アメリカのホームスクールはポジティブな不登校?メリットやデメリットも!

子供の頃には誰もが一度や二度、人によってはほぼ毎日という人もいるでしょうけれど、「学校に行きたくない」と思ったことがあるはずです。その理由はさまざまです。いじめや人間関係などもあれば、「学校の勉強が簡単すぎてつまらない」なんて理由もあるでしょう。

日本では、教育というと「学校に行く」「行かない」の2択しかありませんが、アメリカにはいろいろな選択肢があります。ホームスクールも、その一つです。

目次

  1. ホームスクールとは?
  2. ホームスクールの理由にはどんなものがある?
  3. ホームスクールのメリット
  4. ホームスクールのデメリット
  5. もしこれからホームスクールをするなら知っておきたいコト
  6. ホームスクールに優しい州はどこ?

1.ホームスクールとは?

ホームスクールとは、学校で勉強するのではなく、自宅で勉強するという教育スタイルを指します。「学校に行かずに家で勉強なんてできるわけないだろ!」というのは、私達典型的な日本人の考え方かもしれません。しかし多様性を良しとするアメリカでは、子供が学校に行かなくても、ホームスクールをすれば代替にできるという選択肢があります。

ホームスクールをしている子どもの数は、アメリカ全土で約170万人程度で、全体の3%程度です。決して多くはありませんね。このうち、圧倒的に多いのは白人世帯で、ホームスクール生徒全体の83%を占めています。日本人を含むアジア人世帯の場合には、約2%で他の人種と比較して少なめです。

誰が教えるの?

ホームスクールは、基本的に親が先生となって子供に勉強を教えます。親が自分で教科書などを選んで教えても良いですが、州ごとにホームスクール用のテキストを無償で提供してくれる制度もあったりします。

また州のカリキュラムに従ったホームスクール向けの授業を動画でやっていたり、有料でホームスクール向けの授業を動画でやっているサービスもあります。

「学校ではなく家で勉強する」場合でも、どんなカリキュラムに沿って勉強するのかという点で、たくさんの選択肢がある所が、アメリカらしいですね。

アメリカって義務教育はないの?

日本だと、小学校と中学校は義務教育と決められています。これは、「子供が教育を受ける権利」ではなく、親が子供に「教育を受けさせる義務」が法律で決められているからです。そのため、子供が勉強したくないからと言って何もしないのでは、親が法律で罰せられることになります。

アメリカの場合、州ごとに義務教育の年齢は異なります。高校までは公立の学校は無償で通えるので、高校までが義務教育だと考える人は多いですね。でも、中学校の途中で学校に行くのを辞めたとか、ハイスクールの途中で行くのを辞めたという「ドロップアウト」な状態でも、ホームスクールでカバーすることはできます。

どんな人がホームスクールに向いている?

ホームスクールという選択肢は、全ての人に与えられています。しかし、全ての家庭でホームスクールを選択することが、必ずしもベストとは限りません。ホームスクールが向いているのは、

  • 親子で先生と生徒の関係になって勉強ができる人
  • 教える人が昼間在宅でいられる家庭(通常は親、もしくは家庭教師など)
  • 落ち着いて集中して勉強できる時間と場所と確保できる人
  • 自主的かつ積極的に学びたいという気持ちがある人
  • なぜホームスクールにするのか理由が明確な人
  • 社交の場を家庭の外で見つけられる人
  • 病気やケガなどで長期療養が必要な人

などです。

ホームスクールだった偉人

発明王トーマス・エジソン

有名な話ですが、アメリカが生んだ発明王のエジソンは、学校になじむことができず、ずっとホームスクールをしていたことで知られています。彼の場合、「なぜそうなるのか」という物事のメカニズムや仕組みを知りたいという気持ちが強かったため、学校に通うと教師から「質問ばかりしてうるさい」「変わり者だ」と厄介者の扱いを受けたことがきっかけでした。

彼の母親は、そうした状況を前向きにとらえて、「行きたくないなら家で勉強すれば良い」と彼のホームスクールをサポートしたそうです。しかし当時はホームスクールのシステムやサポートなどは一切ありませんでしたから、基本的に彼は自分自身で学問を学んだのだとか。

2.ホームスクールの理由にはどんなものがある?

ホームスクールの理由は、ポジティブなものからネガティブなものまで様々です。例を挙げると、

などは、よく聞く理由です。

カリキュラムが気にいらない

私がアメリカで子育てをしてきた中では、ホームスクールを選ぶママ友も少なからずいました。その中でも最も多く耳にしたのが、この理由ですね。カリキュラムが気に入らないというのは、

  • 学校のカリキュラムが簡単すぎて先が思いやられる
  • 無駄な科目をやっているのが気に食わない
  • 家で教えたほうが短時間で効率的に教えられる

などの理由です。例えば、将来はプロアスリートを目指す子だと、学校で1日過ごす時間がもったいないから、家でサッと勉強を短時間で片づけて、午後はずっと練習に費やしたい、という家庭もありました。

また、日本では考えられない事なのですが、学校で「進化論(Evolution)」を教えるから行かせない、という家もありました。アメリカではキリスト教徒が大半で、キリスト教においては、サルが人間に進化するなんて言語道断な話なのです。キリスト教では、アダムとイブが何もない場所に突然現れる創造論(Creation)を信じているため、それに反することを教える学校や教師はけしからん、ということなのでしょう。

アメリカでも、州や学校によっては教師が「進化論」を意図的に教えないという所もあります。しかし、学校のカリキュラムに基づいて教える場合には、その方針に反対する親が、その時だけ学校を休ませるとか、その年は学校に通わせない、なんてことも意外とあります。

先生の教え方が気に入らない

先生の教え方が気に入らないという理由で、ホームスクールを始める家庭もあります。先生の教え方が下手なのか、それとも教え方ではなくてカリキュラムが気に入らないのか、理由はいろいろあると思いますが。

先生の教え方が気に入らないことは、珍しくないと思います。息子が小学校中学年だった時の担任の先生が、教師になったばかりだったようで、「よくわからない」「知らない」が口癖でした。よく分からないという理由で、生徒に勉強を教えないのです。

それでどうするかというと、隣のクラスの先生にお願いして、クラスを丸ごと引越しさせていました。例えば、数学はAクラスと一緒にやってもらい、英語の時間はBクラスにお邪魔する、と言う感じですね。

小学校の中学年といえば、アメリカではちょうど時計の読み方を覚えたり、掛け算、割り算あたりを覚える大事な時期だったと思います。先生の意味不明な言い訳で子供が基礎を理解できなくなったら大変だと思い、我が家ではとりあえず数学に関しては、全て私が教えました。ホームスクールではありませんでしたが。

学校でいじめの被害にあっている

私はアメリカのホームスクールに関しては、あまり手放して賛成するわけではありません。しかし、この理由に関しては、ホームスクールという選択肢があることは、子供にとっては大きな救いの手になってくれると思っています。

アメリカでは、陰険ないじめは日本ほどありません。集団でいじめることに対してマイナス感情を持つ子供が多いことが、その理由だと息子は話していました。

でも、まったくないわけではなく、存在しています。あからさまないじめではなくても、気が弱い子は精神的なストレスを感じながら学校に通っている子もいます。

そうした子供にとっては、学校に行って精神的に追い詰められなくても、自宅で勉強ができて、将来は高校や大学にも進学できるのなら、それは素晴らしい選択肢だと思います。

学校でドラッグや暴力など悪い影響がある

同じ町にある学校でも、住んでいる場所によって学校の質や雰囲気はガラリと変わります。例えば、富裕層が多く住むエリアにある学校は、暴力やドラッグなどの問題は起こりづらい傾向にあります。しかし貧困層が住むエリアにある学校だと、そうした問題が起こりやすい傾向にあるのです。治安が良くない所だと、学校の入り口に金属探知機があり、生徒が銃器を持ち込まないかチェックするところもあります。また、学校の窓に鉄格子がついている所も実際にあります。

同じ町でも、大きな差がついてしまう所は、アメリカの影の部分なのかもしれませんね。

「だったら良い学校に行ける所に住めばよいのでは?」

と考える人はいるでしょう。確かに、その選択肢は理想的です。しかしそうしたエリアには、高級住宅のみで賃貸物件がないとか、富裕層でない人にとっては環境を選べないことが少なくありません。

ガラが良くない学校に通うと言っても、そこに通う生徒が全員、そうした危険因子を持っているわけではありません。そのため、運悪くそうした学校に通うことになると、親子で話し合ってホームスクールという選択をすることもあります。

3.ホームスクールのメリット

ホームスクールには、たくさんのメリットがあります。

  • 基本的に親子でマンツーマンの授業となるので、短時間でも密度の濃い勉強ができる
  • 子供の能力に合わせて、どんどん先にすすめる
  • スポーツや音楽などに時間を使いたい人や遠征などに行く子にとっては、時間的にフレキシブルな対応がしやすい
  • 周囲の生徒から悪い影響を受けずに済む
  • いじめがない
  • 地域によってホームスクールをサポートするグループがある
  • 学校によっては体育や課外授業だけ出席というのもOK
  • 宗教や価値観と教育とで干渉せずに済む
  • いつからでも始められる(年初でなければいけないといったルールはない)
  • 事情があって出席日数を満たせなくても留年にならない

4.ホームスクールのデメリット

ホームスクールには、メリットばかりではありません。少なからずデメリットもあります。ホームスクールを検討するなら、デメリットについても理解しておくことが大切ですね。

  • 社交性が身につかない
  • 他人とトラブルが起きた時の対応の仕方が分からない
  • 子供の世界が家庭内だけになってしまい、視野が狭くなる
  • カリキュラムや使用する教材、教え方によっては最低限の学力が身につかない
  • ホームスクールでも時間割などスケジュール管理は必要
  • 共働きの世帯だと難しい
  • 州ごとに法律があるので従う必要がある(科目や対象年齢、親に必要な資格など)
  • 一人っ子の場合には孤独感を感じやすい

などがあると思います。

5.もしこれからホームスクールをするなら知っておきたいコト

もしこれからホームスクールを使用かなと考えている家庭は、目の前のカリキュラムについて調べるだけでなく、さまざまなシチュエーションをシミュレーションした上で、賢明な選択をする必要があります。

レポートカード(成績表)は必ず作る事

ホームスクールで親が子供に勉強を教える場合、わざわざ成績表を作る必要がないと考える人は多いと思います。しかしこのレポートカードは、もし近い将来、別の学校へ通学する場合や転入する際には、提出するように求められるため、必要です。「ホームスクールだったので作っていません」と言っても認めてもらえません。

大学入学ではSATやACTは必要

ホームスクールなら、レポートカードの成績は良く、GPAも親がつけるので、4.0も十分に可能だと思います。しかし、大学入試においては、GPAだけで入学できるかどうかが決まるわけではないという点は、理解しておきましょう。難関大学になればなるほど、SATやACTのスコアはチェックされます。そして、ホームスクールでのGPAが高くても、テストのスコアが悪ければ、残念ながら不合格となってしまいます。

大学入試に必要なSATについてはこちらから

大学入試の方法についてはこちらから

Resume(履歴書)に書ける内容が必要

ホームスクールが良くも悪くもどういうものなのか、どんな影響を子供に及ぼすのかという点は、大学側は理解しています。もしも大学入試の際に提出する履歴書が、ただホームスクールをしていましたというだけだと、もしかしたら「じゃあずっと家にいただけ?」と思われて不合格リスクが高くなる可能性はあるでしょう。

ホームスクールをするのなら、勉強以外にボランティアやコミュニティ活動を積極的にするとか、どこかの団体に所属して集団での活動に精を出すなど、履歴書に書ける何かが必要不可欠です。

州によって法律がある

州ごとに法律がある

6.ホームスクールに優しい州はどこ?

ホームスクールに関しては、可能な子供の年齢や教えなければいけない科目、また親が持っていなければいけない資格や届出の必要性など、州ごとに条件が定められています。条件が厳しい州もあれば緩めの州もありますが、どの州がホームスクールをしようと考えている人にとってはフレンドリーなのでしょうか。

アラスカ州

親が子供に教えるなら年齢も科目も完全自由。届け出も不要。

アイダホ州

親の資格や届け出は不要。ただし子供はホームスクールを含めて16歳までは教育が必要。

インディアナ州

親の資格や届け出は不要。年間で最低180日間の授業が必要。

ミシガン州

州から提供されている9科目の必修科目はマスト。親が教える場合には資格は不要。

ミズーリ州

生徒の数は4人まで。年間の授業時間は1000時間以上であること。子供は16歳までホームスクールを含めて教育が必要。親の資格は不要。

ニュージャージー州

親の資格は不要だが、公立学校と同等のカリキュラムでなければいけない。

オクラホマ州

親の資格は不要。年間180日以上の授業をすること。学校は5歳から18歳までを対象。

テキサス州

ホームスクールは私立校の扱い。通知や親の資格は不要。カリキュラム作成は必要。必須科目には歴史と科学を含める事。

ユタ州

通知は必要。カリキュラムは州が提供するものから選択できる。

アメリカでの引越し、子供は転校!学校の探し方や手続き、スクールカーストについても!

