アメリカの大麻産業事情、ネットで買える日も近い?

アメリカでは、州によっては大麻(Marijuana:マリワナ、マリファナ)が合法となっており、誰でも自由に購入して楽しむことができます。日本では大麻は違法薬物に分類されており、大麻取締法によって刑罰が処されます。ここでは、アメリカの大麻産業についてご紹介しましょう。

目次

  1. 大麻ってそもそも何?
  2. 日本の大麻事情
  3. アメリカの大麻事情
  4. 大麻が合法になることのメリット
  5. 大麻が合法になることのデメリット
  6. 大麻産業がアメリカ経済を活性化?

1.大麻ってそもそも何?

大麻とは、カンナビスやエル、サティバなど大麻草に分類される植物で、薬物として使われているのは主に、大麻草の花や葉を乾燥させたものや、樹脂の液体、もしくは樹脂化させたものなどが使われています。これらは、日本では違法薬物という取り扱いになりますが、大麻の中には違法にならないものもあります。

例えば、七味唐辛子には、大麻草の一種である麻の実が使われています。実の部分は、花や葉を乾燥させたものではないので、セーフとなるわけです。また、大麻草の茎の部分の皮を使って繊維とした服飾品などがありますが、これも違法にはなりません。

2.日本の大麻事情

日本では、大麻は違法薬物に指定されています。営利目的でも、個人使用目的でも、刑事処罰の対象となります。

営利目的私的な利用目的
栽培、輸入、輸出10年以下の懲役7年以下の懲役
所持、譲渡、譲受7年以下の懲役5年以下の懲役
日本の刑罰

ちなみに、実際に栽培したり輸出入したり、所持していたとか他人に渡したりもらったという事実がなくても、未遂「もらおうとした」だけでも、刑罰の対象となります。

しかし日本の法律では、大麻の所持は違法ですが、大麻の使用は実は罪に問われないという、なんとなく矛盾したルールがあることはご存知ですか?所持というのは、「大麻だと知っていて持っていた」場合で、友達から「吸ってみる?」と言われて、大麻だと知らずに使用した、なんていう場合には、大麻の単純使用とみなされるため、罪に問われないということになります。

ただし、友達にすすめられたからと言って、自分が何を吸っているかも知らずに使用する人はいないと思うので、「使用したけれど持ってないからセーフ」という言い分は通用しにくいでしょう。

3.アメリカの大麻事情

大麻

アメリカでは、州ごとに大麻に対する認識が異なります。大きく分けると「禁止」「非犯罪化」「医療用合法化」「合法化」に分類できます。

禁止大麻は全面禁止。使用も所持も、栽培も販売もすべてNG。
非犯罪化禁止というスタンスだけれど、場合によっては刑罰ではなく罰金にするというもの。例えば、「少量を個人で使用するために所持していた」場合などが該当します。
医療用合法化医療目的で医師から処方された大麻なら、合法的に使用できるというもの。ただし、レジャー目的は違法となります。
合法化医療用はもちろんのこと、レジャー目的でもOK。ただし、栽培や販売に関しては別途でルールの設定が必要で、州ごとに法律の制定が急がれています。
アメリカの大麻認識

アメリカ50州は、大麻をどこまで認めるのかという点で見解が異なります。レジャー目的での使用がOKという州でも、基本的には成人であることが条件となっているのが一般的です。未成年のレジャー大麻を認めている州は、ありません。

州ごとの認識はこちらから

ちなみに、全面禁止となっている州には、アラバマ州、ジョージア州、アイダホ州、インディアナ州、カンザス州、ケンタッキー州、サウスカロライナ州、テネシー州、テキサス州、ウィスコンシン州、ワイオミング州があります。

全米で見ると、医療用大麻ならOKという一部合法化している州は全体の75%にも上り、今後はさらに増えると予想されています。ちなみに、レジャー大麻もOKと認めている州は、全体の30%あります。

4.大麻が合法になることのメリット

大麻栽培

アメリカで大麻が合法化されると、どんなメリットがあるのでしょうか。

  • 犯罪集団の収入減少
  • 大麻産業の成長による雇用機会の増加
  • 大麻関連の逮捕や訴訟が減り、政府にとっては経費削減
  • 国にとっては大麻税の税収が増える
  • 高品質の大麻がリーズナブルに購入できる

