私が経験した悪徳デンタルクリニック

すでに20年ぐらい昔の話ですが、私がアメリカで最初に足を運んだ歯科クリニックで、とんでもないトラブルになったエピソードをご紹介します。

  1. アメリカ人は歯が大切
  2. 教訓1:料金に納得するまでは口は開くべからず
  3. 歯医者のアドミンが健康保険適用を拒否
  4. 教訓2:困ったら健康保険に泣きつけ
  5. トラブルはそこで終わらなかった
  6. その後どうなったのか?

1.アメリカ人は歯が大切

私がカリフォルニアに住んでいた時、アメリカではじめてデンタルクリニックへ行きました。それまで日本で生まれ育った私には、クリーニングのために歯科に行くとか、虫歯がないかをチェックしてもらいに行くという感覚は、残念ながらありませんでした。親知らずが生えてきたときにも、当時はネットで情報収集などできませんから、あれよあれよという間に生え方の悪かった親知らずが私の歯並びを崩壊させてしまっても、何が原因か分からなかったほど、情弱でした。

woman with red lipstick smiling

アメリカに来てから感じたことは、アメリカ人はほぼ例外なく、歯並びが良いということです。これは、日本人と欧米人のあごの幅が若干違うことにも由来しているのでしょうけれど、当時の私は、歯並びが悪いことがコンプレックスになってしまいました。

そこで一大決心して、歯医者に行くことに決めました。

2.料金に納得するまでは口は開くべからず

歯医者に行くと、まあ想定内でしたが、日本では虫歯と言われなかったところも「虫歯になりかけているので治療したほうが良い」とアドバイスを受けました。

その他、歯並びをどうにかしたいと相談したところ、入れ歯、ブリッジ、歯列矯正、インプラントの選択肢があると言われました。

当時、インプラントはまだ登場したばかりで、金額的に雲の上の存在でした。歯列矯正は期間が長くかかるし30歳以上だと戻る可能性が高いといわれ、あまりお勧めされませんでした。

私に残された選択肢は、入れ歯かブリッジです。30歳で入れ歯なんて、絶対に嫌です。でもブリッジって何?と全く知らなかったので、その場で医師に質問したところ、説明を受けました。

私はここで、大きな過ちを犯しました。いくらかかるかを聞かずに、治療が始まってしまったのです。医師は、「保険会社に問い合わせてるから、見積もりできたら持ってくるし」と言い、さっさとブリッジの治療を始めました。

ブリッジの治療ってご存じですか?私は後にも先にもあの時1度きりなのですが、問題のある歯(私の場合、歯並びが悪い健康な歯)を1本抜いて、両側の歯を三角形に削り、そこに3本続きの義歯をスッポリとパズルのように入れて見た目をよくするという治療法です。

数十分後に見積もりをいただいた時には、すでに私の歯は半分以上削られており、後戻りできない状態でした。

そこで見せられた金額は、なんと3000ドル。当時はお金もありませんでしたので、目の前が真っ白になりましたね。

その先の治療は、もう支払いをどうしようと、そればかりを考えていたのを、今でも覚えています。

今から考えると、私が足を踏み入れた歯科は、歯科医のテクニックという点では問題はありませんでしたが、アドミン側が問題ありきだったのだと思います。

アメリカでは、同じ治療をしても、かかる費用は健康保険によって大きく異なります。だからこそ、クリニック側は最初に料金を提示してくれますし、納得してから治療を始めるのです。

いくらかかるか分からないまま口を開けた私は、本当に大バカ者でした。

3.歯医者のアドミンが健康保険適用を拒否

見積もりを見ても、正直、何がどうなっているのかわかりませんでした。アメリカで初めての歯科で、日本とはずいぶん勝手が違います。それに、なにやら記載されているコードもよくわかりませんでした。

