュバックをすることによって、手数料がかからずに現金を調達できます。

ただし、キャッシュバックはデビットカードだけです。クレジットカードで支払いをする際には、キャッシュバックはできません。

3.無人レジ機の使い方

無人レジ機の使い方をご紹介しましょう。

無人レジ機の前に立つ

スーパーの中には、無人レジ機が複数並んでいるエリアと、従来通りレジの人が商品をスキャンしてくれるエリアとがあります。無人レジの場合には、「Self Checkout]などの張り紙が出されていることが多いですし、通常は店舗の入り口付近にあるので、探したけれど見つからないという事態にはなりません。

無人レジ機は、混んでいると入り口のところで人が列を作って並んでいます。「 Are you in the line?」 (列にならんでいるのですか?」と聞いて、列に並べばOKです。

通常、無人レジと言っても、複数台の無人レジを管理しているスタッフが、すぐそばにスタンバイしています。トラブルが起こった時には、そのスタッフが対応してくれます。

商品のスキャンを始める前に

スーパーの中には、メンバーシップ会員になっていると、お買い得なディスカウントを利用できることがあります。無人レジでは、まず最初にメンバーシップのカードをスキャンしてくださいと画面に表示されます。レジの画面はすべてタッチパネルなので、分かりやすいですし、操作もしやすいですね。

メンバーシップのカードがない場合には、SKIPとかSCAN MY ITEMなどのボタンを押せば、すぐに商品のスキャンを始められます。

スキャンは簡単

商品のスキャンは、とても簡単です。無人レジ機の中央部分に、センサーを搭載した透明な窓口があるので、そこに商品のバーコードをスキャンさせます。スキャンすると、ピッと音が鳴り、スクリーンには、何をスキャンしたのかが表示されます。

スキャンしたものは、すぐ隣にある台の上に置き、次の商品をスキャンしましょう。

買い物バッグは有料?

2020年あたりから、アメリカでは使い捨てのビニール袋の利用が禁止となりました。そのため、州によっては、何回でも使えるバッグを買い物袋の代わりに提供していたり、しっかりした紙袋を提供して、1枚0.5セントのように有料で販売している州もあります。州によっても店舗によっても、どんなバッグを無料・有料で提供するかという点は異なりますが、有料の場合には、最後に「バッグはいくつ使いましたか?」とスクリーンに質問が表示されて、数を入力すると、その分の料金が加算されます。

自身の買い物バッグを持参してもOKです。私は、普段車の中にアマゾンで購入したバッグを入れて置き、バッグが有料のショップで使うようにしています。店舗で購入するよりもリーズナブルですし、意外と頑丈なので、おすすめです!

重たいアイテムはハンディスキャナーが便利

水のケースやお米など、重たいアイテムをわざわざ持ち上げてスキャンすることは、正直とても大変ですよね。そんな時には、ハンディスキャナーを使うのが便利です。無人レジの多くにはハンディスキャナーがあり、それを掴んでスキャンしたい部分にかざしてボタンを押すと、ピッとスキャンしてくれます。

支払いは最後

商品のスキャンがすべて終了すると、いよいよ支払をします。支払いは、商品をスキャンしたガラスの窓口ではなく、無人レジ機のすぐ隣についているカード決済機を使います。

商品スキャンが終了したら、スクリーンの右下に表示される「FINISH&PAY]ボタンを押してください。そうすると、支払いをどの要するか、つまりキャッシュかカードかを選択するボタンが現れます。

キャッシュを選択すると、レジ機の右側(が多い)についているキャッシュの入れ皿部分が点灯します。そこに、お金を重ねて入れましょう。判別不明なお札は、同じところから戻されるので、向きを変えたりシワを伸ばしたりして、再チャレンジすればOKです。

キャッシュ払では、もちろんですがお釣りも出ます。ピッタリでなければいけないわけではないので、安心してくださいね。

カード払いの人は、レジ機のすぐ隣についている黒い小さなカード決済機にカードを挿入します。PIN(暗証番号)を入力しろと言った指示が、カード決済基に出るので、それを済ませればOKです。

支払いが済むと、レジ機からレシートが出てきます。出てくる場所は、キャッシュを入れた窓口のすぐそばが多いですね。マシンによって若干スペックが違うので、必ずしもすべてのマシンが同じ作りになっているというわけではありませんが、レシートがスーッと出てくるので、分かりやすいです!

トラブルや分からない時にはスタッフを呼ぼう

無人レジ機の使い方が分からないとか、レジがよく分からない反応をしていて次に進めない時には、無人レジ機を担当しているスタッフを呼びましょう。アイコンタクトをして手をあげれば、すぐに来てくれます。特に難しい説明をする必要がないケースが多く、「This just popped up(こんな画面になった)」とか「Could you fix this?(直してください)」など簡単な言葉だけで対応できます。

4.無人レジ機で困ったらどうすれば良い?

