アメリカは本当にベビーにやさしい国なのか?

baby smiling

少し前にツイッターで、テーマパークのアトラクションで赤ちゃんが泣いてしまい、パーク側の対応がどうだったのか、また赤ちゃんが泣くことに対しての様々な意見が繰り広げられていました。

そういえば日本では、電車にベビーカーを持って乗ろうとすると文句を言われたり、ベビーカーを持っている人が乗れる専用の車両を作ると非難ゴーゴーだったり、赤ちゃん連れの人にとっては暮らしにくい文化だと感じることが多々あります。

しかしその一方で、ショッピングモールにはベビールームなるオムツ変えルームが設置されていて、授乳ができたり、中には離乳食の販売までされているような場所もあります。

アメリカは、日本と比べてベビーに対する風当たりはどうなのでしょうか?私が経験したエピソードをご紹介しますね。

ベビーの選別

miniature of a plane

私は夫の職業柄、息子が生後数か月の頃から飛行機に乗る機会が多々ありました。ベビー連れなので優先的に搭乗させてもらえるわけですが、あとから乗ってくる乗客の表情は皆、とても冷たいものです。

「あら~、今日はベビーがいるのね、ラッキー♪」

「赤ちゃん、何ケ月?」

なんて人は、正直、皆無です。皆、息子を見ては、

  • 大きなため息(訳:まじかよ、今日はついてねーな)
  • 黒目を回す(訳:うそだろ、赤ちゃんの近くかよ!)
  • 聞こえるレベルでの舌打ち(訳:ふざけんな、なんでベビーが乗ってんだよ!)
  • 「混んでるのに、子供なんて乗せんな」(心の声が言葉に出てしまった)
  • 「子供なんて、床に置けよ!」(これも、心の叫びが声になってしまった)

など、色々な洗礼を受けました。はい、私自身も、もし息子が泣き叫んだらどうしよう、と不安な気持ちでいっぱいでしたし、赤ちゃんですからおもちゃで遊べるわけでもなく、泣いても抱っこして通路をウロつくぐらいしか対策はありませんでした。

あいにく、息子はどういうわけかよくできた子供で、フライト中に泣くことは今まで一度もありませんでした。本当に、親孝行ものです。私が何か素晴らしいスキルを使ったというわけではなく、しつけたというわけでもなく、彼が生まれ持った性格なのだと思います。

数時間のフライト中、トイレが近い私は何回も席を立つことがありました。おそらく皆さん、泣くかもしれないベビーの親が私であることを明確に認識していたのでしょう。フライト後しばらく経過したぐらいから、私がトイレに行くたびに

「ベビーは寝てるの?」

と聞いてくれる人がチラホラいました。たいていは、中高年のオバサンが多かったですね。おそらく、私の不安を少しでも軽減しようと、親切心で声をかけてくれたのだと思います。

そしていつも、赤ちゃんが全く泣かずに目的地へ到着した途端、事態は急変するのです。はい、ほぼ毎回、同じパターンでした。

舌打ちや文句を言っていたオジサンたちが、次々と

  • 「いや~ホントに静かなベビーで、最高だよ!」
  • 「どうなることかと思ってたけど、泣かないベビーっているんだね!」
  • 「全然泣かないからさ、途中で死んでるんじゃないかと思ったよ!」
  • 「こんなベビーとのフライトなら、いつだって大歓迎さ!」

など、満面の笑みで息子に称賛の言葉を投げかけてくれました。

私が、こうした経験の中で感じたことは、アメリカは無条件にベビーに優しいというわけではないという事です。大人たちを不快にさせないベビーに対して温かいのだ、という事でした。

ちょっとした親切はアメリカが優秀

息子を育てる中では、私はずっと車社会の生活をしてきました。車を持たずに電車で移動することは、これまで一度もありませんでした。

車での移動と言っても、ショッピングモールなどに行くと移動はとても大変です。本音 としては、エスカレーターにベビーカーごと乗ってしまうと楽なのですが、知らない人から説教を受けそうでしたし、何かに躓いて事故になっても大変なので、いつもエレベーターを利用してました。

エレベータはドアが勝手に開くので、それほど利用は難しくありません。しかし、モールの入り口のドアなどは、ボタンを押すと勝手に扉が開く自動ドアがなければ、私がお尻でドアを開け、ベビーカーを後ろ向きにして通る、という方法を駆使していました。

そんな時でも、そばに人がいると、たいていはドアを開けてくれます。ベビーカー持ちの人にとっては、これは大きな親切だと思いますね。ママ友の中には、エレベーターがない階段の移動の時、知らない男性がさっとやってきてベビーカーを持ってくれた、なんて人もいました。

こうした「困っている人に手を差し伸べる」ことに関しては、アメリカ社会は日本社会よりもはるかに優しいと思います。もちろん、ベビー連れだけにやさしいわけではなく、高齢の人や障碍者の人に対しても、そしてペットに対しても、皆さん同じように、さっと手を差し伸べます。

もちろん、アメリカ人が全員弱者に対して親切で、日本人は全員冷たいというわけではありません。社会とか文化というざっくりとしたくくりで見ると、弱者に対する個人レベルの優しさという点では、アメリカの方が他人の優しさを感じる機会が多いな、という気がしました。

投稿者: samuraipassport

こんにちは!アメリカ在住のジャーナリスト兼ライターです。アメリカへの移住から生活まで初心者が知っておきたい情報を発信していきます!アメリカに住んでみたい人や海外に憧れている人にとっても役立つ情報が満載です!

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。