メリットを見ると、大麻がたばこや酒のように合法化されると、国は税金によって収入アップとなる他、これまでは違法行為としてこそこそ大麻を使っていた人が堂々と使えるようになり、逮捕者が減ることになります。現在、アメリカ政府は年間100億ドル以上を大麻を阻止するために費やしています。その費用負担がなくなり、おまけに税収が入ってくることは、経済活性化という点でもメリットかもしれません。

さらに、民間企業が堂々と大麻を販売することで市場競争が激化され、より高品質の大麻がリーズナブルに購入できる可能性も期待できそうです。

5.大麻が合法になることのデメリット

大麻が合法になることは、良いことばかりではありません。やはり、デメリットも理解しておきたいですよね。

  • 大麻の過剰摂取による健康への影響
  • 中毒者の増加
  • 大麻が合法な州への転居希望者が増加

中毒者や健康被害は、大麻に限ったことではありません。タバコやお酒も、同じリスクがあります。

6.大麻産業がアメリカ経済を活性化?

アメリカでは、州ごとにルールは違えど、時代の流れによってどの州でも少しずつ大麻合法化に向かって進んでます。大麻が合法化されることによって、アメリカには大麻産業という新しい産業が誕生します。タバコや酒の産業がアメリカ経済に与えたプラスの影響と同様に、大麻産業によってもアメリカ経済は活性化されると考えられており、多くの企業ではその成長に関わることはできないかと、ビジネスチャンスを探しているようです。

例えば、大麻が合法化されると、「大麻ブラウニー」「大麻クッキー」など、一般市民でも楽しめるような食品として、大麻が一般家庭に入ってくることが予想されています。食品メーカーにとっては、大きなビジネスチャンスです。また、「大麻コーヒー」などの飲料水も登場するとみられています。

さらに、サプリメント業界でも、大麻サプリが登場するのではないでしょうか。

農業部門においても、大麻農場が増え、農業が活性化すると考えられていますし、医療用大麻のニーズが高まることによって、製薬会社にも大きな利益をもたらしてくれそうです。

大麻によって税収が増えると、自治体では資金が潤い、公共や教育のプログラムにもより多くの資金が提供されるかもしれません。

そう考えると、大麻の合法化は、遅かれ早かれ州という枠を超えて全米レベルでアメリカ経済の中心的な存在になるかもしれませんね。もしも全米規模で合法化されれば、もしかしたらアマゾンで大麻食品を気軽に購入できる日がやってくる可能性もありそうです。

アマゾンではすでにこんなものが販売

アマゾンでは、大麻そのものは販売されていませんが、大麻を楽しみたい人のために、こんなグッズがすでに販売されています。

アメリカの医療費の闇は深かった!

アメリカの医療費って、信じられないぐらい高いですよね!アメリカで自己破産する人の60%は、医療費が払えないことが原因と言われているほどですし、新型コロナウィルスで入院すると、1億円の医療費請求を受け取るという噂もまことしやかにささやかれています。

どうしてアメリカの医療費は、こんなに高いのでしょうか?気になりますよね?

目次

  1. アメリカの医療費が高い理由(1) 医療費は自由価格
  2. アメリカの医療費が高い理由(2) 医師が高給すぎる
  3. アメリカの医療費が高い理由(3) 人件費が高い

1.アメリカの医療費が高い理由(1) 医療費は自由価格

※写真はイメージです

アメリカの医療費が高い1つ目の理由は、医療費は医療機関が自由に設定できる仕組みになっていることが考えられます。日本の場合には、同じ治療を受ける場合には、都道府県や病院が変わっても、かかる医療費は同じですよね?これは、厚生労働省が医療費を一元管理しているからです。

しかしアメリカでは、医療はビジネスという考えが根底にあるため、医療費は病院やクリニックがそれぞれ自由に設定できます。同じ治療を受けても、ニューヨーク州のマンハッタンだと治療費が2万ドル、しかしアーカンソー州の田舎町ではたったの500ドル、なんて雲泥の差が出てしまうことも、不思議ではありません。

2.医師が高給すぎる

アメリカの医師が稼ぐ給料は、他の先進国と比較しても驚くほど高額です。

日本を含めた先進国では、医師の平均給料は、870万円~1600万円程度です。もちろん、健康保険が適用されない美容整形の分野に行くと、アメリカのように治療費が医療機関ごとに自由設定となるので、私が大ファンの「イエス!」医師のように高給の医師もいますが、決して一般的ではありませんよね。

