アメリカは、日本よりも転職が盛んなため、州の外へ引越しする人がたくさんいます。引越しをする時には、車はどうやって持って行けばよいのでしょうか?ここでは、車のお引越しについて知っておきたい情報をご紹介いたします。
目次
1.車での引っ越し。マイカーで大陸横断はアリ?
もしも遠く離れた州へ引越しすることになったら、車を業者に輸送してもらって、自分たちは飛行機で行くという方法もありますが、マイカーでそのまま新天地まで運転していくという方法も、もちろんアリです。業者に頼まずに自分たちで運転することには、たくさんのメリットがあります。
- 新天地に行ってすぐに車をつかえる
- 移動をしながら州ごとに異なる景色を楽しめる
- 車の輸送よりリーズナブル
- 高速道路沿いにモーテルやホテルを見つけやすい
などが挙げられますね。転勤などで、会社がマイカーの輸送や家族の飛行機代を負担してくれるなら、輸送という選択肢も検討できますが、自己負担で新天地まで引っ越すなら、マイカーでの移動が経済的です。
それでは、マイカーで遠距離の引越しをする事には、どんなデメリットが考えられるのでしょうか?
- 体力的かつ精神的に疲れる
- 年式が古い車だと、道中での故障や不調が心配
- 時間がかかる
などがあります。車での引っ越しは、昼間に300マイルから400マイル程度を走行するのが、安全に運転するための目安と言われています。これは、渋滞などを含まない高速道路なら、6時間~7時間程度です。
しかし、西海岸~東海岸の大陸横断では3000マイル程度もありますから、一日300マイルしか運転しないのでは、移動に10日間もかかってしまいます。道中では外食や宿泊などにもコストがかかるので、もう少し多く走って早く到着したいという人もいるでしょう。その場合には、夫婦で交互に運転をするという方法がおすすめです。しかし、アメリカの高速道路は、基本的に街灯はついておらず、夜間には視界がとても悪くなります。それに、野生動物が高速道路に入ってくることもあり、危険です。できるだけ短期間で到着したい人でも、無理をしない旅のプランニングをしたいものです。
2.車だけの輸送は可能?
自分たちは飛行機で引越し、車だけ業者に輸送してもらうこともできます。1人1台の自動車を所有していると言われているアメリカでは、家庭に複数台の自動車があることも珍しくありません。そのため、1台に家族が乗っていき、残りは業者に依頼して輸送する、という選択肢をする人も多いです。
自動車の輸送は、アメリカではよく用いられているサービスです。ただし、日本とはサービス内容が大きく変わるため、利用する際には注意が必要です。
3.車を輸送するメリットとデメリット
引越しの際に車に乗っていかずに輸送するという方法は、メリットとデメリットがあります。
メリット
- 複数台の車を持っている人にとっては便利
- 長距離を運転しないので疲れない
- 途中で車が故障したり、事故に遭うリスクがない
- Door to Doorで業者が取りに来てくれる
デメリット
- コストがかかる(大陸横断だと2000ドル~3000ドル程度)
- 引き渡しと受け渡しの日時が直前まで分からない
- 引越し先ですぐ使える車がない
4.車の輸送にかかる費用は?
自動車の輸送にかかる費用は、引き渡すロケーション、受け取るロケーション、そこまでのルートや距離、車のサイズ、屋外輸送かコンテナ内輸送課、などによって変わります。
これまで、何回か自動車の輸送サービスを利用していますが、西海岸から中西部までの輸送では、かかったコストが3000ドル(田舎町だったので、へき地手数料みたいなものが発生)程度かかりました。また、中西部から東海岸までは、1500ドル程度でした。同じ距離でも、業者によっても費用は変わるので、いろいろ比較検討するのがおすすめです。
5.輸送業者の選び方

自動車の輸送業者は、全米にたくさんあります。しかし、自社で輸送トラックを持っている所はほとんどなく、多くの場合には長距離トラックと提携して、トラックの荷台スペースに輸送したい車を乗せてもらう、というスタイルが多いです。
輸送業者を選ぶ際には、どんな点に注意したら良いのでしょうか?
