二重国籍などで生まれた時からアメリカのパスポートを持っている人でない限りは、私達はビザなどアメリカ国内で合法的に滞在できる資格を持って渡航します。学生ビザや就労ビザなど、ビザにはいろいろな種類がありますが、結婚によって取得したグリーンカードと呼ばれる移民ビザにも、有効期限はついています。
この有効期限、移民の私たちにとってはとても重要な日付です。気づいたら有効期限過ぎてたけどどうする?なんて事態になってしまうと、最悪の場合にはアメリカから永久追放され、家族と離れ離れになってしまう地獄を経験することになるかもしれません!
この記事は、不法滞在を勧めるものではありません。不法滞在者へのアドバイスをするものでもありません。もしも不法滞在となってしまった人は、必ず法律の専門家に相談してください。
目次
1.有効期限が切れたらオーバーステイと言う不法滞在?
アメリカに入国したときには、ビザと呼ばれるスタンプがパスポートに押されのではないでしょうか。そのビザには有効期限があり、ビザが切れたら大変です。
学生ビザや就労ビザなど長期滞在することを目的としたビザの場合には、パスポートに書かれている滞在期限が切れていなければビザの有効期限が切れたとしても、すぐに手続きをすれば問題ないようです。
しかし、滞在期限が切れてしまうと、そんなのんきなことは言っていられません。基本的には有効期限をを1日でも過ぎると、あなたは「合法的にアメリカに滞在している人」ではなく「不法滞在者」へと格落ちしてしまうからです。
ビザの有効期限が切れてもアメリカで生活するオーバーステイと呼ばれる不法滞在は、不法期間がどのぐらいあるかによって、処罰が異なります。
不法滞在期間が180日以下 | 再入国できないリスクはあるけれど気づいたら早めに対応するべし |
不法滞在期間180日以上 | アメリカを出たら最後、3年間は入国禁止 |
不法滞在期間1年以上 | アメリカを出たら10年間は入国できません |
2.不法滞在は強制送還されるのか?
法的には、不法滞在者は強制送還の対象となります。しかし現実的には、アメリカには不法滞在者が多すぎるため、移民局が一人一人を見つけ出して強制送還させることは、あまりないようです。
ただし、通報されたり犯罪を犯すなどして不法滞在者であることが分かると、かなり高い確率で強制送還されて、二度とアメリカへは入国できなくなるリスクが高くなります。
ちなみに、アメリカから強制送還されると、何年間の入国禁止と言う生ぬるい措置ではすまず、永久追放となります。もしも大切な家族や恋人がアメリカにいても、もう二度とアメリカへは入国できません。最強の弁護士を雇っても、残念ながらこの措置を覆せる可能性は、きわめて低いです。
3.不法滞在者はどうすればよい?
アメリカに不法滞在している人は、たくさんいます。意図的に不法と理解して滞在している人もいるでしょうし、パスポートを見るまで自分が不法だと気付かなかったという人もいるでしょう。
もしも自分が不法滞在だと分かった場合には、どうすればよいのでしょうか?
- 移民問題に強い弁護士に相談するべし。費用は掛かるけれどベストな選択。
- アメリカ人と結婚している人ならグリーンカードをアメリカ国内でゲットできる可能性あり
- DV被害者は特別な免除措置でグリーンカードをゲットできる(違法入国も対象)
- 移民局が再入国禁止令を解除してくれる(可能性は極めて低いけれどゼロではない)
と言う選択肢があります。
現在の滞在資格が不法滞在でも、入国したときにきちんとパスポートを使って正規に入国した人なら、アメリカ市民と結婚することで、不法滞在中でも移民ビザをもらうことは可能です。しかしこれは、ビザ目当ての偽装結婚の可能性があるので、ゲットできる移民ビザの有効期限は2年間のみです。
また近年では、さまざまな理由で、ビザの発行が厳しくなっていると聞きます。昔は出してもらえたものでも今は無理、なんてこともあるかもしれません。ご注意を。
不法滞在にならないように、きちんと考えながら計画的に行動できるのが理想です。でも人生いろいろありますから、気づいたら不法滞在だった、なんてことがあるかもしれません。
その時には、金に糸目をつけず、移民に強い弁護士へ相談して解決策を仰いでください。ただし、結婚も就労もしておらず、学生でもない人は、弁護士に相談しても「帰るしかない」というアドバイスを受ける可能性はもちろんあります。