ネットショップを利用すると、消費税はどうなるの?

私たちが店舗へ足を運んでショッピングをした場合、そのお店がある場所の消費税がかかります。例えば、DCに住んでいる人が消費税ゼロのデラウェア州で買い物をすると、住んでいる場所の消費税ではなく、店がある場所の消費税がかかるので、消費税はゼロ、とってもお得なショッピングができるわけですね。

それでは、オンラインショップの場合にはどうでしょうか?近年では、店舗を持つショップでもオンライン販売に力を入れていますし、個人店でもネット販売をしている所が増えています。

ネットショップの場合には、残念ながら店があるロケーションの消費税ではなく、配達場所に合わせた消費税がかかります。

例えば、DCに住んでいる私が、消費税ナシのデラウェア州にある店のオンラインを利用して、サンフランシスコで暮らす息子様へ発送してもらうとします。

この場合、消費税は配達先のサンフランシスコの消費税がかかります。お金を払う私がDCにいるから消費税もDCに合わせる、という事はありません。

実はこのルール、それほど歴史は長くありません。ネットショップの最強王者アマゾンは、いろいろな戦略で消費税がかからない工夫をしていました。しかし狙った獲物は絶対に逃がさないIRSの働きかけて法律が変わり、2017年からアマゾンでのショッピングにも消費税がかかるようになってしまいました。

アメリカは州ごとに消費税率が違う!

日本の消費税は、全国一律です。東京だけ消費税率が10%で、千葉県では消費税ゼロ、なんてことはありませんよね。

しかしアメリカでは、州によって消費税率が大きく変わるため、同じ商品を購入しても、どこで買うかによって支払う消費税の金額は違います!消費税がゼロの州もあれば、8%超の州もあるので、大きな金額のショッピングをすると、支払う税金にも大きな差が出ます。

しかも州税だけでなく、都市部ではローカル消費税なる別の消費税もあります。州の消費税がゼロでも、ローカルな都市ごとに消費税がかかるアラスカ州などもあるので、必ずしも州税がない州なら消費税を全く払わずに済むわけではありません。

消費税ナシの州

消費税がかからない州もあります。

  • アラスカ州→ローカルタックスは平均1.821%
  • デラウェア州 →ローカルタックスはなし
  • モンタナ州 →ローカルタックスはなし
  • オレゴン州 →ローカルタックスはなし

消費税率が高い州

州税が高い州は、以下の通りです。

  • カリフォルニア 7.5% →さらに都市税も上乗せ
  • インディアナ州 7%
  • ミシシッピ州 7%
  • ニュージャージー州 7%
  • ロードアイランド州 7%
  • テネシー州 7%

消費税率が高い都市

それでは、州と都市の消費税を合計したものが最も高いのは、どの都市になるのでしょうか?

  • ルイジアナ州モンロー、スターリントン 12.95%
  • アーカンソー州ギルハム 12.625%
  • アラバマ州アラブ 12.5%

など、ルイジアナ州やミズーリ州、アラバマ州の各都市がトップ20位を占めます。

12%は超えないものの、11%超の都市は、アリゾナ州のフローレンスやミズーリ州のセントルイス、カンザス州のリーベンワースなどがあります。

日本人が大好きな都市の消費税率は?

それでは、日本人が多く住んでいたり、日本からの観光客が多い都市は、どのぐらいなのでしょうか。

  • ハワイ 4.5%程度
  • ロサンゼルス 10.5%程度
  • サンフランシスコ 9.875%程度
  • ニューヨーク 8.875%
  • シカゴ 11.5%