日本でも終身雇用はすでに崩壊した感がありますが、アメリカでは終身雇用という概念がなく、みなさん気軽に転職をします。日本のように転職が多すぎるからと言って仕事探しで不利になることは少ないようで、給料アップやキャリアアップを求めて積極的に転職していますね。

しかし転職による転居となると、影響を受けるのは働く親だけではありません。子供の学校のことも、調べて手続きしなければいけません。

目次

  1. アメリカの学校は高校まで学区制
  2. 転校の準備
  3. 転入の準備
  4. アメリカで転校生になることはストレス?
  5. アメリカのスクールカーストについて

1.アメリカの学校は高校まで学区制

アメリカの学校は、School Districtと呼ばれる学区制となっています。これは小学校から高校までずっとです。アメリカの高校は、日本のように高校受験をして入学が認められるというシステムにはなっておらず、中学校の延長として高校へ進学します。

アメリカの学区は、それぞれ保護者の満足度やカリキュラムが異なります。もしもお子さんがいる家庭で、引っ越し前にある程度住む場所を自分たちで選べるなら、まずは学区をチェックして、住むエリアをザックリと決めることから始めると良いでしょう。

学区や学校、カリキュラムや保護者の感想などは、GreatSchool.netで調べることができます。このサイトでは、それぞれの学校が1から10までのスコア評価されていて、学校のザックリとした目安が分かるシステムとなっています。

  • 学校の生徒数
  • 生徒の人種割合
  • Reduced Lunch適用となる生徒の割合(貧困層)
  • 教師の数や経験値
  • カリキュラム
  • 実際に関係した保護者や生徒からの口コミ

などが分かりやすくまとめられています。

高スコア=学力レベルが高い、わけではない

GreatSchools.netのスコアは、学校を選ぶ際には目安の一つとなります。スコア評価には親の満足度が大きく影響しているため、満足度が高ければスコアは高くなる傾向があります。

親の満足度が高くなる要素は、いろいろあります。もちろん、学力が高ければ親としても満足度は高くなることが多いのですが、必ずしもそうとは言えないのが、アメリカらしいのです。

私はこれまで何回か引越しをしており、その度に子供は転校生となりました。その時に、複数の学校を比較しながら住む場所を選んで来ました。リサーチの結果、私が分かったことを、独断と偏見となってしまいますが、いくつかあげたいと思います。

  • 学力レベルが高い学校は、アジア人生徒の割合が高い。
  • 白人が90%以上で多様性がない学校は、親の満足度が高い傾向にある。
  • 貧困層が多い学区にある学校では、難易度が高いカリキュラムを提供して生徒集めに頑張っている。

あくまでも、これは私が自身でリサーチした中で、ぼんやりと浮かんできた傾向です。必ずそうだというわけではないので、参考程度にしてくださいね。

2.転校の準備

転校することが決まったら、現在通っている学校のカウンセラーに届出を出します。何カ月も前に通知する必要はなく、2週間~3週間ぐらい前でも十分です。

カウンセラーに届出を出すと、次の学校へ転入するために必要な書類を集めてくれます。大きめの封筒にいろいろな書類が入っていて、主に成績表などの記録が渡されます。しかしこの封筒は、封印されていて、転入先の学校のカウンセラーに封印された状態で渡さなければいけません。うっかり中を見たり、破ってしまうと、無効になるので注意してくださいね。

小学校の場合には、クラスの先生が気を利かせて、最終日にサヨナラパーティをしてくれる、なんてことがあるかもしれません。しかし、特別なことは何もなく、いたって普通の最終日、ということも多いです。私の子供が小学校の時に転校した時には、最終日に担任の先生が使い捨てカメラをくれて、友達との思い出を写真にとって楽しんでいました。また別の時には、クラスの友達が大きな画用紙に一言ずつ寄せ書きをしてくれたものを、最終日に持って帰ってきました。

転入手続きに必要な書類は手荷物として持参

引越しでは、家財道具を全て荷造りして業者に運んでもらうことが多いですよね。しかし、引越し先で転入の手続をすぐにしたい場合には、できるだけ転入に必要な書類は、手荷物として持っていくようにしましょう。梱包されてしまうと、どのダンボールの中に必要な書類が入っているか分からなくなってしまいますし、最悪の場合には紛失のリスクもあります。

子供は、転校することに対して精神的に大きなストレスを抱えます。だからこそ、できるだけスムーズに手続きを済ませて、新しい環境に慣れてもらうためには、親としてできる限りの準備をしておくのが良いと思います。

3.転入の準備

引っ越したら、まず最初に転入の手続をしに、新しい学校へ足を運びます。アメリカの学校では、それぞれの学区を管理しているISD(Independent School District)がありますが、転入の手続でISDのオフィスに行けと言われることはほとんどなく、大抵は学校のカウンセラーが対応してくれます。

転入の手続には、

などが必要でした。

住所を確認できる書類

ISDごとに学区が決まっているので、それを確認するために必要な書類です。引っ越したばかりの時には、光熱費の領収書などは持っていないことが多いので、アパートの賃貸契約書とか、家を購入した人ならその契約書を持って行けばOKです。

住所を確認したいだけの書類なので、住宅を購入する手続きをしているけれどまだクローズになっていない、という状態でも問題ありません。

生徒のBirth Certificate

子供が学校に通う資格があることを確認するための書類です。

Birth Certificateがなければ、代わりにパスポートでもOKかもしれませんが、日本発行のパスポートが認められるかどうかは、ごめんなさい、経験がないので分かりません。でも、日本のパスポートと有効なビザがあれば問題ないと思います。

ちなみに、観光というステータスだと、子供を学校に入れることは難しいですね。

ちなみに、アメリカの学校はさまざまなスタイルがあり、通学だけが選択肢ではありません。そのためでしょうか、転入に必要な書類が揃わなければ、揃ってから出直すように言われます。とりあえず学校に通わせながら、書類を後から揃えてください、という親切な対応は、期待しないほうが良い気がしますね。

不法滞在の移民でも子供は学校に通える?

税金で運営されているアメリカの公立学校ですが、不法滞在の子供でも教育を受ける権利は、法律によって認められています。少し前までは、不法滞在という理由で学校側が拒否出来ましたが、現在では基本的には学校側は拒否できません。

不法滞在だからといって、「税金払ってないのだから代わりに学費をよこせ」なんてこともありません(1970年代にはテキサスで実際にあり、裁判まで発展しました)。

生徒のSocial Security Card

これも、持参するように言われた書類の一つです。とりあえず持って行った所、その場でコピーを取ってすぐに返してくれました。

予防接種カード

これは、生徒が生まれてから現在に至るまでの予防接種の記録が記載されているVaccination Recordです。日本では、子供が小さい頃なら母子手帳にどの予防接種をいつしたかという記録を残すことができますが、持っていないという人は多いでしょう。

アメリカでは、生まれた時に黄色いカードをくれて、次回からはその紙を予防接種の度に持参して、ドクターに記録を書いてもらうことになります。

ちなみにこの予防接種カードは、いろいろなところで提出しろと求められます。大学への入学でもチェックされますし、アルバイト先からもチェックされたりします。

この予防接種カードには、摂取した日やLot 番号、対応した医師の名前とサインなどがかかれています。このうち、学校がチェックしたいのは「国や州が義務付けている接種を済ませているかどうか」という点です。ロット番号などは詳しくチェックされませんが、いつどの予防接種をしたかという点は確認されます。

予防接種カードをなくした。どうすれば良い?

もしも予防接種カードをなくした場合には、おもいだせる限り、これまでに通ったクリニックに連絡をして、いつどこでどの予防接種をしたのかを確認することをおすすめします。

転校する前の学校で入学の手続をしていれば、その記録が残っているでしょうし、転校すれば予防接種記録も封印されている封筒の中に入っています。

どうしても見つからない、いつ何を受けたかを思い出せない、記録もない時には、どうなるのでしょうか?

私自身、経験がないのでわかりませんけれど、打ち直しという羽目になる可能性は十分に考えられますね。

4.アメリカで転校生になることはストレス?

転校生になることは、アメリカでも日本でも、生徒にとっては大きな精神的なストレスです。私自身、小学校1年生の時に転校した経験がありますが、小学校1年生ですら緊張したことを覚えています。

私の子供は、小学校の時に数回の転校、そしてハイスクールで1回の転校をしました。全て夫の異動による転居が理由でしたが、親としては、何度も転校させてしまい、本当に申し訳ないと今でも感じています。

そんな複数回の転校を間近で見てきた感想をご紹介します。

  • 小学校低学年まではウェルカムムード満載なので、転校はストレスになりにくい
  • 小学校高学年からは、クラスメートに自分から話しかけるなどの積極性が重要
  • 授業ごとにクラスが変わるミドルとハイスクールの転校は、難易度高め。スポーツや音楽など、所属するクラブがあれば、救いになる。
  • 男の子より女の子の方が、馴染むのは大変かも
  • スポーツをしているイケメンや美女は例外の可能性大

年齢が上がると、学校内でヒエラルキー(スクールカーストとも呼ばれていますね)が確立されるので、転入生が来ると、みな子供なりにも防御的になることは多いです。陰湿ないじめなどは、あまり見たり聞いたりしたことはありませんが、積極的に社交をしなければ、ぼっちのまま時間が過ぎる、ということは十分にあり得ます。

私のように、引っ越しが多くて子供の転校回数が多いというお母さんは、他にもいると思います。私がこれまでしてきたことは、

  • 学校のボランティアやクラスのボランティア、遠足の付き添いは、積極的にすること。
  • クラスのボランティアは、募集されるのを待つのではなく、学校に押しかけて何かないか聞けば、何かしらあるものです。
  • 子供がクラブ活動をしているなら、進んでボランティアをしたり、役員などをする。
  • 親が積極的に他の親と社交をして、子供のプレイデートやスリープオーバー、スランバーパーティをホストすること。

などがありました。親がボランティアをすると、親自身も子供の学校の様子とか事情、内情が分かるというメリットもありますし、子供にとっても、親がすぐそばにいることが、なんとなく安心感につながることもあるようです。もちろん、これは私自身がやってきて良かったなと思っていることなので、全てのケース当てはまることではないかもしれません。

5.アメリカのスクールカーストについて

ここからは、アメリカのスクールカーストについて、一般論をお話しします。あくまでも一般論なので、もちろん例外もあります。参考程度にしてくださいね。

アメリカのミドルスクールやハイスクールでは、クラブ活動とか趣味などで共通点を持つ友達同士がグループを作ります。これは、日本でも同じですね。そして、このグループがそのまま、スクールカーストに直結することは多いです。

例えば、このカーストの頂点に君臨するのは、男子なら「ジョック」と呼ばれているスポーツクラブのメンバーたち。スポーツの種類は特に問わず、それぞれのスポーツチームごとに固まってグループとなっていることが多いです。どのスポーツがベターかという競争はなく、フットボールもサッカーも野球も、みなジョックとして学校内ではリスペクトされることが多いようです。

女子の場合には、クイーンビー(女王バチ)と呼ばれる女王様がいて、その周囲にオシャレな取り巻きがいる、というイメージですね。クイーンビーは、だいたいお金持ちの娘が多く、チアリーダーのキャプテンをやっていたりします。

その下には、スケボーが好きな子のグループとか、ゲームが好きな子のグループとか、異性に興味ありありなグループ(女の子に多い傾向あり)などがいます。

勉強熱心な生徒のグループは?と気になりませんか?多分、います。でも、スポーツとか外見がすべて、みたいなアメリカのスクールカーストでは、目立たない存在です。

グループ間の会話はほぼなし

このアメリカのスクールカーストでは、グループ間の会話はほとんどないようです。場合によっては、話しかけても無視されるなんて扱いもあります。

自分がどこかのグループに所属していれば、他のグループと会話がなくても、それほど困ることはないかもしれません。しかし転校生の場合、これは一大事です!

私の息子の場合には、アメフトをしていたので、転校初日からアメフト部のグループに入ることができました。比較的シャイな息子だったので、親としてはひそかに心配していました。初日に帰宅した息子に聞くと、ボッチにならないようにアメフト部の子が気を使ってくれて、カフェテリアで一緒に座る席を確保してくれたりなど、息子を仲間に入れてくれたようです。

こういう救いの手があれば、ハイスクールで転校生になっても、それほどロンリーな時間を過ごすことは少ないと思います。でもクラブ活動をしていない子だと、手を差し伸べてくれる子が転校初日に現れるとは限りません。そうすると、慣れるまでは腹をくくってボッチになるのかな、という気がしてしまいました。

後日アメフトの試合の日、息子に気を遣ってくれた第一人者の子の親を見つけたので、私は律義にお礼に行ったほどです。子供の学校生活のことってハイスクールぐらいになるとなかなか親の耳に入ってこないので、そういう良い話は、私は積極的に当人の親とシェアするように心がけていましたね。

アメリカの大学入試と「Affirmative Action(アファーマティブ・アクション)」の関係

アメリカで生活すると、誰もが経験することの一つに、差別があります。ライフスタイルや住んでいる場所などによって、どんな差別をどんな風に経験するかは千差万別ですが、残念ながらアメリカには根強い差別社会であると言っても、決して言い過ぎではないでしょう。

私自身、渡米したばかりの時には、差別をされていても気づかないことが多かったものです。しかし在米歴が長くなることによって、明らかな言葉による差別はなくても、他の人との対応の差とか、その場の空気感などで、差別を感じ取れるようになりました。

そんな差別社会を少しでも軽減しようと登場したのが、Affirmative Action(アファーマティブ・アクション)です。これは「多様性(Diversity:ダイバーシティ)を促進する」ことを目的としています。

アメリカでは、Diversityというと人種的な多様性をイメージする人が多いです。しかし、必ずしも人種的な部分だけではなく、LGBTとか性別なども含めて、多様性を促進する政策はアファーマティブ・アクションとなります。アメリカでデフォルト的に使われているアファーマティブ・アクションは、 Racial Affirmative Action のことですね。ここでは、この人種的なアファーマティブアクションが、大学入試にどんな影響を及ぼしているのかを、分かりやすくご紹介します。

※このページは、人によっては気分を害することがあるかもしれません。できるだけ客観的な内容にまとめていますが、差別についての事情を知りたくないという方は、このまま退出されることをおすすめします。

目次

  1. アファーマティブ・アクションとは?
  2. アファーマティブ・アクションの由来
  3. 大学入試におけるアファーマティブ・アクション
  4. アファーマティブ・アクションがなくなるかも?
  5. 大学への入学しやすさは、アファーマティブ・アクション以外にもある
  6. 最近増えている、アファーマティブ・アクションへの誤解

1.アファーマティブ・アクションとは?

アファーマティブ・アクションとは、日本語にすると「積極的格差是正措置」となります。はい、正直、日本語に訳しても全く意味が分かりませんよね。これを一言で表現するなら、マイノリティに対する差別をできるだけ改善しましょう、多様化を促進しましょうというものです。

アメリカは、人種のるつぼと呼ばれているように、たくさんの民族や人種が暮らしています。そのうち、最も多いマジョリティは、人口の約60%を占める白人です。

マイノリティを大きく分類すると、

  • アフリカ系(黒人と呼ばれる人種です)が12%程度
  • ヒスパニック系(ラティーノ、ラティーナなどが含まれて、メキシコ以南の南米系の人がここに含まれます)は18%程度
  • アジア系(日本人はここに含まれます。東アジアだけでなく、東南アジアやインド系も、すべてアメリカではアジア系に分類されています)が6%弱

となっています。人種は、どの国の出身かということではなく、一言でいうなら「肌の色」で決まります。アメリカ国籍を持っているアメリカ市民なのか、それともグリーンカードで生活している移民なのかという点は、人種が判断されるうえでは、関係ありません。

余談ですが、「移民」という点ではロシアや東ヨーロッパからやってきた人達もいます。しかし彼らは、肌の色という点で分類すると多くは「白人」です。人種的なアファーマティブ・アクションでは、白人は措置の対象とはなっていません。つまり、移民ということで不便を感じることはあっても(アメリカには移民差別にありますので)、他の有色人種のように差別されていないという理由でアファーマティブ・アクションは対象外、となることが多いようです。

2.アファーマティブ・アクションの歴史

アメリカにおけるアファーマティブ・アクションは、実は最初から有色人種を救済するための措置として誕生したものではありません。ご存知ですか?

