海外にいると相続も大変?

親が亡くなった時に、子供である私たちが海外に住んでいると、色々面倒なことが起こります。

その一つが、相続の問題ですね。色々調べて分かったことは、

海外にいると相続の手続きがやたら面倒

という事です。

海外に住んでいても、基本的な相続手続きは、日本に住んでいる場合と何も変わりません。でも国内では簡単に取れる書類が、海外にいるために取得できない、という事態が起こるのです。

例えば、親が亡くなって最初に行う作業である遺産分割協議書の作成。

これは相続人(母や兄弟です)と話し合って作成するのもので、全員が署名捺印をして、印鑑証明と共に提出するという作業です。

これがないと、父名義の資産、例えば不動産とか預貯金などの名義変更ができませんし、銀行口座も凍結されたままになってしまいます。

私達が海外に住んでいることで困るのは、

印鑑証明が取れない

事なのです。

私のようにアメリカ市民になっている人はもちろんですが、海外転出している人も、印鑑証明をとることはできません。これをとるためには、日本へ帰国して住民票を入れる必要があります。

はい、できません

印鑑証明を取れない人は、代わりに

署名証明(サイン証明)

と呼ばれるものを作らなければいけません。

サイン証明には2種類あり、

  • 日本の印鑑証明のようなペライチ
  • 公証人の前で書類そのものに署名&証明してもらう

があります。銀行の名義変更ぐらいなら、ペライチタイプでも問題ありませんが、不動産の名義変更や遺産分割協議書に添付する署名証明では、それではNGと言われます。

公証人の前で証明してもらう手続きは、とても面倒。大使館へ予約をして、日本から郵送で送ってもらった遺産分割協議書を持参して、公証人の目の前で署名し、証明書を発行してもらうという手続きをしなければいけません。時間も労力もかかりますよね。

ちなみに、このサイン証明は日本の公証役場でも取れます。もちろん予約は必要ですが、お葬式などで日本へ帰国するのなら、日本の公証役場で取得するのが手っ取り早いと思います。

また相続の際に、この面倒な作業を全省略できる方法があります。公正証書遺言書を作る、という方法です。被相続人が生前に作っておく必要はありますが、これがあると遺産分割協議書が必要ないので、相続のプロセスが驚くほどスムーズになります。

→公正証書遺言書については次回のブログでご紹介します

日本の親から生前贈与!アメリカで税金はかかる?

最近、相続について調べる機会が多くあります。それもそのはず。私の両親は後期高齢者で、遅かれ早かれ相続の問題に直面します。親もようやく重い腰を上げて、終活を始めてくれました。

そんな中、私に生前贈与の話が出ました。親としては、できるだけスッキリさせるために、生前に渡せるものはさっさと渡してしまいたい、と思ったようです。

そこで親から、日本から生前贈与を受けた場合には、アメリカでどんな税金がかかるのかを調査するようにと指令を受けました。

IRSのサイトを見ると、

海外からの贈与や相続に関しては、課税対象外

とのことでした。

IRSのサイトで確認したい人はこちらから

課税対象ではないけれど報告義務はある

しかし!課税対象外だからと言って、甘く考えてはいけません。我らがIRS、もらいっぱなしでも良いですよ、なんて甘い顔をしてくれるはずがありません。

  • 海外の個人からの贈与が$100,000以上の場合
  • 海外の法人からの贈与は$17,339以上の場合

には、IRSへ報告する義務があります。

Turbo Taxで税金申告の準備をしている人は、海外から贈与をうけましたか?という質問があるので、そこに正直に答えればOKです。わざわざIRSへ電話をするとか、そういう手間は不要です。IRSへの申告は、相続も贈与もすべて含めて、税金の申告をする時にForm3520を使って行います。

注意点

日本の親から受け取る贈与に対しては、所得税はかかりません。しかし、それをどこかに預け入れて利子などの利益を生み出した場合には、その利益に対しては所得税が発生します。

日本では贈与税がかかる?

アメリカでは、海外から受け取る金銭の贈与に対しては、贈与税はかかりません。しかし日本の税法では、海外で暮らす私達へ贈与することで、日本の税法によって贈与税が発生します。

国税庁の贈与税に関するページはこちらから

アメリカでは相続の問題を耳にしない!その理由とは?

