アメリカでの中古車購入ガイド

アメリカは、日本と比べると車社会です。ニューヨークなど一部の都市部では、車がなくても不便に感じませんが、大半のエリアでは車がなければ近所にも行けません。移住、駐在、また留学などアメリカにやってきた目的によって、どんな車が必要かは異なりますが、ここでは、アメリカで車を購入するプロセスをご紹介しましょう。

目次

  1. 車は即買いが基本?
  2. 中古車の購入にかかる費用は?
  3. 個人売買で買う方法
  4. アメリカで自動車を購入する際の注意点

1.車は即買いが基本?

ディーラーで中古車を購入する場合、頭金があれば即日に車をゲットすることができます。まずネットなどで中古車情報を調べたら、実際に中古車ディーラーに足を運び、実際に車をチェックしましょう。アポは必要ありません。

気に入った車を見つける

まずは、気に入った車を見つけることから始めましょう。今すぐに車が欲しい人は、ディーラーに駐車されている中古車の中から見つけることが基本です。気に入った車を見つけたら、積極的に試乗をリクエストしましょう。

私が中古車を購入するときはいつも、ネットで気に入った車を何台かピックアップし、ネットで試乗の予約をしたうえで足を運びます。こうすることで待ち時間が短くなります。

中古車の試乗には、運転免許証が必要です。これは、車に乗ったまま逃亡されないための、ディーラー側の対策ですね。日本のパスポートと国際免許証でも、試乗させてもらうことはできます。

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頭金を入れれば即納も可能

欲しい車を見つけたら、購入方法やローンの手続を店内で行います。このあたりは、日本の中古車購入のプロセスと変わりません。

ローンが下りたり、キャッシュ一括購入など、支払いの面で手続きが終了すれば、その場で車に乗って帰宅できます。

頭金を入れる際には、キャッシュよりもチェックでの支払いがおすすめです。万が一のトラブルを避けることができますし、後からいくら払っとたか払わないと揉めることもなくなります。

私はいつも、チェックブックを持参して、買うと決めたら即日に頭金を入れています。のんびり考えていると、中古車はあっという間に売れてしまうので、スピードが大切です。

自動車保険もその場で加入できる

もしも既にアメリカで生活していて、自動車保険にも加入している人なら、現在加入している保険をこれから購入する自動車にも適用できます。もしも渡米したばかりで自動車保険はこれから、という人は、ディーラーで保険も紹介してくれます。後で保険を見直すにしても、とりあえず加入できる保険を紹介してくれることは、大きな安心感ですね。

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車庫証明は不要

日本では、自動車を購入する際には、車庫証明を取らなければいけません。しかしアメリカでは、車庫証明の必要がないため、購入て続きでも、購入した自動車をどこに駐車する予定なのかを聞かれることはありません。

ナンバープレートは1週間~2週間かかる

中古車を購入する場合、ディーラーでナンバープレートの登録作業を代行してくれます。それまでは、紙の仮ナンバープレートで運転できます。

新しいナンバープレートが準備できたら連絡が来るので、ディーラーに足を運んで付け替えてもらいましょう。もしも待ち時間が発生するようなら、プレートを自宅に持ち帰り、DIYでつけるのもOKです。

ナンバープレートの着脱は難しくなく、日本のように封印もありません。プラスドライバーでネジ止めするだけで、初めての人でも簡単に作業できます。

2.中古車の購入にかかる費用は?

中古車を購入する際には、車体の値段に加えて、税金や諸経費が掛かります。

Sales Tax消費税州によって異なる7.5%~8.5%程度
Title Transfer Fee所有権移転費用$15程度
Registarion/TagFee登録料$50程度
Vehicle License Fee車両登録料車両価格の0.65%程度
Smug/Inspection Fee検査費用$10~$50

これらは、あくまでも目安です。州によって税率や法定費用は異なりますし、車両の大きさや価格によっても経費の合計は変わります。

3.個人売買で車を買う方法

アメリカでは、自動車の個人売買も盛んにおこなわれています。個人が中古車を手放す場合、ディーラーに下取りしてもらうことは可能ですが、ディーラーはそこに利益を上乗せした額で、中古車として販売します。

車を手放す側としては、再販売価格よりも若干リーズナブルにすれば、中古車を手放して利益も出せるのでは?と考えるわけですね。そして、自動車を購入する側にとっても、ディーラーで購入するよりリーズナブルに買えるので、個人売買は人気があります。

試乗はマスト

個人売買では、車の状態や品質が保証されているわけではありません。売手の言葉を信じるしかありません。そのため、当たりはずれがあるということは、最初に理解しておきましょう。

留学生のように、できるだけリーズナブルに購入できる中古車で、とにかく走ればそれで良い、という場合には、気軽に購入しやすい個人売買がおすすめです。

できれば事故歴も調べたい

個人間の売買では、過去にどんな事故歴があったかについても、できれば調べておきたいものです。売手を言葉を信用して購入したのに、故障ばかりで購入から半年で買い替える羽目になった、というトラブルも珍しくありません。

自動車の事故歴は、ネットで簡単に調べることができます。CarFaxにアクセスして、車体番号(VIN)を入力すれば、これまでの車歴をチェックできます。無料ではなく$39.99がかかるので、もしも可能なら、売手に「車歴(Vehicle History]を見せてほしいと言えば、売手が入手してくれるかもしれません。

ちなみに、このCarFaxは、中古車所情報も紹介しています。安心できる自動車を見つけたい人は、このサイトを利用してクルマ探しをするのが良いかもしれませんね。

手続きは自分でする事

個人売買では、名義変更などの手続は、ディーラーが代行してくれるわけではありません。全て自分で行わなければいけません。

しかし手続はそれほど難しくはなく、最寄りのDMVで名義変更の手続ができます。この手続きは、Title Register(タイトル・レジスター)と呼ばれています。

DMVの場所を探すにはこちらから

名義変更の手続きを行う際には、ナンバープレートを交付してくれるだけでなく、税金などもその場で支払います。現金オンリーではなく、クレジットカードやデビットカードでも支払いができるので、安心してくださいね。

かかる料金や経費としては、

  • 名義変更(Title Register)$100程度
  • 車両税(払うとステッカーを発行してくれるので、それをナンバープレートに貼ります) $100程度
  • 消費税 週によって異なり、約8%~9%程度が目安です。デラウェア州のように消費税なしの州もありますが、最も高いアラバマ州では14%となっています。

州ごとの消費税はこちらから

4.アメリカで自動車を購入する際の注意点

アメリカで自動車を購入する際には、いくつか注意点があります。

保証サービスは有料が多い

基本的に、中古車を購入する場合には、AS IS(その状態のまま)が条件となります。そのため、購入したらタイヤに穴があいてたとか、ライトが切れていた、なんて不具合が起こることは、珍しくありません。購入前に全ての機能をチェックした上で購入するということは難しいですが、ちょっとした不具合は、ディーラーで対応してくれるのかどうかという点は、購入前に訪ねておきたいものです。

中古車をディーラーで購入する場合、有料の保証サービスを進められます。けっこうお値段が高めの保証なのですが、

  • タイヤのパンクを補償してくれる $500程度
  • 車の不具合を補償してくれる $2000~$3000程度

などがあります。この保証は、例えば1万マイル以内の走行とか、3年以内という期間が決められていて、その期間内の不具合なら、無償対応してもらえるというものです。

また、中古車でも3年落ち以内なら、新車時から3年間ついているメーカー保証も利用できます。この期間内なら、不具合があってディーラーに持ち込むと、無償で修理してもらえます。

Vehicle Historyだけでは100%信用できない

Vehicle Historyは、事故を起こして警察に届け出が出されたもののみが記録されています。軽くぶつけたけれど修理はDIYや知り合いに頼んで、なんていう場合には、子の車歴には記載されていません。

アメリカでのシンプルな携帯プラン選び

毎日の生活で、とっても便利な携帯電話。アメリカに生活の拠点を移してからも、やっぱり携帯電話は必要ですよね。日本で携帯電話というと、NTTドコモやソフトバンク、auなどの3大キャリアに加えて、各種格安SIMなどがありますが、アメリカにもそうしたサービスはあります!ここでは、アメリカで携帯を契約する際におすすめのキャリアやプランをご紹介します!

目次

  1. 大手キャリアのおすすめプラン:Verizon
  2. 大手キャリアのおすすめプラン:AT&T
  3. 大手キャリアのおすすめプラン:T-mobile
  4. 単身世帯におすすめのプラン
  5. カップル世帯におすすめのプラン
  6. ファミリー世帯におすすめのプラン
  7. シニアにおすすめのプラン
  8. Unlimitedプランならどこがおすすめ?

1.大手キャリアのおすすめプラン:Verizon

国内のカバレッジ率で選ぶなら、断然優秀なVerizon(ヴェライゾン)。データ通信のスピードや、携帯を契約した時についてくるサービスなどを考えると、他のキャリアよりも少し割高感があっても十分に許容範囲ではないでしょうか。

Verisonの魅力は、

  • アメリカ国内では最大のカバレッジ
  • 通信スピードは最速
  • 5Gスピードは他のキャリアの10倍以上
  • Unlimitedプランを契約すると、Apple MusicDisney Plus, ESPN+, Hulu が含まれている。
プラン$70/m Unlimited Plan$80/m Unlimited Plan
通話UnlimitedUnlimited
テキストUnlimitedUnlimited
データUnlimitedUnlimited
ストリーミング480p720p
HotSpotなし15GB
回線優先度優先順位は若干下がる50GBまで最優先

Apple Music

VerizonのUnlimitedプランを契約すると、追加料金なしでApple Musicのサブスクリプションサービスがついてきます。無料の期間は6か月間のみ。その後は$9.99/mで利用できます。

Apple Musicについてはこちら

Disney Plus

Disney Plusは、無料のサブスクリプション期間は1年間です。その後は毎月$6.99がVerizonの携帯料金と共に請求されます。

Disney Plusについてはこちら

ESPN+やHuluとセット契約なら更にお得

VerizonのUnlimitedプランには、格安料金でESPN+やHuluなどのテレビサービスも追加できます。これはDisney Plusも入った3つのサービスがバンドル(セット)になっているもので、個別に契約すると、毎月$80相当です。しかしVerizonで契約すれば、毎月立った$13で楽しめます。

ESPN+についてはこちら

Huluについてはこちら

2.大手キャリアのおすすめプラン:AT&T

大手キャリアの中でも最も利用者数が多いAT&Tは、国内利用者数は1憶7000慢人以上という大人気のキャリアです。リーズナブルなプランを提供しているのが特徴で、データ使いたい放題のUnlimited Planは3種類がラインナップされています。

AT&Tの特徴は、

  • 通話、テキスト、データ通信使いたい放題
  • OpenSignalとOoklaの調査によると、データ通信の平均スピードは最速
  • Unlimited Planなら5Gアクセスの利用が可能
  • 米軍ディスカウントを始め、医療関係者、教育関係者のディスカウントもアリ
  • カスタマーサービスはイマイチとの声多し
  • HBO Maxが
プラン名料金ついているサービス
Unlimited Plan Starter$65/m5G
Unlimited Plan Extra$75/m5G、ホットスポット15GB
Unlimited Plan Elite$85/m5G、ホットスポット30GB、HBO Max、HDストリーミング

3.大手キャリアおすすめプラン:T-mobile

2020年にSprintと合併したT-mobileは、全米では最大規模の携帯キャリアとして人気があります。T-mobileが提供する全てのプランで、データは使いたい放題です。

  • プリペイドプランが充実
  • 日本への一時帰国では格安国際プランアリ
  • 5Gネットワークでは国内最大規模
  • 2回線以上契約すると、NetflixやQuibi、MagentaやMegenta Plusが含まれている
  • 新規契約者に太っ腹なディスカウント。ミリタリーディスカウントやシニアディスカウントもアリ
  • 3回線契約すると、3回線目は無料
  • 5Gダウンロードのスピードはイマイチ
プラン名料金特徴
T-mobile Unmilited$70/m5GB ホットスポット、100GB優先通信
T-mobile Prepaid$50/m50GB有線通信、ホットスポット600Kbps

4.単身世帯におすすめのプラン

携帯キャリアではそれぞれ、複数回線をまとめて契約すると割引料金となるプランが充実しています。そのため、1回戦しか必要ない単身世帯は、どのキャリアでも割高感があります。

できるだけリーズナブルに携帯を使いたい人におすすめなのは、格安SIMプランです。

キャリア料金データ通信サービス
Tello$11/m2GBデータ無制限、通話100分まで、Hot Spot、WiFi通話
US Mobile$15/m5GBデータ通話無制限、ローミング、国際データ通信、WiFi通話
Red Pocket$30/m10GB国際通話・データ、720P動画、Hot Spot、WiFi通話

5.カップル世帯におすすめのプラン

2回線を契約するカップル世帯では、複数回線契約によるディスカウントや、ついてくるサービスを比較しながら携帯キャリアやプランを選びたいものです。

キャリア料金データ通信サービス
Ting$10/m$5/GB通話テキスト無制限、WiFi通話、1080p動画
Mint Mobile$20.m10GB4Kビデオ、eSIM
Visible$40/mUnlimitedHotspot 5Mbps、国際通話、複数回線割引

6.ファミリー世帯におすすめのプラン

ファミリー世帯におすすめのプランは、複数回線割引がある他、データを共有できるプランなどがあります。

キャリア料金(回線あたり)データ通信サービス
US Mobile Unlimited 45$25/m75GB国際データ、2GB無制限、ローミング
AT&T Unlimited Extra$40/mUnlimited15GBホットスポット、複数割引
Verizon Play More Unlimited$45/mUnmilited15GBホットスポット、720pストリーミング、複数割引

7.シニアにおすすめのプラン

シニアにおすすめのプランは、コスパを重視し、リーズナブルな料金で利用できるプランが良いでしょう。

キャリア料金データ通信サービス
Tello$10/m1GB国際通話、4k動画、通話テキスト無制限
T-mobile Prepaid$15/m2.5GB2.5GB優先通信、国際サービス不可、ローミング
Visible$40/mUnlimited480p動画、国際通話、eSIM

8.Unlimitedプランならどこがオススメ?