州ごとの消費税率

消費税率市町村ごとの平均消費税率
Alabama4%5.289%
Alaska0%1.821%
Arizona5.6%2.779%
Arkansas6.5%2.948%
California7.25%1.601%
Colorado2.9%4.907%
Connecticut6.35%0%
Delaware0%0%
Florida6%1.002%
Georgia4%3.384%
Hawaii4%0.500%
Idaho6%0.026%
Illinois6.25%2.605%
Indiana7%0%
Iowa6%0.941%
Kansas6.5%2.154%
Kentucky6%0%
Louisiana4.45%5.113%
Maine5.5%0%
Maryland6%0%
Massachusetts6.25%0%
Michigan6%0%
Minnesota6.875%1.163%
Mississippi7%0.062%
Missouri4.225%4.160%
Montana0%0%
Nebraska5.5%1.468%
Nevada6.85%1.386%
New Hampshire0%0%
New Jersey6.625%-0.024%
New Mexico4.875%2.742%
New York4%4.532%
North Carolina4.75%2.246%
North Dakota5%2.041%
Ohio5.75%1.488%
Oklahoma4.5%4.489%
Oregon0%0%
Pennsylvania6%0.341%
Rhode Island7%0%
South Carolina6%1.499%
South Dakota4.2%1.911%
Tennessee7%2.548%
Texas6.25%1.950%
Utah6.1%1.149%
Vermont6%0.359%
Virginia5.3%0.471%
Washington6.5%2.878%
West Virginia6%0.567%
Wisconsin5%0.696%
Wyoming4%1.441%
District of Columbia6%0%

ちなみに、テレビやステレオなど、模試運びができるアイテムは、州税が安い場所で買うのがお得です。しかし自動車やバイクのように住んでいる場所へ登録しなければいけないアイテムは、州税がかからない州で購入しても、登録する時に消費税的なものを支払うシステムとなっているので、お得にはならないというカラクリがあります。

はぁ、うまくできているものですね。。

アメリカで離婚したい!何から始める?

愛する人と結婚して、遠いアメリカまではるばる引っ越してきた。私のこれからの人生は、Happily Ever After!

。。と思っていたけれど、何もかもが上手くいかなくて離婚を考えている、という人は、決して少なくありません。

どんな結婚でも、自身に仕事があれば離婚をすることはそれほど難しくないでしょう。生活の基盤が自身にあれば、自分の人生からクソ夫をリストラすればOKです。しかし自身が専業主婦の場合には、状況は大きく変わります。

安易な離婚をしてしまうと、地獄へ落ちるのは自分になってしまうから。

だからこそ、離婚をする際には、冷静に着々と準備に時間を費やす必要があるのです。

今回は、アメリカで離婚を考えている人は、何から始めたら良いのかをご紹介します!

1.最初にすること

最初にすることは、

  • 自分だけの名義で銀行口座を開設 →収入がなくても開設できます。ネットでもできます。
  • 自分だけの名義でクレジットカードを作る→専業主婦でも配偶者に収入があれば作れます。
  • とりあえずクレジットレポートを取得→できればモニターサービスへ登録(相手が勝手にあなた名義でローンやカードを作ろうとしたら通知が来ます)

この中で最も大切なことは、クレジットカードを作っておくという事です。

結婚していれば、自身に収入がなくても配偶者の収入が「世帯収入」となるので、自分名義のカードを作れます。でも離婚した後には、世帯収入がなくなるとカードは作れなくなります。

2.現在の状況を把握

現在、家庭にどのぐらいの貯金や資産があって、どのぐらいの借り入れがあるのか、プラスとマイナスの状況を把握することは、とても大切です。

だって、専業主婦なら離婚後にはAlimonyと呼ばれる経済的な支援を配偶者から受けることができます。子供がいれば、養育費だって必要でしょう。

早く離婚して自由になりたい気持ちはあっても、まずは冷静に現状把握した上で、離婚をした後にはどうやって生計を立てたら良いのかを、頭の中でシミュレーションしましょう。

  • 健康保険はどうするのか
  • 自動車はどうやって買うのか、ローンや保険はどうするのか
  • 携帯電話をはじめ、生活に必要な費用はどこから捻出するのか

を考えてください。

アメリカには、低所得者向けの公共の福祉がたくさんあります。

配偶者がお金を握っていて何も分からない場合にはどうする?