しかしアメリカでは、医師の平均給料は、なんと2200万円と超高給です。

医師が高給な背景には、学校のビジネス化がある

医師になるためには、大学や大学院などの教育機関でMedicalを専攻し、州のライセンスを取得しなければいけません。アメリカは医学部だけでなく、大学全体がとても高額で、社会問題にもなっていますが、その中でも医学部は特に高額な学部として知られています。

医師になるためには、この高額な学費を支払わなければいけませんよね。親が超リッチな富裕層なら良いですが、誰もが富裕層出身というわけではありません。庶民だと医師になるために多額の教育ローンを組み、卒業するまでに1000万円~2000万円のローン借り入れとなってしまうことは珍しくありません。

このローン、どうやって返済するのでしょうか?

ローン返済のためには、高給を稼げる仕事につくしかありません。医師の給料が少しずつ上がって現在の状況となっているのは、学費の高騰と連動しているのです。

訴訟対策にもお金がかかる

アメリカは、訴訟大国です。個人レベルでも簡単に訴訟できますし、訴訟とか裁判に対してハードルはとても低いですね。

アメリカの医療機関も、患者が望む結果にならなければ、訴えられるリスクを抱えています。医療ミスのような、明らかに病院側に問題がある場合だと、信じられないぐらいの高額な賠償金を支払うことになりますし、そうでなくても患者さんからの訴訟に対しては、常に不安が付きまといます。

そのため、アメリカの医療費には、この万が一の訴訟に備えた弁護士費用が含まれています。

また、アメリカの医療機関では、訴訟が嫌なので、患者に対して過剰なサービスや治療をする傾向があります。そうした過剰な治療に対して費用を支払うのは患者なので、結果的に医療費が高くなってしまうわけですね。

研究費にも巨額を投資

アメリカの医療機関の多くは、研究のために莫大な金額を投資しています。新薬の開発を始め、アメリカの医療技術が世界のトップレベルに君臨し続けているのは、こうした研究の結果によるものです。

その研究費は、どこから出ているのでしょうか?

そうです、私達、患者です。もちろん、いろいろな所から資金集めはしていますけれど、私達が支払う医療費の一部は、こうした研究費に回っているのでしょう。

3.アメリカの医療が高い理由(3) 人件費が高い

アメリカの医療現場には、医師だけでなく、看護師をはじめとするスタッフなど、たくさんの人が働いています。これらのスタッフには、全て人件費がかかります。アメリカは全般的に人件費が他の先進国と比較しても高額なため、これらの人件費が治療代の中に含まれていると考えると、必然的に医療費が高くなってしまうのも納得できるのではないでしょうか。

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アメリカの医療費の仕組み

高すぎる大学費用!安くする方法とは?

世界中を見ても、アメリカほど大学の学費が高額な国はありません。高額な私立大学になると、年間の学費が8万ドルを超えるところもあり、4年間通うと、ちょっとした家が1軒建つと言っても過言ではありません。

しかしアメリカには、学費がとてもリーズナブルな、良心的な大学もあります。

目次

  1. 学費が安い州立大学はココ
  2. 学費を安くすることはできる?
  3. 高い学費はどうやって払えばよい?

1.学費が安い大学はココ

既にアメリカで暮らしている人なら、住んでいる州の州立大学をチェックすることから始めると良いでしょう。私立大学よりも学費がリーズナブルな大学が多いですし、中には州内で暮らす生徒には学費を優遇する制度があったりします。

州立大学の場合(IN-State)

大学名ロケーション学費
Bridgewater State Universityマサチューセッツ州$910
Framingham State Universityマサチューセッツ州$970
University of North Carolina at Pembrokeノースカロライナ州$1,000
Elizabeth City State Universityノースカロライナ州$1,000
Dine Collegeアリゾナ州$1,320
Gulf Coast State Collegeフロリダ州$1,750
CollegeCalcより

州立大学では、その州で暮らす生徒が対象となるIn State Tuition の方が、州外からやってくるOut of State Tuitionよりも、圧倒的に安くなります。In State Tuition の対象になるかどうかは、各州によって居住年数などの条件があり、1年その州で暮らせばOKという州もあれば、過去3年暮らせばOKという州もあります。