その昔、アメリカの大学には優秀なユダヤ系の生徒が多くいました。ユダヤ系の数が増え過ぎてしまうことを恐れた政府側が、「白人を救うための救済措置」として、ユダヤ系学生の入学を制限したのが、アファーマティブ・アクションの始まりです。

大学の入学選考過程においては、アファーマティブ・アクションは現在でも存在すると言われています。しかしそれは、決してユダヤ系学生を排除しようというものではありません。歴史の中で経済弱者の立場を強いられてきた有色人種の入学を促進することによって、より平等な社会を作りましょう、という位置づけとなっています。

アメリカの差別が分かりやすくまとめられている動画

3.大学入試におけるアファーマティブ・アクション

大学入試においては、出願申込プロセスの中で、人種を申告する項目があります。「答えたくない」という選択をすることもできますが、多くの学生は、回答拒否することが合否にマイナスの影響を与えたくないと考えるため、人種を申告しています。

私の息子が大学進学の際には、通っていた高校のカウンセラーから「人種の選択は、アジア人を選ばないように。有利にならないから。」と言われました。息子の場合には、アジア人である私が50%、そして非アジア人である夫が50%なので、どちらを選んでもOKでした。

大学入試におけるアファーマティブ・アクションでは、多くの場合にポイント制が採用されているようです。SATの得点に、このポイントを加算すると考えると、分かりやすいかもしれませんね。例えば、マジョリティである白人のSATスコアをプラスマイナスゼロとしたら、

  • 黒人はプラス20ポイント
  • ヒスパニックもプラス20ポイント
  • アジア人はマイナス20ポイント

のように、大学ごとに独自の点数調整システムを採用していると言われています。

また、大学に在学する生徒の人種と性別の統計を見ると、白人の女性が最も多いのだそうです。そのため、息子の高校のカウンセラーは、「白人の女性であることも、有利にならない」とおっしゃっていました。

ちょっと待って、アジア人はマイナスポイントなの?

上のチャートを見ていただくと分かりますが、黒人とヒスパニック系は、自身のSATスコアにアファーマティブ・アクション調整で何ポイントが加算されているのに対し、アジア人は、なんと獲得したスコアからポイントが差し引かれています。これは、タイポではありません。

多くの大学でこうしたアジア人のポイントを下げる対策をするのは、大学におけるアジア人の割合が高くなっていることが背景にあります。

大学におけるアファーマティブ・アクションというのは、多様性という目標を実現するために行う対策です。そのため、実際のSATスコアだけで純粋に合否を決めてしまうと、合格者がアジア人ばかりに偏ってしまうという事態が起こりかねません。そうした事態を防ぐために、アジア人の得点を少し下げるという対策をしているわけです。

カリフォルニア州ではアファーマティブ・アクションを撤廃

アファーマティブ・アクションは、アメリカの憲法によって定められている権利とか義務とかではありません。あくまでも、国がオススメしている「多様化を維持するための」政策です。大学の入学に関するアファーマティブ・アクションは、全国の大学が独自に行っており、公表はされていません。

しかし2009年には、カリフォルニア州が州立大学におけるアファーマティブ・アクションを撤廃しました。大学は、人種に頼らずに自身の実力で入学してくださいね、ということなのでしょう。個人的には、自身の頑張りが純粋に評価されるという点で、私はこの政策には賛成です。

そんなカリフォルニア州がその後どうなったのか、気になりませんか?現在のアファーマティブ・アクションでは、黒人とヒスパニック系が合格しやすくなっており、若干有利な状況ですが、アジア系にとってはとても不利です。カリフォルニア州では、その点はどのように変わったのでしょうか?

カリフォルニアの州立大学では、現在超難関と言われているUniversity of California Barkley Campusを筆頭に、ほぼすべての州立大学のキャンパスで、アジア人学生が占める割合が50%程度と高くなっています。他の州と比べてアジア人の割合が多いカリフォルニア州ですが、それでも州内で生活するアジア人の比率は、全体の14%程度です。そう考えると、州立大学へ進学するアジア人の比率がどのぐらい高いのか、よくわかります。

4.アファーマティブ・アクションがなくなるかも?

大学の入学に関するアファーマティブ・アクションに対しては、賛否両論です。歴史的に経済的弱者で、自身の努力だけではどうすることもできない壁があるのなら、アファーマティブ・アクションで救済し、チャンスを与えることがアメリカンドリーム、という気はしますよね。国がすすめるアファーマティブ・アクションも、ここが目標というか、理想形なのだと思います。

しかし実際には、大学への進学率を決める要因は、人種ごとによる背景だけが要素というわけではありません。親の教育レベルや、親の収入によっても、子供の進学率には大きな差があります。

極端な例を挙げてみます。例えば、両親が博士号を持っていて世帯年収が100万ドル近く(1億円程度)の世帯で生まれた有色人種の子と、親が高校中退で世帯収入も低く、政府からの支援に頼らなければ生活できない白人の子を比較した場合、大学に進学できる可能性という点では、経済的に裕福な有色人種の子の方が有利です。

理由は、親が高等教育を受けているため、経験をもとに子供に教育しやすい生活環境を与えられたり、経済的余裕があることで、子供に必要な教育環境を選択できるからです。

これは、人種が関係しているわけではなく、経済的な背景が大きく影響していることを表しています。

シンプルな、人種のみを考慮するアファーマティブ・アクションでは、この富裕層の子供は有色人種という理由で入学がさらに有利となります。そして、貧困層の子でも白人の場合には、有利となる措置にはなりません。

近年のアメリカでは、人種による格差もまだまだ残っています。しかしその一方で、経済的な格差が広がっています。そこに、人種という要素が複雑に絡んでいるため、アファーマティブ・アクションをどのように取り扱うかという点が、難しいのです。

5.大学への入学しやすさは、アファーマティブ・アクション以外にもある

アメリカの大学において、合否を決める要素は、学校の成績やSATスコアだけではありません。アファーマティブ・アクションも要素の一つですが、その他にも、ポイントがアップして合格しやすくなるケースは、たくさんあります。

奨学金の優待生

アスリートやアーティストなど、大学からScholarshipによるリクルートを受けている人は、自身のSATスコアに対して、「+20ポイント」などの上乗せをしてもらえることが多いです。ただし大学側も、コーチがスカウトしてきた生徒だからと言って、無条件で合格させることはできません。大学のレベルを維持しなければいけませんから、下駄を履かせることはできても、スカウトされた生徒に対してもそれなりのレベルを要求します。

Legacy枠

Legacy(レガシー)というのは、親や祖父母がその大学の卒業生であるときに活用できる枠です。特に私立大学の場合にはLegacy枠によるポイント上乗せは大きく、+40ポイントぐらいはゲットできるのではないでしょうか。

多額の寄付

これは、富裕層にしかできない裏技なのかもしれません。数十万ドルから数百万ドルという寄付を申し出れば、大学側もビジネスなので、子息の入学を「特別に」認めてくれることはあるようです。

例を挙げると、過去に大統領だったトランプ氏の義息のジェリー・クシュナー氏は、ハーバード大学に入学させたい父親による$20M(日本円にして20億円程度)以上の寄付金を条件に、入学を認められたのだとか。

ちなみに、寄付金による優遇措置は、人種によるアファーマティブ・アクションとは全く関係ありません。大学運営がビジネスである以上、多額の寄付金で入学させてもらえるという例外的な優遇措置は、必要悪だと考える人は多いです。

6.最近増えている、アファーマティブ・アクションへの誤解

最近では、アファーマティブ・アクションに対する間違った認識が広がっていて、勘違いから大憤慨する人も少なくありません。

下のクリップでも説明されていますが、アファーマティブアクションはあくまでも「多様性を促進するためのもの」であって、「特定のグループに属する人(人種など)を罰する」ためのものではありません。しかし、残念な使われ方がしていることはまだまだ多いようです。

日本人学校や補習校、行かせた方が良いの?

アメリカには、日本人学校や補習校などがあります。子供がいる家庭なら、実際に通うかどうかは別として、一度ぐらい検討したことがあるのではないでしょうか?ここでは、アメリカにある日本人学校や補習校は何をする所なのか、そして自分の子供を通わせた方が良いのかどうかについてご紹介しますね。

目次

  1. 日本人学校とは?
  2. 補習校とは?
  3. 現地校との掛け持ち、大変じゃないの?
  4. アイデンティティ、そして将来の教育設計で決めるべし

1.日本人学校とは?

日本人学校とは、海外にある日本人のための学校のことで、文部科学省がある程度の経費を負担してくれています。基本的には義務教育の年齢が対象となるので、小学校と中学校がメイン、高校も探せばあります。

日本人学校はアメリカだけでなく世界中に設置されていて、その数は95。そのうち5校がアメリカにあります。

カリフォルニア西大和学園カリフォルニア校
イリノイシカゴ日本人学校
ニュージャージーニュージャージー日本人学校
ニューヨークニューヨーク日本人学校
グアムグアム日本人学校
文部科学省ホームページより

メリット

  • 場所は海外だけれど日本の学校
  • カリキュラムは日本の公立の学校と同じ(文部科学省が認定)
  • 全日制で、月曜日から金曜日まで、日本の学校と同じように通学できる
  • 教科書は日本国内で実際に使われているものを採用
  • 現地の日本人会が運営
  • 卒業すれば日本国内の学校と同じ卒業資格を得られる
  • 日本語での授業、友達との付き合いもすべて日本語
  • 校長や教頭は日本から派遣

デメリット

  • 現地の人と交流する機会が少ない
  • 現地の言語を習得できる環境が少ない
  • 現地の税金は投入されない、私立校の扱い
  • 学費は無料ではない
  • 入学審査や定員がある
  • PTA参加義務など、親の関わりが求められる
  • ロケーションが限定されている

日本人学校に向いているのはどんな人?

  • 数年間の駐在で、日本へ帰ることが分かっている人
  • 海外に駐在している間に、子供の教育面がとても心配な人
  • 日本へ帰って子供が高校や大学を受験しなければいけない人
  • 日本人としてのアイデンティティを強く持ち続けたい人

2.補習校とは?

補習校とは、土日にだけ行われる塾のようなもので、普段は現地の学校に通っている子どもたちが、週末に補習校に通うというスタンスが一般的です。日本人学校へ通わせたいけれど定員で入れなかった場合や、すぐそばに日本人学校がないので補習校という選択肢しかないなど、補習校を選ぶケースは様々です。

補習校は、世界中に229校あり、アメリカにも大小さまざまな補習校があります。

アラスカアンカレッジ 日本人補習学校
アラバマバーミングハム日本語補習校
アーカンソーリトルロック日本語補習校
アリゾナアリゾナ学園スクール
カリフォルニアサンフランシスコ日本語補習校
カリフォルニア三育学院サンタクララ校
カリフォルニアサンディエゴ補習授業校みなと学園
カリフォルニアポートオブサクラメント補習授業校
コロラドコロラド日本語学校
コロラドデンバー日本語補習校
コネチカットハートフォード日本語補習校
フロリダオーランド日本語補習校
ジョージアジョージア日本語補習校
ハワイホノルル日本語補習校
イリノイシカゴ補習授業校
インディアナグレータールイビル日本語補習校
インディアナフォートウェイン日本語補習授業校
インディアナインディアナ日本語補習校
カンザスカンザスシティ日本語補習授業校
ケンタッキーエリザベスタウン日本人補習校
ケンタッキーシンシナティ日本語補習校
ケンタッキーセントラルケンタッキー日本人補習校
ルイジアナニューオリンズ日本語補習校
ルイジアナバトンルージュ日本語補習校
マサチューセッツボストン日本語補習校
マサチューセッツアムハースト日本語補習校
メリーランドワシントン日本語補習校
ミシガン駿台ミシガン国際学院
ミシガンデトロイトりんご会補習授業校
ミネソタミネソタ日本語補習校
ミネソタミネアポリス日本語補習校
ミズーリセントルイス日本語補習校
ミシシッピノースミシシッピー日本語補習校
ノースカロライナシャーロット日本語補習校
ノースカロライナローリー日本語補習学校
ニュージャージーニュージャージー補習授業校
ニュージャージープリンストン日本語補習校
ネバダラスベガス学園
ニューヨークロチェスター日本語補習校
ニューヨークニューヨーク補習授業校
ニューヨークバッファロー日本語補習校
オハイオシンシナティ日本語補習校
オハイオコロンバス日本語補習校
オハイオクリーブランド日本語補習校
ペンシルバニアフィラデルフィア日本語補習校
ペンシルバニアピッツバーグ日本語補習校
サウスカロライナグリーンビル日本語補習校
サウスカロライナ松葉学園
テネシー中部テネシー日本語補習校
テネシーイーストテネシー日本語補習校
テネシーメンフィス日本語補習校
テキサスエルパソ日本語補習学校
テキサスオースチン日本語補習校
テキサスサンアントニオ日本語補習校
テキサスダラス日本語補習校
テキサスヒューストン日本語補習校
ユタユタ日本語補習校
バージニアニューポートニュース 補習授業校
ワシントンシアトル日本語補習校
グアムグアム日本人学校
北マリアナ諸島サイパン日本人補習校
文部科学省のホームページより

メリット

  • 日本人学校で使われている教材を採用
  • 授業は日本語
  • 土日のみなので、現地校に通える
  • 義務教育以外の年齢、幼稚部や高等部が設置されていることもアリ
  • 運営は現地の日本人会
  • 入学式や運動会、遠足や七夕などの伝統行事もアリ
  • 現地の言語を習得しやすい
  • 現地の友人を作りやすい
  • 現地の学校へ進学する際にスムーズな移行が可能
  • 保護者主体のクラブ活動もある

デメリット

  • 全教科を習うわけではない。国語と数学がメイン。
  • 宿題が多く、現地校とのバランスが難しい
  • 週末はスポーツの試合や習い事などで忙しい
  • ロケーションが限られており、場合によっては片道数時間かかることもアリ
  • 学費がかかる
  • 日本国内の学校を卒業した場合と同等の資格は得られない
  • 学校によってカリキュラムの内容や進度がちがう
  • 狭い日本人社会の中で人間関係のトラブルが生まれるかも
  • 親の負担は少なからずある

補習校に向いているのはどんな人?

  • アメリカ人としてのアイデンティティを確立しながらも、日本人のアイデンティティも維持したい人
  • 日本へ帰国の際には帰国子女の枠で受験することを考えている人
  • 国語と算数をしっかり学べれば良いと考えている人
  • 現地校と補習校からの宿題のどちらにもしっかり取り組める人
  • 親が子供の学習をサポートできる人
  • 将来は現地校への進学を考えている人
  • 日本のカリキュラムよりアメリカのカリキュラムに沿うことのメリットが大きな移住組

3.現地校との掛け持ち、大変じゃないの?