試行錯誤しているうちに、ようやく気づきました。ブリッジの治療が、健康保険適用となっていませんでした。

当時の私は、かなりつたない英語でした。しかしそれでも、分からないことを放置するのは性分に合わなかったので、健康保険会社へ問い合わせたのです。そしたら、「ブリッジには適用されるので、クリニックで訂正してもらいなさい。」と言われました。

しかし何と、クリニックはまさかの健康保険適用拒否!あちらの言い分は、「審美目的だから、健康保険は適用しない」というのです。

いや、ちょっと待って。健康保険会社は適用と言ってるし、と押し問答しましたが、あちらにとっては私は「英語をまともに話せない移民女」なわけです。どれだけ粘っても、相手にしてもらえませんでした。

4.教訓2:困ったら健康保険に泣きつけ

私は再び、当時加入していた健康保険会社Aetna(エトナ)に電話をしました。あの一件では電話をした回数が尋常ではなく、カスタマーサービスにつながるたびに、あちらは過去の履歴に目を通さなければいけなかったので、「ちょっと待ってね、今これまでのいきさつに目を通すから」と言われて2,3分待たされました。

事情を話すと、「一体全体どこでそんなイカサマクリニックを見つけたのですか?」と聞かれました。もちろん、見つけたのはAetnaのネットワークリストです。

その後、Aetna様がそのデンタルクリニックの本社へその場で連絡を入れて、治療料金の修正をしてくれました。

もう治療は終了しているので、私はそのクリニックへ足を運ぶ必要はありませんでした。

トラブルはそこで終わった、はずでした。

5.トラブルはそこで終わらなかった

アメリカのクリニックでは、治療後に請求書が自宅に届く仕組みとなっています。私も例にもれず、請求書を受け取りました。しかしその金額、金額の修正が反映されていませんでした。

クリニックの本社に電話を入れると、「そんなの知らない。データがないから分からない」とけんもほろろ。

仕方ない。またAetnaへ電話をして、事情を説明しました。

すでに何回も連絡をしていたため、事情を話すと私の電話を保留にしてクリニックの本社へ連絡してくれました。そこの責任者が直接対応してくれたらしく、私はAetnaに「今度は大丈夫だと思います。」と言われました。

その直後に、クリニック本社のBilling Departmentの責任者という女性から、電話をいただきました。どうやら、金額を修正した際に歯科クリニックのアドミンが腹を立て、私の治療データをすべて削除したらしいのです。そのせいで、本社側は「金額を修正しろ」と言われても治療コードと照らし合わせる作業ができず、そのまま請求書を未修正で発送したとのことでした。

責任者の女性は、「クリニックのアドミンに、なぜ削除したのか問いただしたけれど、答えることはできませんでした。でも私が責任をもって叱っておいたので、安心してください。」とおっしゃってました。

6.その後どうなったのか?

その後、Aetnaの中で協議が行われたらしく、そのイカサマ歯科クリニックは、Aetnaネットワークから外されるという処分を受けたようです。ネットワークから外されるということは、Aetnaに加入している患者は、そこには行かないことになります。クリニックにとっては、大きな代償だったのでしょう。

その数年後、その歯科医は廃業となっていました。

骨折したら手術は日帰り!本当に大丈夫?

アメリカの医療が驚くほど高いことは、皆さんもご存じですよね。健康保険によってどこまでカバーされるかは千差万別なので、同じ病院で同じ医師から同じ治療を受けても、40ドル程度(5,000円ぐらい)しか払わない人もいれば、400ドル(約5万円)も払わなければいけない人もいます。無保険だとクリニックに行っただけで1,000ドル(12万円程度)と言われても、アメリカでは誰も驚きません。

そんなアメリカでは、高い医療費をできるだけ安くするために、日帰り手術がとても多いです。今回は、私の息子が足首を骨折したときに受けた日帰り手術について、エピソードをご紹介します。