年間の学費が$1,000程度と驚愕的なレベルでリーズナブルな大学が多いのは、主にマサチューセッツ州ノースカロライナ州です。

このIn State Tuitionは、残念ながら日本からの留学生には適用となりません。もしも州立大学を留学先として選ぶなら、学費はOut of Tuitionの金額を参考にすると良いでしょう。

州立の場合(Out of State)

大学名ロケーション学費
Minot State Universityノースダコタ州$6,810
Alcom State Universityミズーリ州$6,888
Central State Universityオハイオ州$8,096
University of Texas of the Permian Basinテキサス州$8,274
Southwest Minnesota State Universityミネソタ州$8,338

州立大学の中には、州内も州外も学費は一律となっている良心的な大学もあります。その場合には、Out of Stateの学生でもリーズナブルな学費で通えそうです。

私立大学の場合

大学名ロケーション学費
Brigham Young Universityユタ州$6,120
Stillman Collegeアラバマ州$11,025
National Louis Universityイリノイ州$11,325
Tougaloo Collegeミズーリ州$11,398
Wilmington Universityデラウェア州$11,750
Willey Collegeテキサス州$12,500

どこに住んでいようと、州内と州外、そして留学生でも学費に大きな差がないのは、私立大学です。その中でも特に、ユタ州にあるBrigham Young Universityは学費が安いことで人気があります。またこの大学は、モルモン教徒が多く入学する大学としても知られています。日本からの留学生も比較的おおいので、リーズナブルにアメリカ留学したい人にとっては、ぜひ検討したい大学と言えるでしょう。

2.学費を安くすることはできる?

アメリカの大学は、全般的に高額です。自宅のすぐそばにリーズナブルな学費で学びたい専攻のある大学が運よくあればよいのですが、必ずしもそういうわけにはいきません。学びたいことで大学を選んだら、びっくりするほど学費が高くなってしまうということの方が多いのではないでしょうか。

そんな高額すぎるアメリカの大学費用は、いくつかの方法で安くすることができます。

Financial Aid( ファイナンシャルエイド)

アメリカの大学に通うほとんどの生徒は、このファイナンシャルエイド制度を利用しています。これは、親の収入に応じて学費がディスカウントされるという制度で、世帯収入が多い親を持つ生徒ほど、支払うべき学費は高くなります。

学費の事情についてはこちらから

Scholarship(スカラーシップ:奨学金)

これは、秀でた成績優秀者に提供されるもので、基本的には貸与ではなく賞与です。日本の大学で奨学金というと、一般的には貸与で、卒業後には返済義務が生じますよね。しかしアメリカの奨学金は賞与なので、返済の義務はありません。ちなみに返済が必要なものはローンと呼ばれていて、区別しやすくなっています。

奨学金は一般的に、提供する機関から大学へ直接支払われます。そのため、生徒の口座に振り込まれることはありません。

Grant(グラント)

返済不要な賞与タイプの奨学金とよく似ていますが、Grantは、生徒が直接現金で受け取れるタイプの奨学金です。学費のために使うことは義務付けられていますが、授業料(Tuition)に使わなければいけないというルールはなく、寮費や教科書代などに充ててもOKです。

3.高い学費はどうやって払えばよい?

アメリカでの大学費用を支払う方法は、いくつかの選択肢があります。

公的な教育ローンを活用する

まず最初に検討したいのは、Subsidized Loanと呼ばれる公的機関からの教育ローンです。大学院は対象外となりますが、年次によって年間$3,500~$7,500を借り入れることができます。

借り入れ額の上限
大学1年目$5,500/y
大学2年目$6,500/y
大学3年目$7,500/y
大学4年目$7,500/y

Subsidized Loanのメリットは、

  • 民間のローン商品よりも低金利で借りられる
  • 返済方法を選べる
  • 10年間遅延なく返済することで、その後の返済が免除になる可能性アリ
  • 世帯収入に関係なく借りられる(大学経由で申請するため)

です。

民間の教育ローンを借りる

公的な教育ローンだけでは、十分に学費を賄えない場合には、民間の金融機関から提供されている教育ローンを利用することもできます。この場合、親が保証人となれば、低金利で借りられますが、保証人を付けなくても借りることは可能です。ただしその場合には、金利の面で割高となってしまうため、注意しなければいけません。

多くの教育ローンでは、学費や寮費など卒業に必要なコストを100%カバーしています。そのため、あちこちから複数の教育ローンを利用しなければいけない人は少なく、一つのローンでまとまった資金を借りるのが一般的です。

