クソまた値上がり!大学の学費は毎年変わる!

アメリカの大学の学費計算については、別のブログでご紹介しました。しかし、世帯年収がそれほど変わっていなくても、学費が毎年どんどん上がることはご存じですか?

多くの人は、大学へ入学する最初の1年目にフォーカスして、2年目からどうなるのかをあまり考えていないことが多いのではないでしょうか。少なくとも、私はそうでした。

目次

  1. 学費の計算は毎年
  2. なぜか上がる学費
  3. 私大は特に容赦なし
  4. 「フィナンシャルニーズに100%合わせます」には注意が必要

1.学費の計算は毎年

大学の学費計算は、私達が毎年10月にファイルするFAFSAに基づいて計算します。はい、毎年しっかり計算します。

人生いろいろありますから、子供が大学在学中に転職する親もいれば、転勤する親もいます。中には宝くじに当たったり、病気になったり、まあいろいろありますよね。

ライフイベントがあると、それはダイレクトに収入、つまり毎年2月にファイルするTax Returnに反映され、それがFAFSAで計算される世帯負担額(EFC)にも影響します。

我が家では、夫は転勤こそありましたけれど、同じ仕事をずっと継続しており、収入なんて大きく変わっていません。インフレで若干の昇給があったり、ボーナスの額が若干増えた程度です。しかしなぜか、毎年計算される学費は上がり続けて、私たちの顔はどんどん青くなりました(涙)。

2.なぜか上がる学費

学費が上がる謎、本当にこれは摩訶不思議です。収入が同じでも1ドル1セントまで全く同じというわけではないため、どのぐらい収入が上がると学費がどのぐらい上がるというところまでは分かりません。しかし、どういうわけか、学費は上がることが多いです。

授業料全体が底上げされている

不思議なほどに学費が上昇し続ける背景には、その大学の「定価」が上がっていることが大きく関係しています。定価とは、ファイナンシャルエイドを一切使わずに全額を払った場合の金額です。

例えば息子が通った大学では、

  • 大学1年 →定価は$71,000
  • 大学2年 →定価は$73,300
  • 大学3年 →定価は$77,000
  • 大学4年 →定価は$79,000

でした。見てください。定価だけでも4年間に$8,000アップしています!

大学のファイナンシャルエイドは、個人のFAFSAやCSS、そして大学側の事情に基づいて計算するので、大学側がこれだけ欲しいという金額が上がれば、当然ですがFAFSAが同じでも私達の学費負担分は高くなります。

3.私大は特に容赦なし

世帯の収入や資産状況に合わせて、どのぐらいまでなら払えるかを計算するのがFAFSAです。これはDepartment of Educationという政府の機関が行います。しかし、ここで世帯負担額(EFC)が計算されたからと言って、大学側がそれ以上を請求しないわけではありません。

特に私大は、ノーマーシーです。

ほかの記事でも書きましたが、私立大学では多くの場合

  • 優秀な生徒 →学費を無料にしても来て欲しい →フルライドもしくは学費が安い
  • 平凡な生徒 →来ても来なくてもいいので、学費を多めにチャージ
  • 合格ラインぎりぎりの生徒 →EFCの2倍ほどの学費を提示されることも普通

だったりします。例えば世帯のEFCが$20,000と出ても、平気で「あなたの今年の学費は$45,000ですが、いかがなさいますか?」と言ってくるのです。

学生たちは入学時に、このEFCを比較して進学先を決めます。普通そうですよね。

「本当はXXが第一志望だったけれど、ファイナンシャルエイドがチープだったので無理だった。」

という学生はたくさんいます。

4.「フィナンシャルニーズに100%合わせます」には注意が必要

近年、アイビーリーグをはじめ優秀な大学に分類される大学の多くは、

「そんな卑怯な手は使いません!わが校は世帯のファイナンシャルニーズに100%合わせます!」

とうたい始めました。

息子が通う大学でも、2年ほど前からそういうポリシーになりました。と思ってました。少なくても私は。。。

うぶな私は、大学側がきっと世帯のFAFSAに合わせてくれるのかな、なんて期待してしまったのです。せっせとリタイヤメント口座へお金を移したりして、なんとか課税所得を減らすように最大限の努力をしました。

しかーし!

実際はそんなに甘くはありませんでした(涙)。

  • Work Study(キャンパスでのバイト代)がなぜかセメスターごとに$2,000も稼げることになってる→週に入れるシフトが学生当たり2時間程度なのに、そんなに稼げるはずがない
  • 既にファイルしたFAFSAを大学側がご丁寧に訂正→何がどう訂正されたのか見当つきません
  • Student Loanの金額アップ→大学曰く、学生自身の負担分なので世帯負担とは別という理論。だけど結局払うのは親。

結果、我が家のEFCと実際に払う学費が100%マッチするなんてことが起こるはずもなく、EFCよりも1万ドル程度も多く支払う羽目になりました。

必ずしも、大学に通う学生全員がこうなると言っているわけではありません。しかし1年目と4年目とでは支払う学費の金額が大きく変わる可能性があると分かっていれば、大学選びの際に無理をしすぎないかもしれませんし、毎年上がり続ける学費のお知らせで卒倒しそうになることもないかもしれません(笑)。

アメリカ大学費用の計算!収入vs資産?

