皆さん、Living Willって知ってますか?Willというのは遺言書のことで、自分がなくなった後に資産を誰に譲るとか、まあそういう事を書く法的文書ですよね。これに対してLiving Wilというのは、まだ死んでいないけれど自分で意思決定できなくなった時に、自分の意志を家族に遂行してもらうための法的文書です。
目次
生きているのに意思決定ができなくなってしまうのは、主に病気の時ですね。Living Willには主に、どこまで医療サービスを受けたいかという点を意思表示します。
例えば
- 人工呼吸器をつけるかどうか
- 胃ろうをするかどうか
- 透析や抗生物質など、延命につながる処置をするか
- 緩和ケアのステージで治療のための検査をうけたいかどうか
- 亡くなった後には臓器や体を寄付するかどうか
- 葬儀は火葬か埋葬か
- 死因を解明するために剖検するかどうか
などがあります。
1.Living Willは誰に必要?
自分も家族も健康な時には、自分の最期がどうなるかなんてことはあまり考えませんよね。しかし自分で意思表示ができなくなってしまうと、自分が希望しない延命治療を無理にされる可能性が十分にあります。
どうして?
それは、人間が生きていることで収入が発生すると、それで恩恵を受ける人がいるから。
アメリカでは日本のように、毎月の医療費が一定以上を超えたら支払わなくて良い、なんて制度はありません。そのため、病院に入院してこうした治療を受ければ、毎日チャリンチャリンと出費がかさんでいきます。そのため、あまり延命を希望する家族は少ないようです。
しかし、生きているだけで多額の年金が入ってくる場合、そしてかかる医療費よりも収入の方が圧倒的に多くなる場合には、話は違ってきます。
本人の意志とか希望、苦痛などの優先順位は低くなり、家族の経済的な希望が優先されてしまうかもしれません。
そう考えると、Living Willはどんな人にも必要だと思います。
2.家族のトラブルを回避できることもある

もしも夫婦間で意思表示ができていたとしても、実際にそんな状況になった時には、横やりが入る可能性はとても高いものです。
例えば、結婚相手の親や兄弟がしゃしゃり出てきて、延命すべきだと主張したらどうでしょう?
本人の意志を尊重と言っても、書面になっていなければ証明出来ません。
病院や医師は、基本的に配偶者の意思を尊重してくれますけれど、義家族から殺人犯扱いを受けることに対して、嫌な気分になることは簡単に想像できますよね。
3.Living Willは遺言書ではない
Living Willは主に、医療行為に関する希望を記載します。財産の相続に関して書く遺言書とは、根本的な性質が違います。
4.最近はネットで簡単に作成できる
Living Willは、自分で正常な判断ができなくなってから作成しても、それは無効とみなされてしまうことがあります。そのため、できるだけ早めに作成して、自宅の中の金庫にしまっておくのが良いかもしれません。
私がLiving Willを夫と作成したのは10年以上前になりますが、その時には法律事務所に行って作成しました。
しかし近年では、ネットで簡単に記入ができてプリントアウトもできるサービスがたくさんあります。かかる費用もリーズナブルで、20ドルぐらいから作れるようです。もちろん、法的効力もあるみたいですよ。
もしもアメリカに骨をうずめようと覚悟を決めている人なら、作っておいて損はない書類かもしれません。