リーズナブルな料金で、データ使いたい放題にできるのは、アメリカの携帯の大きな魅力です。Unlimitedのプランにこだわるなら、どのプランがオススメなのでしょうか?

キャリア料金データサービス
Visible$40/mUnlimited国際通話、 複数回線割引、480pビデオ
Xfinity Mobile$45/mUnlimited国際通話・データ、480pビデオ
T-mobile Prepaid$50/mUnlimitedホットスポット600Kbps、eSIM、複数回線割引、50GB 優先通信
AT&T$75/mUnlimited50GB有線通信、15GBホットスポット、480pビデオ
T-mobile$70/mUnlimited100GB優先通信、5GBホットスポット、480pビデオ
Verison$80/mUnlimited50GB有線通信、15GBホットスポット、720pビデオ

FAFSAを使った学費の削減方法

アメリカの大学は、学費が世界1高いと言われています。CollegeBoardの調査によると、アメリカの州立大学では、年間にかかる平均の学費は$22,000(約220万円)とも言われていて、その上昇は現在でも右肩上がりに続いています。

アイビーリーグのような私立名門大学となると、年間にかかる学費は、なんと$70,000~$80,000。日本円にすると、年間で1000万円近くの学費を、4年間も払わなければいけないことになります。

このアメリカの大学にかかる学費は、さまざまな点で日本と大きく異なります。

目次

  1. アメリカの学費は大学によって異なる
  2. 同じ大学でも世帯によって学費は違う?
  3. FAFSAとは?
  4. 我が家のContributionはいくら?
  5. EFC=支払う学費?
  6. EFCが考慮されないケースもある
  7. FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!
  8. FAFSAをファイルするメリットとデメリット
  9. EFCケーススタディ

1.アメリカの学費は大学によって異なる

アメリカの大学は、それぞれ学費は異なります。これは、日本でも同じですね。同じ学部を専攻しても、学費が高い大学もあれば、リーズナブルな大学もあり、それぞれの世帯の懐事情によって、払える大学を選ぶわけです。

これは、アメリカの大学でも同じです。一般的には、州立大学は私立大学よりも学費がリーズナブルだと言われていますが、州立大学なら絶対に安い、なんてことはありません。年間にかかる学費が1万ドル以下のリーズナブルな大学がある一方で、州立なのに年間の学費が3万ドルという大学もあります。

私立は、全般的に学費は高くなります。奨学金などを一切含まない学費だけを見ると、年間の学費が7万ドルという大学も珍しくありませんし、平均すると約4万ドルぐらいになります。これ、4年間にかかる学費ではありません。1年間にかかる学費です。

アメリカの大学は、基本的に全寮制です。しかし、自宅がすぐそばにあり、通学したいと希望すれば、2年目からは通学が認められるケースが少なくありません。学費の計算には、Tuitionと呼ばれる授業料に加え、Room&Boardと呼ばれる寮費と食費などがあります。ザックリとした平均をまとめると、

コミュニティカレッジ州立(In-State)州立(Out of State)私立大
Tuition39万円110万円283万円384万円
Room&Boardなし120万円120万円145万円
年間の合計39万円230万円403万円529万円

となります。

コミュニティカレッジは、2年制の大学で、社会人の受け入れもしています。基本的に寮はなく、自宅から通学するのが一般的です。

州立大学においては、自宅が州内にあるのか州外にあるかによって、学費が大きく変わります。学費を少しでも安く抑えたい場合には、州内にある州立大学を見つけるのが得策です。

私立大学の場合には、州内や州外という要素は、学費においては関係ありません。自宅がすぐそばにある場合には、2年目から通学することによって寮費を節約することは可能ですが、それでも授業料が高いため、全体にかかる学費は高くなります。

2. 同じ大学でも世帯ごとに学費が違う?

アメリカの大学には、日本と異なる大きな特徴があります。それは、同じ大学でも、支払う学費は世帯ごとに大きく違うという点です。

アメリカには、貸与ではなく賞与タイプ(返済不要)な奨学金があります。奨学金を全く利用せずに、年間数万ドルの学費を払う富裕層も、もちろんいますが、庶民を自負する世帯の大半は、奨学金の対象となります。そのため、高額な学費を全額まるまる払う世帯は、それほど多くありません。

実際に学費がいくらになるかという点については、大学から合格通知を受け取る際に、Finaicial Aid Packageとして通知されます。これが、初年度の自己負担分となります。Financial Aid Packageは世帯の収入によって計算されるため、同じ大学に通う生徒でも、学費を年間1万ドル払う生徒もいれば、8万ドル払っているという生徒もいますし、貧困世帯になると学費は年間500ドル、というケースもあります。

実際に自分がいくらのFinancial Aidをもらえるかという点については、毎年10月1日~始まるFAFSAという手続きをすることで、州立大学の場合にはおおよその学費の目安が分かります。

3.FAFSAとは?

FAFSAとは、アメリカに存在する州立・私立の大学すべてが利用しているファイナンシャルエイド制度のことで、US Department of Educationが管理しています。

Free Application for Federal Student Aidを略しています。アメリカ国民を対象とした公的な制度なので、日本からの留学生は、残念ながら対象にはならない可能性が高いですね。

アメリカにある州立および私立の大学で、奨学金制度を利用する際には、かならずFAFSAを事前にファイルしておかなければいけません。この手続きはすべてオンラインで行うのが特徴で、主に世帯の収入や資産についての質問をされます。20分ぐらいに及ぶ質問を終えて情報を送信すると、FAFSA独自の計算に基づいて、EFCという世帯負担額が計算されます。

EFCとは、大学の費用で親が負担してくださいね、という自己負担分のことですね。必ずしも、どの大学でもEFC通りというわけではありませんが、大学ごとに「それなりに」参考にはしてくれるようですね。

FAFSAの記入方法についてはこちらから

FAFSAに影響を与える要素とは?

  • 家族構成(子供が何人いるか)
  • 同時期に大学生となる子供は何人いるか
  • 世帯の収入
  • 住居形態(賃貸か所有か)
  • 住宅ローンの有無
  • 預貯金の額
  • その他の収入
  • 過去に低所得世帯として公的な制度を利用したことがあるか

などがあります。都市伝説では、FAFSAをできるだけ少なくするために、預貯金を親族名義に移し、仕事も止めて無職になる人もいる、なんて話がありますが、実際にそこまでしている人は見たことも聞いたこともありません。それに、FAFSAは毎年ランダムもしくは疑わしい人を調査しており、調査が入ると国税局などと連携して預貯金や収入などが調べられます。そして、虚偽の申請、または悪質なケースと認定されると、その世帯ではFAFSAを利用できなくなってしまいます。

4.我が家のContributionはいくら?

FAFSAをファイルすると、その場でEFCが計算されます。預貯金が多い世帯や、高収入の世帯では、金額が上がるごとにEFCは急激に上昇していきます。

世帯の年間所得EFC
-$35,000$1,871
-$40,000$2,733
-$50,000$4,004
-$60,000$6,015
-$70,000$8,708
-$80,000$12,202
-$90,000$15,697
-$100,000$18,731
-$110,000$21,756
-$150,000$33,967
-$200,000$49,598

表を見ていただくと分かりますが、低所得世帯は、学費もリーズナブルな設定となっています。しかし所得が上がれば上がるほど、学費がどんどん高くなり、年収1000万円を超えるあたりからは、驚くほど急カーブで上昇していきます。

自身のEFCを計算したい人はこちらから

5.EFC=支払う学費?

FAFSAを使ってEFCを計算しても、残念ながらそれが各世帯が負担することになる学費というわけではありません。

Student LoanやWork Studyが加算

大学から送られてくる学費の詳細な計算を見ると、多くの人はびっくりします。なぜなら、EFCの上に、更にStudent LoanやWork Studyなどの項目が加算されていて、自分たちが考えていた 学費より、約100万円程度多くなっていることが多いからです。

Student Loanとは?

Student Loanとは、親が負担する学費とは別に、生徒自身が教育ローンを組みましょうという金額です。大学によって差はありますが、年間当たり4000ドル~5,000ドル程度に設定されていることが多いですね。

この金額は、もしも生徒が教育ローンを申請したら、きっとこのぐらいの金額は認められるでしょうという目安です。Subsidized Loanと呼ばれる公的なローンを利用しても良いですし、民間のローンを利用してもOK。ローンを利用しないという選択をしても問題ありません。

もしも、ローンを利用しないという選択をしたら、このStudent Loanの金額は、そのまま世帯の負担となります。

Work Studyとは?

Work Studyとは、生徒が在学中にキャンパス内でアルバイトをして稼げるであろう金額です。こちらも大学によって多少の誤差はありますが、年間で4000ドル~5000ドル程度が見込まれていることが多いですね。

ただし、Work Studyをするから学費を安くしてもらえるというわけではありません。キャンパスで学生がアルバイトをしても、そのアルバイト代は学生へ直接支払われます。もしも学費に充てるなら、個人的にやってくださいね、という意味です。

また、キャンパス内のアルバイトは、確かにいろいろなお仕事があります。しかし、必ずしもアルバイトできるわけではありませんし、世帯の収入によっては、働きたいけれど働けないという状況にもなりかねません。

6.EFCが考慮されないケースもある

毎年10月にFAFSAをファイルし、ザックリとしたEFCを計算したからと言って、安心してはいけません。大学の多くは、EFCを考慮した学費計算をしてくれますが、必ずしもそうとは限りません。

世帯のEFCが2万ドルなのに、学校からの請求を見たら学費が4万ドルだった!なんてことも珍しくありません。

その背景には、アメリカの教育機関はビジネスである、というシビアな現実があります。

アメリカの大学へ願書を出した場合、大学にとっては「喉から手が出るほど欲しい生徒」がいる一方で「入学は認めたけれど、来ても来なくてもどちらでも良い生徒」もいるわけです。優秀な生徒に対しては、なんとかして来てもらおうと営業努力をし、学費を徹底的に下げてきます。奨学金によって学費が全額免除になるケースもあります。

しかし来ても来なくてもどちらでも良い平均的な生徒なら、そこまでの営業努力をする必要はありません。少しぐらい学費を高めにしても、その生徒が来たいと思えば払うでしょうし、払いたくないから来ないという選択をしても、大学にとってはそれほどの痛手ではないでしょう。

そう。アメリカの大学はビジネスなのです。

7.FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!

FAFSAは、アメリカの大学に在学している期間中は、毎年ファイルしなければいけません。その度に、最新のTax情報を使ってファイルするわけですが、在学期間中には、世帯ごとに様々なライフイベントが起こるかもしれません。

例えば、お父さんが昇進してお給料がアップしたとか、家を購入する際にリタイアメントの貯金を崩して頭金にしたとか、また転勤をした、ということもあります。そうしたライフイベントによって収入が変わると、当然ですがFAFSAによって計算するEFCも変わります。今年の学費は1万ドルだったけれど、来年は2万ドルになる、なんてことも十分に起こりえます。

日本からの留学生の場合には、FAFASは直接影響がありません。そのため、収入がアップしても学費が上がることはないでしょう。なぜなら、もともとFinancial Aidを使わない大学側が提示する金額をそのまま支払っているからです。

しかしアメリカで暮らす人は、世帯のライフイベントによって学費が変わるという点を理解した上で、大学選びをしたいものです。

8.FAFSAをファイルするメリットとデメリット

大学に進学するなら、プロセスの一つとしてFAFSAをファイルする、という世帯は多いものです。しかし、メリットとデメリットを考えたことはありますか?

