介護施設に入ったら、受給している年金はどうなる?

アメリカでは、クソ高い介護施設へ入居する際にはMedicaidというサービスを使う人が大半ですが、これは低所得者向けのサービスなので、資産を持っている人は一定基準以下になるまで自己負担を強いられます。→詳しくはこちらから

しかし、高齢者の生活を支えているものは、蓄えてきた資産だけではありませんよね。そう、死ぬまで毎月しっかり入ってくる年金もあります。

Medicaidの利用条件を満たすかどうかの資産としては、毎月入ってくる年金はカウントされません。しかし、だからと言って、年金がまるまる懐に入ると思ったら大間違い。甘い。Medicaidは、しっかり年金も計算して取りに来ます!

それでは、どのように没収するのかをご説明しますね。

年金には、ジョイントという概念がありません。Survivor’s benefitがついていたとしても、個人に対して支給されるベネフィットです。

例えば夫の会社から支給される年金は、当然ですが、夫に対して振り込まれます。そして夫が亡くなった後には、遺族である私に対して、遺族年金として支払いが続きます(有料オプションをつけていれば、の話)。

我が家の場合、年金収入の大半は夫の名義です。夫の職場から支給される年金、夫のソーシャルセキュリティ年金、そして年金化した401K、すべて夫へ支払われます。

夫の存命中は、私名義の年金はソーシャルセキュリティのSpousal Benefit(配偶者年金)のみです。フリーランス業で雀の涙な収入はあっても、継続的に稼いでくれた夫の収入の足元にすら及ぶはずもなく、配偶者年金の方がはるかに受給額が多いため、私はこちらを選択する予定です。

もしも将来、夫が介護施設へ入居することになった場合、夫が受給している年金はどうなってしまうのでしょうか?

介護費用が高いからと言って、夫の年金を全て没収されてしまうと、私は生活ができなくなってしまいます。

結論から言うと、

自宅で生活する私に、一定基準額は残してくれる(わずかなお情け)

だから、年金収入がなくなって私が路頭に迷って死ぬ、ということはありません。しかし、夫の年金をそのまま丸ごと継続して受給し続けられるわけでもありません。

じゃあ、その「一定基準額」っていくらなんだよ??

と鼻息が荒くなる方は、きっと私だけではない事でしょう。私も最初、これを知って血圧が爆上りし、鼻息が荒くなりました。

年金をいくら残してくれるかの計算は、

  • 国や州が決めている一定基準額 (2026年現在は$2,705)
  • 家賃やモゲージ、HOA、光熱費などの必要不可欠な住居費がプラス
  • メンテナンスにかかる費用は応相談、多分ダメ
  • 在宅で生活する配偶者(Community Spouse)がキープできる年金には上限と下限がある(2026年時点で上限は$4,066、下限は$2,705)

で決まります。

具体的にどんな風に計算するかというと、

  1. 在宅で暮らす私が受給する年金(ミニマムより低ければ、夫の年金を足してミニマムへ調整)
  2. +家賃や光熱費など、家の維持費(夫の年金を使って上乗せ)

が合計されます。

この合計金額、もしくはMedicaidが設定している上限まで、私は自身の年金に夫の年金を使って上乗せしてキープできます。

上限を超えた分の夫の年金は、Medicaidが「介護費用」として徴収します。

ちなみに、Medicaidが設定している上限や下限はあくまでも基準なので、世帯の年金受給額が下限より低くても、国は助けてくれません。

ライフラインの光熱費はOK、それ以外のサービスは多分ダメ

「住居費として必要不可欠な経費は上乗せできる」

と言われても、具体的に何がOKで何がNGなのか、気になります。だって、皆さんそれぞれ、生活を快適にするために様々なサービスを利用していますから。

まず、モゲージや家賃、それに伴うHOAや保険(Property Insurance)などの諸経費は、在宅で暮らす配偶者にとって必要不可欠な経費としてキープすることが認められています。

しかしそれ以外の、いわゆる「家のメンテナンス費用やサービス、サブスク」は、多くの場合、認められません。それらのサービスを利用するなら、自宅で生活する私が受け取れる年金から勝手にやりくりしろ、と言われます。

認められない費用には、

  • 庭の手入れ(Lawn Mowing, Fertilizer Service)
  • 害虫駆除 (Pesticide)
  • ランドスケープ
  • 家のメンテナンス費用(Gutterの掃除、雪かき、屋根の修理など)
  • IT化にかかる費用(ネット代、スマホ代、テレビやセキュリティシステムのサブスクなど)
  • 自分で好きで購入しているサブスク代 (ChatGPTやCostco会員など)
  • 車のローンや維持費(メンテ代、自動車保険など)
  • その他、好きで加入している保険(生命保険、Home Insuranceなど)
  • 自分の医療費

などがあります。ちなみに我が家では、庭の手入れや害虫駆除はすべて業者任せにしているし、ネットもヘビーユーザーなので割と高いプランのを選んでいます。スマホ代だって払ってるし、テレビもネットフリックスやHuluなどをサブスクしています。

金額にすると、けっこうな額になります。。。

でも、これらは必要経費として認められません。だから、キープするなら自己負担で勝手にやれ、という事らしいです。涙。

401Kを崩して年金化することは、本当に賢明なのか?

