ショップに返品したり、サービスで返金を受けたりすると、私たちは疑うことなく、クレジットカードに反映されているものだと盲目的に信じていることが多いものです。しかし、私が少し前に経験した返金トラブルは、目からうろこな経験でした。
目次
1.2週間の滞在
数か月前に、息子が夏のインターンをするため、とある都市のホテルに2週間ほど滞在しました。ホテルはHome2というヒルトン系ホテルチェーンで、キッチンやリビングのスペースがついているSuiteタイプでリーズナブルな価格帯が人気です。彼はルームメイトとアパートを契約していたのですが、入居日まで2週間ほどあったため、それまではホテルにいたのです。
ホテルの予約は、私が半年ほど前に取りました。その時には具体的なチェックアウト日がまだわかっていなかったため、余裕をもって日数を確保しました。早めに予約を入れたため、本来なら一泊200ドル程度のホテルが、1泊当たり120ドルというお得な価格でとれました。
2.チェックアウトの際に返金300ドル

ホテルでは一般的に、チェックインした時点でチェックアウトまでの宿泊費が全額チャージされます。息子の場合もそうでした。しかし彼の場合、予定よりも数日早くチェックアウトして契約したアパートへ入居しました。
ホテルの予約システムは、何日前もしくは何時間前まででなければキャンセルできませんというルールになっています。定価で宿泊するなら24時間前までにキャンセルすればチャージはされませんが、格安料金で泊まる場合には、これが2日前とか3日前までにキャンセルしてください、というルールだったりします。
息子の場合もおそらく、数日前のキャンセルルールだったのだと思います。返金が発生すれば返してもらえるだろうと軽く考えており、細かい部分はチェックしませんでした。そして実際にチェックアウトの際に、300ドル程度の返金がありました。
こうした返金は、ケースバイケースではあるものの、多くは数日以内、遅くても2週間以内にはクレジットカードに反映されます。しかしこのホテルの場合、1か月待っても返金の事実がカードに反映されませんでした。
3.案の定たらいまわし



私はホテルへ直接電話を掛けました。どうやらBilling部署で働いている人はリモートワークをしているのか、いつかけても不在で、毎回フロントデスクの人が彼のメールアドレスを教えてくれました。
彼のメールへ連絡しても、返信が返ってきません。
これまでの長いアメリカ生活の中で、このパターンはよく心得ています。シカトを決め込もうというパターンですね。ヒルトン系列の大きなホテルだったので、この対応には驚きましたが、ホテルへ直接連絡してもらちが明かないので、ネットからヒルトングループのカスタマーサービスを見つけ、そこへ連絡しました。
こちらも、アメリカらしく、人によって言うことが違います。グループの側で解決しましょうという人もいれば、ホテルへ直接連絡しろという人もいます。返金されているはずなのにカードへクレジットされていない事実を裏付ける証拠として、カードの取引明細などもすべて提出しているのですが、そうしたものに目を通していないのか、「返金したでしょ」という人もいました。挙句の果てには「グループは各ホテルの問題を解決することはできません。」と全く役に立たないアドバイスを頂戴しました。
夫に事情を話し、息子がお世話になったホテルだし、金額が300ドルでめくじら立てる金額でもなく、あきらめたほうが良いのかなと聞きました。彼は、それとこれとは全く異なる問題だから、解決するべきだと言いました。そして、時間を見つけて彼がホテルの支配人と話をしようと提案してくれました。
4.クレジットカード会社へ泣きついた
そんな中、ある日ふと、もしかしたらホテル側は返金したけれど、クレジットカード会社の側でシステムエラー的な何かが起こっているのではないか?という案がひらめきました。
そこで、カード会社へ連絡したのです。すると、
通常、法人が返金をした場合には、業者には2週間の猶予が与えられており、その期間内に返金額をクレジットする義務があります。猶予期間を超えた場合には、返金額に金利が付いた額をカード会社から業者に対して請求します。
ユーザーには、返金から2週間以内にクレジットがない場合には、Diputeする選択肢があります。
この場合には、Disputeすることをおすすめします。証拠書類とカバーレターをこちらの住所まで郵送してください。
Barclay Creditcard
とのアドバイスを受けました。つまり、ホテルが300ドルの返金をしなければ、私はホテルからチャージされた1000ドル以上を全額Disputeして良いですよ、とのことです。
本当かなと思いながらも、カード会社のアドバイス通り、Disputeしました。その後、1か月程度の調査を行った結果、私たちが払った全額ではない返金分を、無事に返金してもらえました。
5.経験から学んだこと
クレジットカード払いは、現金を持たなくて便利という利便性はありますが、それだけではありません。今回のようにトラブルが起こった時には、私たちユーザーを守ってくれる役割もしています。
これまでDisputeは、使っていないチャージをされた時にするものだと思っていました。しかし、今回のように返金されるべきものがなかった場合にも適用されることが分かりました。
ちなみに、そのホテルのレビューを読んだところ、多くの人がBilling Departmentとトラブルを抱えていることが分かりました。私たちのように返金がないという人もいれば、よくわからないチャージをされたという人もいました。皆が解決したのかどうかは知りません。夫曰く、誰かが何か悪いことをしている香りがすると。そうなのかもしれませんし、頭の悪い人が経理を担当しているだけなのかもしれません。その辺は、私にはわかりません。
もしも今回のようなトラブルが起こった場合、ホテル側が誠意のない対応をしても、クレジットカード会社が助けてくれるので、あきらめる必要はありません!