目次

  1. 1度目は手の甲を骨折
  2. 2度目は足首をやりました
  3. 手術は当然の日帰り
  4. 大変なのは術後だった

1.骨折に対してのんびりな医者

息子は過去に2回骨折しています。どちらもハイスクールのフットボールが原因です。1度目は右手の甲(Metacarpal)の骨でした。学校には資格を持つトレーナーがいるのですが、このトレーナーは「重度の打撲」という診断を下してくれました。そして、ご丁寧に、マッサージも施してくれました。

念のために、とアポが不要のUrgent Careへ行ってレントゲンを撮ったところ、骨折と分かったのです。Urgent Careの医師は、整形外科にレントゲン写真を送るので、そこから電話があるはずです、とおっしゃってました。

しかし、当日に電話がないどころか翌日になっても電話はありませんでした。医療に関しての、まぁアメリカあるあるなのかもしれません。

待たない主義の私は、さっさと自分で整形外科へ電話してアポを取りました。しかしそのアポは、3日後。もっと早く診てほしかったので、一か八かクリニックまで乗り込んで、泣き落とし作戦&直談判を決行しました。その甲斐あって、アポは翌日に変更できました。

ちなみに、Urgent Careの医師が送ったレントゲン写真、全然違うクリニックへ送られてたそうです。はい、医師でも役立たずはいらっしゃいます。

しかも、そのレントゲン写真を受け取った別の整形外科からは、なんと2週間後に電話がありました。「もたもたしてると骨が自然にくっついてしまうので、1週間後にアポいれますか?」というものでした。

正直、あきれてしまいました。骨折してから3週間もたてば、思春期の子供の骨は、かなり固まるでしょう。赤ちゃんなら骨折が完治してるレベルです。すでに別の整形外科に行っていたので、丁寧にお断りしましたが。

この時の骨折は、骨折といってもひびが入っているだけなので、ギブスで固定して6週間かけて完治しました。それでも右手を折ってしまい、学校で何も書くことができず、とても不便な思いをしたようでした。

そんな時にたまたまアートの授業で、ペットの絵をエッジングで描くプロジェクトがありました。彼が左手で描いたその作品は、今でもフレームに入れて我が家の家宝となっています。

2.2度目は足首をやりました

2度目の骨折は、足首でした。フットボールの練習中に背後からタックルを受けて転倒。その時にくるぶしが割れました。

この時にも、例のトレーナーは「重度の打撲」と診断。そしてやはり、悲鳴を上げる息子に対してマッサージを施しました。

私は前回の骨折からの経験を踏まえ、もうUrgent Careもすっ飛ばして、すぐに整形外科へアポを入れました。

レントゲンを撮ると、やはり割れてました。複雑骨折とか、骨折して足が変形しているというわけではなかったため、医師は息子に2つの選択肢をくれました。

  • ギブスで固めて放置して治す
  • 手術して治す

この時彼は、ちょうどハイスクールのJuniorを迎える直前の夏でした。Juniorのシーズンはハイスクールのアスリートにとっては、下手したらSeniorよりも大切といっても過言ではないほど重要です。大学からのスカウトを考えると、どうしてもシーズン中ずっとベンチというわけにはいかない時期でした。そのため彼は、手術をしてしっかり治すという選択をしました。

3.手術は当然の日帰り

アメリカでは、手術は医師のクリニックでは行いません。日本だと、クリニックの中の1部屋をオペ室にして、そこで手術してくれることが多いのですが、アメリカでは手術のみに対応するHospitalがあり、患者と医師はそこに足を運びます。

息子が指定されたHospitalは、外来手術オンリーの病院で、病床は一つもありませんでした。

手術の日、指定された病院に行くと、整形外科の手術待ち患者様たちが、おそらく30人以上はいました。それぞれがオペ準備室に通され、スタンバイします。そして医師は、まるで流れ作業のように、オペ→家族へ説明→次のオペ、という作業をきっと丸一日続けるのだと思います。

手術当日、朝8時にチェックインするようにと言われ、その通りに病院へ行きました。そこから待つこと4時間、ようやく息子の順番が回ってきたときには、正直すでに息子も私も疲労困憊でした。

手術の時間は1時間程度だったと思います。手術は、割れたくるぶしにネジを2本埋め込む手術で、難易度はそれほど高くないと医師がおっしゃっていました。なので、私も心配せず、待合室でスマホで日本のバラエティを見てゲラゲラ笑いながら待ってました。

手術を終えた息子とは、リカバリールームと呼ばれるドアなしの個室みたいなところで再会しました。

かかったお値段は?

