私がアメリカで暮らしてきた中で、ずっと不思議だったことがあります。それは、
アメリカ人って元気すぎる!
ということです。月曜日から金曜日まで皆さんフルタイムで働きますし、ママさんなら育児にてんてこまいです。これは私も同じだったわけですが、平日クタクタになるので、私はいつも週末が待ち遠しかったものです。週末は目覚ましをかけずに寝ていられるし、家の中でのんびりできる!といつも週末を指折り数えていました。
もともと私は子供のころからテンションは決して高い方ではなく、学生のころも女子たちのキャピキャピはそれほど得意ではありませんでした。そんな私が、テンション高めのアメリカ人達と比較すると、いかに自身のテンションの低さを実感したか、簡単に想像できると思います。
そんな私でも20代や30代のころには、平日は仕事の日、週末はプライベートな日として、週末には楽しい予定をたくさん詰めていたものです。子供ができてからも、30代まではなんとか頑張れました。でも40代になると、もう自分の体力が追い付かず、週末はできる事ならどこにも行きたくないし、何もしたくないという気持ちでいっぱいでしたね。はい、息子様、こんな母で申し訳ございません。
目次
1.週末が平日以上に忙しいアメリカ人

私がアメリカで子育てをしてきた中で、周りの家庭を見てずっと不思議だったことは、
「そんなエネルギー、どこから出てくるんだろう?」
ということです。私は29歳の時に出産したので、周りのママ友と比較すると、平均よりは年齢は高かったと思います。しかし、仲良しのママ友の中には、子供が3人とか4人いる人もいて、彼女たちも平日はてんてこ舞いで疲労困憊なのです。
それなのに、土曜日は平日よりも早起きして、子供たちを連れてビーチに行くとか、公園でピクニックとか、アクティビティが詰まっている人が多いこと!私も、子供が小学生だったことには、週末ずっと家にいるのも可哀そうだという罪悪感から、色々な所へ連れて行きました。しかし、土曜日にハッスルしすぎると日曜日にはバタンキューとなってしまうのが常でした。週に最低1日は、何もしない日が欲しかったですね。
アメリカ人でも、日曜日にゆっくりしているのでは?と考える人は多いでしょう。しかし!アメリカ人の多くは、日曜日は朝早くに教会へ行くというイベントが待っています。毎週です!
しかも、教会へ行くときには、平日はすっぴんで髪がぼさぼさな人でも、しっかりおめかしをして、朝早くに家族そろって出かけていくのです。
2.もしかしてADHDなのでは?
ある時、日本人のママ友とそういう会話になり、彼女が「アメリカ人ってADHDが多いよね」と言っていました。その時は「そうかもな~」ぐらいに聞き流していたのですが、気になったので調べてみました。
ちなみに、ADDとADHDとは、とてもよく似ていますが、症状は若干異なります。どちらも、集中力が続かないという注意欠如という症状があります。中には、一つの場所にじっとしていられない人もいます。集中し続けることが難しいので、ミスが多くなってしまうこともあるようですね。
ただし、人によって症状の度合いは違います。明らかにADDやADHDだろうと他人が見てわかるケースもあれば、本人も他人も気づかず、大人になってからなんとなく調べてみたらそうだった、なんていうケースもあります。
ADDとADHDの大きな違いは、Hの要素、つまりハイパー(多動性)が入っているかという点です。ハイパーというのは、一言でいえば「元気」ということで、落ち着きがないという症状から、じっとしていられずにその場を歩き回ったり動き回ってしまうという度合いまで、さまざまです。
3.アメリカでは欧米の中でもADHD率が高い
ADDもADHDも、近年ではよく耳にする言葉ですし、注目されています。しかし、必ずしも昔はなかった現代病というわけではありません。昭和の時代にもADDやADHDは存在していましたが、「落ち着きのない子」「じっとしていられない子」「注意散漫」などで表現されていて、疾患だという認識はなかったケースが多いのかなと思います。
国別にADHD率をみると、国によって大きな差があることが分かりました。
国 | ADHDの割合 |
イギリス | 17% |
アメリカ | 14% |
プエルトリコ | 7% |
ニュージーランド | 6.5% |
カナダ | 6.3% |
中国 | 5.8% |
スウェーデン | 2% |
こう見ると、私たちから見て「アクティブだな」と感じる国は、ADHD率が高いような気がします。無自覚なADHDが多いのかもしれません。
4.近年増えている「積極的なADHD]

ADDもADHDも、脳にトラブルのある疾患です。つまり、病気です。そのため、アメリカのハイスクールや大学では、ADDやADHDだと診断されている子に対しては、試験の時間を延長してくれるという措置をとっている所が多いです。
息子が通う大学でも、ADDやADHDだと診断されている人は、2時間の試験時間が4時間になったりして、時間面での高待遇を受けることができます。
ADDやADHDは、血液検査などで分かる疾患ではありません。問診やカウンセリングなどで医師がそうかもしれないと診断する疾患です。
近年では、そうした学校からの試験時間延長してもらおうと、積極的にADDとかADHDだと診断を受ける子供が増えているのだそうです。ある学校では、クラスの半数がADHD診断を受けているほどなのだとか。50%の割合です。
冷静に考えれば、いくら何でも変だろうと思うところですが、基本的に医師の問診で診断される疾患なので、そうしたことも起こりうるのかもしれません。とてもアメリカらしいという気がしてしまいますが。
また、ADDやADHDだと診断されると、集中力をアップできるお薬を出してもらうこともできます。おそらく、スマートドラッグと呼ばれる類のものではないかと思います。集中力や記憶力がアップするという点で、息子も欲しがっていました。
ADDやADHD自体は、治療が必要な疾患です。しかし、その治療や学校の対策を逆手にとって、ズルをする子が増えていることは、何とも言えない複雑な気持ちになりますね。