アメリカの高額すぎる学費は、これから大学へ送り出す子供を持つ家庭にとっては、頭が痛い悩みではないでしょうか。少なくても、我が家はそうでした。うちは一人っ子の息子しかいませんけれど、それでも年間いくらかかるか見当もつかない学費を貯めながら、どうやったら少しでも学費を減らせるだろうか、という事ばかりを考えていたような気がします。

皆さんもご存じの通り、同じ大学の同じ学部でも、アメリカの大学にかかる学費は世帯収入によって雲泥の差があります。年間に500ドルしかかからない生徒もいれば、ファイナンシャルエイドが全く適用されずに、全額8万ドルを毎年4年間払う生徒もいるのです。

そこで今回は、大学の学費を決める要素を調べてみました。

目次

  1. 収入
  2. 資産
  3. 収入vs資産どちらが比重が大きい?
  4. 結論

1.収入

FAFSAやCSSなど大学の学費を決定する際に最も大きな比重を占めているのは、世帯収入です。

  • 労働収入(給料など)
  • 不労収入(家賃収入など)
  • 年金(はい、これも収入です)
  • リタイヤメントから一時的に引き出した金額

これらがすべて収入としてカウントされます。しかも、学費の計算では、FAFSAもCSSも、毎年のTax Returnを使い、収入を細かくチェックします。学費の時だけ自己申告だから過小申告しようともくろんでも、残念ながら上手く行きません。

ちなみに、大学によってはFAFSAとCSSをはじめ、別のサービスや機関からも情報を入手してクロスチェックします。そして、ユーザーの間違いを発見したら、ご丁寧に訂正してくれて、FAFSAへも訂正申告してくれます。

2.資産

資産は、定期的に入ってくる収入以外に持っているモノすべてです。貯金も投資も、そして529もすべて申告します。

  • 貯金
  • 投資(セービングボンドや529、株やビットコインなどもすべて)
  • 所有している自宅のEquity(はい、こんなところまでしっかりカウントしてきます)
  • コレクションなど価値のある資産

などがあります。

3.収入vs資産どちらが比重が大きい?

大学の学費を貯める時に、資産が多ければ学費が多くかかってしまうから、できるだけ少なくする方法はないものか、と考える人は多いでしょう。資産なんて大げさなものを持たない私ですら、そんなことを考えました。

しかし結論から言うと、そんなことはこれまでにも全国で数えきれない人が考えており、実際にあの手この手でトライした人もいました。しかし大学側もそれを心得ているので、あの手この手で隠し持っている資産を奪取しに来るのです!

私が以前に聞いた噂話では、

  • とても賢いインド人家庭(なぜインドかは不明)は、大学入学に合わせて親は仕事をやめ、資産を親戚へ移し、学費ゼロを狙う

なんて信ぴょう性がかなり疑わしいものもありました。

そんな中でも知っておきたいことが1つあります。それは、収入と資産とでは、圧倒的に収入の方が学費の計算に占める比重が高いという事です。つまりは、高収入世帯の方が、資産家よりも高額な学費を払う羽目になる可能性が高いという事ですね。

ちなみに、学費の計算に与える影響の比重ですが、計算の際に使われる収入評価額は、実際の収入のなんと47%。約半分です。

その一方で、資産評価額は、全体の約5.64%しかありません。つまり、同じ金額を持っている人でも、稼いできた収入なのか、それとも投資などで築いた資産なのかによって、学費に与える影響は大きく変わります。

4.結論

結論を言うと、学費を若干、気持ち程度だけ、安くするテクニックはあります。しかし、大幅な値下げを実現できるような術は、残念ながらないと考えるのが妥当かもしれません。

私が子供の大学費用を4年間払い続け、あの手この手で学費を安くできないかと七転八倒、いえ、試行錯誤した結果気づいたことは、大学を選ぶ際にはそれなりに払うつもりで腹をくくった方が良いという事でした。

はい、何の役にも立たないアドバイスですみません。

大学の学費を安くして!ってお願いしたら安くなる?

アメリカでは信じられないほど高額な大学費用。世帯の収入によって学費が決まるため、昇進や転職で収入がアップした!と喜んでいても、その分は学費として大学に持っていかれてしまいます。

そんな高額な大学の費用ですが、私はこれまで学費を安くしてもらったことがありました。その時のエピソードをご紹介しますね。

目次

  1. 原因1:転勤にかかった諸経費にW2が発行された
  2. 原因2:家の頭金でIRから引き出した
  3. 大学2年目の学費が1年目より3万ドルも多かった
  4. 学費が決まった後にアピールした
  5. どんな時に学費値下げの要求ができるのか?