日本では、少子高齢化の影響もあるせいか、相続の問題をよく耳にします。

しかしアメリカでは、相続したという話を聞くことはあっても、相続でカネの工面ができないとか、相続のせいで家を手放したなんて話は、庶民ならほとんど耳にすることはありません。

その理由、ご存じですか?

それは、アメリカの相続税控除枠が13ミリオン前後と大きいから。

13ミリオンですよ!私も夫も、どんなに頑張っても13ミリオンを息子に残すことは不可能です。

つまり庶民なら、何を相続しても基本的にこの控除枠内に収まるので、相続税の支払いを心配する必要はないという事ですね。

庶民としては、ほっと安心です。

ちなみに、アメリカでの相続で得た資産は、すべて課税対象です。ただ控除枠が大きいから支払う義務が発生しませんよ、というだけです。相続税が存在しないわけではありません。この点は、注意してくださいね。

老後に日本で暮らすと地獄の相続?

まずは、こちらをご覧ください。

この事件というか事態を簡単に説明すると、

  • 海外で税金を納めていて、海外からの年金を受け取っている夫
  • 夫の死後には自身も遺族年金をうけとれる
  • 国税庁が、海外からの遺族年金を「海外資産」と判断
  • 日本女性の平均余命89歳までに受給するであろう金額を計算
  • それに相続税をかけた
  • 払えません

というお話です。

日本で暮らす親からの相続の話ではありません。自分の配偶者が亡くなった時に、これから生きるために受給する遺族年金に対して、生きているかもわからない未来の分まで逆算して資産だとカウントされ、高い相続税を掛けられた、という話です。

私は、アメリカに骨をうずめるつもりです。そのため、夫が定年した後に二人で日本へ行って暮らすことは、まったく考えていません。

でも、海外で生活している人の中には、そういう人、けっこういますよね?

配偶者が日本人でも外国人でも、海外からの年金を夫が受け取っていて、自分はその遺族年金をもらう予定の人は、多くの人が該当する案件だと思いました。

海外資産とは?

さて、ここで問題になるのは、海外資産です。

海外資産とは、そのまんま、海外にある資産のことで、国税庁によると、外国の年金も海外資産にカウントされるらしいのです。

アメリカに住んでいても日本へ相続税を払う?

「えー私アメリカに住んでるのに、どうして日本へ相続税をはらわなきゃいけないの?」

という声が聞こえてきそうですね。

はい、私もそう思いました。それで、国税庁のサイトを熟読してきました↓↓

国税庁のサイトを読みたい人はこちらから

注意点は?

ずっとアメリカで暮らしていて、日本へ10年以上帰ってもいないという人なら、日本の国税庁から「相続税払ってませんよね?」なんて言われることはないと思います。

でも日本に住所がある、つまり住んでいたことがあるとみなされると、話はずいぶん変わります。

過去10年の間に日本に住んでいた人には、海外資産の相続に対して日本の相続税が発生するからです。

なんでも、相続税を逃れたいために、死ぬ間際に海外へ資産を移して「もってません」とフリをした金持ちが大勢いたらしく、その対策として10年という線引きがされたようですね。

日本の相続税は、アメリカと違って控除がちょぴっとしかありません。だから、アメリカでは相続税何それ?という人でも、日本の相続税法では多額を払わされて家を失うリスクもなきにしもあらず。

そのためには、どうしたらよいのでしょうか?

ポイントは、「日本に住んでいたかどうか」の定義です。

日本の税理士の方などは、「住民票が入っていても住居の実態がなければ問題ない」という方が少なからずいます。もちろん、理論的にはそうなのでしょう。

しかし多くの場合、国税庁から莫大な相続税を掛けられて、納得いかないから裁判を起こしたら、最高裁まで行ってワンチャン認められた、という判例ばかりです。

そんなストレス、私はイヤだ・・・。

私はすでにアメリカの市民権をとっているので、住民票はもうありません。でもこれからそういう立場に置かれるかもしれない方は、よーくリサーチをした上で専門家にも相談し、確固たる安心感を手に入れてから日本へ帰国されることをおすすめします。

アメリカでキセルをしたらどうなる?