無人レジ機でスキャンしていたら、「スタッフの承認が必要です」とメッセージが出て、それ以上は先にすすめなくなってしまうことが、たまにあります。これはいくつかの理由があり、

  • アルコールなど年齢確認が必要なモノを買おうとした
  • 市販薬を買おうとした
  • スキャンの窓口で同時に複数をスキャンするなど、意味不明な行動をした

などが挙げられます。アルコールを買う際に身分証明書の提示が必要なのは、理解に難しいことはありませんが、アメリカでは市販薬を買う際にも、身分証明書が必要です。ということは、おそらく18歳未満は鎮痛剤などの市販薬でも、保護者なしでは買えないということなのでしょう。

また、無人レジ機のスキャンは、ガラス面にピッタリくっつけなくても、少し離れた場所のものもスキャンできるセンサーがついています。そのため、複数の商品が同時に感知されてしまうと、センサーが戸惑ってしまい、スタッフを呼べというメッセージが表示されるわけですね。

私は以前、右手に商品を持って、左手でスキャンをしながら袋に入れるという流れ作業をしていました。どこかのタイミングでショップのセンサー感度が高まり、私のこのマルチタスクは、どうやら不審な行動に写ったようで、何回もセンサーが戸惑ってスタッフを呼ばなければいけなかったことがありました。その度にスタッフがやって来ては、録画映像を確認して、「この商品はスキャンしたの?」などと質問(というより尋問)を受けましたね。3回も呼びつけられたスタッフのイライラに対して、私もイラっとしてしまい、「このマシンはマルチタスクには対応していないのね!」と悪態をついてしまいました(汗)

アメリカの大学費用事情!人によって学費は違うシビアな世界!

アメリカの大学は、学費が世界1高いと言われています。CollegeBoardの調査によると、アメリカの州立大学では、年間にかかる平均の学費は$22,000(約220万円)とも言われていて、その上昇は現在でも右肩上がりに続いています。

アイビーリーグのような私立名門大学となると、年間にかかる学費は、なんと$70,000~$80,000。日本円にすると、年間で1000万円近くの学費を、4年間も払わなければいけないことになります。

このアメリカの大学にかかる学費は、さまざまな点で日本と大きく異なります。

目次

  1. アメリカの学費は大学によって異なる
  2. 同じ大学でも世帯によって学費は違う?
  3. FAFSAとは?
    • FAFSAに影響を与える要素とは?
  4. 我が家のContributionはいくら?
  5. EFC=支払う学費?
    • Student LoanやWork Studyが加算
  6. EFCが考慮されないケースもある
  7. FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!
  8. FAFSAをファイルするメリットとデメリット
  9. EFCケーススタディ

1.アメリカの学費は大学によって異なる

アメリカの大学は、それぞれ学費は異なります。これは、日本でも同じですね。同じ学部を専攻しても、学費が高い大学もあれば、リーズナブルな大学もあり、それぞれの世帯の懐事情によって、払える大学を選ぶわけです。

これは、アメリカの大学でも同じです。一般的には、州立大学は私立大学よりも学費がリーズナブルだと言われていますが、州立大学なら絶対に安い、なんてことはありません。年間にかかる学費が1万ドル以下のリーズナブルな大学がある一方で、州立なのに年間の学費が3万ドルという大学もあります。

私立は、全般的に学費は高くなります。奨学金などを一切含まない学費だけを見ると、年間の学費が7万ドルという大学も珍しくありませんし、平均すると約4万ドルぐらいになります。これ、4年間にかかる学費ではありません。1年間にかかる学費です。

アメリカの大学は、基本的に全寮制です。しかし、自宅がすぐそばにあり、通学したいと希望すれば、2年目からは通学が認められるケースが少なくありません。学費の計算には、Tuitionと呼ばれる授業料に加え、Room&Boardと呼ばれる寮費と食費などがあります。ザックリとした平均をまとめると、

コミュニティカレッジ州立(In-State)州立(Out of State)私立大
Tuition$3,500$10,000$26,000$36,000
Room&Boardなし$12,000$12,000$13,000
年間の合計$3,500$22,000$38,000$49,000

となります。

コミュニティカレッジは、2年制の大学で、社会人の受け入れもしています。基本的に寮はなく、自宅から通学するのが一般的です。

州立大学においては、自宅が州内にあるのか州外にあるかによって、学費が大きく変わります。学費を少しでも安く抑えたい場合には、州内にある州立大学を見つけるのが得策です。

私立大学の場合には、州内や州外という要素は、学費においては関係ありません。自宅がすぐそばにある場合には、2年目から通学することによって寮費を節約することは可能ですが、それでも授業料が高いため、全体にかかる学費は高くなります。

2. 同じ大学でも世帯ごとに学費が違う?