1.原因1:転勤にかかった諸経費にW2が発行された

息子がハイスクール最終年に、私たちは夫の転勤で引っ越しをしました。引っ越しにかかる諸経費はすべて会社が出してくれたのですが、

  • 家財道具の運搬にかかる費用 →会社から業者へ直接支払い
  • 荷物が届くまで3週間程度のホテル代 →私たちが払った分を会社が返金
  • 交通費 →会社がチケットを購入
  • 車の運送代 →私たちが支払った分を会社が返金
  • 新天地で住宅を購入した際にかかった諸経費(頭金以外すべて) →私たちが支払った分を会社が返金

という感じでした。上記の通り経費の中には、私たちが最初にポケットマネーで払った分を会社が返金してくれたものもありました。

しかしこの「返金」、なんと翌年に収入としてW2が発行されたのです!これは、IRSが新しく決めたルールでした。

収入ではなく返金のはずなのに、W2が発行されたせいで、私たちの課税所得額が上がり、そのせいで大学のFAFSAによる学費が高くなってしまいました。

2.原因2:家の頭金でIRから引き出した

原因はもう一つありました。引っ越し先で賃貸物件を探したのですが、なかなかお手頃なものが見つからず、賃貸よりも購入したほうが毎月の支払いが安くなることが分かったのです。

息子の学区のこともありましたので、私たちは住宅を購入することにしました。

それは良いのですが、肝心なのは頭金をどこから捻出するかという問題です。引っ越し前の場所で所有していた住宅は、会社が提携しているRelocation Serviceが買い取ってくれることになっていたため、売れない心配はありませんでした。しかし業者が買い取ってくれるタイミングと、私達が引っ越すタイミングとがイマイチ合わず、1ヶ月ほど家を2軒所有する羽目になったのです。

困ったのは、頭金ですよね。通常なら、前に住んでいた家を売却して、その利益を次の家の頭金にするのが一般的です。しかし私たちは、その時にはタイミングが合わずにそれができませんでした。

そのため、Roth IRAから数万ドルを引き下ろして頭金に当てました。

3.大学2年目の学費が1年目より3万ドルも多かった

上記の2つの理由で、なんと大学2年生の時に計算されるFAFSAが1年目より3万ドルも高くなってしまいました。

そうです。会社が発行したクソW2のせいと、Roth IRAとはいえ、収入が上がったことで大学の学費計算でも多く収入が入ったとみなされてしまったのです。

私はガクガクブルブル。真剣に怖くなりました。だって我が家は庶民なのです!そんな気軽にプラス3万ドルだなんていわれても、払えません!

4.学費が決まった後にアピールした

私は10月初旬にFAFSAの計算をし、夜も眠れないほど怖くなったので、すぐに大学のファイナンシャルエイドオフィスへ電話しました。そして事情を話すと、

「一時的な収入アップは考慮します」

とのお返事をいただけました。

手続き方法としては、5月にFAFSAに基づいて大学の費用が一斉に計算され、その直後に2週間程度のアピール期間があるので、そこでアピールしてくださいとのことでした。

実際にアピールした所、大学側がそうした一時的な収入を除いて学費を計算し直してくれ、なんと1年目よりも2,000ドルほど学費の負担分が安くなるというおまけもついてきました。

5.どんな時に学費値下げの要求ができるのか?

ただ払いたくないという理由で、学費の値下げを要求しても、残念ながらそれは通りません。私もやったことはもちろんありますが、その時には「払えなければ各種ローンを紹介します」と言われただけでした。

それでは、どんな時に学費の値下げを要求できるのでしょうか?

例えば、一時的な収入があった場合です。

  • 引っ越しでかかった経費を会社が返金ではなく収入として扱い、W2を発行した
  • 住宅購入の頭金や医療費の支払いなどでIRAなどリタイヤメント口座から引き出した

などがあります。これは、あくまでもその収入が継続的なものではなくて一時的なものである時に該当します。

それ以外にも、FAFSAの計算をした時とは経済的な事情が変わった場合にも、学費の値下げ要求をすると通ります。例えば、

  • 収入源である親が死亡したりレイオフなどにあい、収入がなくなってしまった
  • 災害などで経済的苦境に立たされている
  • 子供が18歳になったことで、これまで受け取っていた養育費がなくなって収入減
  • ほかにも兄弟が大学に通っていてキツイ
  • 親の介護を支援するなど、大きな出費を抱えている

などがあります。

ただしこれらの場合には、ただ口頭で相手を説得しても聞き入れてもらえません。ファイナンシャルエイドオフィスでは、アピールする人たちの再考会議をして、学費値下げを認めるかどうかをケースバイケースで決めます。そのため、サポートする証拠書類が必要ですね。

ちなみに私の場合には

  • IRAの引き出し額を住宅購入の頭金として使ったことを証明するための書類(不動産の契約書)
  • 引っ越し前と後の住所が変わったことで、引っ越した事実を証明
  • 返金分は別のW2だったので、同じ職場からw2が2枚きたと提示。