もしも配偶者がすべてを握っていて、自分は何も分からない。。。という人もいるでしょう。しかも、家庭の中に不穏な空気が漂っている事で、もしかしたら配偶者も離婚を考えている可能性もあります。

その場合、持っている資産を隠されてしまうリスクがあるので、注意が必要です。

できればそうなる前に資産状況を把握しておくのが良いのですが、すでにその状況に陥っているのでは仕方ありません。その場合には、

  • 自宅へ届く金融機関からの明細書(今はオンライン明細が多いので期待薄かも)
  • Tax Returnの1040と1099フォーム(配偶者の収入と給与以外の資産が分かる)
  • 自宅を所有している人は、購入時の書類(どこにどんな資産があるか分かる)
  • 高そうなコレクションがある場合には、動画や写真を撮影しておく
  • 自動車やボートなどのRegistration及びナンバープレートを写真撮影

などの情報を、コツコツと集めましょう。

ここで大切なことは、相手に気づかれてはいけないという事です。気づかれたら、資産を隠されたり、売却されたり、使われてしまうリスクが高くなり、離婚後の自分自身にとってはメリットが少なくなります。

マイナンバーがSSN化したら、日常生活はどうなる?

日本のマイナンバー制度、政府はいろいろなサービスと紐づけしたいようですが、「財産が丸裸にされるようで気分が良くない」という理由で国民の多くは猛反対していると聞きます。

しかしアメリカでは、ソーシャルセキュリティ番号(SSN)が1936年からすでにスタートしており、すでにアメリカで生活する市民にとっては、「命の次に大切で死守すべく存在」となっています。

ソーシャルセキュリティ番号は、国民一人一人に与えられるシリアル番号のようなもので、誰一人として同じ番号は持っていません。そして、公的機関や民間の機関でサービスを受ける際には、このソーシャルセキュリティ番号が必要不可欠です。

それでは、もしも日本のマイナンバーがアメリカのソーシャルセキュリティ番号と化したら、日本で暮らす一般市民の生活がどのように変わるのか、私の稚拙な妄想力で検証してみました。

目次

  1. 銀行口座
  2. 金融記録も番号で管理
  3. 就職や転職にも関係する
  4. 医療はどうなる?
  5. アパートを借りる際にもチェック
  6. 脱税はできなくなる

1.銀行口座

アメリカでは、ソーシャルセキュリティ番号がなければ、銀行口座を開設することができません。(例外はあるのかもしれませんが、ごめんなさい、私は例外になったことがないので分かりません)

口座を開設する際にソーシャルセキュリティ番号は必要ですが、それを政府が管理しているというわけではありません。もちろん、必要な時には政府の権限ですべて記録を集めることはできるでしょう。しかし現在は、ソーシャルセキュリティ番号は国民の資産を透明化するとか一元管理する目的で使われているわけではないため、ソーシャルセキュリティレポートと呼ばれる金融記録には、銀行口座や預金などは記載されません。

もしかしたら日本でも近い将来には、「マイナンバーを提示しなければ口座は開設できません」と言われる日が来るかもしれませんね。

2.金融記録も番号で管理

ソーシャルセキュリティレポートで管理されていることは、主に借入です。住宅ローンや車のローン、学生ローンなど各種ローンはもちろんのこと、クレジットカードがいつ作られて返済状況はどうか、利用額の上限はいくらで残高はいくら残っているか、という点が、細かく記載されています。

ちなみに、この金融記録はクレジットレポートと呼ばれており、国民なら誰でもいつでも照会できます。

Annualcreditreport.comなら、年に1回は無料で照会できますが、アクセスできるのはアメリカ国内からのみと制限されています。

近年ではさまざまな金融機関から、クレジットレポートではなく、そのレポートの内容から計算したクレジットスコアなるものを無料で通知してくれるサービスを提供しています。

日本でも、すでに借り入れの金融記録は管理されています。ここにマイナンバーを紐づけすると、同じ都道府県に同姓同名の人が住んでいても、その人のせいで自身もブラックリストに載っているような扱いを受けるといったトラブルは起こりづらくなるでしょうね。

3.就職や転職にも関係する

就職や転職の際にも、SSNが必要です。これは、アメリカに合法的に居住しているかどうかをチェックするだけでなく、雇用しても会社のお金や情報を盗んだりしないか、という基本的なバックグラウンドチェックにも使われています。

日本でも、就職や転職はもちろんのこと、学校へ入学する手続きでもマイナンバーが求められたりする日が来るかもしれません。

4.医療はどうなる?