FAFSAをファイルするメリット

  • 大学の学費を安くできる
  • 公的な教育ローン(Subsidized loan)に申し込める

FAFSAをファイルするデメリット

  • 万が一の有事においては徴兵される
  • 世帯の収入によってはファイルしてもファイナンシャルエイドが対象外
  • 学費負担分がEFC以上になることが多い
  • 州立大学のOut of Stateでは、EFCよりも高額な学費になる

9.EFCケーススタディ

よりファイナンシャルエイドの仕組みを理解しやすくするために、いくつかのケーススタディをご紹介しましょう。

ケース1:大学が提示する学費がEFCより低い場合

  • 大学の学費:年間$10,000
  • 世帯のEFC:$15,000

この場合には、世帯のEFCが大学が定める学費よりも大きいため、学費$10,000を全額支払うことになります。

ケース2:大学が提示する学費がEFCより高い場合

  • 大学の学費 年間$40,000
  • 世帯のEFC $7,000

この場合には、学費の自己負担は$7,000と$40,000の間になりますね。多くの場合、大学が定めるStudent LoanやWork Studyなどの分が上乗せされ、負担する学費は$17,000~$25,000程度が多いのではないでしょうか。

ケース3:In-State$25,000、Out of State$45,000の州立大学の場合

州立大学の中には、州内に自宅がある(親が住んでいる)In-Stateステータスと、州外に自宅があるOut of Stateとで、異なる学費を提示することがあります。この場合、自分がIn-Stateの場合には、負担する学費の上限は$25,000となりますが、Out of Stateになると、上限は$45,000と高くなります。

アメリカの大学費用事情!人によって学費は違うシビアな世界!

アメリカの大学は、学費が世界1高いと言われています。CollegeBoardの調査によると、アメリカの州立大学では、年間にかかる平均の学費は$22,000(約220万円)とも言われていて、その上昇は現在でも右肩上がりに続いています。

アイビーリーグのような私立名門大学となると、年間にかかる学費は、なんと$70,000~$80,000。日本円にすると、年間で1000万円近くの学費を、4年間も払わなければいけないことになります。

このアメリカの大学にかかる学費は、さまざまな点で日本と大きく異なります。

目次

  1. アメリカの学費は大学によって異なる
  2. 同じ大学でも世帯によって学費は違う?
  3. FAFSAとは?
    • FAFSAに影響を与える要素とは?
  4. 我が家のContributionはいくら?
  5. EFC=支払う学費?
    • Student LoanやWork Studyが加算
  6. EFCが考慮されないケースもある
  7. FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!
  8. FAFSAをファイルするメリットとデメリット
  9. EFCケーススタディ

1.アメリカの学費は大学によって異なる

アメリカの大学は、それぞれ学費は異なります。これは、日本でも同じですね。同じ学部を専攻しても、学費が高い大学もあれば、リーズナブルな大学もあり、それぞれの世帯の懐事情によって、払える大学を選ぶわけです。

これは、アメリカの大学でも同じです。一般的には、州立大学は私立大学よりも学費がリーズナブルだと言われていますが、州立大学なら絶対に安い、なんてことはありません。年間にかかる学費が1万ドル以下のリーズナブルな大学がある一方で、州立なのに年間の学費が3万ドルという大学もあります。

私立は、全般的に学費は高くなります。奨学金などを一切含まない学費だけを見ると、年間の学費が7万ドルという大学も珍しくありませんし、平均すると約4万ドルぐらいになります。これ、4年間にかかる学費ではありません。1年間にかかる学費です。

アメリカの大学は、基本的に全寮制です。しかし、自宅がすぐそばにあり、通学したいと希望すれば、2年目からは通学が認められるケースが少なくありません。学費の計算には、Tuitionと呼ばれる授業料に加え、Room&Boardと呼ばれる寮費と食費などがあります。ザックリとした平均をまとめると、

コミュニティカレッジ州立(In-State)州立(Out of State)私立大
Tuition$3,500$10,000$26,000$36,000
Room&Boardなし$12,000$12,000$13,000
年間の合計$3,500$22,000$38,000$49,000

となります。

コミュニティカレッジは、2年制の大学で、社会人の受け入れもしています。基本的に寮はなく、自宅から通学するのが一般的です。

州立大学においては、自宅が州内にあるのか州外にあるかによって、学費が大きく変わります。学費を少しでも安く抑えたい場合には、州内にある州立大学を見つけるのが得策です。

私立大学の場合には、州内や州外という要素は、学費においては関係ありません。自宅がすぐそばにある場合には、2年目から通学することによって寮費を節約することは可能ですが、それでも授業料が高いため、全体にかかる学費は高くなります。

2. 同じ大学でも世帯ごとに学費が違う?

アメリカの大学には、日本と異なる大きな特徴があります。それは、同じ大学でも、支払う学費は世帯ごとに大きく違うという点です。

アメリカには、貸与ではなく賞与タイプ(返済不要)な奨学金があります。奨学金を全く利用せずに、年間数万ドルの学費を払う富裕層も、もちろんいますが、庶民を自負する世帯の大半は、奨学金の対象となります。そのため、高額な学費を全額まるまる払う世帯は、それほど多くありません。

実際に学費がいくらになるかという点については、大学から合格通知を受け取る際に、Finaicial Aid Packageとして通知されます。これが、初年度の自己負担分となります。Financial Aid Packageは世帯の収入によって計算されるため、同じ大学に通う生徒でも、学費を年間1万ドル払う生徒もいれば、8万ドル払っているという生徒もいますし、貧困世帯になると学費は年間500ドル、というケースもあります。

実際に自分がいくらのFinancial Aidをもらえるかという点については、毎年10月1日~始まるFAFSAという手続きをすることで、州立大学の場合にはおおよその学費の目安が分かります。

3.FAFSAとは?

FAFSAとは、アメリカに存在する州立・私立の大学すべてが利用しているファイナンシャルエイド制度のことで、US Department of Educationが管理しています。

Free Application for Federal Student Aidを略しています。アメリカ国民を対象とした公的な制度なので、日本からの留学生は、残念ながら対象にはならない可能性が高いですね。

アメリカにある州立および私立の大学で、奨学金制度を利用する際には、かならずFAFSAを事前にファイルしておかなければいけません。この手続きはすべてオンラインで行うのが特徴で、主に世帯の収入や資産についての質問をされます。20分ぐらいに及ぶ質問を終えて情報を送信すると、FAFSA独自の計算に基づいて、EFCという世帯負担額が計算されます。

EFCとは、大学の費用で親が負担してくださいね、という自己負担分のことですね。必ずしも、どの大学でもEFC通りというわけではありませんが、大学ごとに「それなりに」参考にはしてくれるようですね。

FAFSAの記入方法についてはこちらから

FAFSAに影響を与える要素とは?

  • 家族構成(子供が何人いるか)
  • 同時期に大学生となる子供は何人いるか
  • 世帯の収入
  • 住居形態(賃貸か所有か)
  • 住宅ローンの有無
  • 預貯金の額
  • その他の収入
  • 過去に低所得世帯として公的な制度を利用したことがあるか

などがあります。都市伝説では、FAFSAをできるだけ少なくするために、預貯金を親族名義に移し、仕事も止めて無職になる人もいる、なんて話がありますが、実際にそこまでしている人は見たことも聞いたこともありません。それに、FAFSAは毎年ランダムもしくは疑わしい人を調査しており、調査が入ると国税局などと連携して預貯金や収入などが調べられます。そして、虚偽の申請、または悪質なケースと認定されると、その世帯ではFAFSAを利用できなくなってしまいます。

4.我が家のContributionはいくら?

FAFSAをファイルすると、その場でEFCが計算されます。預貯金が多い世帯や、高収入の世帯では、金額が上がるごとにEFCは急激に上昇していきます。

世帯の年間所得EFC
-$35,000$1,871
-$40,000$2,733
-$50,000$4,004
-$60,000$6,015
-$70,000$8,708
-$80,000$12,202
-$90,000$15,697
-$100,000$18,731
-$110,000$21,756
-$150,000$33,967
-$200,000$49,598

表を見ていただくと分かりますが、低所得世帯は、学費もリーズナブルな設定となっています。しかし所得が上がれば上がるほど、学費がどんどん高くなり、年収10万ドル(約1100万円)を超えるあたりからは、驚くほど急カーブで上昇していきます。

自身のEFCを計算したい人はこちらから

5.EFC=支払う学費?

FAFSAを使ってEFCを計算しても、残念ながらそれが各世帯が負担することになる学費というわけではありません。

Student LoanやWork Studyが加算

大学から送られてくる学費の詳細な計算を見ると、多くの人はびっくりします。なぜなら、EFCの上に、更にStudent LoanやWork Studyなどの項目が加算されていて、自分たちが考えていた 学費より、約1万ドル程度多くなっていることが多いからです。

Student Loanとは?

Student Loanとは、親が負担する学費とは別に、生徒自身が教育ローンを組みましょうという金額です。大学によって差はありますが、年間当たり4000ドル~5,000ドル程度に設定されていることが多いですね。

この金額は、もしも生徒が教育ローンを申請したら、きっとこのぐらいの金額は認められるでしょうという目安です。Subsidized Loanと呼ばれる公的なローンを利用しても良いですし、民間のローンを利用してもOK。ローンを利用しないという選択をしても問題ありません。

もしも、ローンを利用しないという選択をしたら、このStudent Loanの金額は、そのまま世帯の負担となります。

Work Studyとは?

Work Studyとは、生徒が在学中にキャンパス内でアルバイトをして稼げるであろう金額です。こちらも大学によって多少の誤差はありますが、年間で4000ドル~5000ドル程度が見込まれていることが多いですね。

ただし、Work Studyをするから学費を安くしてもらえるというわけではありません。キャンパスで学生がアルバイトをしても、そのアルバイト代は学生へ直接支払われます。もしも学費に充てるなら、個人的にやってくださいね、という意味です。

また、キャンパス内のアルバイトは、確かにいろいろなお仕事があります。しかし、必ずしもアルバイトできるわけではありませんし、世帯の収入によっては、働きたいけれど働けないという状況にもなりかねません。

6.EFCが考慮されないケースもある

毎年10月にFAFSAをファイルし、ザックリとしたEFCを計算したからと言って、安心してはいけません。大学の多くは、EFCを考慮した学費計算をしてくれますが、必ずしもそうとは限りません。

世帯のEFCが2万ドルなのに、学校からの請求を見たら学費が4万ドルだった!なんてことも珍しくありません。

その背景には、アメリカの教育機関はビジネスである、というシビアな現実があります。

アメリカの大学へ願書を出した場合、大学にとっては「喉から手が出るほど欲しい生徒」がいる一方で「入学は認めたけれど、来ても来なくてもどちらでも良い生徒」もいるわけです。優秀な生徒に対しては、なんとかして来てもらおうと営業努力をし、学費を徹底的に下げてきます。奨学金によって学費が全額免除になるケースもあります。

しかし来ても来なくてもどちらでも良い平均的な生徒なら、そこまでの営業努力をする必要はありません。少しぐらい学費を高めにしても、その生徒が来たいと思えば払うでしょうし、払いたくないから来ないという選択をしても、大学にとってはそれほどの痛手ではないでしょう。

そう。アメリカの大学はビジネスなのです。

7.FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!

FAFSAは、アメリカの大学に在学している期間中は、毎年ファイルしなければいけません。その度に、最新のTax情報を使ってファイルするわけですが、在学期間中には、世帯ごとに様々なライフイベントが起こるかもしれません。

例えば、お父さんが昇進してお給料がアップしたとか、家を購入する際にリタイアメントの貯金を崩して頭金にしたとか、また転勤をした、ということもあります。そうしたライフイベントによって収入が変わると、当然ですがFAFSAによって計算するEFCも変わります。今年の学費は1万ドルだったけれど、来年は2万ドルになる、なんてことも十分に起こりえます。

日本からの留学生の場合には、FAFASは直接影響がありません。そのため、収入がアップしても学費が上がることはないでしょう。なぜなら、もともとFinancial Aidを使わない大学側が提示する金額をそのまま支払っているからです。

しかしアメリカで暮らす人は、世帯のライフイベントによって学費が変わるという点を理解した上で、大学選びをしたいものです。

8.FAFSAをファイルするメリットとデメリット

大学に進学するなら、プロセスの一つとしてFAFSAをファイルする、という世帯は多いものです。しかし、メリットとデメリットを考えたことはありますか?

