アメリカの学校は、日本よりも親が関わる比率は多いような気がします。子供が一人で屋外を歩けないというルールがあるので、どこに行く時でも親がついていきます。そんな中で感じた「親同士のマウント」。アメリカに限ったことではないのでしょう。しかし、アメリカならではのマウント合戦もあります!ここでは、私が経験した親のマウント合戦について、ご紹介します。
大人同士のマウントが多く登場します。気分を害したくない方は、ここで退出されることをおすすめします!
目次
- マウントは赤ちゃんの頃からすでに始まっている!
- キンダー前後のマウンティングは「頭がいい」
- 小学校中高学年は「アスリートが偉い」
- 彼氏・彼女がもうできたマウンティングも
- ミドルスクールでは履修レベルPre-APやAPでマウンティング
- ハイスクールで始まるGPAマウンティング
- ハイスクール中盤からは「スカラシップ」
- この先にはどんなマウントがあるのだろう?
1.マウントは赤ちゃんの頃からすでに始まっている!
赤ちゃんの頃から、マウント合戦はすでに始まっています。生後間もない赤ちゃんでも、
- うちの子は、もう夜泣きをしない
- もう首が座った!
- こんなに早く歩けるようになった!
- 他の子よりオムツが早く取れた!
など、マウントの内容は満載です。赤ちゃんの頃って、親としては子供の成長が心配ですし、同じぐらいの月齢の子と成長スピードを比べながら、一喜一憂することはあると思います。
ちなみに、この年齢のマウントは、マウントしている本人は自覚していないことがほとんどです。本人は純粋に、子供の成長を喜んでいるだけなので、悪気はありません。
対策方法
言いたい奴には言わせておく。長い人生の中で赤ちゃんのそうした成長の時期は、後から振り返ると誤差でしかありません。オムツが1歳半で取れたからと言って天才というわけではありませんし、3歳を過ぎてもオムツしているからと言って、脳に異常があるわけでもありません。
一生ハイハイのままじゃありませんし、大きくなってもオムツが外れないなんてことはありません。その子にとってベストなタイミングには個人差があるのです。焦らない、焦らない。
2.キンダー前後のマウンティングは「頭がいい」

プリスクールやキンダーぐらいの年齢になると、今度は「うちの子は頭がいい」マウントがスタートします。
- うちの子は、もうアルファベットを読める
- 教えてないのに勝手に本を読めるの!(←そんなわけあるはずない)
- もう数を数えられる
- うちの子はGiftedなの!
など、いろいろです。これは、子供の興味と親の教え方によるものだと思うのですが、周囲を見ると、キンダー前後で読み書きができたとしても、それがイコール天才というわけではありません。あくまでも、スタートラインでつま先分だけ先にスタートできた、というレベルです。
対策方法
心配ご無用です。アルファベットの読み方や数の数え方は、すべてキンダーで教えてくれます。もちろん、親がキンダー前に教えられれば良いですが、私たちにとってアルファベットを教える事って至難の業だったりしますよね。キンダーではPhonenixというカリキュラムがあり、発音と読み方を集中的に教えてくれます。親が教えられなくても、子供は学校できちんと学んでくれます。
もしも何かできることをするなら、一緒にテレビでセサミストリートでも見ましょう。専門家が分かりやすく教えていますよ!
3.小学校中高学年は「アスリートが偉い」



頭がいいマウンティングは、小学校の低学年ぐらいまで続きます。しかし、2年生ぐらいになると、子供自身の学力が視覚化および数値化されるので、親が必死にマウンティングしなくても、頭が良い子はすぐに分かるようになります。
そのため、頭が良いとかIQが高いという学力マウンティングは、自然と消滅します。
そこに台頭するのが、アスリートはすごいというマウンティングです(笑)
小学校でアスリートと言ったって、走るのが速いとか、スポーツが上手とか、そのレベルなのですが、
- 運動神経がどういうわけか抜群に素晴らしい
- 年齢別に区切られているスポーツは、年上の子に混ざってPlay Upを望む
- 将来はプロを目指してると豪語
- 運動神経が良いから、もっと本格的に教えてくれるコーチを探している
など、色々出てきます。
対策方法
これも放置です。スポーツが得意なことは悪いことではありませんけれど、そんな小さな年齢で子供が将来プロになれると期待して、「勉強なんてしなくていい」という態度をする親は、お先真っ暗以外の何物でもありません。
4.彼氏・彼女がもうできたマウンティングも
小学校の中高学年になると、早い子だと彼氏とか彼女ができたりします。親に早々と紹介してくれる子もいれば、親は全く知らないというケースも普通にあります。
- うちの子がXXちゃんと校庭でキスしてたって聞いたの
- 彼女ができたらしくて~
- お宅も早くできるといいわね~
など、色々あります。
対策方法
はい、右から左でオッケーです。そんな早くから性に目覚めてしまうと、ミドルスクール以降の問題の方が心配です。
5.ミドルスクールでは履修レベルPre-APやAPでマウンティング