少し前に、日本を観光客として訪れている外国人が、新幹線の切符を購入せずに新幹線に無賃乗車するという犯罪行為を行っており、X(Twitter)でも大きな話題となっていました。

切符を買わずに電車に乗車することは、キセルと呼ばれる犯罪行為で、鉄道営業法違反となります。これは刑法ではなく民法に触れる犯罪行為として、不正乗車した区間の3倍(乗車分+ペナルティ2倍)の運賃を支払わなければいけません。

近年では、乗車と下車の情報がデジタルで記録されているので、キセルをすることはとても難しくなりました。しかし車内で乗車券をチェックする新幹線においては、キセルをする人が、残念ながらまだ存在します。

アメリカにも電車は走っており、通勤に利用する人が多いメトロなら改札口があります。しかしアメリカの新幹線的な位置づけとなるAmtrakでは、乗車券の確認は新幹線と同じように車内で行われます。

それでは、もしアメリカで乗車券を持たずに電車に乗ったら、どうなるのでしょうか?

切符の紛失は買い直し

車内で車掌が乗車券の確認に来たとき、乗客はスマホもしくは紙のチケットを提示しなければいけません。それを車掌がピピっとスキャンする仕組みになっています。

もしも乗車券を持っていない、もしくは紛失したという場合には、

  • 車内で乗車料金を払う(定価なので安くない)
  • 身分証明書などを見せて車内で後払いの手続きをする→払わないと逮捕
  • お金がなくて払えない人は、次の駅で降りろと言われる→土地感なくても知らん
  • 罰金刑に処せられる →$250~$1,000と安くない
  • 態度が悪いと車掌が通報し、窃盗容疑で逮捕される可能性もある

切符を購入したけれど紛失したのか、それとも最初から悪意のある無賃乗車なのかは、誰にも分りません。車掌はそんなこと知りませんし、追及もしません。

上記の選択肢のうち、何を選ぶかは、車掌の一存で決まります。どの場合でも、あまり悪態をつかずに申し訳ない雰囲気を出していれば、通報されて目的地に着かずに逮捕という最悪の事態は免れるでしょう。

しかし、切符を持っていないのは、あなた。あなたを煮て食おうが焼いて食おうが、すべては車掌の一存で決まることは、覚えておきましょう。

”自称”二重国籍はバレるのか?

アメリカは、二重国籍を認めています。だから、私達のように日本国籍を持つ人がアメリカで生活をして、後からアメリカ国籍(市民権と呼ばれています)を取得しても、まったく気にしません。当然ですが、おとがめもありません。

しかし、日本は違いますよね。日本は二重国籍を基本的に認めていないので、生まれた時から二重国籍だったという人や、国際結婚したら相手の国籍が勝手についてきたという人以外は、二重国籍はダメというルールになっています。

さて、ここからはアメリカに限定したお話をしますね。

日本国籍を持つ私たちがアメリカ国籍の人と結婚しても、アメリカ国籍は自動的にもらえません。アメリカで暮らすためには通称グリーンカードと呼ばれる移民ビザを取得して、それを更新しながら永住者というステータスで暮らすことになります。

いくつかの条件を満たせば、アメリカ国籍を取得する資格を得ることができ、永住者というステータスからアメリカ市民へとグレードアップできます。

アメリカ永住者vs市民権のメリットやデメリットはこちらから

ここからは、私がネットで調べた内容をまとめたものです。私は弁護士ではないので、このブログ内容は法的なアドバイスをするものではありません。ご了承いただける方だけ、先へお進みください。

アメリカ国籍を取得すると、日本の法律ではその瞬間に「日本の国籍を放棄した」と見なされます。

しかし、アメリカの移民局が日本の法務局に「お宅の国民だったXXさんがアメリカ市民になったのでよろしく」なんてお知らせをしてくれるわけではありません。

だから、自分から「アメリカ市民になりました!」と公言しない限りは、日本にある法務局も、そしてアメリカ各地にある日本大使館や領事館は、そんなことは知りません。

ルールを守る人なら、アメリカの国籍を取得する手続きと合わせて、すみやかに日本国籍を放棄する手続きも行うでしょう。しかし、どこでどうやって放棄すれば良いか分からない人、また自動的に日本側でも放棄の手続きをしてくれていると思い込んでる人もいます。

中には、子供が二重国籍なんだから自分も二重国籍で問題ないはず、と間違った解釈をしている人も、一定数いるようですね。

法律的には、アメリカ国籍を取得した瞬間に日本国籍を失うわけですが、それを知らずに自分は二重国籍だと思い込んでいる人は、そのあたりの業界では「自称・二重国籍」と呼ばれているそうです。

さて、長すぎる前置きはこの辺にして、本題に入りましょう。

自称・二重国籍はバレるのか?