でOKでした。

もしも皆さんも、そうしたイベントがあったために学費計算がアップした時には、ぜひアピールすることをおすすめします。

FAFSAを使った学費の削減方法

アメリカの大学は、学費が世界1高いと言われています。CollegeBoardの調査によると、アメリカの州立大学では、年間にかかる平均の学費は$22,000(約220万円)とも言われていて、その上昇は現在でも右肩上がりに続いています。

アイビーリーグのような私立名門大学となると、年間にかかる学費は、なんと$70,000~$80,000。日本円にすると、年間で1000万円近くの学費を、4年間も払わなければいけないことになります。

このアメリカの大学にかかる学費は、さまざまな点で日本と大きく異なります。

目次

  1. アメリカの学費は大学によって異なる
  2. 同じ大学でも世帯によって学費は違う?
  3. FAFSAとは?
  4. 我が家のContributionはいくら?
  5. EFC=支払う学費?
  6. EFCが考慮されないケースもある
  7. FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!
  8. FAFSAをファイルするメリットとデメリット
  9. EFCケーススタディ

1.アメリカの学費は大学によって異なる

アメリカの大学は、それぞれ学費は異なります。これは、日本でも同じですね。同じ学部を専攻しても、学費が高い大学もあれば、リーズナブルな大学もあり、それぞれの世帯の懐事情によって、払える大学を選ぶわけです。

これは、アメリカの大学でも同じです。一般的には、州立大学は私立大学よりも学費がリーズナブルだと言われていますが、州立大学なら絶対に安い、なんてことはありません。年間にかかる学費が1万ドル以下のリーズナブルな大学がある一方で、州立なのに年間の学費が3万ドルという大学もあります。

私立は、全般的に学費は高くなります。奨学金などを一切含まない学費だけを見ると、年間の学費が7万ドルという大学も珍しくありませんし、平均すると約4万ドルぐらいになります。これ、4年間にかかる学費ではありません。1年間にかかる学費です。

アメリカの大学は、基本的に全寮制です。しかし、自宅がすぐそばにあり、通学したいと希望すれば、2年目からは通学が認められるケースが少なくありません。学費の計算には、Tuitionと呼ばれる授業料に加え、Room&Boardと呼ばれる寮費と食費などがあります。ザックリとした平均をまとめると、

コミュニティカレッジ州立(In-State)州立(Out of State)私立大
Tuition39万円110万円283万円384万円
Room&Boardなし120万円120万円145万円
年間の合計39万円230万円403万円529万円

となります。

コミュニティカレッジは、2年制の大学で、社会人の受け入れもしています。基本的に寮はなく、自宅から通学するのが一般的です。

州立大学においては、自宅が州内にあるのか州外にあるかによって、学費が大きく変わります。学費を少しでも安く抑えたい場合には、州内にある州立大学を見つけるのが得策です。

私立大学の場合には、州内や州外という要素は、学費においては関係ありません。自宅がすぐそばにある場合には、2年目から通学することによって寮費を節約することは可能ですが、それでも授業料が高いため、全体にかかる学費は高くなります。

2. 同じ大学でも世帯ごとに学費が違う?

アメリカの大学には、日本と異なる大きな特徴があります。それは、同じ大学でも、支払う学費は世帯ごとに大きく違うという点です。

アメリカには、貸与ではなく賞与タイプ(返済不要)な奨学金があります。奨学金を全く利用せずに、年間数万ドルの学費を払う富裕層も、もちろんいますが、庶民を自負する世帯の大半は、奨学金の対象となります。そのため、高額な学費を全額まるまる払う世帯は、それほど多くありません。

実際に学費がいくらになるかという点については、大学から合格通知を受け取る際に、Finaicial Aid Packageとして通知されます。これが、初年度の自己負担分となります。Financial Aid Packageは世帯の収入によって計算されるため、同じ大学に通う生徒でも、学費を年間1万ドル払う生徒もいれば、8万ドル払っているという生徒もいますし、貧困世帯になると学費は年間500ドル、というケースもあります。

実際に自分がいくらのFinancial Aidをもらえるかという点については、毎年10月1日~始まるFAFSAという手続きをすることで、州立大学の場合にはおおよその学費の目安が分かります。

3.FAFSAとは?

FAFSAとは、アメリカに存在する州立・私立の大学すべてが利用しているファイナンシャルエイド制度のことで、US Department of Educationが管理しています。

Free Application for Federal Student Aidを略しています。アメリカ国民を対象とした公的な制度なので、日本からの留学生は、残念ながら対象にはならない可能性が高いですね。

アメリカにある州立および私立の大学で、奨学金制度を利用する際には、かならずFAFSAを事前にファイルしておかなければいけません。この手続きはすべてオンラインで行うのが特徴で、主に世帯の収入や資産についての質問をされます。20分ぐらいに及ぶ質問を終えて情報を送信すると、FAFSA独自の計算に基づいて、EFCという世帯負担額が計算されます。

EFCとは、大学の費用で親が負担してくださいね、という自己負担分のことですね。必ずしも、どの大学でもEFC通りというわけではありませんが、大学ごとに「それなりに」参考にはしてくれるようですね。

FAFSAの記入方法についてはこちらから

FAFSAに影響を与える要素とは?