全日制の日本人学校なら、現地の人とあまり関与することなく数年間のアメリカ生活を全うし、日本のカリキュラムに遅れることなく帰国できる可能性は高いでしょう。しかし平日は現地校、そして週末は補習校となると、子供は週休0日で学校に通うことになります。掛け持ち、大変ではないのでしょうか?

宿題は大変です

補習校と現地校を掛け持ちしている家庭からよく聞くことは、宿題が多くて大変、ということですね。アメリカの現地校では、年齢が上がるにつれてどんどん宿題の量が増えていきます。ハイスクールになると、毎日数時間、宿題をしなければいけないということもあります。

だからと言って、補習校は手加減してくれません。補習校に通う子供の中には、日本へ帰国する前提で通っている子もいるので、しっかりカリキュラムをこなしてほしいという希望は少なくありません。1週間分の授業を土日の2日間に凝縮して行い、宿題も1週間分がみっちり出される、というスタンスなのです。

子供によっては、現地校からの宿題と、補習校からの宿題の両方を、毎日することが習慣になる子もいるようです。宿題が忙しすぎて現地校のクラブ活動とか、お友達と遊ぶこともできないというケースも珍しくありません。

年齢が上がると社交面で問題が浮上しやすい

子供達が社交に積極的になり、Sleep OverとかSlumber Partyと言った「お泊り会」をするようになると、「補習校はもう行きたくない」「休みたい」という子が増えます。そうしたお泊り会は金曜日の夜に行われることが多く、土曜の朝早くから補習校に行かなければいけない子だと、参加しづらいからです。

また、現地校でスポーツなどのクラブ活動をしている場合にも、週末ずっと補習校ということは、問題が生じてしまいます。アメリカのクラブ活動は、練習は平日の放課後、そして試合は土日だからですね。

子供の年齢が9歳か10歳ぐらいになると、多くの家庭では「そろそろ補習校は辞め時なのかしら?」という壁にぶつかるのだとか。

4.アイデンティティ、そして将来の教育設計で決めるべし

補習校に子供を通わせるかどうか、またいつまで通わせればよいのかを決めるには、家庭の中で長期的なプランニングが必要です。

我が家の例ですが、我が家では子供を補習校へ通わせませんでした。その理由は、

  • 夫は転勤族だったため、日本のカリキュラムに沿った教育を継続できる確証がなかった
  • 子供は現地校でのクラブ活動やお友達との社交に積極的だった
  • 将来はアメリカの大学へ進学する予定だったので、アメリカのカリキュラムで学んでほしいと考えた
  • 国語と数学に関しては、私が自宅で教えることが可能だった
  • 日本語という言語よりも文化を学べば良いと考えた
  • 帰国の予定はなかった

などですね。

私は学生の頃に数学が得意で、アルバイトで塾や予備校の講師をした経験がありました。そのため、息子はキンダーから高校を卒業するまで長期休みも含めて毎日30分~1時間、私と一緒にテーブルに座って「ママ塾」をしていました。

マンツーマンで教えることは、限られた時間の中でも密度の濃い内容で学べるというメリットがあります。教える側も、マンツーマンなら解き方を観察しながら弱点を把握し、克服のための応用問題を出せます。

親子で学習習慣をつけたことは、子供が大学へ進学してからも、それなりに役立ったような気がします。長時間の勉強でもそれほどストレスに感じないようですし、息子はコンピューターサイエンス(CS)を専攻しており、基本的な数学的な考え方ができることは、少なからず役立っているようです。そうした些細な成果があっただけでも、親としては息子の人生に役立ったような気がして、嬉しいですね。

私の周囲には、最初から補習校は検討していないという人もいましたし、絶対に補習校はマストという人もいました。いろいろな口コミを聞いた中で、「行かない」という決断をした場合に考えられるデメリットをいくつかご紹介しますね。

  • 日本人のお友達が少ない
  • 日本語で会話できる人が親以外にいない場合も
  • 日本語の読み書きに関しては、補習校に通っている子よりもレベルが劣る

などが挙げられます。途中まで通わせていたけれど辞めたという家庭では、宿題の量が減ってストレスが減ったとか、補習校関連の親子喧嘩が減ったなど、良いこともあるようです。

補習校に通わなくても、こんなチャンスがあります

補習校に通わないという選択をすると、どうしても日本語の読み書きや会話のレベルは、補習校でスパルタ的に学んでいる子よりも劣ります。これは、仕方ないと思います。

しかし、「それなり」のレベルでも日本語をある程度話せる子なら、大学で日本語をダブルメジャーで専攻して完成度を上げるという方法もあります。

息子の友人は、小学校2年生まで補習校に通っていました。日常会話は問題ないレベル、しかし学術的な分野ではイマイチだったそうですが、大学に入って経済学を専攻するのと並行して日本語も専攻した所、ゼロの状態から始める同級生と比べるとやはり基本が既にできていることは大きなメリットだったらしく、大学2年生でも上級生向けのクラスを受けていました。もちろん成績優秀者として、就職の際の履歴書にもしっかり記入したそうです!

そういう例もあるということで、ご参考にしてくださいね。

アメリカの大学費用はどう貯める?529Planって何?

子供の大学費用をどうやって貯めるのがベストなのか、頭を悩ませている人はたくさんいるのではないでしょうか。私自身も、子供が生まれたばかりの頃には、どんな方法で貯めるのが良いのか、またどんな貯め方だとどんな落とし穴があるのか、不安でした。ここでは、学費を貯める方法としてよく耳にする529Planについて、詳しくご紹介します。

目次

  1. 529 Planって何?
  2. 529プランのメリット
  3. 529プランのデメリット
  4. どの529プランがオススメ?

1.529 Planって何?

529プランとは、子供の教育費を貯蓄する目的の口座です。金融機関が提供してる金融商品ですが、運用方法が異なるだけで、基本的なルールはどの金融機関で口座を作っても変わりません。

A 529 plan is a tax-advantaged investment vehicle in the United States designed to encourage saving for the future higher education expenses of a designated beneficiary. In 2017, K–12 public, private, and religious school tuition were included as qualified expenses for 529 plans along with post-secondary education costs after passage of the Tax Cuts and Jobs Act

Wiki

529プランの特徴

  • contribution(入金)に非課税枠はない
  • 引き落とした時にも税金はかからない
  • Growth(増えた分)に税金がかからない→ここが魅力
  • 引き落とせるのは教育目的のみ(学費や寮費、教科書代など)
  • 親の名義で貯蓄し、子供に学費に使う
  • 年間$10,000までなら私立の小中高に学費として引き落としてもOK

529プランは、Traditional IRAのように貯蓄分が非課税にはなりません。その点では、Saving Accountの代わりに529プラン口座で貯めているという感覚でOKだと思います。そして引き出す際にも、それが収入としてカウントされることはないという安心感があります。

金融機関ごとに、どんなMutual Fundで増やしてくれるのかという点は異なります。私が利用していたUpromise529プランでも、最初に「ハイリスクだけれど大きく増やしたい人向けのプラン」「堅実にコツコツ貯めたい人のためのプラン」などの選択肢から選ぶことができました。銀行のSaving Accountなどに入れておくよりも大きく増えるという点で、529プランは利用する価値は大いにあると思います。

2.529プランのメリット

529プランのメリットは、たくさんあります。

親名義で貯められる

アメリカの大学では世帯の収入によってかかる学費が違います。親の収入はもちろんのこと、子供名義の資産や貯金があると、Financial Aidを受ける際には不利です。できるだけ子供名義の口座は持たない、資産は作らない、というのがアメリカの常識です。529プランは、Account Owner(口座の所有者)は親で、Beneficiary(学費を使う人)は子供という設定ができます。この点は、大きなメリットだと思います。

大きく増える

529プランの多くは、Saving Accountよりも金利が高めのMutual Fundで運用します。例えば、毎月$200ずつを18年間コツコツと積み立てた場合、Saving Accountで利子が1%しかつかなければ、最終的には$47,000程度にしかなりません。しかし、金利が6%つく529プランなら、18年後には$77,000にまで大きく増えてくれます。しかも、金利で増えた$30,000には税金はかからないので、その分もしっかり学費に充てられます。

Financial Aidへの影響が少ない

大学の学費を決定する際に申請するFAFSAにも、529プランの残高を申告する必要はあります。親名義でも子供名義の場合でも、他の口座やIRA口座後比較すると、インパクトは少なめです。Vanguardの調査によると、529プランを持っていることでFinancial Aidに与える影響は、5.64%程度なのだとか。例えば、大学側が$30,000のFinancial Aidパッケージを準備していた場合には、その5%程度なので$1,500ぐらい金額が下がるだろうということです。

祖父母や親戚からの応援も受け付けられる

529プランへの貯蓄は、口座の所有者ではない祖父母や親戚、友人などもギフトとして一時的に入金することができます。口座所有者の親は、毎月コツコツと積み立てるわけですが、祖父母からのクリスマスギフトを529プランへ入れてもらうことができれば、学費が増えるスピードにも拍車がかかりそうです。

フレキシブル

529プランは、とてもフレキシブルです。口座を開設した所有者を変更することは簡単ではありませんが、誰が貯蓄した学費を使うかというBeneficiaryに関しては、変更したり、また複数の人を設定したり削除することも可能です。

また、年間いくらまでしか貯蓄できないという制限もなければ、年間いくらまでしか引き出せないという制限もありません。それに、いつでも口座を解約することもできます。

州立大学の学費を現在のレートでロックインできる

州が提供している529プランの中には、口座を開設した時の学費レートが、子供が大学へ進学する時にも適用されるというお得なプランもあります。現在では既に学費が高騰した状態となっていますが、これからも学費の高騰は続く可能性が高いですよね。

私の友人は、この州のプランを利用していました。口座を開設したのが約20年ぐらい前で、学費の高騰が始まったばかりの頃だったそうです。彼女が子供の学費として支払った金額は、現在の学費の半額以下で年間$10,000程度だったそうです。

州によっては収税面で優遇措置あり

全ての州ではありませんが、全米30の州では、529プランに貯蓄した投資額については、収税の所得税から一部もしくは全額が控除されるという特典があります。控除枠が最も大きいインディアナ州では、年間の節税額は$200以上が期待できるようです。ちなみに残念ながら、私が住んでいた州では、そうした特典は一切ありませんでした。

州ごとの節税についてはこちらから

3.529プランのデメリット

私は子供が生まれてから大学を卒業するまで、ずっとコツコツと529プランに積立をしてきました。その他にもIRA口座なども併用しましたが、実際に529プランを使った際に感じたデメリットをご紹介します。

FAFSAで申告しなければいけない

529プランはInvestment口座として、毎年ファイルするFAFSAで申告しなければいけません。Traditional IRAなどは資産としてカウントされない大学がほとんどなのですが、残念ながら529Planは、しっかり資産としてカウントされてしまいます。ただ、他の口座と比べてインパクトが少ないというだけなのです。

学費以外の引き出しにはペナルティがかかる

529プランは、学費を貯蓄する目的で利用するための口座です。金利によって成長した利子が非課税になるのも、そのためですね。しかし、子供が大学に進学しないことにしたから口座を解約したいとか、事情が変わって529口座内のお金が必要になったから解約したいという場合には、増えた分に対して10%のペナルティがかかります。上記に挙げた、毎月$200を18年間積立続けた場合だと、利子の分$34,000に対して10%のペナルティ、つまり$3,400程度が徴収されることになります。これは結構、大きいです。

元本保証ではない

これは529プランに限らず、全ての投資商品に共通するデメリットです。比較的リスクが少ない529プランも、元本保証ではありません。市場の劇的は大暴落などが起こると、元本割れのリスクもわずかながら存在します。

ただし、529プランは積立信託投資なので、長期間続ければ続けるほど、そのリスクを小さく抑えることができます。

金融機関によって手数料が違う

529プランの運用は、金融機関が行います。そして、手数料もかかります。私が利用していた529プランは、年間の手数料が$20とリーズナブルでしたが、金融機関によってはもう少しかかる所があるかもしれません。少額をコツコツ貯めたい人にとっては、手数料をガッポリ徴収されることは、大きなデメリットですね。

4.どの529プランがオススメ?

529プランの中には、公的な機関が提供しているものもあれば、民間の金融機関からラインナップされているものもあります。州ごとに、どのプランがベストなのか、もしくはどの大学へ将来行こうと考えているかによって、ベストのプランはそれぞれ異なります。

例えば、子供が大学に入学するまで、州をまたいでの引越しをする可能性がない人なら、州立大学へ進学する際に有利なプランも含めて考慮するのが良いかもしれません。しかし、現在住んでいる州とは異なる州の大学へ子供が進学する可能性がある人なら、州の条件などがなく、全米の公立でも私立でも自由に使える529プランを選ぶのが良いでしょう。

州ごとにベストな529プランを見つけるならこちらから

私が利用していた529プランは「Upromise529」

私が利用していたのは、全米全ての大学で利用できるUpromiseというサービスです。これは、ただ毎月コツコツと529プランへ積み立てるだけでなく、クレジットカードを使ったりレストランを利用すると、キャッシュバックのような形で大きく貯めることができる529プランです。最近では、オンラインショッピングをすると、利用金額に応じてさらにキャッシュバックしてもらえる特典がついています。ちなみに私は、18年間で積立以外にゲットした特典分だけでも、$6,000ほどになりました。

もしも529プランをいろいろ比較検討しているなら、ぜひチェックしてみてくださいね。口座を開設すると、もれなく$30をプランへ入金という形でゲットできるキャンペーンをしています。

Upromiseに興味がある方はこちらから

もしも口座を開設するなら、私のお友達として紹介されると、さらに$25をもれなく529プランに付与してもらえます。→こちらのリンクからどうぞ

アスリート必見!奨学金獲得の戦略

将来はプロになりたい、だからこそ、大学は本場のアメリカへ留学したい!または、大学はスポーツ奨学金で行きたい!と考えているヤングなアスリートは多いのではないでしょうか。アメリカの大学には、さまざまな奨学金制度があり、アスリートももちろん対象となっています。しかし、方法やプロセスは意外とややこしく、「分からない」と思っているうちに受験が終わってしまうことも。

目次

  1. アスリート奨学金(Athletic Scholarship)とは?
  2. アスリート奨学金の獲得方法
  3. 大学のコーチに高校の実績をアピールする方法
  4. ハイライト動画の作り方
  5. スカウトから入学までの流れ
american football playing

1.アスリート奨学金とは?