FAFSAをファイルするメリット

  • 大学の学費を安くできる
  • 公的な教育ローン(Subsidized loan)に申し込める

FAFSAをファイルするデメリット

  • 万が一の有事においては徴兵される
  • 世帯の収入によってはファイルしてもファイナンシャルエイドが対象外
  • 学費負担分がEFC以上になることが多い
  • 州立大学のOut of Stateでは、EFCよりも高額な学費になる

9.EFCケーススタディ

よりファイナンシャルエイドの仕組みを理解しやすくするために、いくつかのケーススタディをご紹介しましょう。

ケース1:大学が提示する学費がEFCより低い場合

  • 大学の学費:年間$10,000
  • 世帯のEFC:$15,000

この場合には、世帯のEFCが大学が定める学費よりも大きいため、学費$10,000を全額支払うことになります。

ケース2:大学が提示する学費がEFCより高い場合

  • 大学の学費 年間$40,000
  • 世帯のEFC $7,000

この場合には、学費の自己負担は$7,000と$40,000の間になりますね。多くの場合、大学が定めるStudent LoanやWork Studyなどの分が上乗せされ、負担する学費は$17,000~$25,000程度が多いのではないでしょうか。

ケース3:In-State$25,000、Out of State$45,000の州立大学の場合

州立大学の中には、州内に自宅がある(親が住んでいる)In-Stateステータスと、州外に自宅があるOut of Stateとで、異なる学費を提示することがあります。この場合、自分がIn-Stateの場合には、負担する学費の上限は$25,000となりますが、Out of Stateになると、上限は$45,000と高くなります。

SAT試験の詳細と申し込み手順

アメリカの大学を受験するなら、SATもしくはACTというStanderized test(共通試験)を受験しなければいけません。ここでは、そのうち日本からの留学生でも日本で受験できるSATについてご紹介します。

目次

  1. SATとは?
  2. SATの受験項目
  3. 間違えると減点される?
  4. SATはどこで申し込む?
  5. SATの申し込み方法
  6. 受験結果はどうやってわかる?
  7. Super Scoreとは?
  8. SAT受験にかかる費用は?
  9. SATは何回まで受験できる?

1.SATとは?

SATとは、Scholastic Assessment Testのことで、主に英語力と数学的思考力を調べるテストです。分かりやすく言うと、英語と数学だけのセンター試験のような位置づけですね。主催しているのはCollege Boardという独立した機関です。

SATは、数年ごとにスコアや出題科目の見直しが行われていますが、2021年現在では1600満点での採点となっています。

2.SATの受験項目

SATの受験項目は、English(Reading&Writing)と、Mathに分類できます。

Reading( 読解力)

Readingでは、長さが異なる文章を読み、質問に答えていきます。答えは選択式となっているのが特徴で、AからEの5択となっているのが特徴です。文法力や読解力、ボキャブラリーを調べる試験で、アメリカ人の学生でもかなり苦戦する分野です。英語を母国語としていない留学生にとっては、超難関な分野かもしれませんね。

Writing(筆記)

Writingに関しては、数年ごとに行われるSAT出題の見直しによって、必須科目に入ることもあれば、選択科目となることもあります。しかし選択科目となっている場合にも、大学ではEssayも受験するように勧めることが多いため、受験しておくのがおすすめです。

Writingでは、2~3つぐらいの文章を読んで答える問題で、主に文法力や語彙力を調べます。約25分程度でエッセイを仕上げるわけですが、文章の中に答えが隠されているというわけではなく、これまでの自分の経験や知識などを織り込みながらエッセイを仕上げることが、高得点につながります。

Math(数学)

アメリカ人の学生が苦戦する数学ですが、日本からの留学生にとっては、すこし準備をすれば満点も取りやすい科目です。出題レベルとしては、高校1年生までに習う部分から出題されますが、解けないほどの難問はほとんどなく、センター試験よりも若干難易度が高いぐらいのレベルだと考えると良いでしょう。

3.間違えると減点される?

選択式の出題分野では、分からなくてもとりあえず何かを選択しておけば当たる可能性が期待できますよね?日本の受験では、少なくてもそうです。だから、何も選択せずに試験を終えるのは、とてももったいないものです。

しかしSATでは、答えを間違えると、なんと減点される仕組みとなっています。この点は、日本の試験とは大きく異なる点ですね。正解すれば+1点、間違えると―0.25点の減点となります。

もちろん、全ての問題が同じ配点となっているわけではなく、試験の採点方法や配点については、公表されていません。

4.SATはどこで申し込める?

SATは、高校でも大学でもない、独立した機関が主催する共通テストです。申し込みは、高校を通して受験できることもありますが、学校とは別に個人でCollegeboard.orgで申し込めます。

高校を通して申し込めるかどうかは、その学校のISDによって異なります。学校を通して申し込む場合には、受験料はISDが支払ってくれるケースもあり、無料で受験することも可能ですね。ただし、学校を通して受験する場合でも、費用がかかることもあります。

なお、高校によっては、SAT受験には一切関知しないという学校もあります。その場合には、学校から何もお知らせなどを受け取らない可能性もあるので、個人でCollegeboard.orgから申し込みましょう。

SAT試験は、年間に複数回開催されていて、全国で受験できます。日本にも受験会場があるので、日本からの留学生なら、日本にいてSATを受験することも可能です。ただし、日本で受験する場合には、受験できる頻度はアメリカ国内ほど多くなく、年間で5回程度です。そのため、期間には余裕をもって受験することをおすすめします。

5.SATの申し込み方法

SAT試験は、全ての科目を受験すると、受験時間は約3時間程度となります。

必要な書類

  • 身分証明書(運転免許証、学生証など。日本で受験する場合にはパスポートでOK)
  • 支払をするためのクレジットカード

を準備して、Collegeboard.orgのサイトから申し込みをしましょう。College Boardのサイトは、まず最初にアカウントを作らなければいけません。このサイトは、ただSATを受験するためだけでなく、高校から大学へTranscriptを送ったり、大学在学中にはFAFSAと合わせてファイルが必要なCSSのアプリケーションとしても使います。そのため、ログインIDやパスワードは、なくさずに大切に保管しておくことをおすすめします。

受験場所は自由に選べる

SATは、アメリカ全土で同じ日に開催されています。自宅から足を運びやすいロケーションを選ぶのが便利ですが、必ずしも自宅のそばでなければいけないというルールはありません。人気がある受験会場だと、受け入れ可能な人数をオーバーしてしまうこともあります。その場合には、希望してもそのロケーションでは受験できないため、別のロケーションを選ばなければいけません。

オンラインで受験の申し込みを終えたら、当日に必要な持ち物や受験票をプリントアウトしておきましょう。受験票は、当日確認されるので、忘れずに持参しなければいけません。

受験当日の持ち物

SATの受験当日には、いくつかの持ち物が必要です。スマホを使うことは認められていないため、オフにしてカバンに入れておくか、自宅に置いていく必要があります。

  • 鉛筆(シャープペンシルはNGです)
  • 消しゴム
  • 身分証明書(試験会場で確認されます。写真付きの身分証明書のみがOK)
  • 腕時計(試験会場によっては、壁時計がないこともあります)
  • 電卓(オンライン機能がついていないモノは持ち込みOK)
  • ドリンクや軽食など(試験中の飲食はNGですが、休憩時間はOKです)

6.受験結果はどうやってわかる?

SATを受験すると、約1週間~2週間ぐらいで、結果が通知されます。合否という結果ではなく、スコアが計算されるので、受験した人は全員がこの結果通知を受け取ることになります。

受験結果は、

  • Collegeboardのサイトでチェックできる
  • 携帯のテキストで通知される
  • 願書を出している大学へ直接通知してもらうことも可能

大学への直接通知に間しては、既にその大学へ願書を出しているけれど、SATのスコアだけまだ提出していないという場合や、もしかしたら今回のスコアが良ければ記録を塗り替えるかもしれない、なんて時に便利です。

7.Super Scoreとは?

SATでは、Englishのスコアが何点、Mathのスコアが何点、合計は何点、と言う感じで結果が出ます。これまで複数回受験したことがある人にとっては、

「Englishは今回が最高点だけれど、Mathは前回の方が良かったな」

なんてことも起こりうるわけですよね。そんな時には、大学によってはSuper Scoreと呼ばれる「各科目ごとの最高得点」を合計して、自分の合計点とする事ができます。全ての大学でSuper Scoreを採用しているというわけではありませんが、採用している所なら、過去に受験したSATの中から、最も良いEnglishのスコアとMathのスコアを抽出して合計点として申告できるのですから、入学できる確率もアップしそうですよね。

ちなみに、Super ScoreでSATスコアを申請する場合には、それぞれの科目の最高得点が記録されているSATスコアを大学へ送ります。CollegeBoardのサイトから、大学へスコアを通知できるので、やり方はそれほど難しくありません。

ちなみに、大学へSATスコアを送る際には、費用がかかります。そのため、出願する際にはSATスコアは自己申告で、合格通知をもらって入学すると決めた大学のみに対して、正式にCollegeBoardからスコアを送る、という方法がおすすめです。

SATスコアを自己申告なら、すこし水増ししてもOKかな?なんて考える人がいるかもしれませんね。しかし、大学から受け取る入学通知は、あくまでも仮のものです。合格してから実際に入学するまでの間に、SATの正式なスコアなども含めて必要な書類を提出するわけですが、その際にスコアが虚偽の申請だったとバレると、合格取り消しになることもあります。注意しましょう。

8.SAT受験にかかる費用は?

SAT受験にかかる費用は、2021年現在では$55となっています。基本的には、オンラインでSATの申し込みをした時にクレジットカード払いをします。受験会場で払うというわけではないので注意してください。

この受験料は、低所得世帯だと免除してもらえる可能性があります。もしも高校で、Reduced lunchのプログラムに加入している人なら、免除してもらえる可能性が高いですね。

受験費用を免除してもらうためには、通学している学校のカウンセラーから、免除用のコードを受け取ります。それをSATの申し込みの際に入力して、どの高校に通っていて、どんな理由で免除になっているのかという点を記入すれば、SAT運営側で確認をした上で、免除が認められます。

9.SATは何回まで受験できる?

SATは、年間で約10回程度開催されています。そして、取得したスコアは5年間有効です。そう考えると、大学に進学する5年ぐらい前から、年間10回受験する、ということも可能ですね。合計、50回も受験するなんて、考えただけでも気が遠くなりそうですが、実質的には可能です。

受験回数が複数回あっても、それが大学受験の審査でマイナスの影響を与えることは、あまりありません。しかし、それはあくまでも、受験回数が10回未満ぐらいの場合です。

あまりにも受験回数が多い場合には、それが何かしらマイナスの影響を与える可能性はあるかもしれません。

その理由は、何回か受けることでスコアアップできる可能性が高いから。SATは共通テストのため、出題傾向が類似することが少なくありません。つまり、1回しか受験しない人よりも、複数回受験したほうが、確実に高得点を獲得しやすいという土壌があります。

一回の受験で$50以上かかる試験なので、複数回受験するとなると、やはりその世帯の経済力が大きく影響するでしょう。同じSATスコアでも、20回受験してそのスコアにたどり着いた生徒と、1回のみの受験でそのスコアを獲得した生徒の場合には、どちらが「より優秀な生徒である可能性が高いか」を予測できます。

ちなみに、私の子供は高校のFreshmanでSATをお試し受験し、Sophomoreでさらに1回。Juniorに2回受けました。

出題範囲に関しては、高校のFreshmanあたりで習う範囲も出題されるので、Freshmanで高得点を取るのは大変かもしれません。しかし、うちの場合ですが、受験するたびにスコアが上がり、最終的には初回スコアよりもプラス200点になりました。

ちなみに、複数か受験してアップできるスコアの平均は、100+だそうです。

アメリカ大学への入学手続き:スコア、成績、推薦状

日本の大学へ入学したければ、受験勉強をして入学試験を受け、合格しなければいけませんよね。近年では、AO入試と呼ばれるスタイルが増えていて、入試試験1発で合否が決まるのではなく、高校時代に頑張ってきたことや特技などが評価されて大学入学が認められる傾向が増えています。

アメリカの大学では、日本のように受験日が決められていて、その日に受ける入試問題の結果だけで合否が決まるというわけではありません。これからアメリカの大学へ留学しようと考えている人、もしくは既にアメリカに移住して子育てをしている人は、ぜひアメリカの大学入試の仕組みを理解することで、賢い選択ができるのではないでしょうか。

目次

  1. アメリカの大学の種類
  2. 大学の共通試験、SATとACTとは?
  3. 日本からでもSATとACTは受験できる?
  4. 試験だけじゃない!入学選抜に必要なもの
  5. 願書はいつから受付開始
  6. 合格発表はいつわかるの?
  7. Early Decision, Early Action, Regular Decisionの違いとは?
  8. 複数から合格通知をもらった!どうする?