  • 家族構成(子供が何人いるか)
  • 同時期に大学生となる子供は何人いるか
  • 世帯の収入
  • 住居形態(賃貸か所有か)
  • 住宅ローンの有無
  • 預貯金の額
  • その他の収入
  • 過去に低所得世帯として公的な制度を利用したことがあるか

などがあります。都市伝説では、FAFSAをできるだけ少なくするために、預貯金を親族名義に移し、仕事も止めて無職になる人もいる、なんて話がありますが、実際にそこまでしている人は見たことも聞いたこともありません。それに、FAFSAは毎年ランダムもしくは疑わしい人を調査しており、調査が入ると国税局などと連携して預貯金や収入などが調べられます。そして、虚偽の申請、または悪質なケースと認定されると、その世帯ではFAFSAを利用できなくなってしまいます。

4.我が家のContributionはいくら?

FAFSAをファイルすると、その場でEFCが計算されます。預貯金が多い世帯や、高収入の世帯では、金額が上がるごとにEFCは急激に上昇していきます。

世帯の年間所得EFC
-$35,000$1,871
-$40,000$2,733
-$50,000$4,004
-$60,000$6,015
-$70,000$8,708
-$80,000$12,202
-$90,000$15,697
-$100,000$18,731
-$110,000$21,756
-$150,000$33,967
-$200,000$49,598

表を見ていただくと分かりますが、低所得世帯は、学費もリーズナブルな設定となっています。しかし所得が上がれば上がるほど、学費がどんどん高くなり、年収1000万円を超えるあたりからは、驚くほど急カーブで上昇していきます。

自身のEFCを計算したい人はこちらから

5.EFC=支払う学費?

FAFSAを使ってEFCを計算しても、残念ながらそれが各世帯が負担することになる学費というわけではありません。

Student LoanやWork Studyが加算

大学から送られてくる学費の詳細な計算を見ると、多くの人はびっくりします。なぜなら、EFCの上に、更にStudent LoanやWork Studyなどの項目が加算されていて、自分たちが考えていた 学費より、約100万円程度多くなっていることが多いからです。

Student Loanとは?

Student Loanとは、親が負担する学費とは別に、生徒自身が教育ローンを組みましょうという金額です。大学によって差はありますが、年間当たり4000ドル~5,000ドル程度に設定されていることが多いですね。

この金額は、もしも生徒が教育ローンを申請したら、きっとこのぐらいの金額は認められるでしょうという目安です。Subsidized Loanと呼ばれる公的なローンを利用しても良いですし、民間のローンを利用してもOK。ローンを利用しないという選択をしても問題ありません。

もしも、ローンを利用しないという選択をしたら、このStudent Loanの金額は、そのまま世帯の負担となります。

Work Studyとは?

Work Studyとは、生徒が在学中にキャンパス内でアルバイトをして稼げるであろう金額です。こちらも大学によって多少の誤差はありますが、年間で4000ドル~5000ドル程度が見込まれていることが多いですね。

ただし、Work Studyをするから学費を安くしてもらえるというわけではありません。キャンパスで学生がアルバイトをしても、そのアルバイト代は学生へ直接支払われます。もしも学費に充てるなら、個人的にやってくださいね、という意味です。

また、キャンパス内のアルバイトは、確かにいろいろなお仕事があります。しかし、必ずしもアルバイトできるわけではありませんし、世帯の収入によっては、働きたいけれど働けないという状況にもなりかねません。

6.EFCが考慮されないケースもある

毎年10月にFAFSAをファイルし、ザックリとしたEFCを計算したからと言って、安心してはいけません。大学の多くは、EFCを考慮した学費計算をしてくれますが、必ずしもそうとは限りません。

世帯のEFCが2万ドルなのに、学校からの請求を見たら学費が4万ドルだった!なんてことも珍しくありません。

その背景には、アメリカの教育機関はビジネスである、というシビアな現実があります。

アメリカの大学へ願書を出した場合、大学にとっては「喉から手が出るほど欲しい生徒」がいる一方で「入学は認めたけれど、来ても来なくてもどちらでも良い生徒」もいるわけです。優秀な生徒に対しては、なんとかして来てもらおうと営業努力をし、学費を徹底的に下げてきます。奨学金によって学費が全額免除になるケースもあります。

しかし来ても来なくてもどちらでも良い平均的な生徒なら、そこまでの営業努力をする必要はありません。少しぐらい学費を高めにしても、その生徒が来たいと思えば払うでしょうし、払いたくないから来ないという選択をしても、大学にとってはそれほどの痛手ではないでしょう。

そう。アメリカの大学はビジネスなのです。

7.FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!