口コミで評価が高い業者
大切な自動車を、長距離で輸送してもらうわけですから、やはり信頼できる業者を選ぶことは、マストと言えるでしょう。信頼できない業者を選んでしまうと、いつ自動車が到着するのか分からないとか、なかなか連絡がつかないなど、イライラしてストレスが溜まってしまいます。
ダメージに対して補償がついている業者
私はこれまで、何回も自動車の輸送を経験していますが、車にダメージがついていたことは、ありません。しかし、どんな原因でダメージが起こるか分かりませんから、そうしたダメージに対して補償がついている業者を選ぶのが安心です。
Door to Doorのサービスを提供しているか
多くの信頼できる輸送業者は、依頼した自動車を指定した住所まで輸送してくれます。引越し前の自宅で引き渡し、引っ越し先の自宅やホテルで受け取る、ということも可能です。細かい受け取り日時を指定できるわけではないため、事前に「何日後にこの住所」という約束は、残念ながらできません。しかし、Door to Doorのサービスをしている業者なら、すれ違いというアクシデントが起こらないので安心です。
追跡できるか
自分のマイカーが、今どこにあるのかを追跡できるサービスがついている業者なら、高い安心度が期待できるでしょう。利用者がいつでも自由に追跡できるサービスを提供している所はそれほど多くありませんが、業者がトラックのGPSなどを管理しているので、万が一の際にはリアルタイムで輸送トラックがどこにいるかを追跡できます。
カスタマーサービスの丁寧さ
自動車の輸送サービスでは、カスタマーサービスは電話では繋がりにくいため、多くはメールやチャットでの対応となります。メールの場合には、リアルタイムでのレスポンスは難しいかもしれません。しかしチャットでは、できれば24時間必要な時にサッと相談や問い合わせができる業者を選ぶのが安心です。
人気の業者は?
ネットの口コミで高評価を受けている輸送業者は、たくさんあります。それぞれのサイトごとに、だいたいの見積もりを計算できる機能がついているので、まずはざっと見積もりを取ってみると良いでしょう。
6.車の引越し方法、プロセス

自動車の輸送の、具体的なプロセスはどうなっているのでしょうか?
まずはネットリサーチで業者を見つけよう
ネットで、Vehicle Shipping Quoteなどのキーワードで検索すると、輸送業者がたくさんリストアップされます。その中でも、口コミで人気が高い業者、およびトップページに表示されるような業者をいくつかピックアップしたら、各業者から見積もりを出してもらいましょう。
見積もりを出す際には、引き渡しの住所、受け渡しの住所、輸送したい自動車のメーカーやモデル、希望する日時などの情報を入力します。引き渡し・受け取り場所については、自宅からのピックアップや、引っ越し先の自宅やホテルへのドロップオフができますが、個人宅でなく施設でもOKです。
支払いはクレジットカードがオススメ
自動車輸送の支払は、事前にクレジットカードで支払う方法と、車をピックアップに来たドライバーに対して現金で支払うという方法があります。
このうち、おすすめなのは、クレジットカード払いですね。数千ドルかかることもある費用をキャッシュで準備することに抵抗がある人は多いですし、後からトラブルになりたくないという人も、クレジットカード払いなら安心です。
また業者によっては、クレジットカード払いをすればディスカウントしてもらえたりするので、輸送費用の節約にもつながります。
ピックアップの希望日はあくまでも希望
自動車輸送では、ハッキリと何月何日の何時に業者が車を取りに来てくれる、という確約はできません。サービスを申し込む際には、希望する日程をリクエストできますが、あくまでもリクエストなので、確約ではありません。
その理由は、長距離のトラック運転手にとっては、どんなに早くても2,3日前、多くの場合にはピックアップ当日の朝でなければ、スケジュールがはっきりしないからです。例えば、カリフォルニアからやってきたドライバーが、まずアリゾナで自動車を下ろし、テキサスに立ち寄って別の車をピックアップして、フロリダへ向かう、なんてこともあります。「道中で車を拾ってくれる」ので、明確なスケジュールは直前にならなければ分かりません。
ピックアップの際には、ドライバーに自動車のカギを渡したり、車体に既存の傷やダメージがないかという確認作業が必要です。そのため、空港の駐車場に放置した車をピックアップしてもらう、ということはできません。希望日ににピックアップしてもらえない可能性を想定して、日程に余裕を持たせてリクエストするか、万が一の際には家族や知人に鍵を預けておくようにしましょう。
輸送にかかる日数はドライバーによりけり
輸送にかかる日数は、ドライバーによって異なります。「だいたい何日ぐらい」と言われていても、予想よりずっと早く到着する事も多いです。
長距離への引越しでは、ドライバーが受け取り場所に到着しても、自分たちがまだそこに到着しておらず、受け取れないというケースが起こりやすいものです。この場合には、指定した住所や駐車場に車を駐車してもらい、鍵を車内に残した状態でインロックし、外観の写真を背景と共に撮影してもらうことで、受け取り完了とする事ができます。
もちろん、引っ越し先に家族や知り合いなどがいれば、受け取りをお願いすることもできます。