医療機関では、SSNは健康保険との紐づけや、患者のデータを管理する目的で使われています。

ただし、SSNカードを医療機関で提示する、なんてことはありません。というか、SSNカードは持ち歩かずに自宅の金庫で保管するべきものですし、子供でも自身のSSNは暗記しています。忘れないようにどこかにメモしたりするのは、安全上NGです。

日本でもいち早く取り組みが始まった医療分野との紐づけですが、事務作業をIT化するためのインフラ整備からスタートしなければいけない小規模なクリニックが多いという話も聞きます。今後どうなるのか、興味津々です。

5.アパートを借りる際にもチェック

ソーシャルセキュリティ番号は、アパートやマンションを借りる際にも、必要不可欠です。その理由は、貸主にとって借主が本当に家賃を払ってくれるのかが心配だから。アパートやマンションの中には、ソーシャルセキュリティ番号と紐づけされているクレジットスコアが一定レベル以上でなければ借りられないというルールが定められています。

日本でも、破産や債務整理などでブラックリストに載っている人は、アパートやマンションの賃貸契約はできないと聞いています。これがマイナンバーと紐づけされることで、審査の手続きが迅速化すると考えられます。

6.脱税はできなくなる

金融資産すべてがマイナンバーと紐づけされるという事は、収入も銀行口座などの資産もすべて、政府に丸見えという事です。確定申告が迅速かつ正確にできるようになるというメリットはあるものの、資産を隠したいといった脱税行為は、とても難しくなるでしょうね。

アメリカのクレジットカード!毎月ちょっとだけ返済すればOKって本当?

日本のクレジットカードも、近年ではリボ払い的に、使った金額を全額支払わなくても良い支払方法がありますね。でもアメリカのクレジットカードシステムは、ずいぶん昔から、ミニマムペイメントと呼ばれる支払い方法が採用されていて、毎月しっかり完済する人は、もしかしたらそれほど多くないかもしれません。

今回は、このミニマムペイメントと呼ばれるシステムについて、ご紹介しますね。これからアメリカで生活する人は、必見です!

目次

  1. ミニマムペイメントとは?
  2. 毎月どのぐらいを支払えば良いの?
  3. メリットとデメリット

1.ミニマムペイメントとは?

ミニマムペイメント(Minimum Payment)とは、アメリカで発行されるVisaやMasterのクレジットカードで多く採用されている返済方法です。

アメックスに関しても、利用規約を熟読すると、ミニマムペイメントのシステムはあるような感じですが、

「うちは金利が高いので、毎月完済することを強くおすすめします」

と謡われています。

2.毎月どのぐらいを支払えば良いの?

具体的にミニマムペイメントがいくらなのかは、カード発行会社によって異なります。例えば、同じ$3,000の残高があるクレジットカードを持っていても、こちらのカードは最小返済額が$50なのに、こちらのカードは$100ということも、もちろんあります。

具体的に、残高に対して何パーセントの支払いが必要かは、カードを作った時に発行される利用規約に書かれています。目安としては、2%ぐらいだった気がします。借り入れの残高が少ない人は、$25ぐらいが最低支払額に設定されているカードが多いですね。