FAFSAは、アメリカの大学に在学している期間中は、毎年ファイルしなければいけません。その度に、最新のTax情報を使ってファイルするわけですが、在学期間中には、世帯ごとに様々なライフイベントが起こるかもしれません。

例えば、お父さんが昇進してお給料がアップしたとか、家を購入する際にリタイアメントの貯金を崩して頭金にしたとか、また転勤をした、ということもあります。そうしたライフイベントによって収入が変わると、当然ですがFAFSAによって計算するEFCも変わります。今年の学費は1万ドルだったけれど、来年は2万ドルになる、なんてことも十分に起こりえます。

日本からの留学生の場合には、FAFASは直接影響がありません。そのため、収入がアップしても学費が上がることはないでしょう。なぜなら、もともとFinancial Aidを使わない大学側が提示する金額をそのまま支払っているからです。

しかしアメリカで暮らす人は、世帯のライフイベントによって学費が変わるという点を理解した上で、大学選びをしたいものです。

8.FAFSAをファイルするメリットとデメリット

大学に進学するなら、プロセスの一つとしてFAFSAをファイルする、という世帯は多いものです。しかし、メリットとデメリットを考えたことはありますか?

FAFSAをファイルするメリット

  • 大学の学費を安くできる
  • 公的な教育ローン(Subsidized loan)に申し込める

FAFSAをファイルするデメリット

  • 万が一の有事においては徴兵される
  • 世帯の収入によってはファイルしてもファイナンシャルエイドが対象外
  • 学費負担分がEFC以上になることが多い
  • 州立大学のOut of Stateでは、EFCよりも高額な学費になる

9.EFCケーススタディ

よりファイナンシャルエイドの仕組みを理解しやすくするために、いくつかのケーススタディをご紹介しましょう。

ケース1:大学が提示する学費がEFCより低い場合

  • 大学の学費:年間$10,000
  • 世帯のEFC:$15,000

この場合には、世帯のEFCが大学が定める学費よりも大きいため、学費$10,000を全額支払うことになります。

ケース2:大学が提示する学費がEFCより高い場合

  • 大学の学費 年間$40,000
  • 世帯のEFC $7,000

この場合には、学費の自己負担は$7,000と$40,000の間になりますね。多くの場合、大学が定めるStudent LoanやWork Studyなどの分が上乗せされ、負担する学費は$17,000~$25,000程度が多いのではないでしょうか。

ケース3:In-State$25,000、Out of State$45,000の州立大学の場合

州立大学の中には、州内に自宅がある(親が住んでいる)In-Stateステータスと、州外に自宅があるOut of Stateとで、異なる学費を提示することがあります。この場合、自分がIn-Stateの場合には、負担する学費の上限は$25,000となりますが、Out of Stateになると、上限は$45,000と高くなります。

アメリカの大学費用事情!人によって学費は違うシビアな世界!

アメリカの大学は、学費が世界1高いと言われています。CollegeBoardの調査によると、アメリカの州立大学では、年間にかかる平均の学費は$22,000(約220万円)とも言われていて、その上昇は現在でも右肩上がりに続いています。

アイビーリーグのような私立名門大学となると、年間にかかる学費は、なんと$70,000~$80,000。日本円にすると、年間で1000万円近くの学費を、4年間も払わなければいけないことになります。

このアメリカの大学にかかる学費は、さまざまな点で日本と大きく異なります。

目次

  1. アメリカの学費は大学によって異なる
  2. 同じ大学でも世帯によって学費は違う?
  3. FAFSAとは?
    • FAFSAに影響を与える要素とは?
  4. 我が家のContributionはいくら?
  5. EFC=支払う学費?
    • Student LoanやWork Studyが加算
  6. EFCが考慮されないケースもある
  7. FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!
  8. FAFSAをファイルするメリットとデメリット
  9. EFCケーススタディ

1.アメリカの学費は大学によって異なる

アメリカの大学は、それぞれ学費は異なります。これは、日本でも同じですね。同じ学部を専攻しても、学費が高い大学もあれば、リーズナブルな大学もあり、それぞれの世帯の懐事情によって、払える大学を選ぶわけです。

これは、アメリカの大学でも同じです。一般的には、州立大学は私立大学よりも学費がリーズナブルだと言われていますが、州立大学なら絶対に安い、なんてことはありません。年間にかかる学費が1万ドル以下のリーズナブルな大学がある一方で、州立なのに年間の学費が3万ドルという大学もあります。

私立は、全般的に学費は高くなります。奨学金などを一切含まない学費だけを見ると、年間の学費が7万ドルという大学も珍しくありませんし、平均すると約4万ドルぐらいになります。これ、4年間にかかる学費ではありません。1年間にかかる学費です。

アメリカの大学は、基本的に全寮制です。しかし、自宅がすぐそばにあり、通学したいと希望すれば、2年目からは通学が認められるケースが少なくありません。学費の計算には、Tuitionと呼ばれる授業料に加え、Room&Boardと呼ばれる寮費と食費などがあります。ザックリとした平均をまとめると、

コミュニティカレッジ州立(In-State)州立(Out of State)私立大
Tuition$3,500$10,000$26,000$36,000
Room&Boardなし$12,000$12,000$13,000
年間の合計$3,500$22,000$38,000$49,000

となります。

コミュニティカレッジは、2年制の大学で、社会人の受け入れもしています。基本的に寮はなく、自宅から通学するのが一般的です。

州立大学においては、自宅が州内にあるのか州外にあるかによって、学費が大きく変わります。学費を少しでも安く抑えたい場合には、州内にある州立大学を見つけるのが得策です。

私立大学の場合には、州内や州外という要素は、学費においては関係ありません。自宅がすぐそばにある場合には、2年目から通学することによって寮費を節約することは可能ですが、それでも授業料が高いため、全体にかかる学費は高くなります。

2. 同じ大学でも世帯ごとに学費が違う?