日帰りの手術で支払ったお値段は、我が家の健康保険では500ドルぐらいでした。

外来手術をする病院からの請求$200
執刀医からの請求$200
麻酔医からの請求$100
そのほか、松葉づえや処方箋数十ドル

この金額は、あくまでも我が家の健康保険を適用した場合です。うちでは自己負担額が少ないHMOプランに夫の職場経由で加入しています。その代わり毎月の掛け金はやたら高額ですが、いざというときには自己負担は少なくなるという仕組みです。

アメリカの健康保険についてはこちらから

4.大変なのは術後だった

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息子が受けた手術を日本の病院で受けると、入院期間は2週間ほどだそうです。しかしここはアメリカ、リカバリールームに運ばれた後は、目が覚め次第ご自由におかえりくださいという感じです。

松葉づえをいただいて、病院の入り口まで息子を車いすに乗せて搬出しましたが、可哀そうな息子は、まだ意識が朦朧としていますし、激痛で歩ける状態ではありません。しかし体は私よりも大きく、抱っこできるサイズではなかったので、なんとか自分で車いすから車に乗り込んでもらいました。

場所がどこであろうと、術後は安静にしていなければいけません。それなら病院よりも自宅のほうが良いでしょう、というのがアメリカ流の考え方なのでしょう。確かに、精神的には自宅のほうが安心ですし、リラックスもできると思います。それに、安静にしろと言われなくても、術後は痛いので、安静にすること以外には何もできません。合理的という点では、自宅で治癒するのもアリだと思います。

ちなみに手術後1週間目には、術後の経過をチェックするために受診しました。その時は、さすがに痛みは落ち着いていましたし、本人は足を引きずりながらでも歩けていました。

医師の話によると、スクリューを外す手術は不要とのこと。ちなみに、日本でもそういう手術をしてくれる病院はあるようですが、数か月後にネジを除去する再手術をする病院が多いようです。アメリカでは再手術の話を聞いたことがないので、おそらく手術の回数はできるだけ少ない方向で調整するのがデフォルトなのでしょう。

その日の受診では、足を固定させるためのブーツをいただき、歩き回る時に履いてくださいと言われました。着脱できるブーツなら、お風呂の時には脱げばよいので、固定ギブスよりは使い勝手は良かったですね。

アメリカで骨折すると、ケースバイケースですがリハビリを受けることができます。受けることができるといってももちろん健康保険が適用される有料の医療サービスなのですが、高齢の人かハイスクールのアスリートたちは、このリハビリを受ける人が多いようです。

息子も受けました。週5回のリハビリを4週間、トータル20回でお値段800ドル(10万円程度)。やはりアメリカの医療は高いと思いました。

1週間の入院で$140K(1,800万円)超!アメリカの病院について知っておくべきこと

アメリカは医療費がとても高いので、日本と比べると入院はできるだけしない方向、しても短期間の傾向があります。私はこれまで何度か自分自身や家族の病気やケガを経験しましたが、骨折ぐらいなら日帰り手術です。日本だと最低2週間の入院期間と言われている内臓系の開腹術でも、アメリカでは入院期間は3日程度。

つい先日、夫が入院を経験したので、その時のエピソードも含め、アメリカの入院事情を分かりやすくまとめてみました。

目次

  1. 入院に至るまでのプロセスは本当に長い
  2. チェックインは手術の直前
  3. 入院期間は短い!
  4. 病院食はどう?
  5. 退院はある日突然訪れる
  6. 支払は基本的に後払い