3.メリットとデメリット

クレジットカードのミニマムペイメントは、メリットとデメリットがあります。

メリット

  • すぐに完済する必要がないので、余裕をもって返済できる
  • 使いすぎた月でも、引き落としにビビる必要がない
  • 出費が多い月などは助かる

デメリット

  • ミニマムでは、支払う利息+元本ちょっと、というレベルなので、完済まで気が遠くなるほどの期間がかかる
  • 日常的にカードを使う人だと、残高がどんどん増える

アメリカ人の中には、ミニマムペイメントだけを払えばオーライ、なんて考えている人もいます。クレジットカードの残高がどんどん膨らみ、ミニマムペイメントの金額もどんどん上がり、そこで初めて「しまった、けっこうキツイ」と自覚するわけですね。

個人的には、ミニマムペイメントだけの支払いは、おすすめしません。なぜなら、元本がほとんど減らないからです。おそらく、毎月しているミニマムペイメントの半分近くは、利息の支払いとして徴収されており、思っているほど元本への支払いには充てられていないと思います。

毎月しっかり完済できる金額を計画的に使うのが、クレジットカードの使い方としては理想的です。

しかし完済できない場合でも、計画的に完済までどのぐらいの期間がかかるのかを把握しながら利用することが、借金まみれにならないためのコツかもしれませんね。

アメリカにもある債務整理!メリットとデメリットとは?

借金大国アメリカでは、無計画にお金を使いまくって借りまくり、首が回らなくなってしまう人が後を絶ちません。そのためでしょうか、日本では弁護士に相談したりして手間がかかりそうな債務整理も、一般人がネットで簡単に利用できるシステムとなっています。

目次

  1. 債務整理(Debt Consolidation)とは?
  2. 債務整理のメリット
  3. 債務整理のデメリット
  4. 債務整理は誰におすすめ?

1.債務整理(Debt Consolidation)とは?

アメリカの債務整理は、Debt Consolidation Programと呼ばれています。イメージとしては、多重債務を一つにまとめて毎月の支払い負担を軽減するというものですね。

例えば、複数のクレジットカードや医療費の分割払い、車のローンなど複数の借り入れがあると、それらすべてに対して毎月支払いをしなければいけません。多重債務者の場合、多くは借り入れの利率も高めなので、利息の支払いだけでも毎月大変という人もいるでしょう。

せめて返済先を1つにしたい、という人に便利なのが、このDebt Consolidationプログラムです。

2.債務整理のメリット

債務整理のメリットは、

  • 借入の金利が低くなる可能性がある
  • 毎月の返済を1カ所にまとめられるので、管理しやすい
  • 金利が下がることで返済額の合計も低くなり、完済までの期間も短くなる
  • 真面目に返済するとクレジットスコアが上がる

などが挙げられます。

3.債務整理のデメリット

債務整理を利用する際には、デメリットについても知っておかなければいけません。

  • 借金をまとめる際に手数料がかかるかもしれない
  • この返済を遅延すると地獄が待っている可能性が大
  • 必ずしも金利が低くなるとは限らない→借入の金利はクレジットスコアで決まる
  • クレジットカードを解約する必要がないので、また使ってしまうリスク大
  • 根本的な解決にはならない

4.債務整理は誰におすすめ?

債務整理がおすすめなのは、

  • 真剣に借金まみれの生活から脱出したいと思っている人
  • 完済までは爪に火をともす生活をしても良いと覚悟を持っている人

ですね。誘惑に負けてしまいやすい人は、残念ながら債務整理をしても、さらに借金が膨らむ可能性があるので、首が回らなくなったら自己破産をした方が良いというケースもあります。

ただし、自己破産の手続きにはネットで簡単にできるわけではありません。しかる弁護士に相談してから、慎重に決めてください。

グリーンカード保持者の相続ガイド

アメリカでは、相続や贈与に関してはとても良心的なルールです。アメリカで相続を受ける場合、控除枠が$13ミリオンと見たこともないような金額で設定されているので、庶民なら相続税と考える必要がありません。アメリカであまり相続税の話題が上がらないのは、大半の人が相続税とは無縁だからなのです。

しかも、配偶者間の相続なら、基本的には控除枠なしの無制限です。何十ミリオンを持っている人でも、また何十ビリオンを持っているような人でも、配偶者からの相続には相続税は一切かかりません。