アメリカの大学には、日本と異なる大きな特徴があります。それは、同じ大学でも、支払う学費は世帯ごとに大きく違うという点です。

アメリカには、貸与ではなく賞与タイプ(返済不要)な奨学金があります。奨学金を全く利用せずに、年間数万ドルの学費を払う富裕層も、もちろんいますが、庶民を自負する世帯の大半は、奨学金の対象となります。そのため、高額な学費を全額まるまる払う世帯は、それほど多くありません。

実際に学費がいくらになるかという点については、大学から合格通知を受け取る際に、Finaicial Aid Packageとして通知されます。これが、初年度の自己負担分となります。Financial Aid Packageは世帯の収入によって計算されるため、同じ大学に通う生徒でも、学費を年間1万ドル払う生徒もいれば、8万ドル払っているという生徒もいますし、貧困世帯になると学費は年間500ドル、というケースもあります。

実際に自分がいくらのFinancial Aidをもらえるかという点については、毎年10月1日~始まるFAFSAという手続きをすることで、州立大学の場合にはおおよその学費の目安が分かります。

3.FAFSAとは?

FAFSAとは、アメリカに存在する州立・私立の大学すべてが利用しているファイナンシャルエイド制度のことで、US Department of Educationが管理しています。

Free Application for Federal Student Aidを略しています。アメリカ国民を対象とした公的な制度なので、日本からの留学生は、残念ながら対象にはならない可能性が高いですね。

アメリカにある州立および私立の大学で、奨学金制度を利用する際には、かならずFAFSAを事前にファイルしておかなければいけません。この手続きはすべてオンラインで行うのが特徴で、主に世帯の収入や資産についての質問をされます。20分ぐらいに及ぶ質問を終えて情報を送信すると、FAFSA独自の計算に基づいて、EFCという世帯負担額が計算されます。

EFCとは、大学の費用で親が負担してくださいね、という自己負担分のことですね。必ずしも、どの大学でもEFC通りというわけではありませんが、大学ごとに「それなりに」参考にはしてくれるようですね。

FAFSAの記入方法についてはこちらから

FAFSAに影響を与える要素とは?

  • 家族構成(子供が何人いるか)
  • 同時期に大学生となる子供は何人いるか
  • 世帯の収入
  • 住居形態(賃貸か所有か)
  • 住宅ローンの有無
  • 預貯金の額
  • その他の収入
  • 過去に低所得世帯として公的な制度を利用したことがあるか

などがあります。都市伝説では、FAFSAをできるだけ少なくするために、預貯金を親族名義に移し、仕事も止めて無職になる人もいる、なんて話がありますが、実際にそこまでしている人は見たことも聞いたこともありません。それに、FAFSAは毎年ランダムもしくは疑わしい人を調査しており、調査が入ると国税局などと連携して預貯金や収入などが調べられます。そして、虚偽の申請、または悪質なケースと認定されると、その世帯ではFAFSAを利用できなくなってしまいます。

4.我が家のContributionはいくら?

FAFSAをファイルすると、その場でEFCが計算されます。預貯金が多い世帯や、高収入の世帯では、金額が上がるごとにEFCは急激に上昇していきます。

世帯の年間所得EFC
-$35,000$1,871
-$40,000$2,733
-$50,000$4,004
-$60,000$6,015
-$70,000$8,708
-$80,000$12,202
-$90,000$15,697
-$100,000$18,731
-$110,000$21,756
-$150,000$33,967
-$200,000$49,598

表を見ていただくと分かりますが、低所得世帯は、学費もリーズナブルな設定となっています。しかし所得が上がれば上がるほど、学費がどんどん高くなり、年収10万ドル(約1100万円)を超えるあたりからは、驚くほど急カーブで上昇していきます。

自身のEFCを計算したい人はこちらから

5.EFC=支払う学費?

FAFSAを使ってEFCを計算しても、残念ながらそれが各世帯が負担することになる学費というわけではありません。

Student LoanやWork Studyが加算

大学から送られてくる学費の詳細な計算を見ると、多くの人はびっくりします。なぜなら、EFCの上に、更にStudent LoanやWork Studyなどの項目が加算されていて、自分たちが考えていた 学費より、約1万ドル程度多くなっていることが多いからです。

Student Loanとは?

