アメリカのシアトルにある「支払わなくても自動的に商品をスキャンして支払えるAmazonストア」が日本へ上陸することは、大きな話題となっていますよね。そこまで画期的なシステムではありませんが、アメリカではコロナの少し前あたりから、利用者がセルフで商品をスキャンして支払うという無人レジが増えています。
目次
1.無人レジとは?
無人レジとは、買い物を終えて支払いをする際に、レジの所にスタッフがおらず、利用者が自身で商品をスキャンして支払いを済ませるという新しいショッピングのスタイルです。アメリカにあるすべてのショップがこの無人レジを導入しているというわけではなく、多くの場合にはWalmartやスーパーのようなチェーン店舗を持つ、大型の食料品店が多いです。
無人レジ機は、英語での会話に自信がない人にとっては、大きな味方です。アメリカのスーパーでは、スモールトークと呼ばれる「たわいのないおしゃべり」が一般的で、レジの人とお客さんが「元気?」「調子はどう?」なんて、正直どうでも良さそうな会話をします。英語に自信がない人にとっては、この会話がとてもストレスだ、ということもありますよね。そんな時、無人レジ機を使えば、英語でのコミュニケーションが不要になるので、精神的にとても楽です。
2.無人レジでの支払い方法
無人レジでの支払い方法は、クレジットカードやデビットカードなどのカード類、そして現金という支払い方があります。コロナの影響で不要な接触を避けるため、現金での支払い方法が選択できなくなり、カード払いのみとなった無人レジもありますが、これはカード社会のアメリカならでは、と言えますね。
もしもカード払いしか受け付けていないレジ機の場合には、商品のスキャンを始める前の一番最初の段階で、「現金の受付はしていません。それでも良いですか?」というスクリーンが出てくることが多いので、お金を支払う段階になって「現金が使えない!なんじゃこりゃ!」となることはありません。
ちなみに、無人レジ機の中には、キャッシュバック機能がついているものもたくさんあります。キャッシュバックというのは、ショッピングをした際にカード払いをした時に、お釣りとして現金を受け取るという仕組みです。
例えば、20ドルの現金が必要だけれど、お財布に入っていないとします。通常なら、銀行のATMに行って引き出しますよね?もちろん、その方法でもOKです。しかし、キャッシュバックという方法を使えば、ATMに行かなくても20ドルをゲットできます。
スーパーで買い物をする時、例えば15ドルのショッピングをして、20ドルをキャッシュバックしたいとリクエストします。そうすると、支払い総額は、買い物分の15ドル+キャッシュバック分20ドル=合計35ドルとなり、35ドルがカードにチャージされます。そして、キャッシュバックの20ドルが、お釣りという形で出されます。
無人レジ機でも、キャッシュバックに対応している所は多いです。スーパーとATMの2カ所に行くのは面倒だなという時や、近くに銀行のATMがなく、別の銀行のATMを使うと手数料がかかってしまうという時には、キャッシュバックをすることによって、手数料がかからずに現金を調達できます。
ただし、キャッシュバックはデビットカードだけです。クレジットカードで支払いをする際には、キャッシュバックはできません。
3.無人レジ機の使い方

無人レジ機の使い方をご紹介しましょう。
無人レジ機の前に立つ
スーパーの中には、無人レジ機が複数並んでいるエリアと、従来通りレジの人が商品をスキャンしてくれるエリアとがあります。無人レジの場合には、「Self Checkout]などの張り紙が出されていることが多いですし、通常は店舗の入り口付近にあるので、探したけれど見つからないという事態にはなりません。
無人レジ機は、混んでいると入り口のところで人が列を作って並んでいます。「 Are you in the line?」 (列にならんでいるのですか?」と聞いて、列に並べばOKです。
通常、無人レジと言っても、複数台の無人レジを管理しているスタッフが、すぐそばにスタンバイしています。トラブルが起こった時には、そのスタッフが対応してくれます。
商品のスキャンを始める前に
スーパーの中には、メンバーシップ会員になっていると、お買い得なディスカウントを利用できることがあります。無人レジでは、まず最初にメンバーシップのカードをスキャンしてくださいと画面に表示されます。レジの画面はすべてタッチパネルなので、分かりやすいですし、操作もしやすいですね。
メンバーシップのカードがない場合には、SKIPとかSCAN MY ITEMなどのボタンを押せば、すぐに商品のスキャンを始められます。
スキャンは簡単