大学のスポーツチームは、大学の規模によってDivisionに分類されています。

大学の規模アスリート奨学金
Division I (D1)大(大学院を併設するような、数万人規模の学生がいる大学に多いFull Rideのみ
Division 2 (D2)中(学生数が数千人程度の学校に多い)Partial
Division 3 (D3)小(小規模な私立大学が多い)なし

このうち、アスリートという区分で奨学金が支給されるのは、D1とD2のみとなります。D1はアスリート奨学金はFull Ride(全額無料)のみとなっているので、D1のスポーツでスカウトされて入学する学生は、学費も寮費も、教科書代も、全て無料となります。

D2のアスリート奨学金は、Partial、つまり全額無料ではないけれど一部が無料になるというものです。いくら無料になるかはケースバイケースで、半額だけ無料という人もいれば、もう少し少ない学生もいます。

D3については、アスリート奨学金はありません。しかし、D3の大学にもスポーツチームはあり、スカウトによって入部します。アスリートという枠での奨学金はないものの、D3は資金が潤沢な私立大学が多いので、Financial Aidが充実しているとか、施設や設備、サービスにお金をかけてくれているという魅力があります。

2.アスリート奨学金の獲得方法

アスリート奨学金は、大学のコーチからのスカウトによって決まります。例えばD1の場合には、大学ごとにFull Rideの奨学金の枠が100人程度と決まっており、その枠内でしか与えることはできません。規模が大きな大学のスポーツは、試合がテレビ中継されるなど、メディアへの露出も抜群です。そのため、奨学金がなくてもぜひチームに入れてほしいという人は多く、チームに所属しているメンバー全員がアスリート奨学金を受けているというわけではありません。

アスリート奨学金を受けるためには、高校の時に大学のコーチからスカウトしてもらうことが必要です。もちろん、それが唯一の条件というわけではありません。中には、大学へ入学してからWalk-onという形で入部を希望し、才能が認められたらFull Rideの奨学金をコーチからオファーしてもらえる、というケースもあります。

一方、D1のアスリート奨学金は、無慈悲な部分もあります。この奨学金は、入学してから卒業までの全期間を保証するものではなく、毎年、見直しがあります。そのため、大学1年生の時には奨学金をもらえたけれど、2年目にはなくなった、というケースもあります。

アスリート奨学金がなくなったら、学生はどうなるのでしょうか?答えは簡単。学費や寮費の支払義務が発生します。もしも諸事情で支払えないとなると、履修ができずに退学という事態にもなりかねません。

そうならないためには、アスリート奨学金を狙うとはいえ、最悪の場合も念頭に入れて、学費を払える大学を選ぶということも、必要な対策かもしれませんね。

もしケガでスポーツを辞めたら、どうなる?

大学のスポーツは、ケガで退部する人もいれば、プレータイムがあまりないという不満を抱えて退部する人もいます。また、少数派だとは思いますが、コーチからのセクハラや嫌がらせなどで退部するケースも、ちらほらと聞きます。

どのような理由で退部する場合でも、スポーツを辞めたからと言って大学も退学する必要はありません。スポーツをすることを条件に入学しているわけではないので、スポーツの有無と在学資格の有無とは完全に別物です。

3.大学のコーチに高校での実績をアピールする方法

真剣にスポーツをする高校生は、全米に数えきれないほどいます。そして、若い才能が欲しいと考える大学も、全米にたくさんあります。このマッチングは、どのようにして行うのでしょうか?日本からアメリカへスポーツ留学を希望する人はもちろんのこと、アメリカの高校でスポーツで頑張っている人にとっても、これは興味関心がある所だと思います。

おすすめはNCSA

私の息子も、頑張っていたフットボールで大学からスカウトを受けました。プロになるつもりはなかったのですが、大学でもフットボールを頑張りたいという希望もあり、試行錯誤しながらアスリート奨学金のプロセスを研究しました。

アメリカのハイスクールでスポーツをしていて、大学でもスポーツを続けたいという子は、まず最初にNCSAへ登録することがマストです。

NCSAというのは、アメリカの大学と高校生をマッチングするサービスで、全米の大学が利用しています。スポーツごとに分かれていて、データベース化されています。

NCSAのサービスでは、高校1年生から登録ができ、高校在学期間中の試合のハイライトをアップロードできます。それを大学のコーチが見て、ピンと来たら連絡をもらえるという仕組みになっています。

NCSAは、有料のサービスです。料金を払えば、自分が住んでいる地域や州だけでなく、遠く離れた州にある大学から声がかかることもあります。

ちなみにこのNCSAのサービス利用にかかる料金ですが、最低料金だと100ドル程度だと聞いたことがあります。我が家は、見事なセールストークに飲み込まれてしまい、$2500も払いました。最終的にはNCSAで見つけた大学からスカウトを受け、そこへ進学することになったので、元が取れたとは言えますが。

地元のコーチが声をかけてくれることも

アメリカのハイスクールスポーツは、ローカルテレビなどでも放送されます。そのため、地元で活躍するアスリートは、テレビで知名度が高くなり、地元の大学から声がかかることもあります。

ただし、大学側にとっては、生徒が地元にいるからという理由でのスカウトは、基本的にほぼ考えていないことが多いです。地元にたくさんアスリートがいても、その大学が欲しいと思えなければ、声がかかることは残念ながらありません。

チャンスは必ずやってくる

もしも経済的にNCSAへの登録が難しい場合、また地元のコーチに全く声をかけてもらえなくても、あきらめてはいけません。高校のjunior 後の夏休みには、大学が一斉にスカウトに動き始めます。

大学ごとに、公式ページで、リクルート希望者を募ります。既に大学から声をかけてもらっている場合でも、そうでない場合でも、このフォームに記入することで、スカウト希望者への正式なエントリーとみなされます。

ここエントリーシートには、SATやGPAなど学業面での情報に加えて、Hudlのリンクもしくは動画クリップをアップロードできるような内容となっています。コーチはこのシートを見ながら、誰をスカウトすべきかの作戦会議をするわけですね。

遠方の場合には、実際に大学が主催するキャンプへ参加して直接コーチとコミュニケーションを取ることが難しいかもしれません。その時のために、高校時代の試合のハイライトは、自身で動画編集をしてキープしておきましょう。

3.ハイライト動画の作り方

多くのハイスクールでは、試合の様子を録画撮影しています。例えば、私の息子がやっていたフットボールでは、Hudlというソフトがあり、そこにプレーごとに細かい動画として録画されていました。こうしたソフトがない場合には、いつどこで名プレーをするか分かりませんから、親か友人などにお願いして、試合の様子を、全録画してもらうことをおすすめします。

録画する際には、自分のアップではなく、できればフィールドの半分ぐらいが写る距離感がおすすめです。大学のコーチとしては、アスリートの表情を見たいわけではなく、試合全体の様子の中で、そのアスリートがどんなプレーをしたのかという全体像を把握したいのです。

ぜひ大学のコーチに見てもらいたいという動画を見つけたら、次はいよいよ編集です。複数の動画をつなげて1つにまとめるのが基本ですが、

  • 音はナシ。お気に入りのミュージックをBGMにするのはNGです。
  • 動画は長くても2分以内に収める事。大学のコーチは忙しいので、長編を作っても見てもらえません。
  • ベストなプレーを最初に持ってくること。2番目にベストなプレーは2番目に。忙しいコーチは、最初の数プレーを見るだけで、だいたいの学生の才能レベルが分かります。
  • チームスポーツの場合には、自分に〇とか矢印を付けて、どれが自分かを分かりやすく工夫しましょう。背番号だけを伝えても、大勢いる中で見つけることは大変です。

こちらは、私の息子のSophomore/Juniorの頃のハイライト動画です。ご参考までに。

ちなみにNCSAにアップロードするクリップは、このようにまとめたものではなく、一つ一つのプレーごとに異なるアップロード動画となっています。それを、大学のコーチが見てくれるという仕組みですね。

5.スカウトから入学までの流れ

スカウトから入学までの流れを、ザックリと説明しますね。

~ハイスクールJuniorの春

ここまでの時期は、大学のコーチが高校生をスカウトする時期です。声をかけて会話をし、「ぜひうちにおいでよ!」的なセールストークをします。ここでスカウトされても、正式なものではないため、1つの大学に絞る必要はありません。種まきは、多いほど良いのです。

この時期にしておくこと

  • SATを受けてスコアをゲットしておく。
  • とにかくGPAは高く維持する。
  • コーチに見てもらう動画クリップの準備。

ハイスクールJunior4月~5月

大学のコーチから、より詳細なお知らせが入るようになります。

  • 夏に主催するキャンプに参加しないかというお誘い→参加したほうが良いです
  • リクルート希望のためのフォームへの記入を促される →オンラインで自主的に見つけることもできます

この時期にすること

  • 夏のキャンプ計画。移動や宿泊の手配も。
  • 候補になる大学は全て、オンラインでリクルートフォームに記入しておくこと。

JuniorとSeniorの間の夏休み

Campの様子

この時期は、アスリート奨学金を狙う人にとっては、とても忙しい時期となります。まず、進学しようかなと考えている大学が主催するキャンプには、できるだけ時間を作って参加しましょう。中には、飛行機で移動しなければいけない大学もあるかもしれませんが、価値はあると思います。

夏休みに入ると、コーチから学業成績についてチェックが入ります。

  • SATスコア(ACTでも可)
  • Report Card(Juniorまでの成績が掲載されているもの)

大学によっては、文武両立でなければ入学できないこともあり、そこから先のリクルートのプロセスを進めて良いかどうかを、ここでコーチが判断します。

もしも大学が求める学力基準に満たなければ、残念ながらコーチからの連絡はここで途絶えます。

また、大学への出願プロセスは、8月1日に解禁となります。早い人なら8月中に願書を提出し、9月には結果を受け取ることもできます。ちなみに、我が家は8月中旬に全ての書類が揃ったので出願しました。

大学の仕組みや出願方法については、こちらから

SATについてはこちらから

この時期にしておくこと

  • キャンプへの参加
  • 大学へ出願準備。エッセイなどがあり、結構時間がかかります。
  • 高校の先生へ推薦状の依頼

アスリートはEarly Actionが原則

9月に入ると、いよいよ出願が本格化します。出願形態には、Early DecisionやEarly Action、Regular Decisionがありますが、コーチからは、基本的には第1位志望の大学ならEarly Decisionでの出願を勧められます。Early Decisionがない大学では、Early Actionを勧められます。

その理由は、倍率が低いからです。できるだけ合格しやすい条件で出願することで、自分にとってもコーチにとってもウィンウィンとなるわけですね。

コーチは合否に影響がある?

D1は、もしかしたらコーチが学生の合否に多大な影響を及ぼしているかもしれません。しかし、アスリート奨学金がないD3では、コーチは大学の合否には全く影響がありません。

息子は気に入った大学へEarly Decisionで願書を出しました。その大学では合格発表が一斉に行われたのですが、合格発表された時間から15分経った頃に、コーチから結果を知りたいと連絡がありました。おそらくそれで、アスリートを何人確保できたのかをカウントするのだと思います。

以下は、アメリカのハイスクールのフットボールをテーマにした作品です。もちろんフィクションですが、内容がリアルすぎて、ドキュメンタリーやノンフィクションだといわれても、私は信じますね。

amzn_assoc_placement = “adunit0”; amzn_assoc_search_bar = “true”; amzn_assoc_tracking_id = “samuraipasspo-20”; amzn_assoc_ad_mode = “manual”; amzn_assoc_ad_type = “smart”; amzn_assoc_marketplace = “amazon”; amzn_assoc_region = “US”; amzn_assoc_title = “My Amazon Picks”; amzn_assoc_linkid = “53faf15fd44e9232882da9bdccdefd85”; amzn_assoc_asins = “B009CG91QM,0306824205,B072KPNG2X,B00005JNEW”; //z-na.amazon-adsystem.com/widgets/onejs?MarketPlace=US

高すぎる大学費用!安くする方法とは?

世界中を見ても、アメリカほど大学の学費が高額な国はありません。高額な私立大学になると、年間の学費が8万ドルを超えるところもあり、4年間通うと、ちょっとした家が1軒建つと言っても過言ではありません。

しかしアメリカには、学費がとてもリーズナブルな、良心的な大学もあります。

目次

  1. 学費が安い州立大学はココ
  2. 学費を安くすることはできる?
  3. 高い学費はどうやって払えばよい?

1.学費が安い大学はココ

既にアメリカで暮らしている人なら、住んでいる州の州立大学をチェックすることから始めると良いでしょう。私立大学よりも学費がリーズナブルな大学が多いですし、中には州内で暮らす生徒には学費を優遇する制度があったりします。

州立大学の場合(IN-State)

大学名ロケーション学費
Bridgewater State Universityマサチューセッツ州$910
Framingham State Universityマサチューセッツ州$970
University of North Carolina at Pembrokeノースカロライナ州$1,000
Elizabeth City State Universityノースカロライナ州$1,000
Dine Collegeアリゾナ州$1,320
Gulf Coast State Collegeフロリダ州$1,750
CollegeCalcより

州立大学では、その州で暮らす生徒が対象となるIn State Tuition の方が、州外からやってくるOut of State Tuitionよりも、圧倒的に安くなります。In State Tuition の対象になるかどうかは、各州によって居住年数などの条件があり、1年その州で暮らせばOKという州もあれば、過去3年暮らせばOKという州もあります。

年間の学費が$1,000程度と驚愕的なレベルでリーズナブルな大学が多いのは、主にマサチューセッツ州ノースカロライナ州です。

このIn State Tuitionは、残念ながら日本からの留学生には適用となりません。もしも州立大学を留学先として選ぶなら、学費はOut of Tuitionの金額を参考にすると良いでしょう。

州立の場合(Out of State)

大学名ロケーション学費
Minot State Universityノースダコタ州$6,810
Alcom State Universityミズーリ州$6,888
Central State Universityオハイオ州$8,096
University of Texas of the Permian Basinテキサス州$8,274
Southwest Minnesota State Universityミネソタ州$8,338

州立大学の中には、州内も州外も学費は一律となっている良心的な大学もあります。その場合には、Out of Stateの学生でもリーズナブルな学費で通えそうです。

私立大学の場合

大学名ロケーション学費
Brigham Young Universityユタ州$6,120
Stillman Collegeアラバマ州$11,025
National Louis Universityイリノイ州$11,325
Tougaloo Collegeミズーリ州$11,398
Wilmington Universityデラウェア州$11,750
Willey Collegeテキサス州$12,500

どこに住んでいようと、州内と州外、そして留学生でも学費に大きな差がないのは、私立大学です。その中でも特に、ユタ州にあるBrigham Young Universityは学費が安いことで人気があります。またこの大学は、モルモン教徒が多く入学する大学としても知られています。日本からの留学生も比較的おおいので、リーズナブルにアメリカ留学したい人にとっては、ぜひ検討したい大学と言えるでしょう。

2.学費を安くすることはできる?