Student Loanとは、親が負担する学費とは別に、生徒自身が教育ローンを組みましょうという金額です。大学によって差はありますが、年間当たり4000ドル~5,000ドル程度に設定されていることが多いですね。

この金額は、もしも生徒が教育ローンを申請したら、きっとこのぐらいの金額は認められるでしょうという目安です。Subsidized Loanと呼ばれる公的なローンを利用しても良いですし、民間のローンを利用してもOK。ローンを利用しないという選択をしても問題ありません。

もしも、ローンを利用しないという選択をしたら、このStudent Loanの金額は、そのまま世帯の負担となります。

Work Studyとは?

Work Studyとは、生徒が在学中にキャンパス内でアルバイトをして稼げるであろう金額です。こちらも大学によって多少の誤差はありますが、年間で4000ドル~5000ドル程度が見込まれていることが多いですね。

ただし、Work Studyをするから学費を安くしてもらえるというわけではありません。キャンパスで学生がアルバイトをしても、そのアルバイト代は学生へ直接支払われます。もしも学費に充てるなら、個人的にやってくださいね、という意味です。

また、キャンパス内のアルバイトは、確かにいろいろなお仕事があります。しかし、必ずしもアルバイトできるわけではありませんし、世帯の収入によっては、働きたいけれど働けないという状況にもなりかねません。

6.EFCが考慮されないケースもある

毎年10月にFAFSAをファイルし、ザックリとしたEFCを計算したからと言って、安心してはいけません。大学の多くは、EFCを考慮した学費計算をしてくれますが、必ずしもそうとは限りません。

世帯のEFCが2万ドルなのに、学校からの請求を見たら学費が4万ドルだった!なんてことも珍しくありません。

その背景には、アメリカの教育機関はビジネスである、というシビアな現実があります。

アメリカの大学へ願書を出した場合、大学にとっては「喉から手が出るほど欲しい生徒」がいる一方で「入学は認めたけれど、来ても来なくてもどちらでも良い生徒」もいるわけです。優秀な生徒に対しては、なんとかして来てもらおうと営業努力をし、学費を徹底的に下げてきます。奨学金によって学費が全額免除になるケースもあります。

しかし来ても来なくてもどちらでも良い平均的な生徒なら、そこまでの営業努力をする必要はありません。少しぐらい学費を高めにしても、その生徒が来たいと思えば払うでしょうし、払いたくないから来ないという選択をしても、大学にとってはそれほどの痛手ではないでしょう。

そう。アメリカの大学はビジネスなのです。

7.FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!

FAFSAは、アメリカの大学に在学している期間中は、毎年ファイルしなければいけません。その度に、最新のTax情報を使ってファイルするわけですが、在学期間中には、世帯ごとに様々なライフイベントが起こるかもしれません。

例えば、お父さんが昇進してお給料がアップしたとか、家を購入する際にリタイアメントの貯金を崩して頭金にしたとか、また転勤をした、ということもあります。そうしたライフイベントによって収入が変わると、当然ですがFAFSAによって計算するEFCも変わります。今年の学費は1万ドルだったけれど、来年は2万ドルになる、なんてことも十分に起こりえます。

日本からの留学生の場合には、FAFASは直接影響がありません。そのため、収入がアップしても学費が上がることはないでしょう。なぜなら、もともとFinancial Aidを使わない大学側が提示する金額をそのまま支払っているからです。

しかしアメリカで暮らす人は、世帯のライフイベントによって学費が変わるという点を理解した上で、大学選びをしたいものです。

8.FAFSAをファイルするメリットとデメリット

大学に進学するなら、プロセスの一つとしてFAFSAをファイルする、という世帯は多いものです。しかし、メリットとデメリットを考えたことはありますか?

FAFSAをファイルするメリット

  • 大学の学費を安くできる
  • 公的な教育ローン(Subsidized loan)に申し込める

FAFSAをファイルするデメリット

  • 万が一の有事においては徴兵される
  • 世帯の収入によってはファイルしてもファイナンシャルエイドが対象外
  • 学費負担分がEFC以上になることが多い
  • 州立大学のOut of Stateでは、EFCよりも高額な学費になる

9.EFCケーススタディ

よりファイナンシャルエイドの仕組みを理解しやすくするために、いくつかのケーススタディをご紹介しましょう。

ケース1:大学が提示する学費がEFCより低い場合

  • 大学の学費:年間$10,000
  • 世帯のEFC:$15,000

この場合には、世帯のEFCが大学が定める学費よりも大きいため、学費$10,000を全額支払うことになります。

ケース2:大学が提示する学費がEFCより高い場合

  • 大学の学費 年間$40,000
  • 世帯のEFC $7,000

この場合には、学費の自己負担は$7,000と$40,000の間になりますね。多くの場合、大学が定めるStudent LoanやWork Studyなどの分が上乗せされ、負担する学費は$17,000~$25,000程度が多いのではないでしょうか。

ケース3:In-State$25,000、Out of State$45,000の州立大学の場合

州立大学の中には、州内に自宅がある(親が住んでいる)In-Stateステータスと、州外に自宅があるOut of Stateとで、異なる学費を提示することがあります。この場合、自分がIn-Stateの場合には、負担する学費の上限は$25,000となりますが、Out of Stateになると、上限は$45,000と高くなります。