1.アメリカの大学の種類

アメリカには、大学と言ってもいくつかの種類があります。公立の大学と私立の大学がある点では日本と同じですが、公立の大学の場合には、国立ではなく州立、つまり州の資金で運営されているという点が、日本と異なりますね。

  • Selective(大学が定める基準を満たした人が入学できるタイプ。州立大学はここに分類)
  • Competitive(競争型。有名私立大学が該当し、高いレベルの入学希望者を、いくつかの方法で振り分ける)
  • Open(開放型。基本的に高校を卒業していれば誰でも入学ができる。2年制のコミュニティカレッジはここに分類)

Selectiveの入学条件

アメリカの高校生が「大学」と呼ぶ教育機関の多くは、このSelectiveと呼ばれるスタイルを採用していて、州立の大学を始め、私立大学などが含まれます。満たさなければいけない条件は複数あり、

  • 高校を卒業していること
  • 高校時代の成績
  • SATやACTなどの共通試験のスコア

など、高校ごとに異なるレベルを定めており、これをクリアした学生が入学できる仕組みとなっています。

Competitiveの入学条件

アイビーリーグなどに代表される、一流難関の私立大学がCompetitiveに分類されますが、基本的にはSelectiveの入学形式と同じです。ただし、大学側が求める基準がとても高いため、合格率は1ケタ台という特徴があります。

Open型は社会人にもオススメ

コミュニティカレッジと呼ばれる2年制の大学の多くは、4年制の大学ほど厳しい入学基準を設けておらず、高校を卒業していれば誰でも入学できるシステムとなっている所が多いです。高校を卒業したばかりの若者が入学できるだけでなく、社会人になってからでも入学しやすいですし、学費もリーズナブルです。

2.大学入試SATとACTとは?

アメリカの大学には、日本のような入学試験はありません。しかし、全く試験を受けずに入学できるのかと言えば、そういうわけでもありません。

アメリカの多くの大学では、学力のレベルを把握するためのStanderized Test (共通試験)として、SATもしくはACTを受験し、そのスコアを大学側へ提出することを義務付けています。

SATの申し込みはこちらから

ACTの申し込みはこちらから

SATとACT、どこでいつ受験できるの?

SATとACTは、高校と大学から独立した機関が提供している標準テストです。それぞれ、年間に複数回開催されていて、何回でも受験することができます。標準テストということで、似たような問題が出題されることもあります。そのため、1回しか受験しない人よりも、何回か受験したほうがスコアは良くなる傾向があるようですね。

SATとACTは、通学している高校で申し込みができることもあれば、高校は一切関知せず、自分でネットを使って申込まなければいけないこともあります。州によって違うというよりは、ISDと呼ばれる学区ごとに方針が異なるようです。どちらの申し込み方法でも、受験する場所が異なるだけで試験の内容が変わるということはありません。

SATもACTも、全国で一斉に開催され、同じ受験日なら受ける試験の内容も同じです。共通試験と呼ばれているのは、そのためですね。ただし、年間に何回も開催されているため、試験ごとの難易度は若干変わります。この辺りは、スコアを計算する際に考慮されており、「難しすぎてダメだった」と思っていたら、想像以上によいスコアだったということもあります。

SATとACTはどう違うの?

SATとACTでは、試験の出題傾向やスタイルが若干異なります。一般には、理系に強い人ならACTの方が適している、なんて言われていますが、どちらの試験が自分に合っているか相性もあるので、どちらも受けてスコアを比較すると良いでしょう。

SATとACTは無料?それとも有料?

SATとACTは、基本的に有料です。

SATの場合には、受験する度に$49.50~$64.50がかかり、受験課題の数によって費用は変わります。日本からの留学生の場合には、費用は$53と定められています。

SATの受験料はこちらから

ACTも受験項目によって費用はことなり、$55~$70がかかります。

ACTの受験料はこちらから

なお、SATもACTも、低所得世帯の場合には、受験費用がかからず無料で受けられるWaiverの制度もあります。留学生の場合には受験料を免除してもらうことは難しいですが、アメリカの高校に通っている子供なら、ランチプログラムの料金が免除されているなどの条件を満たせば、受験料はかかりません。

3.日本からでもSATやACTは受験できる?

日本からアメリカの大学へ留学を考えている人は、日本にいながらSATを受験することができます。日本で受験する場合でも、申し込み方法はアメリカ国内にいる学生と同じで、Collegeboard.orgから行います。

ただし日本で受験する場合には、アメリカ国内のように毎月受験できるというわけではなく、どうしても頻度は少なくなってしまいます。そのため、留学したいなと考えたら、まずは腕試しのつもりでSATを受けてみてはいかがでしょうか?時間に余裕があれば、何回か受験してスコアをアップすることもできますよね。

4.試験だけじゃない!入学選抜に必要なもの

アメリカの大学は、難易度が高い大学になればなるほど、SATやACTのスコアが重視される傾向にあります。しかし、入学選抜に必要なものは、それだけではありません。

高校の成績

高校時代の成績も、アメリカの大学では重視されています。アメリカでは、高校は中学校の延長で、入学の際に入試などはありませんし、自宅から通いやすいエリア内で学区訳がされています。しかし日本では、難関高校に行けば、そこで良い成績をとることは難しいですよね。そうした点も、日本からの留学生を受け入れている大学では理解しているので、安心してください。

高校の成績に自信がない人は、どうしたら良いのでしょうか?

大学ごとに、基準とするGPA(成績の平均)が設定されていて、そのラインを満たすことが条件となっています。しかし、このGPAは。学校や学区によって計算方法が異なりますし、学校によっても成績のつけ方が異なるなど、決して一律ではありません。

アメリカの大学では、そうした地域やエリアごとの差についても、ある程度理解しています。そのため、できることは、現在通学している高校で、できるだけ良い成績を取ることを目指すという点ですね。

アメリカの高校に通っている人が今からできることは

  • できるだけハイレベルなクラス(APやPre-AP、Dual Credit、IBなど)を選択する事
  • B+で甘んじるのではなく、Aを目指すこと

です。

チャレンジクラスでBを取るリスクがあるなら、確実にAを取れる基礎クラスの方が良いのかな、と考える人がいます。大学側としては、ハイレベルなクラスに挑戦する姿勢も評価するので、基礎クラスばかりより、ハイレベルなクラスに挑戦する子供の方が、高評価されることが多いです。

教師からの推薦状(Recommendation Letter)

アメリカの大学では、ほとんどの場合、高校時代の教師からの推薦状が必要です。基本的にはどの教科でも良いのですが、大学から高評価されるのは、EnglishかMathの教師からの推薦状です。

この推薦状は、ペーパーで書いてもらったものを郵送で大学へ送ってもOKです。しかし、全米で広く利用されている大学受験のためのサイト The Common Applicationを利用するなら、願書の申請から推薦状の提出まで、全てオンラインでできます。

推薦状が何通必要かは、大学によって異なります。最低でも1通という大学もあれば、3通必要という大学もあります。また、最低1通だけれど多く提出してもOKという大学もあり、その場合には、できるだけ多くの推薦状を提出することで、大学へ入学したい気持ちをアピールできます。

Resume(履歴書)

大学入試では、Resumeと呼ばれる履歴書も必要です。日本では、履歴書というと既に決められたテンプレートがあり、そこに記入すればよいのですが、アメリカでは基本的にはフリーフォーマットです。そのため、ゼロの状態から自分で作り込んでいきます。

ネットでは、お手本となるような履歴書がたくさん紹介されています。そうしたテンプレートを真似しながら、記載する内容を自分でカスタマイズしていくという方法でも、OKです。ただし、大学受験のためのResumeは、1ページにまとめるのが原則です。

Resumeに何を記入すればよいかという点ですが、主に

  • Header:名前、住所、メールアドレス、連絡先などの情報を記入
  • Objective:どんな性格の人間なのかという点を、2行ぐらいに簡潔にまとめる。
  • Education:高校生なので、高校名と現在のGPAを記入。取得したAPクラスなども記入すると良し。
  • Extra Canicular:クラブ活動や、参加したコンテストなど、学業以外でアピールしたい点を記入
  • Community Service;ボランティアの内容を記入。アメリカの大学ではボランティアが重視されます。

Essay(エッセイ)

アメリカの大学では、エッセイの提出が求められるケースが多いです。Common Applicationを利用して願書申請するなら、Common Application内にエッセイをアップロードし、同じエッセイを全ての大学の願書に使うことができます。

それ以外に、大学ごとにテーマを出題し、それに対して生徒がエッセイを書くという課題もあります。どんなテーマかは大学によりますし、文字数なども大学によって異なります。

エッセイを書く際には、テーマが決められていなければ何を書いてもOKです。しかし、大学から高評価されやすいエッセイは、「困難をいかに乗り越えて成功体験へ結びつけたか」というストーリーですね。もちろん、創作の小説を書くわけではないので、全く実体験に基づかない内容は控えたほうが良いでしょう。しかし、「自分はこんなに素晴らしい人間です」をアピールするよりも「自分は困難を乗り越える力を持っている強い人間です」をアピールしたほうが、評価という点では高くなりやすいですね。

5.願書はいつから受付開始?

アメリカの大学への願書は、8月1日ごろに受付開始となります。多くの大学が使用しているCommon Applicationは、8月1日から受付開始となり、必要な書類がすべてそろっている人なら8月初旬に出願のプロセスを終えることができます。

出願の締め切りはいつ?

出願の締め切りは、出願形態によって異なり、11月中旬もあれば、1月下旬という所もあります。できるだけ早めに出願したほうが、早く合否を知ることができるという点てもおすすめです。

Common Applicationを使用する際の注意点

カリフォルニア州やテキサス州の州立大や、一部の私立大学では、Common Applicationではなく、独自の出願システムを採用している所もあります。しかし、全米を広く見渡すと、やはり大半の大学は、このCommon Applicationを採用しています。

大学への進学を考えたら、まずはこのCommon Applicationにアカウントを作り、大学のリサーチや出願に必要な書類集めを始めることになります。しかしこのCommon Applicationを利用する際には、注意点があります。

それは、8月1日に、それまでのデータがすべてリセットされてしまうという点です。アカウントの基本的なプロフィール情報はリセットされませんが、それまでコツコツ集めた教師からの推薦状や、既にアップロードしたエッセイなどは、全て8月1日でリセットされてしまいます。そのため、早めに準備をしていた人は、再アップロードが必要となりますし、教師からの推薦状も、教師にもう一度サイトへアップロードしてもらうように依頼しなければいけません。

この二度手間を回避するためには、書いたエッセイなどは、ワードファイルなどで保存しておくという方法がおすすめです。大学の多くは、毎年同じテーマのエッセイを出題するので、すでに書いてあれば、後はそれをコピー&ペーストするだけで済みますよね。

6.合格発表はいつ?

日本の大学では、受験日が決まっているだけでなく、合格発表の日も決められていますよね。そのため、合格発表の日になると、ワクワクドキドキしながら、合否を確認することになります。

アメリカの大学でも、合格発表の日が決まっている大学はたくさんあります。その場合には、決められた合格発表の日時に、指定されたホームページへ行くと、Congratulation!という合格通知のレターがあるか、残念でしたと言うレターが届いているので、それを確認するという方法で合否をチェックします。

しかしアメリカの大学の中には、特定の合格発表の日は設けず、出願した人から順番に合否を通知するというシステムを採用している所もたくさんあります。大学が設定する条件をクリアしている人なら、大学側にとっても合格通知を出しやすいわけで、その場合には、出願してからたったの2週間で合格通知を受け取ったということもありますね。

大学に合格すると、大学のパンフレットや入学までの手続プロセスなどの書類が、分厚い郵送で自宅に届けられることになります。ただし、郵送で送られてくる情報は、基本的に大学の受験者用のサイトでも確認できるので、郵送はまだ受け取っていないけれど合格したことは分かっているし、どんな手続きが必要かも知っている、ということはよくあります。

7.Early Decision, Early Action, Regular Decisionの違いとは?

