息子様は大学を卒業したら、就職のためにサンフランシスコへ引っ越すスケジュールとなっていました。去年からすでに分かっていたことなので、春から少しずつ準備をはじめ、卒業直前には残るはアパートだけという状態まで準備が進みました。
しかし、簡単に行くとタカをくくっていたアパート探しで、予想外に難航してしまいました。今回は、そのアパート探しについてのエピソードをご紹介しますね。
目次
1.学生あがりの新入社員はアパートを借りづらい!
4月の終わりごろに、少し早いけれどアパートを決めようかという話になり、内見をして気に入ったアパートへ申し込みました。
すると、手続きがあまりにも面倒で、驚きました。うんざりを通り越して、嫌になったほどです。それもそのはず。息子様は
- 学生だから職歴がない
- 働いてないので安定した収入もない(バイトはカウントしません)
- 学生だから資産と呼べるような満足な貯金もない
- クレジットスコアもデータが少なすぎてそれほど高くない
のです。正直、アパートを貸す側にとっては、本当にこいつ家賃を毎月払えるのか?と思ってしまうプロファイルなのでしょう。
ちなみに、大昔に私と夫がアパートの契約をしたことがありますが、その時は、その場で書いた申請書がその場で通り、数秒で審査が通りました。その理由は、
- 勤続年数が長い
- 正社員で収入が安定している
- 家賃と収入のバランスが取れている
- クレジットスコアも悪くない
だったからです。
アメリカでは、学校を卒業して初めてアパートを契約する際には、誰もが審査に通りづらいというイライラ経験をします。その理由は、大家にとってはできれば学生上りの若造には貸したくないからです。
ちなみに息子様の場合にも、内見の時に必要だと言われた書類は、
- 就職する会社からの内定通知書(Offer Letter)
だけでした。しかし実際に申し込むと、それだけでは全く十分ではなく、
- 人事部から発行された雇用契約書(Verification of Employment)
- 預貯金の残高明細
も必要だと言われました。出せと言われたので出しましたが、息子様は何度も伝えている通り、学生なのですから、預貯金に数万ドルなんて持ってるはずがありません。それでも出せというわけですね。
しかも、出せと言われた書類をすべて提出しても、審査落ちするケースは多いのだそうです。特に、賃貸アパートに住む借主を追い出しづらい法律が存在するカリフォルニアでは、一度入居させてしまうとなかなか追い出せないので、入居させる前の段階でしっかり厳しく審査しようという流れとなっているようです。
ちなみに息子様の場合にも、保証人を付けないと審査に通らないと言われました。さんざん振り回された挙句に、です。最初に言えよ、と思いましたね。
2.それでもアパートは必要。どうすればよい?
息子様のように、自宅から遠く離れた土地へ就職し、働き始める前にアパートが必要となるケースは、決して珍しくありません。その場合、アメリカの学生たちはどうしているのでしょうか?
保証人をつける(Co-signer)
多くの場合、若造は信用ならねぇから親に保証人になってもらえ、となることが多いようです。保証人は一般的に親がなりますが、親なら誰でも良いというわけではないので注意が必要です。保証人になれる人には、
- 勤続年数がある程度ある人
- 安定した収入がある人(申し込むアパート家賃の2.5倍以上が目安)
- クレジットスコアが最低でも700台以上の人
などの条件があります。
保証人を見つけられない!どうする?
多くの親は、子供が自力ではアパートを契約できないと知れば、保証人になると思います。しかしアメリカには、子供の保証人になりたくないという親、条件を満たさないので無理という親も、少なからずいます。
その場合、どうすればよいのでしょう?
いくつか方法はありますが、
- 現在の条件で貸しても良いという貸主を探す
- 頑張って貯金をして、家賃をある程度カバーできる金額になるまで待つ
- 遠方での就職はあきらめて、まずは実家から通勤できる場所に就職する
などの選択肢があります。
3.大変なのは最初だけ。2回目からは楽になるはず
学校を卒業したばかりの人が賃貸アパートの審査に通りづらいのは、職歴がない初回だけです。次に引っ越すときには、すでに職歴がありますし、収入も安定していることでしょう。そうすれば、より自分が気に入った物件へ、自分のタイミングで引っ越せる日が来るはずです。