最近、他州で暮らしている義両親のことで、介護サービスや介護施設を調べる機会がありました。自分自身でも将来はもしかたらそういうサービスが必要となる可能性もあるので、今回のリサーチは、まさに一石二鳥でした。
忘れてしまう前に、ここでシェアしておきますね!(←私はすぐ忘れる)
1.毎月ウン千ドルの施設は本当。でも全員が払っている訳じゃない。
まず、アメリカの「高齢者向け施設」といっても、Nursing HomeとAsssited Livingとがあり、どちらが適しているかは異なります。
一言でざっくり言うなら、
Assisted Livingは「老人ホーム」みたいな感じで、老人たちが暮らす寮です。入居者は自由に外出したりできることが多く、かかる入居費用も安い気がします。
Nursing Homeは「介護施設」で、見た目は病院です。看護師などの医療スタッフもいます。認知症を持っている人や介護が必要な人は、こちらが対象となります。一人で外出できるかどうかは、ちょっとわかりませんが、できない気がします。。
介護施設にも認知症の受け入れ可否があるので、認知症を持っている人だと、受け入れてくれる施設を探さなければいけません。
そしてこの施設、ロケーションやサービス、部屋の感じなど、入居にかかる費用を決める要素は多種多様ですが、安くても月にウン千ドル、高ければ毎月1万ドル超という費用がかかります。
大学の学費のように、その世帯の収入に合わせて調整される、なんてことはないようです。当たり前ですが。
ここで、心にモヤモヤとした大きな疑問を持つ人は多いでしょう。
そう、費用です。
「毎月1万ドルなんて、誰が払えるの?」
と思いませんか?私は思いました。答えを知るまで、ずーっと思ってました。
確かに、介護施設へ入居すると、信じられないほどの費用がかかります。でも、意外と多くの人が知らないのは、実際に払っているのは高齢者本人とは限らない。という事ですね。州や国が払っている可能性も高いのです。
そのカギを握るのが「Medicaid」です。
2.多くがお世話になるMedicaidとは?
Medicaidとは、低所得者向けの公的なサービスで、医療や介護などを無料もしくは低料金で利用できます。国が提供するサービスで、年齢に関係なく、資産と所得の基準を満たせば利用できます。
そしてこのMedicaidには、高齢者向けのMedicaid for Seniorという別枠のサービスがあり、介護のニーズがある高齢者は、こちらが対象となります。
もちろん、誰でも自由に利用できるというわけではなく、あくまでも「所得と資産がない人」を対象としたサービスなので、資産をたっぷり持っている人は、対象外です。
それじゃ、皆さんどうしているのでしょうか?いきなり正解を言うと、
資産を使い果たしてノー資産になる
のが答えだそうです。
高齢者向けMedicaidを利用するためには、
- 介護が必要な高齢者本人の資産が一定基準以下
- 高齢者本人だけじゃなく、世帯が持っている資産が一定基準以下
- 介護ニーズの度合い
を満たさなければいけません。具体的な資産の上限がいくらかについては、州によっていろいろ違うようですが、目安としては、介護者本人が持っている資産は$2,000以下。世帯の資産は$200K以下。ぐらいな感じです。ちなみに住んでいる家は、配偶者が暮らしている自宅の場合には、キープできます。
これまで何十年もかけてコツコツ積み上げてきた貯金や投資を、このギリギリのレベルまで使い果たさなければ、Medicaidの受給要件は満たせません。
3.手続き方法と審査方法
Medicaidは国が提供するサービスですが、州ごとにMedicaidと連携して提供しているサービスもあります。その場合、多くは週のMedicaid的なサービスが窓口となっていて、そこを通じてMedicaidの申請もできるようです。
Medicaidを利用できる資産&所得と認定された場合でも、どんな介護サービスが必要なのかに合わせて、さらに審査が行われます。理由は、資産隠しを見つけるためです。
たまに資産を子供などに渡して「資産隠し」をする人がいるらしく(持っている人は皆考える)、過去5年間までさかのぼって、お金の流れがチェックされます。
最初から資産がない人は、チェックすることもないので、迅速に審査が通ります。
持っている人はチェックする内容が色々あって複雑になり、審査に時間もかかります。
「今は持っているけれど将来はきっと資産が枯渇する」
と不安な人もいますよね。
この場合、まずは資産が枯渇するギリギリの所まで自己負担で費用を払い続け、Medicaidの受給要件を満たすレベルまで下がったところで、支払いをするのが高齢者本人から州や国へとバトンタッチされる、というイメージです。
4.資産があるけどゼロにするのは絶対に嫌。そんな人はどうする?
若いころから貯金などせず、明日は明日の風が吹くさ、と過ごしてきた人なら、Medicaidを申請すればすぐに認可され、経済的な痛みを伴うことなく必要な介護サービスを利用できることでしょう。
しかし多くの人は、これまで必死に老後資金を貯めてきましたよね。中には、数ミリオンを貯めたという勝者もいることでしょう。
そんな人にとっては、介護が必要だからとMedicaidのレベルまで資産を枯渇させる事が、必ずしも正解とは言えません。
その場合には、介護スタッフや医療スタッフが自宅に来て必要なお世話をしてくれるホームケア(訪問ケア)を利用するという方法もあります。
ちなみに、こうしたケアは健康保険やMedicareではほぼカバーされないらしく、自己負担です。お世話の内容や頻度によって自己負担額は変わりますが、月にしたら$1,000-$3,000ぐらいかかるというデータもあるので、だいたいそのぐらいかな、と覚えておくのが良いかもしれません。
そして、そんな生活をしながら資金が底をついたら、支払いはMedicaidへお願いするというわけです。
そこまでの道のりが長いか短いかは、人それぞれです。例えば私の場合、息子様へ少しでも多く残そうと、いろいろ策を講じて計画しておりましたが、Medicaidの利用、いえ、介護生活が長引くと、遺産どころか資産そのものがスッカラカンのゼロになります。Medicaidってそういうものだからです。
それが嫌なら、資産を子へ残したいのなら、頑張って健康を維持してピンコロを目指せ、というわけですね。