でも、ご存じですか?この無制限というのは、相続を受ける側がアメリカ市民だった場合のみです。

「えっ?何それ?グリーンカード保持者はどうなるわけ?」

と心配になる方もいるでしょう。

グリーンカード保持者の場合には、若干ルールが変わります。その理由は、配偶者が亡くなって巨額の富を相続した直後に本国へ永久帰国なんてされるとアメリカとしては困るから、です。

それでも資産が庶民レベル&アメリカで暮らしている人なら、グリーンカード保持者でも市民と同等レベルの控除を受けられるので、大きな心配は必要ないでしょう。

心配したほうが良いのは、

  • 夫婦がどちらもグリーンカード保持者の場合
  • アメリカ以外の国で暮らしている場合
  • 保有財産が2ミリオン以上ある富裕層の場合

です。

不動産の相続対象率が変わる

アメリカの不動産は、夫婦でジョイント、つまり共同名義になっていることが多いものです。共同名義の不動産は、夫婦のどちらもアメリカ市民の場合にはお互いに50%ずつの所有権と見なされます。専業主婦だから実質的にはすべて夫のお金で払っているとか、そうした事情は関係ありません。

例えば$500Kの不動産を所有しているなら、どちらの給料で家のローンを払っているかに関係なく、夫婦それぞれが半分ずつ$250Kずつ所有していると見なされます。

アメリカで暮らしているグリーンカード保持者の場合には、家の持ち分に関しては共同名義なら50-50です。この点は、アメリカ市民と同じですね。

ただし不動産評価額の半分相当の金額は、「相続」ではなく「アメリカ市民からグリーンカード保持者の妻へ贈与された」という扱いとなります。贈与税もアメリカでは控除枠が高いので、庶民ならそれほど心配する必要はないでしょう。しかし、無制限相続ではなくて贈与の扱いになってしまう点は、理解しておいた方が良いかもしれません。

また、アメリカに不動産を持っているけれど海外で暮らしているカップルの場合にも、注意が必要です。

上記の例に挙げた$500Kの不動産の場合、全額がアメリカ市民の資産だとカウントされます。グリーンカード保持者の資金をいくら投入したかを証明すれば、その分だけ相続資産から差し引いてもらうことはできるものの、証明できなければ共同名義でも100%がアメリカ市民の資産と見なされてしまいます。

じゃあどうする?

将来の相続のためにアメリカ市民権を取得する、という人はいるかもしれません。しかし、もしかしたら配偶者が帰国したら自分は日本へ永住帰国したいという人もいるでしょう。また、将来は何が起こるか分からないのでグリーンカード保持者のステータスを維持したい人もいると思います。

上記の通り、グリーンカード保持者でも心配したほうが良い人は、それほど多くないと思います。しかしどうしても不安な人や、すでに富裕層なので将来が心配でたまらないという人は、

  • QDOT(Qualified Domestic Trust)を作成して相続税を回避する
  • LLCを設立して資産はすべてそこへ投入 →LLCには贈与税がかからない
  • 生命保険へ加入する →Irrevocable Life Insurance Trustなら贈与税を回避できる

もちろん、素人であれこれ悩んでいても最善策は出ないかもしれないので、外国人の資産管理に詳しい税理士やファイナンシャルプランナーに相談するのもおすすめです。

日本の親からの贈与、贈与税ってどうなる?

アメリカと日本とでは、贈与を受けた際に誰が贈与税を払うかが異なります。

  • アメリカ →贈与者(あげた側)が贈与税を払う
  • 日本 →受贈者(もらった側)が贈与税を払う

例えば、アメリカで暮らす義両親から贈与を受けて贈与税を払わなければいけない場合には、贈与した側、つまり義両親が払うことになります。

しかし日本の両親から贈与を受けたなら、受け取った側の私たちが贈与税を支払わなければいけません。

でも、どこに?どうやって?と謎がいっぱいですよね。

親が日本にいて、私たちがアメリカにいると、日本の国税庁なのか、それともアメリカのIRSなのか、頭が混乱しそうです。

今回は、日本の親から贈与を受けた場合、贈与税をどうすれば良いかを検証してみました。

目次

  1. アメリカに住んでいても贈与税はかかる
  2. 贈与税はどこに払う?
  3. 納税管理人って何?
  4. 注意点

1.アメリカに住んでいても贈与税はかかる?