ただし、まとまった金額を借り入れると、低金利の教育ローンでも返済は大変です。借りる際には、返済計画も考え、できるだけ低金利で借りられるローン商品を選ぶことをおすすめします。

親が家を担保にして学費を工面

アメリカでは、所有している家を担保にお金を借りるHome Equity Loanという借り方も多いです。自宅を所有している人だけが利用できる借り方ですが、子供本人に多額のローンを負わせる必要がないという点で人気があります。

また近年では、親が自宅のローンをリファイナンスすることで学費分を捻出するという支払い方法も増えています。自宅の価値が、住宅ローンの残高よりも高ければ、その差額を上限としてリファイナンスの際に現金を引き出すことができます。

アメリカの歯医者は高額!?

アメリカに来ると、とにかく医療費が高額というイメージが強すぎて、医者にかかることもためらってしまう人は多いですよね?確かに、アメリカの医療は日本と比べると比較できないほど高額ですが、その中でも歯医者は別格です。ここでは、アメリカの歯医者にかかると、どのぐらいの費用がかかるのか、そして歯医者で治療を受ける方法などをご紹介します。

目次

  1. アメリカの歯科治療は高額?
    • 加入している健康保険に歯科プランがあるかを確認する方法
    • ガッカリ、歯科はカバーされていなかった。どうする?
    • うちは駐在。大丈夫だよね?
  2. アメリカでの歯医者の見つけ方
  3. 歯科治療はどのように進む?
    • クリニックに来院してチェックイン
    • まずは歯科助手がお口の中をクリーニング
    • いよいよ医師が登場
    • 治療はその日は行わず
  4. 歯科治療の相場はどのぐらい?
    • 歯科検診とクリーニング
    • 虫歯治療
    • 神経の根幹治療(Root Canal)
    • 歯周病によるディープクリーニング
  5. 歯科保険の選び方
    • Deductible(年間の免責額)
    • 保険を安く抑えるコツ
  6. アメリカの歯医者はココがすごい!
    • 麻酔フレンドリー
    • テレビ付き歯医者が多い
    • 通院回数が少ない
    • 待ち時間が少ない
※写真はイメージです

1.アメリカの歯科治療は高額?

アメリカで歯科治療を受ける際には、まず最初に、健康保険で歯科治療がカバーされているかどうかをチェックすることから始めましょう。日本では、健康保険に加入していれば、内科でも外科でも歯科でも、基本的にはリーズナブルな料金で治療を受けられます。しかしアメリカでは、健康保険の中に歯科プランが含まれていない場合があるので、要注意です。

この場合には、まずは歯科保健に加入した上で歯医者に行くことを、強くお勧めします!

加入している健康保険に歯科プランがあるかを確認する方法

健康保険は、プランごとにどこまでカバーされるかが異なります。歯科治療でも、チェックアップやクリーニングなどの予防歯科分野ならカバーするけれど、後はしないというプランもありますし、歯科治療は全くカバーしないというプランもあります。

確認する方法としては、加入している健康保険の会社に電話をして確認するか、それともホームページで紹介されているプランのBenefitを確認するという方法が良いでしょう。

ガッカリ、歯科はカバーされていなかった。どうする?

もしも加入している健康保険で歯科の治療がカバーされていない場合には、どうしたら良いのでしょうか?方法は3つあります。

  • 加入している健康保険のOpen Season(11月ごろ)まで待ってから、歯科プランを追加する
  • 個人で歯科保険を購入する
  • 自費でそのまま治療する

ちなみに、自費でそのまま治療することは、おすすめしません。信じられないほど高額な治療費になってしまいます。

うちは駐在。大丈夫だよね?

駐在でも、保険会社のプランによっては歯科治療がカバーされていないというケースは少なくありません。手厚い保険を会社が選んでくれているはず、だと過度の期待をせずに、まずはBenefitをチェックしましょう。

2.アメリカで歯医者を見つける方法

アメリカには、たくさんの歯医者があります。しかし、歯医者ならどこに行っても良いというわけではありません。健康保険プランのネットワークごとに、ネットワーク対象となる歯医者と、そうでない歯医者とがあります。

自分が通えるネットワーク内の歯医者を見つけるためには、健康保険のホームページもしくはアプリを使い、dentist(歯医者)を検索して見つけます。歯医者と言っても、口腔内手術を行えるOrthodontistなどもいますが、チェックアップや虫歯治療、歯周病治療などは、General DentistなどでOKです。