1.入院に至るまでのプロセスは本当に長い

何度か経験している入院までのプロセスの中で、何度経験してもややこしいのが、入院までに至るプロセスです。

かかりつけ医からスタート

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緊急事態で救急車で運ばれたという場合を除いて、多くの場合には体調が悪くなると最初に足を運ぶのは、Primary Doctorと呼ばれているかかりつけ医です。医師のオフィスは病院以外のロケーションにあり、イメージとしては「街にあるクリニック」です。

そこでアポを取って相談すると、「じゃあ血液検査しましょう」「CTも取りましょう」「専門医を紹介しましょう」など、いろいろなWork Orderと呼ばれる紙をもらうことができます。

例えば、足を骨折した場合には、日本なら内科に行かずに、そのままイエローページなどで調べて整形外科へ直行しますよね?もしくは、大きな病院に行く人が大半だと思います。

しかしアメリカの場合、加入している健康保険によっては、最初のかかりつけ医からの紹介でなければ「健康保険を適用しません」という判断をすることもあるのだとか。そのため、明らかに「内科に行っても意味がない」と感じながらも、健康保険を使うためにまずはかかりつけ医を受診して、そこから整形外科を紹介してもらうというプロセスになる人もいます。

先日夫が入院した時には、かかりつけの医師に相談し、専門医へアポを入れてくれました。しかしそのアポ、なんと半年も先。6か月です。ドクターが忙しいから、という理由でしたが、緊急性のある病気だったら、たぶん、死んでますね。

検査はそれぞれ別の施設へ

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かかりつけ医から紹介された専門医の元へ行くと、こちらも街のクリニック風のオフィスです。検査機器がほぼゼロ、が多いです。問診を受けてから、「この検査をしましょう」というさらなるWork Orderを受け取ります。

あれ?かかりつけ医からもWork Orderもらいましたが?と思いませんか?かかりつけ医から受け取るWork Orderは、大抵は専門医を受診する前に済ませておきましょうというWork Orderです。血液検査が多いですが、場合によってはMRI、CTスキャン、超音波検査などもあります。

つまり、かかりつけ医→検査をする→結果を持って専門医、という順番です。

最初から専門医を受診すると、専門医→検査をする→もう一度専門医、となります。ただし整形外科などは、オフィス内にレントゲンを導入している所が多いので、初診で診断してもらえますし、治療もスタートできます。

専門医が出してくれるWork Orderは、「抗生物質を1週間飲んでみて、炎症が引いたかどうかを確認するために、もう一回CTを取りましょう」的なものです。

一つの施設でこれらの検査がすべてワンストップでできるなら楽ですし、医療費が安ければ、さらに良いと思います。しかしアメリカでは多くの場合、血液検査は専門施設へ、CTは別の施設へ、と異なるアポを複数取らなければいけません。正直、とっても面倒です。医療費も、その度にかかります。

我が家の場合、医者に行くたびに発生するCo-Payと呼ばれる自己負担は、30ドルから40ドル程度(3,000円~4,000円)です。医者の顔を見れば、話をするだけでもこの料金が自動的にかかります。検査については、健康保険がほぼ全額をカバーしてくれるので自己負担はありませんでしたが、保険によっては検査のたびに費用は発生するでしょう。

アメリカの高額医療費についてはこちらから

入院が決定、そこからは超多忙

アメリカの病院では、「とりあえず入院して様子観察しましょう」ということは、あまりありません。だって、医療費が信じられないぐらい高額なので、病院で寝ているだけなら自宅ででもできますよね、というスタンスなのです。

入院患者の多くは、手術を受けて、術後の様態がとりあえず落ち着くまで入院している患者さんばかりです。

医師が入院しましょうと決めると、その場で手術日が決定されます。ただしこの時、日程は決定されますが、手術の時間や入院するべき日時などは、この時点ではまだ決まりません。それについては、医師のクリニックではなくて、入院する病院のスタッフから、後日連絡が入ることが多いです。