結論から言うと、バレる可能性は年々高くなっています。また、バレなくてもアメリカ国内で日本国籍が自然消滅する可能性も高いです。

バレる理由1:アメリカでパスポートを更新できない

アメリカ国籍を取得すると、グリーンカードは帰化証明書と引き換えに返却します。記念として持っていたいとお願いしても、ダメです。回収されます。

アメリカ国内で日本のパスポートを更新する際には、滞在資格を証明するグリーンカードやビザなどを提示しなけばいけませんが、アメリカ市民になれば、もうありません。

だから、アメリカ国内で日本のパスポートは更新できなくなります。

バレる理由2:子供のパスポートを申請してバレる

生まれた時から二重国籍の子供は、アメリカ国内で日本のパスポートを問題なく更新できます。しかしパスポートの更新手続きに行く際には、近年では親の滞在資格もチェックされることがあるようです。

この時、もしも親が自称二重国籍者だと分かると、二重国籍は認めていない旨の説明を受けて、国籍放棄の手続きを始めることになるのだとか。

親が自称二重国籍でも、子供のパスポート申請は受け付けてもらえます。しかし、それと引き換え、と言ったら言葉は悪いですが、親は日本国籍放棄の手続きを始めなければいけません。

「え?じゃあ子供のパスポートは更新しません」

と言っても、時すでに遅し。領事館から日本の法務局へ連絡が入る可能性があります。これをされた事例もあります。日本でのパスポート更新もハードルが上がります(詳しくは↓↓)

バレる理由3:日本でもパスポートを更新できない

アメリカでパスポートの更新ができなくても、日本に行けばできる!なんて思っている人、それは甘いかもしれません。

パスポート申請書類には「外国の国籍を持ってますか?」という質問があり、ここに「はい」と答えると、パスポートの申請は却下されます。

「いいえ」と答えると、虚偽申告となって罰金か懲役刑、場合によっては両方に処される可能性があります。

バレる理由4:海外転入できない

日本が国を挙げて行っている自称・二重国籍者狩りは、公的機関が見事な連携プレーで徹底的に自称・二重国籍者の「ズルい行為」を阻止します。

とある人は、アメリカ国内でパスポートの申請ができないなら日本ですればいいと思い、日本へ帰国して海外転入を試みたそうです。

すると市役所の窓口で、「アメリカ大使館から居住許可証明書を取得してこなければ住民票を入れられない」と言われたとか。

はい、アメリカ国籍を持っている人は、グリーンカードもビザもありませんから、そんな証明書は出ません。つまり、住民票を入れることはできません。

バレる理由5:成田空港でパスポート没収

アメリカ国籍を取得した瞬間に、日本の国籍は失効します。パスポートの見た目が使えそうな感じでも、法的には失効しているので注意してください。本来は使ってはいけないパスポートを使って日本へ入国しようとすれば、パスポートの不正使用です。

日本の入国管理局が出入国のデータを調べれば、一発でバレます。その理由は、二重国籍の人は、アメリカへ戻る際にはアメリカのパスポートを使い、日本に入国する際には日本のパスポートを使うため、出入国記録には、入国記録のみで出国記録がないからです。

手荷物検査をすれば、アメリカのパスポートも当然出てきますから、アメリカ国籍を取得した事実はあっさりとバレるでしょう。そしたら、日本のパスポートはその場で没収、そして不法に入国しようとしたという罪で強制送還されるリスクが高まります。

バレる理由6:親の相続でバレる

日本で暮らす親が亡くなると、相続が発生します。公正証書遺言書を親が残していたとしても、不動産を相続するのならアメリカに合法的に滞在している証明書、もしくは日本国籍を放棄して外国人ですという証明をする必要が出てきます。

相続がきっかけで、日本国籍を放棄する手続きを始めた人は多くいます。その場合、国籍放棄の手続きには数か月という時間がかかるため、それが済むまでは他の相続手続きがすべてストップしてしまいます。相続税の納付期限が迫る中、きっと大きな精神的なストレスになることでしょう。