401Kを引き出す際には、年金を購入するのか、それとも自己管理するのか、という選択肢があります。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを比較しながら、どのように決断するのが良いかを分かりやすく紹介しています。

アメリカで働いている人の多くは、職場から提供されている401Kなど「一定の年齢になってリタイアするまで引き出せない」口座を持っています。

自分の給料の何パーセントを貯金(拠出ともいう)すれば、会社もマッチングしてくれる、という素晴らしい特典がついていることもあり、多くの人は少し無理をしてでも、できるだけ会社のマッチングを最大にするぐらいは貯めているのではないでしょうか。

ちなみに、まだ25歳の息子様も、会社勤めをしており、この401K口座も持っています。そして、生活に支障をきたさない範囲で拠出しています。(投資は20代に始めるのが勝利)

そして定年を迎えると、いよいよこれまで何十年もかけて貯め続けてきた401Kを引き出す時期がやってきます!

401K商品の多くは、引き出す方法として

という選択肢から選べます。老後の資金に何を求めるかによって、どちらが良いかは違うので、メリットとデメリットを理解した上で、納得して選択する必要がありますね。

自分自身で計画的に引き出す方法

メリット・必要な時に必要な分だけ引き出せる
・自分で管理ができる
・投資で増やせて楽しい
・早く死んだら遺族が相続できる
・損をした感じがしない
デメリット・投資なので元本割れリスクはある
・長生きすると資金の枯渇リスク
・使いすぎるリスク
・資金が底をついても誰も助けてくれない自己責任

死ぬまでもらえる年金化

メリット・毎月必ず定額が死ぬまで入ってくる安心感
・長生きしても経済的に安定
・市場の動向とか気にしなくて良い
デメリット・年金化した分は自分で管理できない
・あとからキャンセルしたり金額の変更は一切できない
・インフレでも受給額は上がらない
・受給額をインフレ調整してもらえるオプションは高額
・早く死んでも残金は戻ってこない(Refundの有料オプションはある)

ハイブリッド

ハイブリッドというのは、401Kの残高を全て年金にするのではなく、部分的に年金化して、残高は残す、という方法です。我が家も、これを選択する予定です。

ハイブリッドにすると、死ぬまで一定額を受給できる安心感がありながらも、401K口座に残した分は自分自身で管理ができるので、必要な時に引き出せます。

それに、401Kは投資なので、増えます。10年間で2倍に増やすこともできます。

結論

これまで貯め続けてきた401Kが、定年退職を迎える時に一体いくらまで大きく成長しているのかは、人それぞれです。

全部を年金化、もしくは全額を自己管理、と極端に決める必要はなく、部分的に年金に変身させることも可能なので、その点ではフレキシブルですね。

一体いくらを年金にするべきなのか、については、他の年金受給額や、家庭で毎月かかる出費を見ながら、毎月の出費を年金でカバーできるような計画が安心かなという気がします。あ、これはあくまでも、経済的な安定を求めたい私個人の意見ですが。

アメリカ人の年金事情、みんないくら貯金を持ってるの?

定年退職したら、年金もしくはこれまでの貯金を崩しながら生活しなければいけません。アメリカでは老後をそれなりに生活するためには数ミリオンが必要だと言われていますが、正直、そんな金額を本当に貯めることができる家庭は少ないのが現実。

それでは、実際には皆さん、どのぐらいの貯蓄や年金で生活しているのでしょうか?気になりますよね?

目次

  1. 貯蓄はいくら?
  2. 学歴によっても貯蓄額は違う
  3. 人種別の貯蓄額平均
  4. 自身の貯蓄額に満足している人は少ない

1.貯蓄はいくら?

定年しているアメリカ世帯の平均貯蓄額は、$87,000(約1,300万円)です。短期間でサクッとこの金額を貯められる世帯は決して多くはなく、やはり皆さん、コツコツと長い年月をかけて貯蓄に励んでいます。

ちなみに35歳未満のアメリカ世帯では、老後に向けた貯蓄の平均額は$18,000(約270万円)でした。この年代はちょうど子育て真っ最中という世帯が多く、何かといろいろ出費がかかるものです。

お先が真っ暗でも、貯金するしかありません。

2.学歴によっても貯蓄額は違う

アメリカでは学歴は関係ないという人は一定数いますし、アメリカンドリームという言葉もあります。しかし貯蓄額を学歴別にみると、残念ながらその差は明らかです。

  • 高卒世帯の年金貯蓄額平均 $44,000(約660万円)
  • 大卒以上世帯の年金貯蓄額平均 $142,000(約2,100万円)

3.人種別の貯蓄額平均

アメリカと言えば人種問題がいかなる局面でも話題に出ます。老後のための貯蓄額でも、残念ながら人種別の平均貯蓄額は大きく違います。

  • 白人世帯の年金貯蓄額平均 $100,000(約1,500万円)
  • 黒人世帯の年金貯蓄額平均 $39,000(約580万円)
  • ヒスパニック世帯の年金貯蓄額平均$56,000(約840万円)
  • アジア世帯の年金貯蓄平均 データなし(理由は知りません)

4.自身の貯蓄額に満足している人は少ない

成人年齢のアメリカ世帯の約62%は、老後に向けて何かしらの貯蓄をしています。それは、職場で提供されている401Kかもしれませんし、個人で行うIRAかもしれません。その他にも、老後に向けてコツコツと自身で積立貯金をしている人も少なくないでしょう。

しかし、自身の貯蓄額に満足している世帯は、全体の28%しかありません。つまり大半の人は、大丈夫かな、大丈夫じゃないかもしれない、と不安を抱えながらも、コツコツと前を向いて貯蓄し続けているということになります。

いくら貯めても明確にいくら必要だと分からない老後資金。できるだけ早い時期からできることをやり、定年退職というゴールに到達したら、その後は身の丈に合った生活をするしかないということかもしれませんね。

はい、現実は厳しいです(涙)。