そこから入院までの期間は、2週間~1ヶ月ぐらいが一般的でしょうか、とても忙しくなります。病院側では、手術に備えての血液検査(輸血に備えるなど、準備があるのだそうです)、入院に備えての連絡や持ち物、入院費がいくらになるかと言った見積もりを出してくれます。

同時に、専門医のクリニックからも、どんな手術をするという説明を受けたり、同意書にサインをしたり、何回か足を運んで検査を受けることになります。ワンストップではなく、医師からの連絡、そして入院施設からの連絡は別々です。

2.チェックインは手術の直前

数か月前に夫は大腸系の疾患で、手術を受けました。大腸憩室症という病気で、簡単に説明すると腸壁に複数のポケットができ、そこに食べ物が詰まったりして炎症が起こるという病気ですね。どうやら慢性化していたらしく、開腹して大腸切除術、場合によっては人工肛門の可能性もアリ、と事前に説明を受けました。

大腸の手術では、当然ですが術前には腸をできるだけ空っぽにして綺麗な状態にする必要があります。アメリカでは、浣腸したりバリウムを飲む作業は、全て自宅で前日に行うように指示されます。

大腸検査(Colonoscopy)の際には、処方箋の薬を使って腸を綺麗にしたのですが、手術の時には市販の薬を指定されました。それを、何時にどのぐらい飲むように、という細かい指示を受けました。手術前日には、夫はほぼ1日をトイレで過ごしてました😭

病院へ入院するのは、手術を受ける2時間前です。しかも、術前に病室に行くことはなく、手術の後初めて病室へ案内されるという仕組みとなっています。夫が手術を受けた際にも、手術開始の2時間前にチェックインで、待合室へ直行しました。

待合室のボード。患者ごとに番号があり、待っている家族に手術状況を教えてくれます。

術後、患者の目が覚めたら医師はチェックアウト

基本的に、手術の後、患者の目が覚めた時点で、医師はその病院をチェックアウトします。管理は病院付きの看護師が引き継ぎます。

3.入院期間は短い!

アメリカの入院期間は、上記の通り、日本と比べると驚くほど短期間です。例えば出産の場合、自然分娩なら出産した翌日に退院は珍しくありませんし、帝王切開でも3日程度しか入院しません。

開腹手術を受けた夫も、入院期間は当初3日~4日の予定でした。ただ夫の場合、術後の経過がイマイチで高熱を出したため、入院期間は容赦なく延長、しかしそれでも、術後7日目に退院しました。

入院生活自体は、日本と大きく変わらないと思います。多くの場合、病室は2人部屋となっていて、トイレは各病室についています。夫が入院していた病院では、病床ごとにテレビがあり、ボリューム小さめで皆さん好きなテレビ番組を見ていました。そして、病室にWiFiもあるので、スマホと充電ケーブルがあれば、YouTubeなどを見ることもできましたね。

4.病院食はどう?

私がアメリカの病院で驚いたことの一つに、病院食があります。日本の病院食と比べると、量も質もかなりヘビーです。私が以前、婦人科系の疾患で開腹手術をした時には、麻酔から覚めたばかりで気分がすぐれないのに、巨大なチキンのもも肉骨付き、その上にヘビーなクリームソースがかかっているもの、ドリンクは炭酸のコーラが食事でした。

夫の場合、大腸切除をしたため、最初の2日間は液体でした。これは想定内です。どんな液体かというと、チキンブロスやビーフブロス、要は「だし」ですね。それと、リンゴジュースとかグレープジュースもいただけました。

術後3日目にいきなり登場した普通の朝食
術後3日目のランチ

液体食が最初の2日、その次は柔らかめの流動食が来るだろうと思いますよね?しかし驚いたことに、3日目にはいきなり、普通食が出てきました!本当に食べても良いのか、患者である夫の方が不安になったほどです。ちなみに、その日の夕食メニューは、ローストビーフにクリームソースがかかったもの。ビーフリブなんかも選べたそうです。