アメリカの大学には、日本と異なる大きな特徴があります。それは、同じ大学でも、支払う学費は世帯ごとに大きく違うという点です。

アメリカには、貸与ではなく賞与タイプ(返済不要)な奨学金があります。奨学金を全く利用せずに、年間数万ドルの学費を払う富裕層も、もちろんいますが、庶民を自負する世帯の大半は、奨学金の対象となります。そのため、高額な学費を全額まるまる払う世帯は、それほど多くありません。

実際に学費がいくらになるかという点については、大学から合格通知を受け取る際に、Finaicial Aid Packageとして通知されます。これが、初年度の自己負担分となります。Financial Aid Packageは世帯の収入によって計算されるため、同じ大学に通う生徒でも、学費を年間1万ドル払う生徒もいれば、8万ドル払っているという生徒もいますし、貧困世帯になると学費は年間500ドル、というケースもあります。

実際に自分がいくらのFinancial Aidをもらえるかという点については、毎年10月1日~始まるFAFSAという手続きをすることで、州立大学の場合にはおおよその学費の目安が分かります。

3.FAFSAとは?

FAFSAとは、アメリカに存在する州立・私立の大学すべてが利用しているファイナンシャルエイド制度のことで、US Department of Educationが管理しています。

Free Application for Federal Student Aidを略しています。アメリカ国民を対象とした公的な制度なので、日本からの留学生は、残念ながら対象にはならない可能性が高いですね。

アメリカにある州立および私立の大学で、奨学金制度を利用する際には、かならずFAFSAを事前にファイルしておかなければいけません。この手続きはすべてオンラインで行うのが特徴で、主に世帯の収入や資産についての質問をされます。20分ぐらいに及ぶ質問を終えて情報を送信すると、FAFSA独自の計算に基づいて、EFCという世帯負担額が計算されます。

EFCとは、大学の費用で親が負担してくださいね、という自己負担分のことですね。必ずしも、どの大学でもEFC通りというわけではありませんが、大学ごとに「それなりに」参考にはしてくれるようですね。

FAFSAの記入方法についてはこちらから

FAFSAに影響を与える要素とは?

  • 家族構成(子供が何人いるか)
  • 同時期に大学生となる子供は何人いるか
  • 世帯の収入
  • 住居形態(賃貸か所有か)
  • 住宅ローンの有無
  • 預貯金の額
  • その他の収入
  • 過去に低所得世帯として公的な制度を利用したことがあるか

などがあります。都市伝説では、FAFSAをできるだけ少なくするために、預貯金を親族名義に移し、仕事も止めて無職になる人もいる、なんて話がありますが、実際にそこまでしている人は見たことも聞いたこともありません。それに、FAFSAは毎年ランダムもしくは疑わしい人を調査しており、調査が入ると国税局などと連携して預貯金や収入などが調べられます。そして、虚偽の申請、または悪質なケースと認定されると、その世帯ではFAFSAを利用できなくなってしまいます。

4.我が家のContributionはいくら?

FAFSAをファイルすると、その場でEFCが計算されます。預貯金が多い世帯や、高収入の世帯では、金額が上がるごとにEFCは急激に上昇していきます。

世帯の年間所得EFC
-$35,000$1,871
-$40,000$2,733
-$50,000$4,004
-$60,000$6,015
-$70,000$8,708
-$80,000$12,202
-$90,000$15,697
-$100,000$18,731
-$110,000$21,756
-$150,000$33,967
-$200,000$49,598

表を見ていただくと分かりますが、低所得世帯は、学費もリーズナブルな設定となっています。しかし所得が上がれば上がるほど、学費がどんどん高くなり、年収10万ドル(約1100万円)を超えるあたりからは、驚くほど急カーブで上昇していきます。

自身のEFCを計算したい人はこちらから

5.EFC=支払う学費?

FAFSAを使ってEFCを計算しても、残念ながらそれが各世帯が負担することになる学費というわけではありません。

Student LoanやWork Studyが加算

大学から送られてくる学費の詳細な計算を見ると、多くの人はびっくりします。なぜなら、EFCの上に、更にStudent LoanやWork Studyなどの項目が加算されていて、自分たちが考えていた 学費より、約1万ドル程度多くなっていることが多いからです。

Student Loanとは?

Student Loanとは、親が負担する学費とは別に、生徒自身が教育ローンを組みましょうという金額です。大学によって差はありますが、年間当たり4000ドル~5,000ドル程度に設定されていることが多いですね。

この金額は、もしも生徒が教育ローンを申請したら、きっとこのぐらいの金額は認められるでしょうという目安です。Subsidized Loanと呼ばれる公的なローンを利用しても良いですし、民間のローンを利用してもOK。ローンを利用しないという選択をしても問題ありません。

もしも、ローンを利用しないという選択をしたら、このStudent Loanの金額は、そのまま世帯の負担となります。

Work Studyとは?