バレる理由7:ビザは出ない

当然ですが、日本国籍を持っている人に対して、日本へ入国するビザは出ません。コロナ禍では、外国人が日本へ行く際にはビザが必要で、アメリカ国内にある日本領事館が対応していました。

自称二重国籍者の場合には、まず国籍放棄の手続きをしなければビザを出しませんと言われたようです。当然といえば当然です。

領事館によっては、国籍放棄の手続きを始めれば、並行して日本へ行けるビザを出してくれるという良心的な対応をしてくれたところもあるようでしたが、全ての領事館がそういうわけではありませんでした。国籍放棄の手続きに数か月かかるため、親の最期に間に合わなかった人もいたようです。

現在では、このビザ制度は終了していますが、いつ再びそんな事態が起こるか分かりません。いざというときに慌てないためには、平時にきちんと手続きしておいた方が安心です。

サヨナラ日本国籍

子供は法的に二重国籍が認められていても、親も同じように二重国籍者になれるわけではありません。ある統計によると、外国の国籍を取得しても日本国籍を放棄する手続きをしていない人は数十万人いると言われています。

アメリカで生活する上では、特に不自由を感じることはないでしょう。しかし日本で何かしようとすれば、自称・二重国籍では何もできません。もしもこれからアメリカ国籍を取得しようと考えている人は、日本人としての待遇や特典はすべてあきらめる覚悟をもって取得することを、強くおすすめします。

日本の親からの相続税:海外居住者のガイド

遅かれ早かれやってくる親からの相続。海外に住んでいる人にとっては、何をどうすれば良いのか、訳が分からんという人は多いと思います。

我が家でも、両親が70代後半になり、ようやく重い腰を上げて終活や相続のことを考えてくれるようになったため、私も相続についてリサーチを始めました。

今回は、海外で暮らす私たちが、日本の親から相続した場合、相続税はどこにどうやっていつ払えばよいのかを検証しました!

目次

  1. 日本へ相続税を納付する義務はある
  2. 相続税はどこに払うのか?
  3. 海外から相続税ってどうやって払えばよい?

1.日本へ相続税を納付する義務はある

結論から言うと、親が日本で生活している場合には、私達がどこに住んでいようと相続税を納付する義務は発生します。海外に住んでいるから免除とか、海外に何年以上住んでいれば納付義務がない、なんてことは一切ありません。

私のようにすでにアメリカ国籍を取得して日本国籍は持っていないという人でも、日本で暮らす親が築いた資産に関しては、国内外どこにある不動産や株、預貯金、全てが相続税の対象です。

2.相続税はどこに払うのか?

アメリカに住んでいる人でも、日本の親からの相続に対する相続税は、日本の税務署へ納付します。日本に住んでいないから確定申告なんて数十年やったことありません、という人でも、日本の親から資産を相続するのなら、相続税の支払先は日本です。

それでは、アメリカへの申告はどうすればよいのでしょうか?

アメリカのTax Returnでも、日本という海外で暮らす親から相続しましたという報告は、相続する金額次第では、しなければいけません。でも安心してください。IRSは、海外で築いた資産を贈与・相続する際には、税金を払えとは言ってきません。所得税も相続税も、基本的にはありません。

Tax Returnで報告はするけれど、特に何かを支払う必要はなく、報告だけ、です。

No, you won’t have to pay any federal taxes on an inheritance received from a non-US citizen living abroad. However, you may have to report it to the IRS and pay a foreign inheritance tax or a state inheritance tax from overseas inheritances. The US would only impose a tax on the estate for any property with a “US situs.”

By Greenback Expart Tax Services

IRSの公式サイトで確認したい人はこちらから

3.海外から相続税ってどうやって払えばよい?

海外に住みながら、日本のややこしい相続税の計算をしたり、よく分からない半信半疑な状態で税務署へ納税するのは、精神的なストレスがマックスになってしまうことでしょう。税務署としても、海外に住んでいる人とやり取りすることは、あまり好きではないようです。

そのため、海外で生活している人が税務署に相続税を納付する際には、納税管理人というものを立てて、その人が代理で手続きすることになります。

納税管理人は、日本に住んでいる大人なら、誰でもOKです。特別な資格が必要というルールはないので、日本に家族がいるなら家族にお願いしても良いですし、頼める人がいなければ税理士あたりにお願いすることもできます。税務署からの通知を受け取ったものを支払うだけなら、相続の手続きを丸投げした司法書士が対応してくれることもあります。

納税管理人をどのように選べばよいのかについては、ネットでもたくさん情報がありますし、また別の機会に私も色々調べてみます!