術後4日目のディナーはフルーツサラダをチョイス。あっさり美味、しかし血糖値が爆上がりしました。

そうした病院食と合わせて飲むのは、なんと炭酸飲料。コーヒーや牛乳も、問題なくOKと言われました。日本ではNGなのですが。

5.退院はある日突然訪れる

日本の病院では、退院する時には最低でも前日には教えてもらえると思います。入院している患者さんおよび家族が前日に分れば、心の準備もできますし、迎えの手配もできますよね。

しかし夫の場合には、朝9時ごろに夫から私に電話があって、「今から退院するから迎えに来て」というのです。今から、です。もちろん行きましたけれども。

病院から私への連絡は、ありませんでした。もしかしたら、夫が「自分で連絡できます」と言ったからかもしれませんが、今から迎えに来いというので行ったところ、車いすに乗せられた夫が搬出されてきました。

6.支払は基本的に後払い

医療費の支払いは、基本的に帰宅してから自宅へ郵送で請求書が届きます。日本のように、退院前に窓口へ行って支払いを済ませることはありません。

今回の夫の入院では、病院から↓のような請求書を受け取りました。保険がなかった場合のお値段、ざっと$140K (1400万円)也。驚愕な金額です。

我が家に届いた保険会社からのEOB

画像は保険会社から届いたEOBです。退院後、病院が保険会社へ保険の請求をし、保険会社が金額を調整した額を払います。その際に、患者の自己負担額も計算されるので、病院はそこに明記されている患者自己負担額を、私達へ請求するという流れです。

支払いはすべてクレジットカードに対応しているので、チェックを郵送しても良いですけれど、カード払いが便利だと思います。

もし払えない場合には、分割払いなどいくつかの選択肢があります。

今回の入院では、病院の施設利用料だけは後払いではなく前払いで、「手術を受ける前までに払ってください」と言われました。これは、もしかしたら踏み倒しを予防するための病院の対策なのか、それとも夫が入院した病院だけの独自ルールなのでしょうか。金額的には、この自己負担額全額ではなく、病院に1泊した時のCo-Payのみでした。このあたりは、病院ごとに対応は違います。

アメリカの医療保険についてはこちらから

ちなみに自己負担額は、どの健康保険に加入しているかによって、大きく変わります。我が家では、HMOプランという自己負担額が少ないプランに加入しているので、7日間の入院でも合計1,500ドル程度でした。しかし20年ほど前に加入していた健康保険はPPOプランで、当時私が手術+3日間の入院をした時には、請求書は3,000ドルでした。

医者に行って1億円⁉アメリカの医療費と健康保険の仕組み

アメリカにも、健康保険制度はあります。しかし、日本の仕組みとかなり違うので、慣れるまでは戸惑ってしまう人が多いですね。ここでは、アメリカの医療費の仕組み、健康保険の種類などについてご紹介します。

目次

  1. アメリカの健康保険制度は複雑
  2. 保険会社が加入拒否?
  3. 健康保険のプランは大きく分けて3種類
  4. 医療費の自己負担分が計算される仕組み
  5. かかる医療費をできるだけ安く抑えるコツ

1.アメリカの健康保険制度は複雑

日本の健康保険制度といえば、職場の組合を通して加入する社会保険課、市役所を通して加入する国民健康保険、どちらかに加入しなければいけません。税金の一つなので、加入しないという選択肢はありませんよね。これは、日本が、国民皆保険制度を採用しているからです。

しかしアメリカでは、オバマ政権によって大きく変わりましたが、基本的には国民は健康保険に加入する義務はありません。つまり、加入するかどうかを選択できる仕組みとなっているのが特徴です。もちろん、加入しなければ病院に行った時にかかる費用がびっくりするほど高額になりますが、それでも「僕は健康、保険なんて必要