日本の国税庁

日本の国税庁のルールでは、日本で暮らす親からの贈与に対する贈与税は、私達が日本に住んでいてもアメリカに住んでいても発生します。日本に住民票を入れていなくても、また私たちがアメリカ国籍でもかかります。

なぜなら、贈与する側が日本で暮らしているからですね。

そのため、贈与を受けたら、日本へ贈与税を支払うことになります。

アメリカのIRS

一方アメリカのIRSでは、海外で暮らす親からの相続に対しては、基本的に税金はかからないルールとなっています。アメリカ国内で作られたお金ではないからです。→詳しくはIRSのページから

ただし、IRSに報告する義務はあるので、年始に行うTax Fileの時に合わせて申告してください。

これは申告するだけで、それが所得として扱われるわけではありません。所得税もかかりませんし、贈与税も控除枠がミリオン以上と太っ腹なので、おそらくかかりません。安心してください。

→アメリカでどのような手続きが必要かはこちらから

2.贈与税はどこに払う?

日本の親からもらった贈与に対する贈与税は、日本の税務署へ申告して納税します。

でも、住民票が入っていなかったり、ましては日本の国籍も持っていない人にとっては、税務署ってどこの??ってなるでしょう。

税務署は基本的に、海外に住んでいる私達と直接やり取りをするのはイヤなので、私達が海外に住みながら贈与税を納付しようと思っても、できません。日本国内に住んでいる誰かを「納税管理人」に定めて、その人を介して支払うことになります。

つまり、納付する税務署は、納税管理人が住んでいる住所を管轄する税務署となります。

国税庁のサイトで確認したいひとはこちらから

3.納税管理人って何?

納税管理人とは、納税しなければいけない人が海外に住んでいる場合、代理で納税の対応をしてくれる人を指します。特別な資格が必要というわけではないので、日本に親や兄弟がいるのなら、親族に任せるのが一般的ですね。そうすれば、費用がかかりません。

しかし、頼れる親や兄弟がいない場合には、税理士が対応してくれます。

納税管理人を決めたら、税務署へ納税管理人の届け出をしておけば、自分の所に送付されるべき納税納付書が、管理人の届きます。

納税管理人の届け出フォームはこちらから

4.注意点

納税管理人は、税務署とあなたとの間に入って手続きを代行するだけの役目しか持っていません。税金が高いだろおかしいだろと税務署へ交渉したり、期限内に急いで贈与税を払う義務があるわけではありません。

もしも納税管理人から納付書を受け取って「払いたくないから払わない」なんてケツまくりをしても、納税管理人はその言葉を税務署へそっくりそのまま伝えるだけです。

トラブルが起こった時には、納税管理人ではなくて弁護士に相談することになります。その点は、あらかじめ理解しておいた方が良いでしょう。

アメリカのクレジットスコア、900をとることは可能なのか?

アメリカで生活する人にとっては、死活問題と言っても過言ではないクレジットスコア(Credit Score)。これは一般的にFICOスコアと呼ばれるもので、300~850で計算されます。

スコアによって、クレジットカードの審査に通るか落ちるかが変わる他、ローンを借りる際の金利もまた、スコアによって変わります。

例えば同じ価格の住宅ローンを組んでも、クレジットスコアが高い人は毎月の支払いが$2,000で済むのに、スコアが低い人は毎月$3,000払わなければいけないことも、当然あります。

そう。アメリカでより快適な生活を送るためには、クレジットスコアが良いことに越したことはありません。

クレジットヒストリーとFICOスコアに関してはこちらから

クレジットスコア900って何?