商品のスキャンは、とても簡単です。無人レジ機の中央部分に、センサーを搭載した透明な窓口があるので、そこに商品のバーコードをスキャンさせます。スキャンすると、ピッと音が鳴り、スクリーンには、何をスキャンしたのかが表示されます。
スキャンしたものは、すぐ隣にある台の上に置き、次の商品をスキャンしましょう。
買い物バッグは有料?
2020年あたりから、アメリカでは使い捨てのビニール袋の利用が禁止となりました。そのため、州によっては、何回でも使えるバッグを買い物袋の代わりに提供していたり、しっかりした紙袋を提供して、1枚0.5セントのように有料で販売している州もあります。州によっても店舗によっても、どんなバッグを無料・有料で提供するかという点は異なりますが、有料の場合には、最後に「バッグはいくつ使いましたか?」とスクリーンに質問が表示されて、数を入力すると、その分の料金が加算されます。
自身の買い物バッグを持参してもOKです。私は、普段車の中にアマゾンで購入したバッグを入れて置き、バッグが有料のショップで使うようにしています。店舗で購入するよりもリーズナブルですし、意外と頑丈なので、おすすめです!
重たいアイテムはハンディスキャナーが便利

水のケースやお米など、重たいアイテムをわざわざ持ち上げてスキャンすることは、正直とても大変ですよね。そんな時には、ハンディスキャナーを使うのが便利です。無人レジの多くにはハンディスキャナーがあり、それを掴んでスキャンしたい部分にかざしてボタンを押すと、ピッとスキャンしてくれます。
支払いは最後

商品のスキャンがすべて終了すると、いよいよ支払をします。支払いは、商品をスキャンしたガラスの窓口ではなく、無人レジ機のすぐ隣についているカード決済機を使います。
商品スキャンが終了したら、スクリーンの右下に表示される「FINISH&PAY]ボタンを押してください。そうすると、支払いをどの要するか、つまりキャッシュかカードかを選択するボタンが現れます。
キャッシュを選択すると、レジ機の右側(が多い)についているキャッシュの入れ皿部分が点灯します。そこに、お金を重ねて入れましょう。判別不明なお札は、同じところから戻されるので、向きを変えたりシワを伸ばしたりして、再チャレンジすればOKです。
キャッシュ払では、もちろんですがお釣りも出ます。ピッタリでなければいけないわけではないので、安心してくださいね。
カード払いの人は、レジ機のすぐ隣についている黒い小さなカード決済機にカードを挿入します。PIN(暗証番号)を入力しろと言った指示が、カード決済基に出るので、それを済ませればOKです。
支払いが済むと、レジ機からレシートが出てきます。出てくる場所は、キャッシュを入れた窓口のすぐそばが多いですね。マシンによって若干スペックが違うので、必ずしもすべてのマシンが同じ作りになっているというわけではありませんが、レシートがスーッと出てくるので、分かりやすいです!
トラブルや分からない時にはスタッフを呼ぼう
無人レジ機の使い方が分からないとか、レジがよく分からない反応をしていて次に進めない時には、無人レジ機を担当しているスタッフを呼びましょう。アイコンタクトをして手をあげれば、すぐに来てくれます。特に難しい説明をする必要がないケースが多く、「This just popped up(こんな画面になった)」とか「Could you fix this?(直してください)」など簡単な言葉だけで対応できます。
4.無人レジ機で困ったらどうすれば良い?
無人レジ機でスキャンしていたら、「スタッフの承認が必要です」とメッセージが出て、それ以上は先にすすめなくなってしまうことが、たまにあります。これはいくつかの理由があり、
- アルコールなど年齢確認が必要なモノを買おうとした
- 市販薬を買おうとした
- スキャンの窓口で同時に複数をスキャンするなど、意味不明な行動をした
などが挙げられます。アルコールを買う際に身分証明書の提示が必要なのは、理解に難しいことはありませんが、アメリカでは市販薬を買う際にも、身分証明書が必要です。ということは、おそらく18歳未満は鎮痛剤などの市販薬でも、保護者なしでは買えないということなのでしょう。
また、無人レジ機のスキャンは、ガラス面にピッタリくっつけなくても、少し離れた場所のものもスキャンできるセンサーがついています。そのため、複数の商品が同時に感知されてしまうと、センサーが戸惑ってしまい、スタッフを呼べというメッセージが表示されるわけですね。
私は以前、右手に商品を持って、左手でスキャンをしながら袋に入れるという流れ作業をしていました。どこかのタイミングでショップのセンサー感度が高まり、私のこのマルチタスクは、どうやら不審な行動に写ったようで、何回もセンサーが戸惑ってスタッフを呼ばなければいけなかったことがありました。その度にスタッフがやって来ては、録画映像を確認して、「この商品はスキャンしたの?」などと質問(というより尋問)を受けましたね。3回も呼びつけられたスタッフのイライラに対して、私もイラっとしてしまい、「このマシンはマルチタスクには対応していないのね!」と悪態をついてしまいました(汗)