アメリカの大学は、全般的に高額です。自宅のすぐそばにリーズナブルな学費で学びたい専攻のある大学が運よくあればよいのですが、必ずしもそういうわけにはいきません。学びたいことで大学を選んだら、びっくりするほど学費が高くなってしまうということの方が多いのではないでしょうか。

そんな高額すぎるアメリカの大学費用は、いくつかの方法で安くすることができます。

Financial Aid( ファイナンシャルエイド)

アメリカの大学に通うほとんどの生徒は、このファイナンシャルエイド制度を利用しています。これは、親の収入に応じて学費がディスカウントされるという制度で、世帯収入が多い親を持つ生徒ほど、支払うべき学費は高くなります。

学費の事情についてはこちらから

Scholarship(スカラーシップ:奨学金)

これは、秀でた成績優秀者に提供されるもので、基本的には貸与ではなく賞与です。日本の大学で奨学金というと、一般的には貸与で、卒業後には返済義務が生じますよね。しかしアメリカの奨学金は賞与なので、返済の義務はありません。ちなみに返済が必要なものはローンと呼ばれていて、区別しやすくなっています。

奨学金は一般的に、提供する機関から大学へ直接支払われます。そのため、生徒の口座に振り込まれることはありません。

Grant(グラント)

返済不要な賞与タイプの奨学金とよく似ていますが、Grantは、生徒が直接現金で受け取れるタイプの奨学金です。学費のために使うことは義務付けられていますが、授業料(Tuition)に使わなければいけないというルールはなく、寮費や教科書代などに充ててもOKです。

3.高い学費はどうやって払えばよい?

アメリカでの大学費用を支払う方法は、いくつかの選択肢があります。

公的な教育ローンを活用する

まず最初に検討したいのは、Subsidized Loanと呼ばれる公的機関からの教育ローンです。大学院は対象外となりますが、年次によって年間$3,500~$7,500を借り入れることができます。

借り入れ額の上限
大学1年目$5,500/y
大学2年目$6,500/y
大学3年目$7,500/y
大学4年目$7,500/y

Subsidized Loanのメリットは、

  • 民間のローン商品よりも低金利で借りられる
  • 返済方法を選べる
  • 10年間遅延なく返済することで、その後の返済が免除になる可能性アリ
  • 世帯収入に関係なく借りられる(大学経由で申請するため)

です。

民間の教育ローンを借りる

公的な教育ローンだけでは、十分に学費を賄えない場合には、民間の金融機関から提供されている教育ローンを利用することもできます。この場合、親が保証人となれば、低金利で借りられますが、保証人を付けなくても借りることは可能です。ただしその場合には、金利の面で割高となってしまうため、注意しなければいけません。

多くの教育ローンでは、学費や寮費など卒業に必要なコストを100%カバーしています。そのため、あちこちから複数の教育ローンを利用しなければいけない人は少なく、一つのローンでまとまった資金を借りるのが一般的です。

ただし、まとまった金額を借り入れると、低金利の教育ローンでも返済は大変です。借りる際には、返済計画も考え、できるだけ低金利で借りられるローン商品を選ぶことをおすすめします。

親が家を担保にして学費を工面

アメリカでは、所有している家を担保にお金を借りるHome Equity Loanという借り方も多いです。自宅を所有している人だけが利用できる借り方ですが、子供本人に多額のローンを負わせる必要がないという点で人気があります。

また近年では、親が自宅のローンをリファイナンスすることで学費分を捻出するという支払い方法も増えています。自宅の価値が、住宅ローンの残高よりも高ければ、その差額を上限としてリファイナンスの際に現金を引き出すことができます。

アメリカの大学費用事情!人によって学費は違うシビアな世界!

アメリカの大学は、学費が世界1高いと言われています。CollegeBoardの調査によると、アメリカの州立大学では、年間にかかる平均の学費は$22,000(約220万円)とも言われていて、その上昇は現在でも右肩上がりに続いています。

アイビーリーグのような私立名門大学となると、年間にかかる学費は、なんと$70,000~$80,000。日本円にすると、年間で1000万円近くの学費を、4年間も払わなければいけないことになります。

このアメリカの大学にかかる学費は、さまざまな点で日本と大きく異なります。

目次

  1. アメリカの学費は大学によって異なる
  2. 同じ大学でも世帯によって学費は違う?
  3. FAFSAとは?
    • FAFSAに影響を与える要素とは?
  4. 我が家のContributionはいくら?
  5. EFC=支払う学費?
    • Student LoanやWork Studyが加算
  6. EFCが考慮されないケースもある
  7. FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!
  8. FAFSAをファイルするメリットとデメリット
  9. EFCケーススタディ

1.アメリカの学費は大学によって異なる

アメリカの大学は、それぞれ学費は異なります。これは、日本でも同じですね。同じ学部を専攻しても、学費が高い大学もあれば、リーズナブルな大学もあり、それぞれの世帯の懐事情によって、払える大学を選ぶわけです。

これは、アメリカの大学でも同じです。一般的には、州立大学は私立大学よりも学費がリーズナブルだと言われていますが、州立大学なら絶対に安い、なんてことはありません。年間にかかる学費が1万ドル以下のリーズナブルな大学がある一方で、州立なのに年間の学費が3万ドルという大学もあります。

私立は、全般的に学費は高くなります。奨学金などを一切含まない学費だけを見ると、年間の学費が7万ドルという大学も珍しくありませんし、平均すると約4万ドルぐらいになります。これ、4年間にかかる学費ではありません。1年間にかかる学費です。

アメリカの大学は、基本的に全寮制です。しかし、自宅がすぐそばにあり、通学したいと希望すれば、2年目からは通学が認められるケースが少なくありません。学費の計算には、Tuitionと呼ばれる授業料に加え、Room&Boardと呼ばれる寮費と食費などがあります。ザックリとした平均をまとめると、

コミュニティカレッジ州立(In-State)州立(Out of State)私立大
Tuition$3,500$10,000$26,000$36,000
Room&Boardなし$12,000$12,000$13,000
年間の合計$3,500$22,000$38,000$49,000

となります。

コミュニティカレッジは、2年制の大学で、社会人の受け入れもしています。基本的に寮はなく、自宅から通学するのが一般的です。

州立大学においては、自宅が州内にあるのか州外にあるかによって、学費が大きく変わります。学費を少しでも安く抑えたい場合には、州内にある州立大学を見つけるのが得策です。

私立大学の場合には、州内や州外という要素は、学費においては関係ありません。自宅がすぐそばにある場合には、2年目から通学することによって寮費を節約することは可能ですが、それでも授業料が高いため、全体にかかる学費は高くなります。

2. 同じ大学でも世帯ごとに学費が違う?

アメリカの大学には、日本と異なる大きな特徴があります。それは、同じ大学でも、支払う学費は世帯ごとに大きく違うという点です。

アメリカには、貸与ではなく賞与タイプ(返済不要)な奨学金があります。奨学金を全く利用せずに、年間数万ドルの学費を払う富裕層も、もちろんいますが、庶民を自負する世帯の大半は、奨学金の対象となります。そのため、高額な学費を全額まるまる払う世帯は、それほど多くありません。

実際に学費がいくらになるかという点については、大学から合格通知を受け取る際に、Finaicial Aid Packageとして通知されます。これが、初年度の自己負担分となります。Financial Aid Packageは世帯の収入によって計算されるため、同じ大学に通う生徒でも、学費を年間1万ドル払う生徒もいれば、8万ドル払っているという生徒もいますし、貧困世帯になると学費は年間500ドル、というケースもあります。

実際に自分がいくらのFinancial Aidをもらえるかという点については、毎年10月1日~始まるFAFSAという手続きをすることで、州立大学の場合にはおおよその学費の目安が分かります。

3.FAFSAとは?

FAFSAとは、アメリカに存在する州立・私立の大学すべてが利用しているファイナンシャルエイド制度のことで、US Department of Educationが管理しています。

Free Application for Federal Student Aidを略しています。アメリカ国民を対象とした公的な制度なので、日本からの留学生は、残念ながら対象にはならない可能性が高いですね。

アメリカにある州立および私立の大学で、奨学金制度を利用する際には、かならずFAFSAを事前にファイルしておかなければいけません。この手続きはすべてオンラインで行うのが特徴で、主に世帯の収入や資産についての質問をされます。20分ぐらいに及ぶ質問を終えて情報を送信すると、FAFSA独自の計算に基づいて、EFCという世帯負担額が計算されます。

EFCとは、大学の費用で親が負担してくださいね、という自己負担分のことですね。必ずしも、どの大学でもEFC通りというわけではありませんが、大学ごとに「それなりに」参考にはしてくれるようですね。

FAFSAの記入方法についてはこちらから

FAFSAに影響を与える要素とは?

  • 家族構成(子供が何人いるか)
  • 同時期に大学生となる子供は何人いるか
  • 世帯の収入
  • 住居形態(賃貸か所有か)
  • 住宅ローンの有無
  • 預貯金の額
  • その他の収入
  • 過去に低所得世帯として公的な制度を利用したことがあるか

などがあります。都市伝説では、FAFSAをできるだけ少なくするために、預貯金を親族名義に移し、仕事も止めて無職になる人もいる、なんて話がありますが、実際にそこまでしている人は見たことも聞いたこともありません。それに、FAFSAは毎年ランダムもしくは疑わしい人を調査しており、調査が入ると国税局などと連携して預貯金や収入などが調べられます。そして、虚偽の申請、または悪質なケースと認定されると、その世帯ではFAFSAを利用できなくなってしまいます。

4.我が家のContributionはいくら?

FAFSAをファイルすると、その場でEFCが計算されます。預貯金が多い世帯や、高収入の世帯では、金額が上がるごとにEFCは急激に上昇していきます。

世帯の年間所得EFC
-$35,000$1,871
-$40,000$2,733
-$50,000$4,004
-$60,000$6,015
-$70,000$8,708
-$80,000$12,202
-$90,000$15,697
-$100,000$18,731
-$110,000$21,756
-$150,000$33,967
-$200,000$49,598

表を見ていただくと分かりますが、低所得世帯は、学費もリーズナブルな設定となっています。しかし所得が上がれば上がるほど、学費がどんどん高くなり、年収10万ドル(約1100万円)を超えるあたりからは、驚くほど急カーブで上昇していきます。

自身のEFCを計算したい人はこちらから

5.EFC=支払う学費?

FAFSAを使ってEFCを計算しても、残念ながらそれが各世帯が負担することになる学費というわけではありません。

Student LoanやWork Studyが加算

大学から送られてくる学費の詳細な計算を見ると、多くの人はびっくりします。なぜなら、EFCの上に、更にStudent LoanやWork Studyなどの項目が加算されていて、自分たちが考えていた 学費より、約1万ドル程度多くなっていることが多いからです。

Student Loanとは?

Student Loanとは、親が負担する学費とは別に、生徒自身が教育ローンを組みましょうという金額です。大学によって差はありますが、年間当たり4000ドル~5,000ドル程度に設定されていることが多いですね。

この金額は、もしも生徒が教育ローンを申請したら、きっとこのぐらいの金額は認められるでしょうという目安です。Subsidized Loanと呼ばれる公的なローンを利用しても良いですし、民間のローンを利用してもOK。ローンを利用しないという選択をしても問題ありません。

もしも、ローンを利用しないという選択をしたら、このStudent Loanの金額は、そのまま世帯の負担となります。

Work Studyとは?

Work Studyとは、生徒が在学中にキャンパス内でアルバイトをして稼げるであろう金額です。こちらも大学によって多少の誤差はありますが、年間で4000ドル~5000ドル程度が見込まれていることが多いですね。

ただし、Work Studyをするから学費を安くしてもらえるというわけではありません。キャンパスで学生がアルバイトをしても、そのアルバイト代は学生へ直接支払われます。もしも学費に充てるなら、個人的にやってくださいね、という意味です。

また、キャンパス内のアルバイトは、確かにいろいろなお仕事があります。しかし、必ずしもアルバイトできるわけではありませんし、世帯の収入によっては、働きたいけれど働けないという状況にもなりかねません。

6.EFCが考慮されないケースもある

毎年10月にFAFSAをファイルし、ザックリとしたEFCを計算したからと言って、安心してはいけません。大学の多くは、EFCを考慮した学費計算をしてくれますが、必ずしもそうとは限りません。

世帯のEFCが2万ドルなのに、学校からの請求を見たら学費が4万ドルだった!なんてことも珍しくありません。

その背景には、アメリカの教育機関はビジネスである、というシビアな現実があります。

アメリカの大学へ願書を出した場合、大学にとっては「喉から手が出るほど欲しい生徒」がいる一方で「入学は認めたけれど、来ても来なくてもどちらでも良い生徒」もいるわけです。優秀な生徒に対しては、なんとかして来てもらおうと営業努力をし、学費を徹底的に下げてきます。奨学金によって学費が全額免除になるケースもあります。

しかし来ても来なくてもどちらでも良い平均的な生徒なら、そこまでの営業努力をする必要はありません。少しぐらい学費を高めにしても、その生徒が来たいと思えば払うでしょうし、払いたくないから来ないという選択をしても、大学にとってはそれほどの痛手ではないでしょう。

そう。アメリカの大学はビジネスなのです。

7.FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!

FAFSAは、アメリカの大学に在学している期間中は、毎年ファイルしなければいけません。その度に、最新のTax情報を使ってファイルするわけですが、在学期間中には、世帯ごとに様々なライフイベントが起こるかもしれません。

例えば、お父さんが昇進してお給料がアップしたとか、家を購入する際にリタイアメントの貯金を崩して頭金にしたとか、また転勤をした、ということもあります。そうしたライフイベントによって収入が変わると、当然ですがFAFSAによって計算するEFCも変わります。今年の学費は1万ドルだったけれど、来年は2万ドルになる、なんてことも十分に起こりえます。

日本からの留学生の場合には、FAFASは直接影響がありません。そのため、収入がアップしても学費が上がることはないでしょう。なぜなら、もともとFinancial Aidを使わない大学側が提示する金額をそのまま支払っているからです。

しかしアメリカで暮らす人は、世帯のライフイベントによって学費が変わるという点を理解した上で、大学選びをしたいものです。

8.FAFSAをファイルするメリットとデメリット

大学に進学するなら、プロセスの一つとしてFAFSAをファイルする、という世帯は多いものです。しかし、メリットとデメリットを考えたことはありますか?

