プラスチックバッグ有料化!アメリカはどうなってる?

日本では2020年ごろからスーパーやコンビニで出していたプラスチックバッグが有料化されました。マイバッグを持っている人は、お店でプラスチックバッグを購入しなくても良いですが、持っていくのを忘れてしまうと、1枚いくらとしてプラスチックバッグの料金を支払わなければいけません。

この有料化は、アメリカでも去年あたりからスタートしました。と言っても全国レベルではなく、州ごとに大きな違いがあります。日本のように、プラスチックバッグを有料化した所もあれば、環境に優しい素材なら良いですよという州もあります。また、「そんなの関係ねぇ」と制度を見送っている州もあります。

目次

  1. 州ごとに自主的に決めたルール
  2. 法の穴をくぐろうとした店側
  3. アメリカのマイバッグは日本と違う!

1.州ごとに自主的に決めたルール

アメリカには、プラスチックバッグの使用禁止という法律はありません。しかし州によっては自主的に、それぞれのルールを定めています。大きく分けると、

  • プラスチックバックの使用を全面的に禁止
  • プラスチックバックの使用を軽減する目的で有料化
  • 何もせず、これまで通りプラスチックバックを出し放題
プラスチックバッグの取り組み状況:Canvas Artより抜粋

に分けることができます。州全体で一貫したルールを決めた所もあれば、州は何もしないのでCityなどの自治体ごとにルールを定めた所もあります。このあたりが、とてもアメリカらしいかもしれませんね。

すでにプラスチックバッグの使用に関するルールを定めた州を見ると、

アラスカ州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止したり有料化。
サモアプラスチックバッグは全面的に使用禁止
カリフォルニア州プラスチックバッグは全面的に使用禁止。紙袋は1枚10セント。
コロラド州2023年からプラスチックバッグの有料化。2024年から使用禁止。
コネチカット州プラスチックバッグは全面的に使用禁止
デラウェア州大型チェーン店ではプラスチックバッグは全面的に使用禁止。紙袋と分厚いプラスチックバッグは10セント。
DC有料化。プラスチックバッグは1枚5セント。
グアムプラスチックバッグは全面的に使用禁止
ハワイ州島ごとに異なる対応。オアフは化学成分を含むプラスチックバッグは禁止。生分解性ならOK。
イリノイ州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止したり有料化。
メイン州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止したり有料化。
メリーランド州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止したり有料化。
マサチューセッツ州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止措置。
ミネソタ州有料化。1枚5セント。
ニュージャージー州プラスチックバッグに加えて使い捨て紙袋も禁止。
ニューメキシコ州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止措置。
ニューヨーク州プラスチックバッグは全面的に使用禁止。紙袋には5セントチャージ。
ノースカロライナ州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止措置。
オハイオ州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止措置。
オレゴン州プラスチックバッグは全面的に使用禁止。紙袋には5セントチャージ。
ペンシルバニア州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止措置。
ロードアイランド州プラスチックバッグは全面的に使用禁止。
サウスカロライナ州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止措置。
テキサス州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止措置。
ユタ州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止措置。
バーモント州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止措置。
バージニア州州全体のルールはナシ。自治体ごとに5セントチャージ。
ワシントン州プラスチックバッグは全面的に使用禁止。紙袋は8セント。
ワイオミング州州全体のルールはナシ。自治体ごとに禁止措置。
州ごとのプラスチックバッグへの取り組み

「自分が住んでいる州がないけれど、どうして?」という人がいるかもしれません。上記に掲載していない州は、州全体手のルールがなく、自治体ごとのルールを作った街もない、という事です。つまり、これらの州に行くと、10年前や20年前と同じように、お店では大量のプラスチックバッグを無料で出してくれます。

2.法の穴をくぐろうとした店側

私が住んでいる町は、州全体では「禁止」のルールが作られました。何月何日からプラスチックバッグが出ないという情報は前もって流れていたので、私はスーパーへマイバッグを持参しました。

すると、なんとお店で出していたのは、使い捨てではない分厚いプラスチックバッグだったのです。お店の言いたいことは、瞬時に理解できました。

「使い捨てのバッグじゃなければ良いんでしょ?」

という事だったのでしょう。無料で提供されていて、お客さんはセルフチェックで使いたい放題。私も買い物に行くたびに5枚ほど使い、自宅に帰ってきてはごみ箱の中に入れたりして使っていました。使い捨てタイプの薄いプラスチックバッグと比べると、破けづらいので、正直、とても気に入っていました。

しかもこれ、まるでショップの経営者たちが示し合わせたように、Countyというか地域全体がそうでした。

その後、まあ予測できたことですが、「分厚いプラスチックも禁止」となりました。薄かろうが分厚かろうが、プラスチックバッグは全面禁止となったのです。

ここで大人しくプラスチックバッグを出さないという決断をしないのが、私が住んでいるエリアです。なんと、ほかの州や自治体では有料化されている紙袋をふんだんに無料で提供してくれるようになりました。

もちろん、無料なんてことはあるはずがなく、商品の値上げ分に含まれていることは周知の事実です。

私が思うに、おそらくどうしても客のマイバッグではなく店のバッグを使いたい意図は、万引き防止ではないかと思います。マイバッグを持ち込まれると、中に何を詰められても、なかなか確認しづらいのでしょう。特に万引き天国状態となっているWalmartやTargetなどの店では、できるだけマイバッグを持ち込ませないような工夫をすることで、

万引きのリスク < エコ違反のリスク

を天秤にかけたのではないかと思います。

SDGsにの取り組みに従いながらも、店は事業利益を守らなければいけない。商売って難しいものですね。

3.アメリカのマイバッグは日本と違う!

アメリカでも、マイバッグは販売されています。しかし日本よりも1袋のサイズが大きくて、スタイルも大きく違いますね。日本のようにコンパクトに折りたたんでバッグの中に収納できるという機能はなく、スーパーに入る時に皆さん車の中からおもむろにこのバッグを数枚取り出して、小脇に抱えて入っていきます。

私も何枚か持っていますが、どれもチープな素材で重たいものをいくつも入れると取っ手がちぎれそうな品質です。もしもスーパーに行った後、電車で移動するのなら、チープな素材よりもキャンバス地のしっかりしたものを使ったほうが、安心かもしれません。