アメリカの大学へ出願する際には、Admissionのタイプを選びます。大きく分類すると、

  • Early Decision
  • Early Action
  • Regular Decision

との3つがあり、出願の際にどのタイプにするかを決めた上で、願書を申請します。

Early DecisionEarly ActionRegular Decision
願書受付開始日8月1日8月1日8月1日
願書受付締め切り11月15日あたり11月15日あたり1月末あたり
合格しても行かないという選択できないできるできる
競争率

表から分かるように、必要な書類が早めに揃った人は、競争率が高くなって合格しづらくなるRegular Decisionではなく、Early Actionを選ぶのがおすすめです。

また、Early DecisionとEarly Actionの違いですが、これはBindingと呼ばれるものが大きく関係しています。

Early Decisionの場合には、合格したらその大学へ行かなければいけない、という条件のもとに出願します。他の大学へ願書を提出するのはOKですが、Early Decisionでの出願は、大学1校しか認められていません。

多くの場合には、Early Decisionは、第1希望の大学に対して用いるのが一般的です。普通に受験したらハードル高そうだけれど、入学できるならぜひ行きたい!という憧れの大学に対しても、Early Decisionが良いでしょう。

早めに応募して早めに合格発表を頂いていくと、気持ち的に安心できます。early actionなら何校に出願しても良いので、ぜひおすすめです。

我が家では、早めに準備を始め、8月中旬に超電工から滑り止めまで、全てに出願しました。周囲と比べて、これはかなり早めでした。

滑り止め校からは9月中旬に合格発表をいただきました。全てEarlyで出したので、クリスマス前には進学先が決まりました。

Early Decisionは断れるのか?

もしもEarly Decisionで受験して合格したけれど、やっぱり行きたくないという場合には、どうなるのでしょうか?

大学によって対応は異なりますが、1年分の学費を払えと請求されるケースもあれば、金銭的なペナルティはゼロというケースもあります。

しかしいずれの場合でも、Early Decisionを蹴ることによって、その年は他の大学には行けないというペナルティがつきます。つまり、他の大学から合格通知を受け取っていても、自動的に浪人決定となってしまいます。

8.複数から合格通知をもらった!どうする?

複数の大学から合格通知を受け取った場合、どの大学へ進学するのかという意思表示をしなければいけません。多くの場合には、大学の受験者用ホームページにアクセスして、そこから入学するかどうかを選択して通知します。

入学しないという意思表示をした場合には、「どの大学へ進学するのですか?」という質問をされることが多いです。この場合には、正直にどこへ進学するのかを記入しましょう。こうした情報は、大学の外に漏れることもなければ、何かの目的で使われることもありません。あくまでも、参考資料や統計を取るために使われるだけです。

アメリカの洗濯文化:アパート事情と洗濯方法

アメリカの洗濯事情は、日本とは大きく変わります。まず、アパートには、洗濯機を自宅に置けない物件がたくさんあります。それに、自宅に洗濯機があっても、外にほすのはNGとなっているアパートは少なくありません。これって普通なのでしょうか?洗濯機がなければ、洗濯はどこでしたら良いの?と不安になってしまいますよね。

目次

  1. アメリカのアパートには洗濯機がない物件は多い
  2. 洗濯はどこですれば良いの?
  3. アメリカは洗濯の頻度が少ないって本当?
  4. メリカでは洗濯物を外に干すのはNG
  5. 洗濯機を自宅内におけるアパートの探し方

1.アメリカのアパートには洗濯機がない物件は多い

日本では、ワンルームのアパートでも、古いアパートでも、だいたい各世帯に1つ洗濯機を置くことができます。古いアパートになると、洗濯機は玄関の外なんてこともありますが、そうでなければ狭いワンルームでも家の中に洗濯機を置くスペースは設けられています。

しかしアメリカでは、洗濯機を各家庭に置けないアパートがたくさんあります。間取りが広い物件になれば、洗濯機を置くスペースがあったり(In Unit)しますが、ワンルームタイプや2BRぐらいの間取りでは、洗濯機が自宅の中に置けない物件が多くなります。

自宅内に洗濯機が置けない間取りになっている場合には、自分で勝手に洗濯機を買って設置するのはNGです。アパートの契約にも記載されていると思いますが、勝手に置くと水漏れなどが起こった場合、賠償責任を問われてしまいます。注意してくださいね。

2.洗濯はどこですれば良いの?

自宅に洗濯機がついていない場合には、どこで洗濯をするかという点で2つの選択肢があります。

アパートに共同のランドリールームが設置されている

アパートの多くは、建物ごと、もしくはアパート群の中に住人用の洗濯施設が設置されています。部屋に洗濯機がなくても、そうした施設を使えば、車で遠く離れたコインランドリーに足を運ばなくても、すぐそばで洗濯ができますね。

アパートに置かれているランドリールームでは、洗濯機と乾燥機が数台ずつ設置されていて、住人が自由に利用できる仕組みになっています。アポなどは不要で、必要な時に洗濯物を持っていき、サッと洗濯することができます。

ただし、共同なので、洗濯物を持って行ったけれど他の人が既に使用中だった、ということはあります。その場合には、少し時間を置いて再チャレンジするか、別の日に洗濯をすることになります。

アパートに設置されているランドリールームの使用は。無料の所もたまにありますが、多くの場合には、洗濯機が$1.50~$2.00程度、乾燥機は30分毎に$1.00~$2.00と料金がかかります。洗濯機と乾燥機にコインを入れるスロットが設置されていて、そこに25セントコインを必要な数だけ入れると、洗濯機もしくは乾燥機がスタートする仕組みになっています。

アパートに設置されているランドリールームの使用は、一般的なコインラインドリーと比較すると料金がリーズナブルな設定となっていることが多いです。

また近年では、住人に対してプリペイド式のカードを発行し、それを使って支払いをするアパートも増えてきました。プリペイド式なら、アパートの住人以外が無断でランドリールームを使用できないので、そういう目的があるのかもしれませんね。

小さめサイズの洗濯機・乾燥機が多い

アパートに設置されている洗濯機と乾燥機は、サイズという点ではかなり小さめなケースが多いです。業務用の大きめサイズが置かれていることは稀で、ほとんどは家庭用の洗濯機と乾燥機、その中でも小さめサイズが選ばれていますよね。

単身世帯なら、週に1度の洗濯で、洗濯機を1回回すだけで充分かもしれませんが、家族世帯では、1回回すだけでは全く足りず、何回も回す羽目になってしまうこともあります。そうすると、洗濯機を使うたびに課金されるのは割高ですよね。

そんな人は、住んでいるアパートにランドリールームがあっても、コインランドリーに足を運ぶのがおすすめです。

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コインランドリーへ行く方法もアリ

住んでいるアパートにランドリールームが設置されていない場合や、ついているけれどいつも混雑していて使い勝手が悪い場合、また洗濯機と乾燥機のサイズが小さすぎて何回も回さなければいけない場合などには、街にあるコインランドリーを利用するのがおすすめです。コインランドリーは、アメリカではLaundromat(ランドロマット)と呼ばれていて、コインランドリーというビジネス施設のことを指します。

日本にもコインランドリーはありますが、日本だと家庭で洗えない布団を洗うとか、雨が続いて自宅で干せない時など、ニーズに応じてたまに利用するという人が多いですよね。しかしアメリカでは、アパートに洗濯機がついていない世帯も多いため、日常的にコインランドリーを使う人が日本よりも圧倒的に多いという特徴があります。そのため、コインランドリーは街のいろいろな場所にありますし、台数も充実していて、とても使いやすくなっています。

自宅そばのコインランドリーをお探しの人はこちらから

サイズが大きめの洗濯機・乾燥機もアリ

コインランドリーでは、基本的に業務用の大きめの洗濯機と乾燥機が複数台設置されています。一度に選択できる量が多いので、家庭用の洗濯ものなら、1度回せばOKです。それに、同時に複数台の洗濯機を使っても、誰からも白い目で見られることがありません!そのため、こちらの洗濯機で家族の服を洗い、隣の洗濯機では布団や毛布を丸洗い、ということも可能です。

業務用で大きめサイズの洗濯機と乾燥機ということで、利用料金はアパートに設置されているランドリールーム使用よりも、若干高めとなります。しかし、何回も洗濯機を回す必要がなく効率的に洗えるという点で、人気がありますね。

洗剤は販売されているので手ぶらでOK。だけど持参すればタダ!

洗剤や柔軟剤は、コインランドリーで販売しています。なので、手ぶらで行っても問題はありません。しかし、やっぱり割高なので、自宅で購入したものを持参するのが、リーズナブルだと思います。

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洗濯中は何をしていればよい?

コインランドリーに行った場合、洗濯が終わるまで30分から1時間ぐらいの時間がかかります。そこから乾燥機に入れると、更に1時間ぐらいの時間がかかりますよね。合計2時間、アメリカ人は何をして過ごしているのでしょうか?

コインランドリーの中には、子供が遊べるスペースが設けられていたり、雑誌が置かれている所もあります。また、多くのコインランドリーはショッピングエリアの中にあり、待ち時間を利用してスーパーで買い物ができたり、ドラッグストアをうろうろする、なんてことも可能です。

多くの人は、コインランドリーに設置されている椅子に座り、スマホで遊びながら待っています。

3.アメリカは洗濯の頻度が少ないって本当?

日本では、洗濯は毎日するという家庭が多いですよね。これは、いろいろな理由があります。

  • 洗濯機で洗ったら外に干すため、洗濯物を貯めると量が多くなって困る
  • 洗濯物を溜めると汚れが取れにくくなる
  • 自宅で洗濯できるので、苦痛でない

などがありますが、アメリカでは日本人のような考えを持つ人は、それほど多くはありません。多くの場合、たくさん洗濯物が溜まっていても、洗濯は週に1度と決めている家庭がとても多いのです。

単身世帯なら、1週間洗濯物を貯めても、量はそれほど多くはならないでしょう。しかし、3人家族とか4人家族、アメリカではもっと多い大家族などもいるので、そうした家庭では洗濯物を1週間も貯めてしまうと、一人では洗濯籠を持てないほどの量になりますし、洗濯籠も複数が必要となってしまいます。

その大量の洗濯物を持って、アパート内のランドリールームやコインランドリーに足を運び、一気に洗濯をするわけです。想像するだけでも、かなり時間がかかる重労働だと思いませんか?

そうです、アメリカでは洗濯という家事は「力が必要な重労働」だと考えられています。

4.アメリカでは洗濯物を外に干すのはNG

アメリカのほとんどのアパートでは、洗濯物を外に干すのはNGとなっています。アパートごとに禁止となっているのが一般的ですが、中には都市全体で禁止となっている所もあります。最初にアパートの契約をする際にも、その契約書に明記されていることが多いので、スッキリ太陽光に洗濯物を当てて干したいと思っても、残念ながらできません。

その理由は、美観を損ねる、犯罪防止、そして洗濯機とセットで乾燥機を使う風習があるから。

特に、美観を損ねるという理由で禁止されていることは多く、洗濯物が外に干されていると不動産としての価値画下がってしまうこともあるのだそうです。

もちろん、周囲に他に家がないような田舎なら、外に干そうがどこに干そうが、誰にも迷惑をかけるわけではないので、問題ありません。

日本でも、女性の一人暮らしは外に洗濯物は干さない方が良いと言われています。アメリカでもそれは同じで、アパートの外に女性のセクシーな下着が干されていると、外から、どこに女性が住んでいるのかが分かってしまいますよね。犯罪防止という点においても、外干しをしたくないという人はたくさんいます。

それに、アメリカでは自分のプライベートを他人に知られたくないと考える人が多いという特徴があります。「他人の洗濯物なんて興味なし」という人も多いですし、「見たくないから外に出すな」と考える人もいたりします。そのため、洗濯物を外に干したくないという人が多く、他人にも干してほしくないという人が大半です。

5.洗濯機を自宅内におけるアパートの探し方

毎日洗濯することに慣れていて、自分の洗濯機は自宅の中に設置されていることが「普通」の日本人にとっては、アパートを探す際にも、できれば洗濯機が自宅の中に設置できる物件を選びたいですよね。

ワンルームなどでは難しいですが、3BRぐらいの間取りになると、洗濯機を自宅内における物件を見つけられる可能性はグンとアップします。

アパートの物件探しでは、いろいろな条件検索ができますよね。その中で Laundry in unitという条件を選択してください。こうすれば、自宅の中に洗濯機と乾燥機を設置できるスペースが設けられています。

アメリカのチップの相場と注意点

目次

  1. 日本にはない慣習!チップとは?
  2. チップは誰に払うモノ?
  3. チップの相場はケースバイケース
  4. 観光客が多いエリアでは料金にチップが含まれていることも
  5. チップの注意点

1.日本にはない慣習!チップとは?