FAFSAをファイルするメリット

  • 大学の学費を安くできる
  • 公的な教育ローン(Subsidized loan)に申し込める

FAFSAをファイルするデメリット

  • 万が一の有事においては徴兵される
  • 世帯の収入によってはファイルしてもファイナンシャルエイドが対象外
  • 学費負担分がEFC以上になることが多い
  • 州立大学のOut of Stateでは、EFCよりも高額な学費になる

9.EFCケーススタディ

よりファイナンシャルエイドの仕組みを理解しやすくするために、いくつかのケーススタディをご紹介しましょう。

ケース1:大学が提示する学費がEFCより低い場合

  • 大学の学費:年間$10,000
  • 世帯のEFC:$15,000

この場合には、世帯のEFCが大学が定める学費よりも大きいため、学費$10,000を全額支払うことになります。

ケース2:大学が提示する学費がEFCより高い場合

  • 大学の学費 年間$40,000
  • 世帯のEFC $7,000

この場合には、学費の自己負担は$7,000と$40,000の間になりますね。多くの場合、大学が定めるStudent LoanやWork Studyなどの分が上乗せされ、負担する学費は$17,000~$25,000程度が多いのではないでしょうか。

ケース3:In-State$25,000、Out of State$45,000の州立大学の場合

州立大学の中には、州内に自宅がある(親が住んでいる)In-Stateステータスと、州外に自宅があるOut of Stateとで、異なる学費を提示することがあります。この場合、自分がIn-Stateの場合には、負担する学費の上限は$25,000となりますが、Out of Stateになると、上限は$45,000と高くなります。

アメリカの大学に行くなら登竜門!SATはどんな試験?いつどこで受けたら良い?

アメリカの大学を受験するなら、SATもしくはACTというStanderized test(共通試験)を受験しなければいけません。ここでは、そのうち日本からの留学生でも日本で受験できるSATについてご紹介します。

目次

  1. SATとは?
  2. SATの受験項目
    • Reading( 読解力)
    • Writing(筆記)
    • Math(数学)
  3. 間違えると減点される?
  4. SATはどこで申し込む?
  5. SATの申し込み方法
    • 必要な書類
    • 受験場所は自由に選べる
    • 受験当日の持ち物
  6. 受験結果はどうやってわかる?
  7. Super Scoreとは?
  8. SAT受験にかかる費用は?
  9. SATは何回まで受験できる?

1.SATとは?

SATとは、Scholastic Assessment Testのことで、主に英語力と数学的思考力を調べるテストです。分かりやすく言うと、英語と数学だけのセンター試験のような位置づけですね。主催しているのはCollege Boardという独立した機関です。

SATは、数年ごとにスコアや出題科目の見直しが行われていますが、2021年現在では1600満点での採点となっています。

2.SATの受験項目

SATの受験項目は、English(Reading&Writing)と、Mathに分類できます。

Reading( 読解力)

Readingでは、長さが異なる文章を読み、質問に答えていきます。答えは選択式となっているのが特徴で、AからEの5択となっているのが特徴です。文法力や読解力、ボキャブラリーを調べる試験で、アメリカ人の学生でもかなり苦戦する分野です。英語を母国語としていない留学生にとっては、超難関な分野かもしれませんね。

Writing(筆記)

Writingに関しては、数年ごとに行われるSAT出題の見直しによって、必須科目に入ることもあれば、選択科目となることもあります。しかし選択科目となっている場合にも、大学ではEssayも受験するように勧めることが多いため、受験しておくのがおすすめです。

Writingでは、2~3つぐらいの文章を読んで答える問題で、主に文法力や語彙力を調べます。約25分程度でエッセイを仕上げるわけですが、文章の中に答えが隠されているというわけではなく、これまでの自分の経験や知識などを織り込みながらエッセイを仕上げることが、高得点につながります。

Math(数学)

アメリカ人の学生が苦戦する数学ですが、日本からの留学生にとっては、すこし準備をすれば満点も取りやすい科目です。出題レベルとしては、高校1年生までに習う部分から出題されますが、解けないほどの難問はほとんどなく、センター試験よりも若干難易度が高いぐらいのレベルだと考えると良いでしょう。

3.間違えると減点される?

選択式の出題分野では、分からなくてもとりあえず何かを選択しておけば当たる可能性が期待できますよね?日本の受験では、少なくてもそうです。だから、何も選択せずに試験を終えるのは、とてももったいないものです。

しかしSATでは、答えを間違えると、なんと減点される仕組みとなっています。この点は、日本の試験とは大きく異なる点ですね。正解すれば+1点、間違えると―0.25点の減点となります。

もちろん、全ての問題が同じ配点となっているわけではなく、試験の採点方法や配点については、公表されていません。

4.SATはどこで申し込める?

SATは、高校でも大学でもない、独立した機関が主催する共通テストです。申し込みは、高校を通して受験できることもありますが、学校とは別に個人でCollegeboard.orgで申し込めます。

高校を通して申し込めるかどうかは、その学校のISDによって異なります。学校を通して申し込む場合には、受験料はISDが支払ってくれるケースもあり、無料で受験することも可能ですね。ただし、学校を通して受験する場合でも、費用がかかることもあります。

なお、高校によっては、SAT受験には一切関知しないという学校もあります。その場合には、学校から何もお知らせなどを受け取らない可能性もあるので、個人でCollegeboard.orgから申し込みましょう。

SAT試験は、年間に複数回開催されていて、全国で受験できます。日本にも受験会場があるので、日本からの留学生なら、日本にいてSATを受験することも可能です。ただし、日本で受験する場合には、受験できる頻度はアメリカ国内ほど多くなく、年間で5回程度です。そのため、期間には余裕をもって受験することをおすすめします。

5.SATの申し込み方法

SAT試験は、全ての科目を受験すると、受験時間は約3時間程度となります。

必要な書類

  • 身分証明書(運転免許証、学生証など。日本で受験する場合にはパスポートでOK)
  • 支払をするためのクレジットカード

を準備して、Collegeboard.orgのサイトから申し込みをしましょう。College Boardのサイトは、まず最初にアカウントを作らなければいけません。このサイトは、ただSATを受験するためだけでなく、高校から大学へTranscriptを送ったり、大学在学中にはFAFSAと合わせてファイルが必要なCSSのアプリケーションとしても使います。そのため、ログインIDやパスワードは、なくさずに大切に保管しておくことをおすすめします。

受験場所は自由に選べる

SATは、アメリカ全土で同じ日に開催されています。自宅から足を運びやすいロケーションを選ぶのが便利ですが、必ずしも自宅のそばでなければいけないというルールはありません。人気がある受験会場だと、受け入れ可能な人数をオーバーしてしまうこともあります。その場合には、希望してもそのロケーションでは受験できないため、別のロケーションを選ばなければいけません。

オンラインで受験の申し込みを終えたら、当日に必要な持ち物や受験票をプリントアウトしておきましょう。受験票は、当日確認されるので、忘れずに持参しなければいけません。

受験当日の持ち物

SATの受験当日には、いくつかの持ち物が必要です。スマホを使うことは認められていないため、オフにしてカバンに入れておくか、自宅に置いていく必要があります。

  • 鉛筆(シャープペンシルはNGです)
  • 消しゴム
  • 身分証明書(試験会場で確認されます。写真付きの身分証明書のみがOK)
  • 腕時計(試験会場によっては、壁時計がないこともあります)
  • 電卓(オンライン機能がついていないモノは持ち込みOK)
  • ドリンクや軽食など(試験中の飲食はNGですが、休憩時間はOKです)

6.受験結果はどうやってわかる?

SATを受験すると、約1週間~2週間ぐらいで、結果が通知されます。合否という結果ではなく、スコアが計算されるので、受験した人は全員がこの結果通知を受け取ることになります。

受験結果は、

  • Collegeboardのサイトでチェックできる
  • 携帯のテキストで通知される
  • 願書を出している大学へ直接通知してもらうことも可能

大学への直接通知に間しては、既にその大学へ願書を出しているけれど、SATのスコアだけまだ提出していないという場合や、もしかしたら今回のスコアが良ければ記録を塗り替えるかもしれない、なんて時に便利です。

7.Super Scoreとは?

SATでは、Englishのスコアが何点、Mathのスコアが何点、合計は何点、と言う感じで結果が出ます。これまで複数回受験したことがある人にとっては、

「Englishは今回が最高点だけれど、Mathは前回の方が良かったな」

なんてことも起こりうるわけですよね。そんな時には、大学によってはSuper Scoreと呼ばれる「各科目ごとの最高得点」を合計して、自分の合計点とする事ができます。全ての大学でSuper Scoreを採用しているというわけではありませんが、採用している所なら、過去に受験したSATの中から、最も良いEnglishのスコアとMathのスコアを抽出して合計点として申告できるのですから、入学できる確率もアップしそうですよね。

ちなみに、Super ScoreでSATスコアを申請する場合には、それぞれの科目の最高得点が記録されているSATスコアを大学へ送ります。CollegeBoardのサイトから、大学へスコアを通知できるので、やり方はそれほど難しくありません。

ちなみに、大学へSATスコアを送る際には、費用がかかります。そのため、出願する際にはSATスコアは自己申告で、合格通知をもらって入学すると決めた大学のみに対して、正式にCollegeBoardからスコアを送る、という方法がおすすめです。

SATスコアを自己申告なら、すこし水増ししてもOKかな?なんて考える人がいるかもしれませんね。しかし、大学から受け取る入学通知は、あくまでも仮のものです。合格してから実際に入学するまでの間に、SATの正式なスコアなども含めて必要な書類を提出するわけですが、その際にスコアが虚偽の申請だったとバレると、合格取り消しになることもあります。注意しましょう。

8.SAT受験にかかる費用は?

SAT受験にかかる費用は、2021年現在では$55となっています。基本的には、オンラインでSATの申し込みをした時にクレジットカード払いをします。受験会場で払うというわけではないので注意してください。

この受験料は、低所得世帯だと免除してもらえる可能性があります。もしも高校で、Reduced lunchのプログラムに加入している人なら、免除してもらえる可能性が高いですね。

受験費用を免除してもらうためには、通学している学校のカウンセラーから、免除用のコードを受け取ります。それをSATの申し込みの際に入力して、どの高校に通っていて、どんな理由で免除になっているのかという点を記入すれば、SAT運営側で確認をした上で、免除が認められます。

9.SATは何回まで受験できる?

SATは、年間で約10回程度開催されています。そして、取得したスコアは5年間有効です。そう考えると、大学に進学する5年ぐらい前から、年間10回受験する、ということも可能ですね。合計、50回も受験するなんて、考えただけでも気が遠くなりそうですが、実質的には可能です。

受験回数が複数回あっても、それが大学受験の審査でマイナスの影響を与えることは、あまりありません。しかし、それはあくまでも、受験回数が10回未満ぐらいの場合です。

あまりにも受験回数が多い場合には、それが何かしらマイナスの影響を与える可能性はあるかもしれません。

その理由は、何回か受けることでスコアアップできる可能性が高いから。SATは共通テストのため、出題傾向が類似することが少なくありません。つまり、1回しか受験しない人よりも、複数回受験したほうが、確実に高得点を獲得しやすいという土壌があります。

一回の受験で$50以上かかる試験なので、複数回受験するとなると、やはりその世帯の経済力が大きく影響するでしょう。同じSATスコアでも、20回受験してそのスコアにたどり着いた生徒と、1回のみの受験でそのスコアを獲得した生徒の場合には、どちらが「より優秀な生徒である可能性が高いか」を予測できます。

ちなみに、私の子供は高校のFreshmanでSATをお試し受験し、Sophomoreでさらに1回。Juniorに2回受けました。

出題範囲に関しては、高校のFreshmanあたりで習う範囲も出題されるので、Freshmanで高得点を取るのは大変かもしれません。しかし、うちの場合ですが、受験するたびにスコアが上がり、最終的には初回スコアよりもプラス200点になりました。

ちなみに、複数か受験してアップできるスコアの平均は、100+だそうです。

我が家では、SATの前に過去問を購入しました。息子本人は1回さっと流しただけのようでしたが、それでも「この問題、前回のテストに似ている」などの感想を持ったようです。

アメリカの大学入試完全マニュアル!出願から入学まで!

日本の大学へ入学したければ、受験勉強をして入学試験を受け、合格しなければいけませんよね。近年では、AO入試と呼ばれるスタイルが増えていて、入試試験1発で合否が決まるのではなく、高校時代に頑張ってきたことや特技などが評価されて大学入学が認められる傾向が増えています。

アメリカの大学では、日本のように受験日が決められていて、その日に受ける入試問題の結果だけで合否が決まるというわけではありません。これからアメリカの大学へ留学しようと考えている人、もしくは既にアメリカに移住して子育てをしている人は、ぜひアメリカの大学入試の仕組みを理解することで、賢い選択ができるのではないでしょうか。

目次

  1. アメリカの大学の種類
    • Selectiveの入学条件
    • Competitiveの入学条件
    • Open型は社会人にもオススメ
  2. 大学の共通試験、SATとACTとは?
    • SATとACT、どこでいつ受験できるの?
    • SATとACTはどう違うの?
    • SATとACTは無料?それとも有料?
  3. 日本からでもSATとACTは受験できる?
  4. 試験だけじゃない!入学選抜に必要なもの
    • 高校の成績
    • 教師からの推薦状(Recommendation Letter)
    • Resume(履歴書)
    • Essay(エッセイ)
  5. 願書はいつから受付開始
    • 出願の締め切りはいつ?
    • Common Applicationを使用する際の注意点
  6. 合格発表はいつわかるの?
  7. Early Decision, Early Action, Regular Decisionの違いとは?
    • Early Decisionは断れるのか?
  8. 複数から合格通知をもらった!どうする?

1.アメリカの大学の種類

アメリカには、大学と言ってもいくつかの種類があります。公立の大学と私立の大学がある点では日本と同じですが、公立の大学の場合には、国立ではなく州立、つまり州の資金で運営されているという点が、日本と異なりますね。

  • Selective(大学が定める基準を満たした人が入学できるタイプ。州立大学はここに分類)
  • Competitive(競争型。有名私立大学が該当し、高いレベルの入学希望者を、いくつかの方法で振り分ける)
  • Open(開放型。基本的に高校を卒業していれば誰でも入学ができる。2年制のコミュニティカレッジはここに分類)

Selectiveの入学条件

アメリカの高校生が「大学」と呼ぶ教育機関の多くは、このSelectiveと呼ばれるスタイルを採用していて、州立の大学を始め、私立大学などが含まれます。満たさなければいけない条件は複数あり、

  • 高校を卒業していること
  • 高校時代の成績
  • SATやACTなどの共通試験のスコア

など、高校ごとに異なるレベルを定めており、これをクリアした学生が入学できる仕組みとなっています。

Competitiveの入学条件

アイビーリーグなどに代表される、一流難関の私立大学がCompetitiveに分類されますが、基本的にはSelectiveの入学形式と同じです。ただし、大学側が求める基準がとても高いため、合格率は1ケタ台という特徴があります。

Open型は社会人にもオススメ

コミュニティカレッジと呼ばれる2年制の大学の多くは、4年制の大学ほど厳しい入学基準を設けておらず、高校を卒業していれば誰でも入学できるシステムとなっている所が多いです。高校を卒業したばかりの若者が入学できるだけでなく、社会人になってからでも入学しやすいですし、学費もリーズナブルです。

2.大学入試SATとACTとは?