歯医者を見つけたら、いよいよ電話で予約を入れます。日本でも歯医者は予約制が多いですが、それでも緊急の時にはアポなしでも来院すれば受診できますよね。

しかしアメリカでは、アポがなければ見てもらえない可能性が大です。そのため、まずは電話で予約を入れてください。緊急の場合には、いかに緊急なのかを電話で訴えれば、できるだけ早い時間や日時に予約を入れてもらうことができるかもしれません。

電話予約をする際には、どんな目的で受診したいのかという質問をされるほか、健康保険の種類についても確認されます。ここで、うっかりネットワーク外の歯医者だと、「その保険はうちで取り扱っていませんよ」と教えてくれます。

3.歯科治療はどのように進む?

クリニックによって、多少の順番は違うかもしれませんが、簡単な流れをご紹介しますね。

クリニックに来院してチェックイン

クリニックにいったら、受付で名前とアポの時間を告げて、チェックインします。これは、日本と同じですよね。この時、初診だと、健康保険証のコピーを取ることが多いので、提示を求められます。2回目以降は、「健康保険は前回と同じですか?」と聞かれ、同じなら再コピーは必要ありません。

一般的なクリニックだと、受付する時にCo-Payを徴収されるところも多いのですが、歯科の場合にはCo-Payシステムが少ないからでしょうか。受付時に徴収される歯医者は、ほとんどありませんね。

まずは歯科助手がお口の中をクリーニング

アメリカの歯医者は、完全個室というわけではありませんが、患者同士が顔をあわせずに済むような個室のようなスペースになっています。そこへ通されると、まずは歯科助手がやって来て、レントゲンを撮るなど、必要な作業を行います。

その上で、医師が診察しやすいように、お口の中をクリーニングしてくれます。日本のクリーニングだと、超音波を使う所が多いのですが、アメリカはマニュアル式が多いですね。私は個人的に、超音波だとキーという高音で謎の痛みを感じるので、アメリカ式のマニュアルクリーニング、つまり手彫りタイプが好きです。

いよいよ医師が登場

歯科助手がお口の中をある程度綺麗にしてくれたら、医師がやってきます。レントゲンを確認したり、口の中を実際にチェックして、虫歯の有無とか歯周病の有無などを検査してくれます。

もし虫歯や歯周病で治療が必要な場合には、どんな状態のトラブルがあって、どんな治療が必要かという説明を受けた後で、治療にかかる費用の見積もりを出してもらえます。

見積もりの出し方ですが、クリニックが健康保険会社に連絡をして、ざっと見積もりを出すことになります。

そして、治療方針及び見積もりに納得した上で、治療を開始することになります。

ここで注意したいのは、アメリカの歯医者では、見積もりを取って患者が納得してから、治療が始まるという点ですね。なんせ日本よりも歯科治療が高額なので、場合によっては「これ、高いな、今回はちょっと無理」なんてことがあるかもしれません。万が一のトラブルを避けるために、まずはお金の話、治療はその後、なのです。

治療はその日は行わず

歯科検診でトラブルが見つかっても、その場で治療することはまずありません。

多くの場合には、次の予約を取らなければいけません。

その理由は、歯医者は完全予約制で、一人の患者の治療時間が決められているからですね。歯科検診だけのはずだった人に、あれもこれもと治療をしてしまうと、時間がかかって次の患者さんに影響があります。そのため、治療が必要な場合には、治療は次回しましょう、となるわけです。

ちなみに、アメリカの歯医者では、何度通院しても再診料はかかりません。治療の内容に対して費用がかかるので、それを1度に終わらせても、3回に分けても、歯医者が受け取れる治療報酬の金額は同じです。

日本だと、再診料が発生するので、ダラダラと治療を続ける医師もいたりしますよね、アメリカにはそういうモノはないので、治療は基本的に早いです。

4.歯科治療の相場はどのぐらい?