アメリカの生命保険は課税対象?

日本でも、生命保険の受取に対する相続税の控除は設定されています。しかし枠が小さいために、後から生命保険金に対して相続税を支払えと言われてしまうトラブルは少なからず起こっているようです。

アメリカの場合、生命保険の受取にかかる税金はどうなっているのでしょうか?

目次

  1. 個人が加入している生命保険は基本的に非課税
  2. 企業が福利厚生として加入してくれている場合には課税対象?
  3. 生命保険を分割で受け取る場合にも税金がかかる

1.個人が加入している生命保険は基本的に非課税

個人が加入している生命保険は、保険金の金額がいくらであっても、税金はかかりません。

その理由は、生命保険はもともと受取人に属する財産だと考えられているからです。

保険金を支払っていたのが夫の給料からだとか、お金の出どころなどは関係ありません。専業主婦が保険金を受け取った場合でも、それはもともと受取人の財産だと考えられるので、そこに相続税や所得税などは基本的にかかりません。

あ、ただし受取額が12ミリオン超という富裕層の場合には、超える額に対して税金はかかります。

2.企業が福利厚生として加入してくれている場合には課税対象?

生命保険の中には、企業が福利厚生の一つとして加入してくれているものもあります。

夫の職場でも、夫に万が一の際には、1年分の給料が生命保険として私に支払われることになっています。

企業が支払っている団体保険の場合には、受取額が$50,000(約750万円)を超える金額に対して、税金がかかります。

3.生命保険を分割で受け取る場合にも税金がかかる

生命保険を受け取る場合、一括で受け取る場合と、分割で少しずつ受け取る場合と、選択できます。もしも分割で受け取る場合には、受取人の資産を保険会社が運用しているという状況になるため、そこには利子がかかり、一括で受け取るよりも受け取り総額は多くなります。

しかしこの場合、かかる利子に対しては税金が発生するので注意しましょう。

夫の祖母が亡くなった話

夫の祖母は、10年ほど前に亡くなりました。当時は、「夫の祖母が亡くなった」という事実しか考えなかったのですが、最近は自分もいよいよ50代になって老後や死をより具体的に考えるようになり、夫の祖母が亡くなった状況や場所なども、10年前とは異なる見方をするようになりました。

認知調で介護施設へ

夫の祖母は70代前半で認知症を患いました。彼女自身は離婚しており、同じく独身でフルタイム労働をする娘と2人で生活していたため、認知症になっても誰かが自宅で見守ることはできませんでした。

ある日、日中一人で家にいた祖母が、自宅を出て徘徊し、自分がどこにいるのか分からなくなったのです。

これを機に、祖母は近くにあった介護施設へ入所することになりました。

彼女が生活していた施設では、公的な施設だったので、お世辞にもラグジュアリーな雰囲気はありませんでした。2人部屋で生活していて、食事はカフェテリアらしい場所で皆でとり、おトイレなども部屋についているトイレを自分で利用していました。

食事を拒否、そしてホスピスへ

祖母が介護施設にいたのは、おそらく10年間ぐらいだったと思います。認知症が進行していたので、私のことは当然ですがすっかり忘れ、顔を見に行く度に「新入りのスタッフなの?」と聞かれたり「あなた、私に良くしてくれるけど、どなた?」と聞いたりという感じでした。

そんな彼女が83歳の時に、施設での食事を拒否するようになったのです。原因はよく分かりませんけれど、何日間か食事をとらなくなったため、そこからホスピスへ移されました。

病院ではありません。ホスピスです。

ホスピスは最期を迎える人のための機関で、余命6ヶ月と宣告されると利用ができます。アメリカでは平均的な滞在期間は75日程度、高齢者になると平均100日程度ですが、メディケアを利用している高齢者の約50%は、ホスピスでの滞在日数は30日以下という統計もあります。

ホスピスは終末医療を提供する場所なので、鎮痛治療ぐらいしか行いません。回復して自宅へ帰る人も中にはいますが、基本的には医師から余命宣告を受けた人しか受け入れていないため、多くの人にとっては最期の場所となります。