Work Studyとは、生徒が在学中にキャンパス内でアルバイトをして稼げるであろう金額です。こちらも大学によって多少の誤差はありますが、年間で4000ドル~5000ドル程度が見込まれていることが多いですね。

ただし、Work Studyをするから学費を安くしてもらえるというわけではありません。キャンパスで学生がアルバイトをしても、そのアルバイト代は学生へ直接支払われます。もしも学費に充てるなら、個人的にやってくださいね、という意味です。

また、キャンパス内のアルバイトは、確かにいろいろなお仕事があります。しかし、必ずしもアルバイトできるわけではありませんし、世帯の収入によっては、働きたいけれど働けないという状況にもなりかねません。

6.EFCが考慮されないケースもある

毎年10月にFAFSAをファイルし、ザックリとしたEFCを計算したからと言って、安心してはいけません。大学の多くは、EFCを考慮した学費計算をしてくれますが、必ずしもそうとは限りません。

世帯のEFCが2万ドルなのに、学校からの請求を見たら学費が4万ドルだった!なんてことも珍しくありません。

その背景には、アメリカの教育機関はビジネスである、というシビアな現実があります。

アメリカの大学へ願書を出した場合、大学にとっては「喉から手が出るほど欲しい生徒」がいる一方で「入学は認めたけれど、来ても来なくてもどちらでも良い生徒」もいるわけです。優秀な生徒に対しては、なんとかして来てもらおうと営業努力をし、学費を徹底的に下げてきます。奨学金によって学費が全額免除になるケースもあります。

しかし来ても来なくてもどちらでも良い平均的な生徒なら、そこまでの営業努力をする必要はありません。少しぐらい学費を高めにしても、その生徒が来たいと思えば払うでしょうし、払いたくないから来ないという選択をしても、大学にとってはそれほどの痛手ではないでしょう。

そう。アメリカの大学はビジネスなのです。

7.FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!

FAFSAは、アメリカの大学に在学している期間中は、毎年ファイルしなければいけません。その度に、最新のTax情報を使ってファイルするわけですが、在学期間中には、世帯ごとに様々なライフイベントが起こるかもしれません。

例えば、お父さんが昇進してお給料がアップしたとか、家を購入する際にリタイアメントの貯金を崩して頭金にしたとか、また転勤をした、ということもあります。そうしたライフイベントによって収入が変わると、当然ですがFAFSAによって計算するEFCも変わります。今年の学費は1万ドルだったけれど、来年は2万ドルになる、なんてことも十分に起こりえます。

日本からの留学生の場合には、FAFASは直接影響がありません。そのため、収入がアップしても学費が上がることはないでしょう。なぜなら、もともとFinancial Aidを使わない大学側が提示する金額をそのまま支払っているからです。

しかしアメリカで暮らす人は、世帯のライフイベントによって学費が変わるという点を理解した上で、大学選びをしたいものです。

8.FAFSAをファイルするメリットとデメリット

大学に進学するなら、プロセスの一つとしてFAFSAをファイルする、という世帯は多いものです。しかし、メリットとデメリットを考えたことはありますか?

FAFSAをファイルするメリット

  • 大学の学費を安くできる
  • 公的な教育ローン(Subsidized loan)に申し込める

FAFSAをファイルするデメリット

  • 万が一の有事においては徴兵される
  • 世帯の収入によってはファイルしてもファイナンシャルエイドが対象外
  • 学費負担分がEFC以上になることが多い
  • 州立大学のOut of Stateでは、EFCよりも高額な学費になる

9.EFCケーススタディ

よりファイナンシャルエイドの仕組みを理解しやすくするために、いくつかのケーススタディをご紹介しましょう。

ケース1:大学が提示する学費がEFCより低い場合

  • 大学の学費:年間$10,000
  • 世帯のEFC:$15,000

この場合には、世帯のEFCが大学が定める学費よりも大きいため、学費$10,000を全額支払うことになります。

ケース2:大学が提示する学費がEFCより高い場合

  • 大学の学費 年間$40,000
  • 世帯のEFC $7,000

この場合には、学費の自己負担は$7,000と$40,000の間になりますね。多くの場合、大学が定めるStudent LoanやWork Studyなどの分が上乗せされ、負担する学費は$17,000~$25,000程度が多いのではないでしょうか。

ケース3:In-State$25,000、Out of State$45,000の州立大学の場合

州立大学の中には、州内に自宅がある(親が住んでいる)In-Stateステータスと、州外に自宅があるOut of Stateとで、異なる学費を提示することがあります。この場合、自分がIn-Stateの場合には、負担する学費の上限は$25,000となりますが、Out of Stateになると、上限は$45,000と高くなります。