アメリカでは、ミドルスクールあたりからレベル別にクラスが分かれるところが多いです。例えば数学なら、基本的な部分を習うベーシックなクラスと、少し難易度が高い所もカバーするPre-APと呼ばれるクラスが登場します。
学校では、大学への進学を考えているなら難しいクラスをとってくださいとアドバイスします。はい分かりました、で済むところを、親によっては
- うちは全部のクラスでPre-APを取ってる
- 勉強が簡単すぎてつまらないと言っている
など、マウンティングの材料にすることもあります。
対策方法
もう、無視しかありません。そんなことに神経をすり減らすなら、子供の勉強をチェックしたほうが、よほど有効な時間の使い方ができると思います。
6.ハイスクールで始まるGPAマウンティング
ハイスクールに入ると、今度はGPAマウンティングが始まります。学校ごとにGPAの計算方法は異なりますが、そんなことは関係なし。その学校で取得できる最高GPAが4.5の親に対して、最高GPAが6.0の学校で5.0のGPAをとっている子の親が、「うちの方がGPAが高いじゃない!」とマウントをとったりします。
対策方法
GPAを単純に数値比較することは、正直なんの役にも立ちません。GPAマウンティングをする親の多くは、GPAが高ければレベルの高い大学へ行けると考えているわけで、大学側が地域的な要素や学校のレベル、ほかにもACTやSATの試験結果、そのほかの活動など幅広く考慮したうえで合否を決めることは、まったく考えていません。
大学への進学で有利になることは、難しいクラスを履修して、そこで良い成績をとることです。簡単なクラスばかりをとってオールAでも、残念ながら大学からは評価されません。それを知っている親は、GPAマウントは取りません。
7.ハイスクール中盤からは「スカラシップ」



スポーツや音楽をしている子の親なら、経験あると思います。アメリカの大学は、スポーツや音楽などで奨学金を出すシステムがあり、スカラシップを獲得することが子供たちにとっては一種のステータスだと感じる部分があるようです。
アメリカのスカラシップ事情についてはこちらから
- うちは、XX大学とXX大学のコーチが興味を持ってくれてるの!(真偽は不明)
- D1からオファーをもらった!お宅は?(と聞いてくる)
- お宅のオファーってD1?あら、D3なの?ふーん(と見下す)
- キャンプの時に、XX大学のコーチがうちの子を見てたから、きっとオファーをくれるに違いないわ!
など、色々あります。
息子はフットボールをしており、例外にもれず「大学でもフットボールを続けたい」と言っていました。大学でスポーツを続けるためには、金銭的なスカラシップの有無にかかわらず、コーチからスカウトを受けなければいけません。
そのため、露出を増やすために複数の大学が集うフットボールキャンプなるものに何度も、そして毎年参加しました。フィールドでプレーするのは子供で、親はスタンドに座って待っているのですが、マウントは主に、このスタンドで行われます。
親が他の親をマウントしたところで、子供のスカラシップには全く関係がないのですけれど、アウトマウントすればスカラシップが転がり込むと考える人は、残念ながら少なくありません。
対策方法
小さなころからずっと親同士のマウントに浸ると、いい加減疲れます。もしもマウント野郎と関わらずに済むなら、そうすることをおすすめします。
8.この先にはどんなマウントがあるのだろう?
子供の生活に親が関わっている限り、マウント合戦はいろいろな形であると思います。アメリカの場合、大学に入ると子供は親元を離れて寮に入るので、親同士のかかわりは一切なくなります。
私自身も、息子が大学生になってからは親同士の関わりがなくなり、マウント合戦からは解放されました。
しかし日本だと、就職マウントがあったり、結婚マウント、そして孫が生まれたマウントなどがありますよね。アメリカではこの先、どんなマウントがあるのか、興味半分、うんざり半分で見ていくことにします。