FICOスコアでは、最高850までとなっています。このシステムでは、何をどう頑張っても、スコア900を獲得することはできません。

しかし、自動車ローンを提供するような信販系の業者では、Vantage Scoreというシステムを採用していることがあります。Vantageスコアは計算方法が若干異なっていて、501~990で計算されます。

ただし、FICOの最高スコア850と、Vantage最高スコア990を単純に比較して、990の方が信用度が高いというわけではありません。

スコアの計算方法が違いますから、それぞれのシステムごとに、信用できるとされているスコアの範囲が異なります。

アメリカのカード受取方法の違い

クレジットカードやデビットカードが発送されると、日本では郵便配達員が大切そうに書留で配達してくれます。金融機関によっては、家族ですら受け取ることができず、本人が身分証明書を提示しなければ受け取れないというケースもあるようですね。

しかしアメリカでは、このカードの受け取り方が大きく違います。

なんと、カードはその辺の白い封筒に入れられて、ポストへポイと投函されるのです!

書留のように手渡してくれるわけでもなければ、ポストをチェックしなければ何日も放置されてしまいます。

アメリカで生活していれば慣れますが、初めてカードを受け取る時には、「ちょっとちょっと、ポストに投函なんてありえないでしょ!」と憤慨するかもしれませんね。

でも安心してください。アメリカでは、アメリカ流のセキュリティ対策がきちんと取られています。

カードの受け取り方

金融機関がカードを発送すると、1週間から2週間ぐらいで、自宅のポストへ投函されます。一応、金融機関は気を使ってくれており、銀行名とかクレジットカード会社名などは記載されていません。差出人が不明な感じの封筒で届きます。

ちなみに、追跡番号などはありません。紛失される可能性は、もちろんあります。

2週間ぐらいたってもカードが自宅に届かない場合には、連絡すると「紛失かなぁ。。じゃあもう一度別のカードを送るね」と言って再発送してくれます。

届いたカードはActivateしないと使えない

さぁ、自宅にカードが届きました。しかし、そのままカードを財布に入れて使おうと思っても、ダメです。アメリカでは、クレジットカードでもデビットカードでも、Activateの作業をしなければ、使えません。

この作業は、それほど難しくありません。

  • 登録しているスマホの番号から電話をする
  • 金融機関の公式サイトからアクティベートする
  • カスタマーサービスへ電話してアクティベートする

という3つの方法があります。アクティベートの作業では、カードが届いたことを確認するために、カードの裏面に記載されているセキュリティコードや、カードを受け取った本人のソーシャルセキュリティ番号のしも4~5桁などが必要です。

もちろん、本人なら問題なく答えられる質問なので、心配する必要はありません!

犯罪対策はバッチリ

アメリカに限ったことではありませんが、カードを紛失したり盗まれたりすることもあれば、カードはずっと財布の中に入っているのに、どこからか個人情報が洩れて知らないチャージがされている、なんてトラブルは、アメリカに住んでいればそれほど珍しいことではありません。私自身、過去に何度も経験しています。

基本的には、身に覚えがないチャージに関しては、Disputeをすれば全額がしっかり返金されます。そして、カードもすぐに凍結してくれて、自宅へ新しいカードを送ってくれます。

ちなみに、このDisputeに関しては、必ず調査が入ります。金融機関によっては、まずチャージされた分を返金してくれてから調査をし、もしも正当なチャージなら再度チャージする、という順番の所もあれば、まずは調査をした上で、返金されるべきチャージなら返金しますよ、という順番の所もあります。

クレジットカードの場合には、不正利用の分を返金してもらうまでに時間がかかっても、それほど困ることは少ないと思います。しかしデビットカードの場合には、話は別。不正利用のせいで生活費が亡くなってしまうと、家賃が払えなくなってしまうリスクもありますよね。

そのため近年では、使うのはデビットカードではなくクレジットカードのみ、としている人が増えています。