日本になく、アメリカにある風習の一つと言えば、チップ(tip)がありますよね。これは、法律や制度で決められているものではなく、あくまでも「感謝」の気持ちを表すというアメリカの風習です。なので、必ずこうしなければいけないとか、うっかり忘れると逮捕される、なんてことはありません。

チップは、何かサービスをしてくれた人に対して支払うものです。私たち日本人にとっては、いつ、誰に、どんなタイミングで支払えばよいのかが分かりませんし、金額はいくらぐらいが相場なのかという点も、分かりませんよね。

チップは英語で、Tip(ティップ、と発音)と呼びます。その他には、Service ChargeとかGratuityと呼ばれることもあります。

2.チップは誰に払うモノ?

チップは基本的に、何かサービスをしてくれた人に対して支払います。

例えば、レストランなら、お会計の際にサーバーへチップを払いますし、ホテルでは客室清掃をしてくれるスタッフに対して支払ったり、スーツケースを部屋まで運んでくれるスタッフ、またはタクシーを呼んでくれたスタッフなどに対して白羽うこともあります。

アメリカで生活していると、その他にもチップを支払う機会はたくさんあります。家のメンテナンスで業者に自宅まで来てもらった場合には、チップを支払う習慣がありますし、美容室やネイルサロンなどでも、支払います。

3.チップの相場

チップは、いくらぐらい支払えばよいのでしょうか?これは、場所やサービスの内容によっても違いますし、感謝の度合いによっても変わりますね。

飲食店の場合

飲食店と言っても、レストランもあればファストフードなどもありますし、ビュッフェなどもあります。また昨今ではグルメのデリバリーも増えていて、こうしたサービスでもチップは必要です。

タイプチップの目安
ファストフード不要
フードコート不要
レストラン15%~20%
軽食のみのカフェ10%~15%
食べ放題のビュッフェ一人当たり1ドル~2ドル
グルメのデリバリー10%~15%

バーやクラブの場合

アメリカには、バーやクラブがあり、お洒落な大人のスポットとして人気がありますね。バーやクラブでは、バーテンダーが働いているカウンターでドリンクを注文し、客はドリンクが出てくるのを待ち、カウンターで受け取って支払いをします。

このように、ドリンクを注文する度に支払いをするタイプのバーやクラブなら、チップはドリンク1杯ごとに1ドル~2ドルを支払うのがマナーですね。ただし、顔を覚えている常連客に対しては、クレジットカードをOpenと言って預かってくれていて、1日の最期に飲んだ分をカードでまとめて支払えるタイプのバーやカウンターなどもあります。この場合には、約10%~15%のチップを支払代金につけるのが良いでしょう。

美容室(Hair Salon)やネイルサロン、エステの場合

アメリカでは、美容室などのサロンでも、チップが求められます。高い料金を支払っているうえに、更にチップだなんて!と思う人がいるかもしれませんが、こうしたサロンではチップは支払代金の15%~20%が相場なので、きちんと払いたいものですね。

サロンの場合には、大抵支払いはクレジットカードやデビットカードを受け付けているので、その際にチップもつけてカード払いにするのが便利です。

タクシーにもチップが必要

アメリカでは、タクシーに乗ってもチップが必要です。8ドルのタクシー料金で10ドル札で支払い、「Keep the Change!(お釣りは取っておいて!)」とスマートにできれば理想的ですよね。しかし近年では、タクシー料金にもカード払いが増えているため、チップもカードで支払うのが一般的です。

タクシーのチップは、メーター料金の15%~20%程度が目安です。

ツアーバスやツアーガイド

アメリカへ観光にやってくる人は、ツアーガイド付きのツアーを利用したり、ツアーバスを使ってたくさんの場所を効率的に回るのが、賢い遊び方です。留学生や移住した人でも、遠く離れた都市へ観光に行く際には、ツアーバスやツアーガイドのサービスを利用することがあり、その際にもチップが必要です。

ツアーガードの場合には、グループあたり5ドル~20ドルぐらいが妥当でしょう。グループの人数や、ツアーの所要時間などを考慮して、金額を決めるのがおすすめです。

ツアーでは、ツアーバスのドライバーに対してもチップを渡したいものです。リムジンのような専属のドライバーがつくラグジュアリーなツアーなら、かかったサービス料金の15%~20%程度が目安となりますが、大勢が乗る観光バスの場合には、1人当たり1ドル~2ドル程度でOKです。

ただし、バスと言っても、公共の交通機関であるバス(街中を走るコミュニティバスなど)では、チップは必要ありません。

4.観光客が多い場所では代金にチップが含まれていることもある

世界中から観光客が集まるニューヨークシティやラスベガスなどのエリアでは、レストラン料金の中に、すでにチップが含まれているケースが少なくありません。全ての飲食店でチップ込みの料金を請求されるというわけではありませんが、チップがすでに代金に含まれている場合には、更にチップを上乗せして支払う必要はありません。注意しましょう。

チップが代金に含まれているかを確認するためには、お会計の時にいただく請求書を見ると、そこに明記されています。

レストランなどの飲食店では、食事を終えてお会計(Check,please)と頼むと、何を注文したのかアイテムごとに代金が記載されたレシートのような紙を持ってきてくれます。そこには、代金の合計分、そして税金が加算された合計金額がかかれています。

もしもチップが代金の中に含まれている場合には、そこにGratuityとかService Chargeなどの名目で、いくらかが上乗せされています。

ここで注意しなければいけない点は、チップが含まれているかに関わらず、Tipを自分で加算する項目が必ず設けられているという点です。チップが代金に含まれていない通常のレストランの場合には、そこにチップ分を自分で計算して、代金とチップの合計金額を支払えばOKです。

代金にチップが含まれている場合には、Tipと書かれた部分に「ー」と横傍線を引き、払いませんという意思表示をすれば問題ありません。

5.チップの注意点

チップを支払う際には、いくつかの注意点があります。

サービスがイマイチだった。チップを払わなくてもよい?

チップは、サービスに対して支払うものです。サービスが良くないと、払いたくないという気持ちになってしまいますよね。しかし、払いたくないからと言ってチップがゼロというのは、相手を激怒させかねません。特に、レストランのサーバーなど、お給料を客からのチップに頼っている職種の人にとっては、チップがゼロだと、生活できなくなってしまうかもしれません。

もしもサービスが悪く、チップを払いたくない場合には、払わないのではなく、チップの金額を低めにすることで、サービスの質が悪かったことを相手に伝えると良いでしょう。

チップをサッと簡単に計算したい

チップをいくらにするか、サッとスマートに計算するためには、

  • 加算されている税金を2倍にする→代金の18%程度になります
  • 代金を10分の1にする→代金の10%になります

という方法が簡単です。

日本食レストランでもチップは必要?

日本食レストランや寿司レストランでは、サーバーに日本人が働いていることが少なくありません。しかしこの場合でも、アメリカの飲食店なので、チップは必要です。

日本食レストランだからと言って、従業員の給料体制も日本式というわけではありません。オーナーはアメリカ人の可能性がありますし、従業員のお給料は、客からのチップを想定して低めの金額に設定されている可能性も高いです。

レジの前にグラスがあり、お金が入っている。チップはそこへ入れるの?

ショップによっては、レジの前にグラスとかお皿などがおいてあり、小銭などがチップのように入っていることがあります。しかし、それは基本的に「現金で支払った人が、細かいお釣りを持ち歩きたくないので、そこへ寄付する」という意味合いが多いですね。

現金払いをして、チップもそこから払いたい。どうしよう?

もしも、チップも含めた金額を現金払いするなら、支払う際に「 I don’t need change」とか「Keep the chaneg」などと伝えればOKです。うっかり伝え損ねて、お釣りを受け取った場合には、そこからチップ分を手渡ししても、問題ありません。

もしも現金払いをしてチップもそこから払いたいけれど、金額が大きいお札で支払うからお釣りも欲しい、という時には、お釣りを受け取ったうえでチップ分を手渡しするのが良いでしょう。

日本からアメリカ:電化製品の使い方ガイド

日本からアメリカへ渡米する際には、これまで使っていたヘアドライヤーとか髭剃り、またちょっとした電化製品をそのまま持っていきたいですよね。しかし、もしも持って行って使えなかったらどうしよう?という不安もあるのではないでしょうか。ここでは、アメリカの電圧についてご紹介するとともに、日本から電化製品を持って行って使えるのかどうかについてもお話しします。

目次

  1. アメリカの電圧は日本と違う?
  2. コンセントの形は同じ?
  3. 日本から持参した電化製品をアメリカで使うとどうなる?
  4. 延長コードはそのまま使っても大丈夫?

1.アメリカの電圧は日本と違う?

日本とアメリカとでは、電圧が違います。日本は100V ですが、アメリカは120Vとなっています。この20Vの差がどのぐらいなのか、気になりますよね?たかが20Vだと思っても、家電製品にかかる負担は意外と大きいものです。たまに使うぐらいなら良さそうですが、継続して使っていると、故障の原因となってしまいます。

もしも日本の電化製品をアメリカで使うなら、変圧器を使うことをおすすめします。

ただし電化製品の中には、パソコンなどのようにグローバルな電圧に対応できるスペックとなっているものもあります。その場合には、特に電圧の違いを意識する必要はありませんし、使い続けても故障するリスクもありません。

これはユニバーサル仕様とバレていて、電化製品に貼られているスペックシールに、入力100v-240vなどと表記されています。

カリフォルニアは110v

アメリカの中でもカリフォルニア州のロサンゼルスのように、電圧が110vという特殊な都市もたまにあります。アメリカの別の場所から持ち込んだ家電製品や電化製品をそのまま使っても問題はありませんが、日本から持ち込む場合には、電圧が高くなるため、故障の原因となってしまいます。

2.コンセントの形も違う

アメリカと日本では、プラグやコンセントの形も若干異なります。日本の場合には、左右平行に2本のコンセントが主流です。しかしアメリカの場合、左右平行のプラグでも、左右の長さが若干異なるため、そのまま日本のコンセントに差し込もうとしても、入りません。

変換プラグは不要

プラグをコンセントに差し込むだけであれば、日本から持参したプラグは、スッとアメリカのコンセントに差し込めます。プラグ変換器などは必要ありません。

ただし、アメリカで使っていた電化製品を日本に帰国してからも使い続けたい時には、コンセントの形が違うので、そのままでは使えません。コンセントの変換プラグが必要です。

3.日本から持参した電化製品をアメリカで使うとどうなる?

アメリカの電圧は日本よりも高いため、日本の電化製品をアメリカで使い続けると、本来持てるパワーよりも過剰に稼働した状態となってしまい、故障の原因となります。イメージとしては、日本で使うよりもパワフルになり、ヘアドライヤーやヘアアイロンは持ち手が熱くなりますし、電気湯沸かし器なども、60度の設定温度なのにパワフルすぎて沸騰状態が続く、なんてこともあります。発熱するタイプの電化製品は、アメリカで使用すると危険かもしれませんね。

時計やタイマーはNG

日本から目覚まし時計やタイマーなどを持参しても、残念ながら使えません。時間を正しく表示しないことが多く、意味をなさなくなってしまいます。

私は日本から、電磁波時計や、コンセントに差し込んで使う目覚まし時計、コンセントに差し込むタイプのタイマーなどを持参しましたが、全滅でした。

電池タイプのものやiPhoneのようなユニバーサル設計になっているものは大丈夫ですが、そうでない時計やタイマーなど時間を表すものは、移住するなら日本の家族や友人に譲ったり、留学や駐在なら日本でお留守番させておくのが良いでしょう。

豆知識:アメリカの電化製品は日本で使える?

アメリカの電化製品は、変換プラグを使えば日本のコンセントに差し込んで使用可能です。しかし、ユニバーサル仕様でない限りは、本来持っているパワーよりも弱くなってしまうので、使用してても「何となく弱いな」と感じることがあるかもしれません。

私の経験では、ヘアドライヤーやアイロンは、日本で使うとパワー弱め。湯沸し器みたいなものも、イマイチ温度が低めとなってしまいました。

日本からアメリカへもっていくと、パワフルすぎて故障

アメリカから日本へもっていくと、パワーが弱くてイマイチ

と覚えておくと良いですね。

4.延長コードはそのまま使っても大丈夫?