アメリカの大学には、日本のような入学試験はありません。しかし、全く試験を受けずに入学できるのかと言えば、そういうわけでもありません。

アメリカの多くの大学では、学力のレベルを把握するためのStanderized Test (共通試験)として、SATもしくはACTを受験し、そのスコアを大学側へ提出することを義務付けています。

SATの申し込みはこちらから

ACTの申し込みはこちらから

SATとACT、どこでいつ受験できるの?

SATとACTは、高校と大学から独立した機関が提供している標準テストです。それぞれ、年間に複数回開催されていて、何回でも受験することができます。標準テストということで、似たような問題が出題されることもあります。そのため、1回しか受験しない人よりも、何回か受験したほうがスコアは良くなる傾向があるようですね。

SATとACTは、通学している高校で申し込みができることもあれば、高校は一切関知せず、自分でネットを使って申込まなければいけないこともあります。州によって違うというよりは、ISDと呼ばれる学区ごとに方針が異なるようです。どちらの申し込み方法でも、受験する場所が異なるだけで試験の内容が変わるということはありません。

SATもACTも、全国で一斉に開催され、同じ受験日なら受ける試験の内容も同じです。共通試験と呼ばれているのは、そのためですね。ただし、年間に何回も開催されているため、試験ごとの難易度は若干変わります。この辺りは、スコアを計算する際に考慮されており、「難しすぎてダメだった」と思っていたら、想像以上によいスコアだったということもあります。

SATとACTはどう違うの?

SATとACTでは、試験の出題傾向やスタイルが若干異なります。一般には、理系に強い人ならACTの方が適している、なんて言われていますが、どちらの試験が自分に合っているか相性もあるので、どちらも受けてスコアを比較すると良いでしょう。

SATとACTは無料?それとも有料?

SATとACTは、基本的に有料です。

SATの場合には、受験する度に$49.50~$64.50がかかり、受験科目の数によって費用は変わります。日本からの留学生の場合には、費用は$53と定められています。

SATの受験料はこちらから

ACTも受験科目によって費用はことなり、$55~$70がかかります。

ACTの受験料はこちらから

なお、SATもACTも、低所得世帯の場合には、受験費用がかからず無料で受けられるWaiverの制度もあります。留学生の場合には受験料を免除してもらうことは難しいですが、アメリカの高校に通っている子供なら、ランチプログラムの料金が免除されているなどの条件を満たせば、受験料はかかりません。

3.日本からでもSATやACTは受験できる?

日本からアメリカの大学へ留学を考えている人は、日本にいながらSATを受験することができます。日本で受験する場合でも、申し込み方法はアメリカ国内にいる学生と同じで、Collegeboard.orgから行います。

ただし日本で受験する場合には、アメリカ国内のように毎月受験できるというわけではなく、どうしても頻度は少なくなってしまいます。そのため、留学したいなと考えたら、まずは腕試しのつもりでSATを受けてみてはいかがでしょうか?時間に余裕があれば、何回か受験してスコアをアップすることもできますよね。

4.試験だけじゃない!入学選抜に必要なもの

アメリカの大学は、難易度が高い大学になればなるほど、SATやACTのスコアが重視される傾向にあります。しかし、入学選抜に必要なものは、それだけではありません。

高校の成績

高校時代の成績も、アメリカの大学では重視されています。アメリカでは、高校は中学校の延長で、入学の際に入試などはありませんし、自宅から通いやすいエリア内で学区わけがされています。

しかし日本では、難関高校に行けば、そこで良い成績をとることは難しいですよね。そうした点も、日本からの留学生を受け入れている大学では理解しているので、安心してください。

高校の成績に自信がない人は、どうしたら良いのでしょうか?

大学ごとに、基準とするGPA(成績の平均)が設定されていて、そのラインを満たすことが条件となっています。しかし、このGPAは学校や学区によって計算方法が異なります。最高GPAが4.5の学校もあれば、5.0とか6.0が最高という高校もあります。

それに、学校によっても成績のつけ方が異なります。良い成績を取りやすい学校もあれば、採点が厳しい学校もあるわけです。決して一律ではありません。

アメリカの大学では、そうした地域やエリアごとの差についても、ある程度理解しています。そのため、できることは、現在通学している高校で、できるだけ良い成績を取ることを目指すという点ですね。

アメリカの高校に通っている人が今からできることは

  • できるだけハイレベルなクラス(APやPre-AP、Dual Credit、IBなど)を選択する事
  • B+で甘んじるのではなく、Aを目指すこと

です。

チャレンジクラスでBを取るリスクがあるなら、確実にAを取れる基礎クラスの方が良いのかな、と考える人がいます。大学側としては、ハイレベルなクラスに挑戦する姿勢も評価するので、基礎クラスばかりより、ハイレベルなクラスに挑戦する子供の方が、高評価されることが多いです。

教師からの推薦状(Recommendation Letter)

アメリカの大学では、ほとんどの場合、高校時代の教師からの推薦状が必要です。基本的にはどの教科でも良いのですが、大学から高評価されるのは、EnglishかMathの教師からの推薦状です。

この推薦状は、ペーパーで書いてもらったものを郵送で大学へ送ってもOKです。しかし、全米で広く利用されている大学受験のためのサイト The Common Applicationを利用するなら、願書の申請から推薦状の提出まで、全てオンラインでできます。

推薦状が何通必要かは、大学によって異なります。最低でも1通という大学もあれば、3通必要という大学もあります。また、最低1通だけれど多く提出してもOKという大学もあり、その場合には、できるだけ多くの推薦状を提出することで、大学へ入学したい気持ちをアピールできます。

うちの息子の大学受験では、教師からの推薦状を4通取得した他、教師以外の推薦状も受け付けている学校があったので、私と夫からの推薦状も準備しておきました。

書いてくれない先生もいる

推薦状を書くのは、先生の仕事ではありません。あくまでも先生が生徒を応援しようと気持ちがあるからこそ、ボランティアで書いてくれるわけです。

そのため、依頼しても書いてくれない先生は、意外と多いです。驚きですが。

息子に場合にも、書いてくれると言ったのに待てど暮らせど書いてくれない先生とか、書いてくださいとメールを出しても完全スルーな先生もいました。

なので、推薦状を教師に依頼する際には、丁寧に頼むには当然ですが、その先生の授業がとても楽しかったとか、先生のモチベーションを高めるような営業努力も必要かなという気がします。

Resume(履歴書)

大学入試では、Resumeと呼ばれる履歴書も必要です。日本では、履歴書というと既に決められたテンプレートがあり、そこに記入すればよいのですが、アメリカでは基本的にはフリーフォーマットです。そのため、ゼロの状態から自分で作り込んでいきます。

ネットでは、お手本となるような履歴書がたくさん紹介されています。そうしたテンプレートを真似しながら、記載する内容を自分でカスタマイズしていくという方法でも、OKです。ただし、大学受験のためのResumeは、1ページにまとめるのが原則です。

Resumeに何を記入すればよいかという点ですが、主に

  • Header:名前、住所、メールアドレス、連絡先などの情報を記入
  • Objective:どんな性格の人間なのかという点を、2行ぐらいに簡潔にまとめる。
  • Education:高校生なので、高校名と現在のGPAを記入。取得したAPクラスなども記入すると良し。
  • Extra Canicular:クラブ活動や、参加したコンテストなど、学業以外でアピールしたい点を記入
  • Community Service;ボランティアの内容を記入。アメリカの大学ではボランティアが重視されます。

Essay(エッセイ)

アメリカの大学では、エッセイの提出が求められるケースが多いです。Common Applicationを利用して願書申請するなら、Common Application内にエッセイをアップロードし、同じエッセイを全ての大学の願書に使うことができます。

それ以外に、大学ごとにテーマを出題し、それに対して生徒がエッセイを書くという課題もあります。どんなテーマかは大学によりますし、文字数なども大学によって異なります。

エッセイを書く際には、テーマが決められていなければ何を書いてもOKです。しかし、大学から高評価されやすいエッセイは、「困難をいかに乗り越えて成功体験へ結びつけたか」というストーリーですね。もちろん、創作の小説を書くわけではないので、全く実体験に基づかない内容は控えたほうが良いでしょう。しかし、「自分はこんなに素晴らしい人間です」をアピールするよりも「自分は困難を乗り越える力を持っている強い人間です」をアピールしたほうが、評価という点では高くなりやすいですね。

5.願書はいつから受付開始?

アメリカの大学への願書は、8月1日に受付開始となります。多くの大学が使用しているCommon Applicationは、8月1日から受付開始となり、必要な書類がすべてそろっている人なら8月初旬に出願のプロセスを終えることができます。

出願の締め切りはいつ?

出願の締め切りは、出願形態によって異なり、11月中旬もあれば、1月下旬という所もあります。できるだけ早めに出願したほうが、早く合否を知ることができるという点てもおすすめです。

Common Applicationを使用する際の注意点

カリフォルニア州やテキサス州の州立大や、一部の私立大学では、Common Applicationではなく、独自の出願システムを採用している所もあります。しかし、全米を広く見渡すと、やはり大半の大学は、このCommon Applicationを採用しています。

大学への進学を考えたら、まずはこのCommon Applicationにアカウントを作り、大学のリサーチや出願に必要な書類集めを始めることになります。しかしこのCommon Applicationを利用する際には、注意点があります。

それは、8月1日に、それまでのデータがすべてリセットされてしまうという点です。アカウントの基本的なプロフィール情報はリセットされませんが、それまでコツコツ集めた教師からの推薦状や、既にアップロードしたエッセイなどは、全て8月1日でリセットされてしまいます。そのため、早めに準備をしていた人は、再アップロードが必要となりますし、教師からの推薦状も、教師にもう一度サイトへアップロードしてもらうように依頼しなければいけません。

この二度手間を回避するためには、書いたエッセイなどは、ワードファイルなどで保存しておくという方法がおすすめです。大学の多くは、毎年同じテーマのエッセイを出題するので、すでに書いてあれば、後はそれをコピー&ペーストするだけで済みますよね。

6.合格発表はいつ?

日本の大学では、受験日が決まっているだけでなく、合格発表の日も決められていますよね。そのため、合格発表の日になると、ワクワクドキドキしながら、合否を確認することになります。

アメリカの大学でも、合格発表の日が決まっている大学はたくさんあります。その場合には、決められた合格発表の日時に、指定されたホームページへ行くと、Congratulation!という合格通知のレターがあるか、残念でしたと言うレターが届いているので、それを確認するという方法で合否をチェックします。

しかしアメリカの大学の中には、特定の合格発表の日は設けず、出願した人から順番に合否を通知するというシステムを採用している所もたくさんあります。大学が設定する条件をクリアしている人なら、大学側にとっても合格通知を出しやすいわけで、その場合には、出願してからたったの2週間で合格通知を受け取ったということもありますね。

大学に合格すると、大学のパンフレットや入学までの手続プロセスなどの書類が、分厚い郵送で自宅に届けられることになります。ただし、郵送で送られてくる情報は、基本的に大学の受験者用のサイトでも確認できるので、郵送はまだ受け取っていないけれど合格したことは分かっているし、どんな手続きが必要かも知っている、ということはよくあります。

7.Early Decision, Early Action, Regular Decisionの違いとは?

アメリカの大学へ出願する際には、Admissionのタイプを選びます。大きく分類すると、

  • Early Decision
  • Early Action
  • Regular Decision

との3つがあり、出願の際にどのタイプにするかを決めた上で、願書を申請します。

Early DecisionEarly ActionRegular Decision
願書受付開始日8月1日8月1日8月1日
願書受付締め切り11月15日あたり11月15日あたり1月末あたり
合格しても行かないという選択できないできるできる
競争率

表から分かるように、必要な書類が早めに揃った人は、競争率が高くなって合格しづらくなるRegular Decisionではなく、Early Actionを選ぶのがおすすめです。

また、Early DecisionとEarly Actionの違いですが、これはBindingと呼ばれるものが大きく関係しています。

Early Decisionの場合には、合格したらその大学へ行かなければいけない、という条件のもとに出願します。他の大学へ願書を提出するのはOKですが、Early Decisionでの出願は、大学1校しか認められていません。

ちなみに、どの大学へEarly Decisionしたかは、高校のカウンセラーがしっかり管理しています。すべての生徒がEarly Dicisionするわけではありませんが、私の息子がEarly Decisionで出願した時には、数日後に高校のカウンセラーから「受かったら行きます」的なことが書かれたフォームをもらって帰宅しました。そして、そこに署名して提出しました。

多くの場合には、Early Decisionは、第1希望の大学に対して用いるのが一般的です。普通に受験したらハードル高そうだけれど、入学できるならぜひ行きたい!という憧れの大学に対しても、Early Decisionが良いでしょう。

早めに応募して早めに合格発表を頂いていくと、気持ち的に安心できます。early actionなら何校に出願しても良いので、ぜひおすすめです。

我が家では、早めに準備を始め、8月中旬に挑戦校から滑り止めまで、全てに出願しました。周囲と比べて、これはかなり早めでした。

滑り止め校からは9月中旬に合格発表をいただきました。全てEarlyで出したので、クリスマス前には進学先が決まりました。

Early Decisionは断れるのか?

もしもEarly Decisionで受験して合格したけれど、やっぱり行きたくないという場合には、どうなるのでしょうか?

大学によって対応は異なりますが、1年分の学費を払えと請求されるケースもあれば、金銭的なペナルティはゼロというケースもあります。

しかしいずれの場合でも、Early Decisionを蹴ることによって、その年は他の大学には行けないというペナルティがつきます。つまり、他の大学から合格通知を受け取っていても、自動的に浪人決定となってしまいます。

8.複数から合格通知をもらった!どうする?

複数の大学から合格通知を受け取った場合、どの大学へ進学するのかという意思表示をしなければいけません。多くの場合には、大学の受験者用ホームページにアクセスして、そこから入学するかどうかを選択して通知します。

入学しないという意思表示をした場合には、「どの大学へ進学するのですか?」という質問をされることが多いです。この場合には、正直にどこへ進学するのかを記入しましょう。こうした情報は、大学の外に漏れることもなければ、何かの目的で使われることもありません。あくまでも、参考資料や統計を取るために使われるだけです。