アメリカの消費者センター「BBB」って何?私が経験した悪徳不動産業者

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消費者のトラブルは、日本だけでなくアメリカでも当然のことながら起こります。例えば返品したのに返金がないとか、とんでもない対応をされたとか、ショップだけでなく医療クリニックや不動産業者、庭の手入れ業者まで、多種多様なサービスにクレームはつきものです。

アメリカには、そんな私たち消費者の駆け込み寺的な存在となっているBBBという機関があります。ここには毎年89万件以上のクレームが寄せられており、そのうち75%はBBBのおかげで解決に至っています。

私もお世話になったことがあります。ここでは、BBBについてご紹介しましょう。

目次

  1. BBBって何?
  2. BBBは何をしてくれるの?
  3. BBBに法的効力はない
  4. 業者を探す際にはぜひBBBでチェック
  5. BBBのレーティングはどこまで信頼できる?

1.BBBって何?

BBBとは、Better Business Bureauの略です。政府が運営している公的機関ではなく、民間の非営利団体です。消費者と企業との関係を向上することを目的として運営されていて、アメリカだけでなくお隣のカナダとメキシコにも、BBB関連組織が100以上あります。

BBBは、A+とかFなどの評価システムで、どの企業が優良かどうかを判定して、ネット上で公開しています。企業にとっては、BBBから高評価をもらえば、それだけ信頼度が高いということになるので、消費者からも信頼されて売上が上がるという仕組みになるわけですね。

BBBが企業を評価することは、私たち消費者にとってもメリットがあります。例えばクリニックや業者を選ぶ際には、できるだけ信頼できるところを選びたいと考えますよね。誰も、問題ばかり起こしてクレーマーが続出している企業と取引をしたり、サービスを受けたいとは思いません。そうした消費者の声によって評価されているのが、BBBの評価基準なので、信頼度をチェックする上では、とても頼りになります。

BBBの公式サイトはこちらから

2.BBBは何をしてくれるの?

BBBがしてくれることは、消費者からの声をデータベースに反映させて、企業の信頼度を数字で評価するというサービスです。日本の消費者センターを見るとわかりますが、私たちが特定の企業へ不満を持ち、直接抗議しても相手にしてもらえない時には、消費者センターへ駆け込むのではないでしょうか。そうすると、消費者センターは企業と消費者の間に仲介として入ってくれます。このクッションがあるのとないのとでは、トラブルを解決できる確率は、大きく変わります。

アメリカのBBBも同じです。消費者が個人で解決できないトラブルやクレームを解決するために、仲介役をしてくれます。

ここでは消費者の声を巨大なデータベースとして管理して、それをネットで公開しています。企業にとっては、いつどんなクレームがあったかが世界中の人から一目瞭然となるわけです。それに、中にはBBBの評価を見て別の企業を探そうという人も出てくるでしょう。データベースの公開は、消費者の意思決定に大きく役立ちますよね。

3.BBBに法的効力はない

一つ注意したいのは,、BBBは法律事務所でもなければ政府機関でもなく、法的効力は一切ないという点です。つまり、BBBは私たち消費者の声を、相手の企業へ伝えてはくれますが、相手企業から音沙汰なければ、BBBはそれ以上何もできません。

私が以前BBBを利用したときも、そうでした。

私が経験したクソ不動産屋とのトラブル

私がカリフォルニア州に住んでいた頃、賃貸していた物件の退去後に、不動産業者とトラブりました。入居するときから、胡散臭い業者だとは思っていたのですが、退去の時にまんまとやられました。

アメリカの賃貸物件を契約するときには、最初にSecurity Depositなるものを支払います。保証金というものですね。契約書には、預けた保証金が退去の時に返金されるのかどうかが明記されています。

「返金アリ」「返金なし」のみが選択されていることもあれば、「清掃代として300ドル使います。残りは返金」など、具体的な金額が明記されていることも多いです。

私が夫と契約したその不動産業者は、「返金アリ」となっていました。私も夫もそれまで自身で賃貸物件を契約した経験がないので、それをおかしいとはみじんも思いませんでした。

そこで暮らしたのは3年程度だったのですが、退去する際にSecurity Depositの行方を聞くと、不動産業者は一言「チェック送る」。

・・引っ越し先の住所、その業者は知りません。

おそらく最初から返金する気なんてなかったのでしょう。

予想通り、2週間たってもSecurity Depositは送られてこず、1か月たってもNo Nothingでした。

夫が不動産業者へ電話したところ、「あー、送る。今日送るよ」と軽い返事。しかし、ご想像通り、何も送られてはきませんでした。

そんなやり取りを数回繰り返し、こいつと直接やりしてもダメだと思いました。ネットで探すとBBBなるものを見つけ、藁にも縋る思いでリポートしたのです。

BBBにクレームをリポートすると、BBBから相手業者へ連絡がいきます。「こんなクレーム来てますよ。悪評化つけられたくなければ、さっさと解決してください。」という内容ですね。

しかしその悪徳不動産業者は。完全スルー。だんまりを決め込みました。その後、何回かBBBから連絡してくれたようですが、着信拒否を貫き通したのです。

少しして、BBBから私たちのところに「トラブルは解決しましたか?解決していなければ、悪評化つけます。解決するためには、裁判することをおすすめします。私たちができることはここまでですので。」というお知らせをいただきました。

結局、私たちは泣き寝入りすることに決めました。州外に越していたので裁判をするのが面倒だったこと、そして金額が1000ドル程度で弁護士を立てる費用のほうが高くなりそうだった、というのが理由ですね。

4.業者を探す際にはぜひBBBでチェック

業者とのトラブルは、アメリカで生活してみた感覚ですが、アメリカのほうが未解決が多い気がします。理由は、スモールビジネスなる個人経営のビジネスが多いので、だんまりを決め込まれたり、「信頼なんて関係ねー」的な態度をされると、消費者が泣き寝入りになるパターンが多いのだと思います。

それ以来、医者を探したり、不動産業者を探したり、自宅のリモデルの業者を探す際には、できるだけBBBで事前に信頼度をチェックするように心がけています。

5.BBBのレーティングはどこまで信頼できる?

BBBのレーティングは、アメリカ全土に存在するすべてのビジネスが対象です。しかし、すべてのビジネスがデータベースに入っているわけではありません。あくまでも、企業側が「ぜひBBBの評価システムに入れてください!」と志願した場合か、消費者からクレームされてデータベースに登録されている場合にのみ、BBBの知るところとなります。

定期的に社名を変える企業には要注意

どんな優良企業でも、利用者が多くなれば必ず多かれ少なかれサービスに不満を持つ人は現れます。それは、世界のトヨタでも、最強王者のマイクロソフトでも、例外ではありません。だから、プラスの評価もマイナスの評価も完全にゼロというのは、現実的ではありません。

BBBを見ると、検索してもまったく情報がなかったり、あっても設立年がつい最近という企業がたまにあります。これは、要注意です。

悪徳企業は、2-3年ごとに社名を変えるから。

BBBがいくら評価しても、社名を変えてしまうとデータを移行できないので、ゼロからのスタートとなります。そうした情報管理の裏をかく手口なのです。私たちがトラブルにあった不動産業者も、その手口でした。

ま、何も情報がないよりは、少しでも情報収集の際の役に立つという点では、BBBはおすすめです!

BBBの公式サイトはこちらから

投稿者: samuraipassport

こんにちは!アメリカ在住のジャーナリスト兼ライターです。アメリカへの移住から生活まで初心者が知っておきたい情報を発信していきます!アメリカに住んでみたい人や海外に憧れている人にとっても役立つ情報が満載です!

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