日本で販売されている延長コードには、日本国内で使用することを前提とした100vのみ対応のものもあれば、ユニバーサル設計として100v-250vまで幅広く対応できるもの藻あります。

もしも日本から延長コードを持参したい場合には、購入価格は少し割高になりますが、ユニバーサル設計のものを選ぶことをおすすめします。

アメリカの歯医者は高額!?

アメリカに来ると、とにかく医療費が高額というイメージが強すぎて、医者にかかることもためらってしまう人は多いですよね?確かに、アメリカの医療は日本と比べると比較できないほど高額ですが、その中でも歯医者は別格です。ここでは、アメリカの歯医者にかかると、どのぐらいの費用がかかるのか、そして歯医者で治療を受ける方法などをご紹介します。

目次

  1. アメリカの歯科治療は高額?
    • 加入している健康保険に歯科プランがあるかを確認する方法
    • ガッカリ、歯科はカバーされていなかった。どうする?
    • うちは駐在。大丈夫だよね?
  2. アメリカでの歯医者の見つけ方
  3. 歯科治療はどのように進む?
    • クリニックに来院してチェックイン
    • まずは歯科助手がお口の中をクリーニング
    • いよいよ医師が登場
    • 治療はその日は行わず
  4. 歯科治療の相場はどのぐらい?
    • 歯科検診とクリーニング
    • 虫歯治療
    • 神経の根幹治療(Root Canal)
    • 歯周病によるディープクリーニング
  5. 歯科保険の選び方
    • Deductible(年間の免責額)
    • 保険を安く抑えるコツ
  6. アメリカの歯医者はココがすごい!
    • 麻酔フレンドリー
    • テレビ付き歯医者が多い
    • 通院回数が少ない
    • 待ち時間が少ない
※写真はイメージです

1.アメリカの歯科治療は高額?

アメリカで歯科治療を受ける際には、まず最初に、健康保険で歯科治療がカバーされているかどうかをチェックすることから始めましょう。日本では、健康保険に加入していれば、内科でも外科でも歯科でも、基本的にはリーズナブルな料金で治療を受けられます。しかしアメリカでは、健康保険の中に歯科プランが含まれていない場合があるので、要注意です。

この場合には、まずは歯科保健に加入した上で歯医者に行くことを、強くお勧めします!

加入している健康保険に歯科プランがあるかを確認する方法

健康保険は、プランごとにどこまでカバーされるかが異なります。歯科治療でも、チェックアップやクリーニングなどの予防歯科分野ならカバーするけれど、後はしないというプランもありますし、歯科治療は全くカバーしないというプランもあります。

確認する方法としては、加入している健康保険の会社に電話をして確認するか、それともホームページで紹介されているプランのBenefitを確認するという方法が良いでしょう。

ガッカリ、歯科はカバーされていなかった。どうする?

もしも加入している健康保険で歯科の治療がカバーされていない場合には、どうしたら良いのでしょうか?方法は3つあります。

  • 加入している健康保険のOpen Season(11月ごろ)まで待ってから、歯科プランを追加する
  • 個人で歯科保険を購入する
  • 自費でそのまま治療する

ちなみに、自費でそのまま治療することは、おすすめしません。信じられないほど高額な治療費になってしまいます。

うちは駐在。大丈夫だよね?

駐在でも、保険会社のプランによっては歯科治療がカバーされていないというケースは少なくありません。手厚い保険を会社が選んでくれているはず、だと過度の期待をせずに、まずはBenefitをチェックしましょう。

2.アメリカで歯医者を見つける方法

アメリカには、たくさんの歯医者があります。しかし、歯医者ならどこに行っても良いというわけではありません。健康保険プランのネットワークごとに、ネットワーク対象となる歯医者と、そうでない歯医者とがあります。

自分が通えるネットワーク内の歯医者を見つけるためには、健康保険のホームページもしくはアプリを使い、dentist(歯医者)を検索して見つけます。歯医者と言っても、口腔内手術を行えるOrthodontistなどもいますが、チェックアップや虫歯治療、歯周病治療などは、General DentistなどでOKです。

歯医者を見つけたら、いよいよ電話で予約を入れます。日本でも歯医者は予約制が多いですが、それでも緊急の時にはアポなしでも来院すれば受診できますよね。

しかしアメリカでは、アポがなければ見てもらえない可能性が大です。そのため、まずは電話で予約を入れてください。緊急の場合には、いかに緊急なのかを電話で訴えれば、できるだけ早い時間や日時に予約を入れてもらうことができるかもしれません。

電話予約をする際には、どんな目的で受診したいのかという質問をされるほか、健康保険の種類についても確認されます。ここで、うっかりネットワーク外の歯医者だと、「その保険はうちで取り扱っていませんよ」と教えてくれます。

3.歯科治療はどのように進む?

クリニックによって、多少の順番は違うかもしれませんが、簡単な流れをご紹介しますね。

クリニックに来院してチェックイン

クリニックにいったら、受付で名前とアポの時間を告げて、チェックインします。これは、日本と同じですよね。この時、初診だと、健康保険証のコピーを取ることが多いので、提示を求められます。2回目以降は、「健康保険は前回と同じですか?」と聞かれ、同じなら再コピーは必要ありません。

一般的なクリニックだと、受付する時にCo-Payを徴収されるところも多いのですが、歯科の場合にはCo-Payシステムが少ないからでしょうか。受付時に徴収される歯医者は、ほとんどありませんね。

まずは歯科助手がお口の中をクリーニング

アメリカの歯医者は、完全個室というわけではありませんが、患者同士が顔をあわせずに済むような個室のようなスペースになっています。そこへ通されると、まずは歯科助手がやって来て、レントゲンを撮るなど、必要な作業を行います。

その上で、医師が診察しやすいように、お口の中をクリーニングしてくれます。日本のクリーニングだと、超音波を使う所が多いのですが、アメリカはマニュアル式が多いですね。私は個人的に、超音波だとキーという高音で謎の痛みを感じるので、アメリカ式のマニュアルクリーニング、つまり手彫りタイプが好きです。

いよいよ医師が登場

歯科助手がお口の中をある程度綺麗にしてくれたら、医師がやってきます。レントゲンを確認したり、口の中を実際にチェックして、虫歯の有無とか歯周病の有無などを検査してくれます。

もし虫歯や歯周病で治療が必要な場合には、どんな状態のトラブルがあって、どんな治療が必要かという説明を受けた後で、治療にかかる費用の見積もりを出してもらえます。

見積もりの出し方ですが、クリニックが健康保険会社に連絡をして、ざっと見積もりを出すことになります。

そして、治療方針及び見積もりに納得した上で、治療を開始することになります。

ここで注意したいのは、アメリカの歯医者では、見積もりを取って患者が納得してから、治療が始まるという点ですね。なんせ日本よりも歯科治療が高額なので、場合によっては「これ、高いな、今回はちょっと無理」なんてことがあるかもしれません。万が一のトラブルを避けるために、まずはお金の話、治療はその後、なのです。

治療はその日は行わず

歯科検診でトラブルが見つかっても、その場で治療することはまずありません。

多くの場合には、次の予約を取らなければいけません。

その理由は、歯医者は完全予約制で、一人の患者の治療時間が決められているからですね。歯科検診だけのはずだった人に、あれもこれもと治療をしてしまうと、時間がかかって次の患者さんに影響があります。そのため、治療が必要な場合には、治療は次回しましょう、となるわけです。

ちなみに、アメリカの歯医者では、何度通院しても再診料はかかりません。治療の内容に対して費用がかかるので、それを1度に終わらせても、3回に分けても、歯医者が受け取れる治療報酬の金額は同じです。

日本だと、再診料が発生するので、ダラダラと治療を続ける医師もいたりしますよね、アメリカにはそういうモノはないので、治療は基本的に早いです。

4.歯科治療の相場はどのぐらい?

アメリカの歯科治療は、内科や外科に行った時と同じで、健康保険がどこまでカバーしてくれるかによって治療費は大きく変わります。ザックリとした目安とか相場を見ても、日本よりはかなり高額だと感じる人は多いですね。

歯科検診とクリーニング

特に問題がない人でも、6か月に1回は歯科検診とクリーニングを進められます。もしもこれを無保険で行うと、相場としては300ドル~500ドル程度かかることが多いですね。しかし、健康保険が歯科治療をカバーしている場合には、自己負担ゼロとなることが多いです。

しかし近年では、健康保険のカバーが劣悪になりつつあり、クリーニングはカバーするけれどレントゲンはカバーしません、なんてこともあります。

虫歯治療

簡単な詰め物をするだけの虫歯治療だと、保険が適用される銀歯(アマルガム)でも、70ドルぐらいかかります。しかし、銀歯の人気が最低なアメリカでは、健康保険がきかない白色のセラミックを所望する人も多く、この場合には1本あたり150ドル~200ドルぐらいかかります。

神経の根幹治療(Root Canal)

虫歯を放置すると、やがては歯の神経にも影響がでて、根幹治療が必要になります。この場合、保険を使っても200ドル~500ドルぐらいかかりますが、無保険だと、治療費は2500ドル~ということが多いです。

歯周病によるディープクリーニング

歯周病の治療としては、スケーリングと呼ばれるディープクリーニングを行うのが一般的ですよね。これは、歯と歯茎の間の隙間をスッキリクリーニングするという治療で、麻酔をかけて行います。かかる治療費は、上下左右のスケーリングで、700ドル~900ドルぐらいが相場となります。

5.歯科保険の選び方

歯科保険商品を選ぶ際には、どんな点に注意して比較検討したら良いのでしょうか?

Deductible(年間の免責額)

歯科保険にも、Deductibleはあります。Deductibleとはつまり、健康保険を適用する前に自己負担として払わなければいけない金額ということです。

例えば、Deductibleが1000ドルの歯科保険だとしましょう。ルートカナル2500ドルという治療をすると、まず自己負担分の1000ドルに関しては、支払いが確定します。そして、残りの1500ドルに対して、保険の適用率に応じた額がカバーされます。もしもルートカナルの適用率が80%だとすると、自己負担分は

Deductibleの分 $1,000

保険適用分($1,500分のうちの自己負担)300ドル

合計の支払額 $1,300ドル となります。

お口の中に自信がある人なら、このDeductibleの額が高めの保険を選んで毎月の保険料を安く抑えるという方法もありますが、年に2回の歯科検診が無料になる保険プランを選ぶのが得策です。

歯科保険を安く抑えるコツ

歯科保険を少しでも安く抑えるためには、既に加入している健康保険に、歯科保険の特約が付いていないかを調べてみてください。独立した歯科保険を個人で購入するよりも、健康保険の特約としてつける方がリーズナブルになることが多いです。

また、保険会社の中には、異なるDeductibleのプランを複数ラインナップしている所もあります。毎月の保険料が高くなれば、やはりカバー率も良くなるわけですが、お口の中の状態によって歯科保険のニーズは変わりますよね。そのため、自分にとって最もリーズナブルな保険を選びたいものです。

6.アメリカの歯医者はココがすごい!

アメリカの歯医者は、日本の歯医者とは大きく違う点がたくさんあります。

麻酔フレンドリー

アメリカの歯医者は、患者の痛みに対してとても良心的です。「何となく痛い気がする」というわずかな痛みでも、より強力な麻酔をしてくれます。ただし、強い麻酔になると、そのあと半日、顔が麻酔で動かない、なんてこともあるので注意してくださいね。

また、痛みに対して恐怖心がある人には、笑気ガスを使ってくれます。ただし、このガスは神経をリラックスさせるものなので、痛みを取り除く作用はありません。

テレビ付きの歯医者が多い

完全個室タイプの治療スペースがある歯医者では、患者の目の前にテレビが設置されていて、治療中には視聴できるところもあります。ただし、映画などは放送されてはおらず、基本的には地上波やケーブルテレビでやっているニュース系を流しています。チャンネルを変えてほしいというリクエストにも、応じてもらえます。

通院回数が少ない

上記した通り、アメリカの医療機関には、再診料という概念がありません。一つの治療に対して費用がかかるので、1回で治療を終わらせても3回に分けても、医師が受け取る報酬は同じなのです。それなら、1回で治療を終わらせた方が、医師にとっては効率的ですよね。

患者にとっても、少ない通院回数で治療が終わることは、大きなメリットがあります。

待ち時間が少ない

完全予約制、アポなし患者は受診不可、となっているからでしょうか。アメリカの歯科クリニックは、基本的に待ち時間はかなり少なめです。受付に座っている人も1人とか2人ぐらいですね。