アメリカの歯科治療は、内科や外科に行った時と同じで、健康保険がどこまでカバーしてくれるかによって治療費は大きく変わります。ザックリとした目安とか相場を見ても、日本よりはかなり高額だと感じる人は多いですね。

歯科検診とクリーニング

特に問題がない人でも、6か月に1回は歯科検診とクリーニングを進められます。もしもこれを無保険で行うと、相場としては300ドル~500ドル程度かかることが多いですね。しかし、健康保険が歯科治療をカバーしている場合には、自己負担ゼロとなることが多いです。

しかし近年では、健康保険のカバーが劣悪になりつつあり、クリーニングはカバーするけれどレントゲンはカバーしません、なんてこともあります。

虫歯治療

簡単な詰め物をするだけの虫歯治療だと、保険が適用される銀歯(アマルガム)でも、70ドルぐらいかかります。しかし、銀歯の人気が最低なアメリカでは、健康保険がきかない白色のセラミックを所望する人も多く、この場合には1本あたり150ドル~200ドルぐらいかかります。

神経の根幹治療(Root Canal)

虫歯を放置すると、やがては歯の神経にも影響がでて、根幹治療が必要になります。この場合、保険を使っても200ドル~500ドルぐらいかかりますが、無保険だと、治療費は2500ドル~ということが多いです。

歯周病によるディープクリーニング

歯周病の治療としては、スケーリングと呼ばれるディープクリーニングを行うのが一般的ですよね。これは、歯と歯茎の間の隙間をスッキリクリーニングするという治療で、麻酔をかけて行います。かかる治療費は、上下左右のスケーリングで、700ドル~900ドルぐらいが相場となります。

5.歯科保険の選び方

歯科保険商品を選ぶ際には、どんな点に注意して比較検討したら良いのでしょうか?

Deductible(年間の免責額)

歯科保険にも、Deductibleはあります。Deductibleとはつまり、健康保険を適用する前に自己負担として払わなければいけない金額ということです。

例えば、Deductibleが1000ドルの歯科保険だとしましょう。ルートカナル2500ドルという治療をすると、まず自己負担分の1000ドルに関しては、支払いが確定します。そして、残りの1500ドルに対して、保険の適用率に応じた額がカバーされます。もしもルートカナルの適用率が80%だとすると、自己負担分は

Deductibleの分 $1,000

保険適用分($1,500分のうちの自己負担)300ドル

合計の支払額 $1,300ドル となります。

お口の中に自信がある人なら、このDeductibleの額が高めの保険を選んで毎月の保険料を安く抑えるという方法もありますが、年に2回の歯科検診が無料になる保険プランを選ぶのが得策です。

歯科保険を安く抑えるコツ

歯科保険を少しでも安く抑えるためには、既に加入している健康保険に、歯科保険の特約が付いていないかを調べてみてください。独立した歯科保険を個人で購入するよりも、健康保険の特約としてつける方がリーズナブルになることが多いです。

また、保険会社の中には、異なるDeductibleのプランを複数ラインナップしている所もあります。毎月の保険料が高くなれば、やはりカバー率も良くなるわけですが、お口の中の状態によって歯科保険のニーズは変わりますよね。そのため、自分にとって最もリーズナブルな保険を選びたいものです。

6.アメリカの歯医者はココがすごい!

アメリカの歯医者は、日本の歯医者とは大きく違う点がたくさんあります。

麻酔フレンドリー

アメリカの歯医者は、患者の痛みに対してとても良心的です。「何となく痛い気がする」というわずかな痛みでも、より強力な麻酔をしてくれます。ただし、強い麻酔になると、そのあと半日、顔が麻酔で動かない、なんてこともあるので注意してくださいね。

また、痛みに対して恐怖心がある人には、笑気ガスを使ってくれます。ただし、このガスは神経をリラックスさせるものなので、痛みを取り除く作用はありません。

テレビ付きの歯医者が多い

完全個室タイプの治療スペースがある歯医者では、患者の目の前にテレビが設置されていて、治療中には視聴できるところもあります。ただし、映画などは放送されてはおらず、基本的には地上波やケーブルテレビでやっているニュース系を流しています。チャンネルを変えてほしいというリクエストにも、応じてもらえます。

通院回数が少ない

上記した通り、アメリカの医療機関には、再診料という概念がありません。一つの治療に対して費用がかかるので、1回で治療を終わらせても3回に分けても、医師が受け取る報酬は同じなのです。それなら、1回で治療を終わらせた方が、医師にとっては効率的ですよね。

患者にとっても、少ない通院回数で治療が終わることは、大きなメリットがあります。

待ち時間が少ない

完全予約制、アポなし患者は受診不可、となっているからでしょうか。アメリカの歯科クリニックは、基本的に待ち時間はかなり少なめです。受付に座っている人も1人とか2人ぐらいですね。