祖母の場合も、ホスピスへ移動してからは食事をしないので寝たきりとなり、お迎えが来るのをひたすら待つという状態になりました。

ホスピス滞在日数は2週間

彼女のホスピス滞在日数は2週間。寝たきりになってからは水分摂取も拒否するようになり、いよいよカウントダウンとなったのです。祖母には娘が3人いて、みなさんお見送りをするためにホスピスへ通い詰めていました。

アメリカで増えている「自宅からホスピス」

アメリカでは、医療費が高額すぎるという現実があるため、多くの人は病院に長期入院することはありません。医者からとりあえず痛み止めをもらいながら、できるだけ長く自宅で生活しようと試みます。

高齢者向けの健康保険Medicareや、在職中に加入していた健康保険も併用しながら、居宅で受けられるサービスを受けたり、最期まで自宅で生活することを希望する人も増えています。

お金のある人なら、自宅を売約して身辺整理をスッキリした上で老人ホームや介護施設へ入居できるのでしょう。しかしそうでない場合、自宅が唯一の選択肢となることが少なくありません。

私も、最期はできるだけ長く自宅で生活したいと考えています。もちろん、人生は思い通りに行きません。独居が難しくなる可能性だって、もちろんあるでしょう。そのためには、今から少しずつ選択肢をシミュレーションしながら、あらゆる可能性に備えたいと思います!

アメリカ人の年金事情、みんないくら貯金を持ってるの?

定年退職したら、年金もしくはこれまでの貯金を崩しながら生活しなければいけません。アメリカでは老後をそれなりに生活するためには数ミリオンが必要だと言われていますが、正直、そんな金額を本当に貯めることができる家庭は少ないのが現実。

それでは、実際には皆さん、どのぐらいの貯蓄や年金で生活しているのでしょうか?気になりますよね?

目次

  1. 貯蓄はいくら?
  2. 学歴によっても貯蓄額は違う
  3. 人種別の貯蓄額平均
  4. 自身の貯蓄額に満足している人は少ない

1.貯蓄はいくら?

定年しているアメリカ世帯の平均貯蓄額は、$87,000(約1,300万円)です。短期間でサクッとこの金額を貯められる世帯は決して多くはなく、やはり皆さん、コツコツと長い年月をかけて貯蓄に励んでいます。

ちなみに35歳未満のアメリカ世帯では、老後に向けた貯蓄の平均額は$18,000(約270万円)でした。この年代はちょうど子育て真っ最中という世帯が多く、何かといろいろ出費がかかるものです。

お先が真っ暗でも、貯金するしかありません。

2.学歴によっても貯蓄額は違う

アメリカでは学歴は関係ないという人は一定数いますし、アメリカンドリームという言葉もあります。しかし貯蓄額を学歴別にみると、残念ながらその差は明らかです。

  • 高卒世帯の年金貯蓄額平均 $44,000(約660万円)
  • 大卒以上世帯の年金貯蓄額平均 $142,000(約2,100万円)

3.人種別の貯蓄額平均

アメリカと言えば人種問題がいかなる局面でも話題に出ます。老後のための貯蓄額でも、残念ながら人種別の平均貯蓄額は大きく違います。

  • 白人世帯の年金貯蓄額平均 $100,000(約1,500万円)
  • 黒人世帯の年金貯蓄額平均 $39,000(約580万円)
  • ヒスパニック世帯の年金貯蓄額平均$56,000(約840万円)
  • アジア世帯の年金貯蓄平均 データなし(理由は知りません)

4.自身の貯蓄額に満足している人は少ない

成人年齢のアメリカ世帯の約62%は、老後に向けて何かしらの貯蓄をしています。それは、職場で提供されている401Kかもしれませんし、個人で行うIRAかもしれません。その他にも、老後に向けてコツコツと自身で積立貯金をしている人も少なくないでしょう。

しかし、自身の貯蓄額に満足している世帯は、全体の28%しかありません。つまり大半の人は、大丈夫かな、大丈夫じゃないかもしれない、と不安を抱えながらも、コツコツと前を向いて貯蓄し続けているということになります。

いくら貯めても明確にいくら必要だと分からない老後資金。できるだけ早い時期からできることをやり、定年退職というゴールに到達したら、その後は身の丈に合った生活をするしかないということかもしれませんね。

はい、現実は厳しいです(涙)。