日本では、家賃にかけられる費用は、年収の4分の1から3分の1ぐらいが目安だといわれていますよね。アメリカでも、この線引きは大体同じです。しかし実際に、その枠内で家賃が収まっているかは別問題です。日本より貧富の差が激しいアメリカでは、家賃が年収の3分の1よりも高くなってしまう世帯も少なからずあります。
ここでは、アメリカでミドルクラスと呼ばれるほかの中流家庭が、年収に対してどのぐらいの家賃を払っているのかをご紹介しますね。「余計なお世話だろ!」という声が聞こえてきそうな、下世話なトピックかもしれませんね。でも気になるという人のために、調べてみました。
目次
1.まずは世帯の平均年収から
世帯当たりの平均年収は、全米規模でみると$84,000程度です。ただしこれは、1人当たりの平均年収というわけではなく、世帯当たりの平均です。つまり、夫もしくは妻が1馬力でこの年収を稼ぐのか、それとも夫婦2馬力でこの年収を稼ぐのかによっても、色々な点が大きく変わってくるでしょう。平均という点では、1馬力の家庭なら夫もしくは妻が$ 84,000を稼ぎ、2馬力の家庭なら夫婦それぞれ$42,000を稼げば、「平均」となります。
2.住居費は年収に対してどのぐらい?
実際にかかる住居費がどのぐらいかという金額は、住んでいる場所によって大きく違います。家賃が高い場所は全般的に所得も高い傾向にありますし、同じ広さの家でも、住む場所が変われば家賃には雲泥の差があるでしょう。
しかし、年収に対して住居費がどのぐらいなのかを見れば、なんとなく自分の世帯でどのぐらいの家賃が目安となるかをイメージしやすくなります。統計では、
- 年収3万ドル以下の世帯 年収の43%が住居費
- 年収10万ドル以上の世帯 年収の32%が住居費
- 全体の平均は 33%
となっています。例えば年収$84,000の世帯なら、年間の住居費は$27,000程度が妥当、つまり月計算にすると毎月$2,300以内に抑えれば平均となります。
ここで注意したいのは、住居費に含まれるのは、単にアパートの家賃や住宅ローンの返済額だけではないという点です。光熱費など、住宅に関連するサービスや費用は、すべて含まれるので気をつけましょう。もしも光熱費に毎月$400ぐらいかかっているなら、家賃に当てられる費用は毎月$1,800ぐらいが妥当だという事になりますね。
3.QOLを考えるなら30%以内が理想的
ファイナンシャルアドバイザーなら、住居費が収入に対して3分の1なら問題ない、と背中を押してくれる人が多いです。しかし実際に生活してみると分かりますが、住居費以外にも生活の上では様々な経費が掛かるわけで、収入の3分の1を住居費に使ってしまうと日々の生活が困窮してしまうという人も、もちろんいます。
もしも身の丈に合った生活の中でQOLを重視するなら、住居費は年収の30%以内に抑えるのが理想的かもしれません。年収が全米平均の$84000なら、住居費にかけられるのは毎月$2,100ぐらいです。
4.住居費が安い場所ってどこ?

広大なアメリカには、NYCやサンフランシスコのように目が飛び出るほど何もかもが高いエリアもあれば、驚いて値段を二度見するほど不動産が激安なエリアもあります。もしも都会の生活に疲れてのどかな田舎で暮らしたいと考えるなら、年収に対する住居費の割合が低い場所を狙うのが、良いかもしれません。
具体的には、
- アーカンソー州
- ユタ州
- アイオワ州
- ペンシルベニア州
- ケンタッキー州
などがあげられますね。日本人がどのぐらいいるか、日本の食材をどのぐらい買いやすいかという点については全く考慮していないものの、安く住めることだけを考えれば、上記の所を検討するのが良いみたいです。