車上荒らしは、世界中どこにでもいます。日本にもアメリカにも、もちろんいます。統計によると、アメリカで車上荒らしを経験した人の割合は5人に1人。自宅への不法侵入と比べると4倍も多い数字です。
我が家では、車は息子の分も入れて3台所有しています。ガレージの中に駐車する車もあれば、ドライブウェイに出しっぱなしの車もあります。息子が通学で運転していた時には、家の前の道にも駐車していました。
今回は、アメリカでも比較的被害にあいやすい車上荒らし事情をご紹介します。
目次
1.被害経験これまで2度
私はこれまでの人生の中で、車上荒らしの被害にあったことが2度あります。1度目は若い頃に日本で。車の後部座席に放置していたお気に入りのバッグを、窓ガラスを割って取られました。これは危機管理ができていなかった自分自身にも責任がありますね。
2度目はアメリカで。自宅のドライブウェイに車を停めていたら、やられました。この時被害にあったのは、なんと20年落ちの夫のセダン。自宅のドライブウェイに駐車していたという事、比較的安全だと思っていたエリアだったこともあり、車はロックせずに駐車していました。
朝起きて夫が出勤しようとしたら、車のグローブボックスが開けられており、車内にモノが散乱していました。車をロックしていなかったので窓ガラスを割る必要もなく、車上荒らしはドアを開けるだけで車内に侵入できたのですが、特に何かを取られた形跡がありません。
夫はとりあえず警察に連絡をすると、警官がすぐにやってきました。
何も盗られたものがないことを告げると、警察官は驚いた様子。
「本当に??たいていは、カーステレオとか盗られちゃうんだよね。」
と言っていました。盗人は、盗品をネットで売りさばくのだそうです。
しかし夫の車は20年落ち。ステレオもついていましたけれど、おそらく古すぎて泥棒ですら欲しくなかったのでしょう(笑)。
しかもちょうどその時、車内には300ドルほどしたブランド物のサングラスがあったのですが、残念ながら見た目の高級感に欠けるらしく、盗られませんでした。
2.車上荒らしが狙うもの
車上荒らしは、目的をもって車にアプローチしてきます。何を狙うかというと、
- 現金
- 貴金属や時計(高級そうに見えるもの限定)
- カーステレオ
- バッテリー
- カーナビ
- オシャレな服やバッグなども盗られます
などがあります。近年では個人でも中古品をネットで販売できるので、ブラックマーケットでなくても盗品を簡単にカネに変えることができます。そのため、ネットで販売してカネになりそうなものは、狙われると思って間違いありません。
3.予防することはできる?
車をどこに駐車していても、すぐそばで人がずっと見はっていない限りは、完全に予防することはできません。しかし、車上荒らしも見つかるかもしれない、捕まるかもしれないというリスクを冒して窓ガラスを壊したりするわけですから、そのリスクに値するものが車の中に入っていなければ、狙われる可能性は低くなりますよね。
私たちが今すぐにできることは
- 車内には何も残さない
- 後付けのカーナビは外して外から見えない所に隠しておく
- 個人情報が分かりそうな書類は絶対に置かない
でしょう。
また停める場所を工夫することも、予防策として有効です。
- ドライブウェイが家の裏にあったり暗い場所にあるなら、灯りを付けて真っ暗にしない
- 木の陰やフェンスの影など、死角になりそうな場所には駐車しない
- バレットパーキング(係員がいる駐車場)があれば、少し高くてもそっちが安全
- 防犯アラーム機能があるなら使う
防犯システムは効果アリ
アメリカで車上荒らし予防対策として多く人が選択しているのは、セキュリティシステムですね。自動車によっては、すでに購入時に装備されていますが、そうでない場合には後付けタイプでも高い防犯効果があります。
車の鍵を車内に残すのは危険
私の周辺にはいませんが、映画やドラマの中では、車のサンバイザー裏やシート下に鍵が置かれている光景をよく目にします。これは、とても危険です。特に高級車や人気車種は、車ごと取られてしまうリスクがあるからです。
車のボディには、VINと呼ばれる車体番号が複数個所に刻印されています。盗難車を発見できれば、そのVINから自分の車だと認識できるでしょう。しかし車を盗む犯罪集団は海外へ盗難車を売り飛ばしてしまうこともあるため、手元に車が戻ってくる可能性は限りなく低くなってしまうかもしれません。
4.車上荒らしにあった!どうすれば良い?
どんなに注意していても、どんな予防策をしていても、被害にあってしまう可能性はあります。万が一被害にあってしまったら、速やかに警察へ連絡しましょう。
警察へ連絡というと、緊急通報の911をイメージする人は多いのですが、命の危険が迫っているような一刻も争う事態でなければ、911ではなく最寄りの警察へ電話をするのがおすすめです。
警察が来ると、ポリスレポートという報告書を作ってもらえます。このレポートは、保険会社へ請求する際に必要となるので、必ず作ってもらいましょう。
この時、具体的に何が盗まれたのかとか、何が破壊されたかという点をレポートに明記してもらうと、加入している保険会社によっては補償を受けられることもあります。
車上荒らしは優先順位が低い犯罪
アメリカでは車上荒らしよりもはるかに凶悪な犯罪が多く起こるため、車上荒らしぐらいで速やかに警察が足を運んでくれるとは限りません。軽犯罪が多発する地域だと、ポリスレポートを作りたければ警察署に免許証と登録証を持参しろと言われることもあります。
その場合、現場の状況をスマホで写真撮影をしておくことをおすすめします。車内や外の様子、周辺の様子などを複数枚撮影しましょう。
保険は使ったほうが良い?
アメリカの自動車保険は、使うことで保険料が上がります。これは日本でも同じですね。そのため、保険会社に連絡する際には、保険を使うと保険料が上がるのかどうか、あがるならいくら上がるのかという点を質問しましょう。
もしもダメージがそれほど大きくなく、自己負担した方が安上がりだと感じるなら、保険を使わずに修理するという方法もアリです。