なし」という人がたくさんいます。

アメリカで健康保険に加入するには、

という方法があります。

職場を通して健康保険に加入する

仕事をしている人なら、職場を通して健康保険に加入するのが一般的です。日本の場合だと、健康保険と年金などをあわせて社会保険料として、収入によって決められた金額が源泉されますよね。高収入の人と低収入の人とでは、納める健康保険料は違います。

しかしアメリカの場合には、収入に関わらず、健康保険料はプランによって毎月の価格が決まっています。低収入の人も高収入の人も、同じ金額がかかるわけです。職場を通して健康保険に加入する場合には、保険料は源泉されますが、企業によってはかかる保険料の一部を会社が負担してくれるため、毎月の保険料は個人で加入するよりもリーズナブルになることが多いです。

しかし、ここで大きな問題があります!それは、収入が低い人にとっては、保険料が高すぎて払えない、いや、払いたくないというケースがあることですね。例えば、毎月のお給料が10万円で、健康保険料が8万円かかるとしましょう。ほとんどの人は、払いたくないという判断をするのではないでしょうか。だって、給料10万円から8万円が引かれたら、手元にはたったの2万円しか残りません。そこから家賃や食費を払うなんて、無理ですよね.

そこで、健康保険に加入しない人が生まれるわけです。基本的には加入するかどうかは選択なので、加入したくないという人もいれば、加入したいけれど高額すぎて無理、という人もいます。

保険会社が販売する商品を個人で購入する

健康保険は、職場を通して加入しなくても、保険会社がそれぞれ販売しているプランに加入するという選択肢もあります。よく知られている保険会社と言えば、

  • BlueCross BlueShield
  • Aetna
  • United Heathcare
  • Humana

などがあります。それぞれ複数の健康保険プランをラインナップしており、毎月かかる保険料や、どこまで健康保険がカバーしてくれるのかという点が異なります。個人で購入するタイプの保険はどれも、職場を通して加入する健康保険と比較すると、割高感があるプランが多いです。

しかも、同じ保険会社でも、州によって支社があり、プランが異なります。そのため、まずは住んでいる場所によってどんな健康保険の選択肢があるのかを知ったうえで、比較検討することが大切ですね。

人で購入できる健康保険はこちらから

メディケイドを利用する

オバマ大統領の医療保険制度改革法によって誕生したのが、通称オバマケアと呼ばれているメディケイド(Medicaid)です。これは、低所得者向けのリーズナブルな公的な健康保険プランとして注目されました。

このメディケイドが施行された2018年からは、アメリカも国民皆保険にしようという動きが高まり、健康保険に加入していない人には罰金が科せられました。(大人1人あたり$695,子供1人あたり$347と高額です)

このメディケイドは、その世帯の収入によって保険料が変わるというシステムとなっているため、これまで「加入したいけれど高額すぎて無理」だった人達にとっては、大きな救いの手となったわけです。

2.保険会社が加入拒否?

アメリカの健康保険は、社会福祉という要素よりも、ビジネス的な要素が強いですね。日本の場合だと、基礎疾患を持っているとか、健康上でたくさんのトラブルを抱えている人でも、健康保険に加入することはできますよね。

しかしアメリカでは、職場を通して加入する場合には問題はないものの、保険会社が販売する保険商品に個人が加入する場合には、基礎疾患があったり、健康面でハイリスクと判断されると、加入拒否をされてしまいます。

病気がちな人こそ健康保険に加入するべき、という声が聞こえてきそうですよね。確かに、正義という点ではそうかもしれません。しかし保険ビジネスモデルとしては、健康保険をたくさん使いそうな人を加入させてしまうと、保険会社の損失が大きくなってしまうと考えるようです。そのため、健康保険に加入する際には、健康診断を求められることが多く、その結果次第では、加入したくても加入できない状態となってしまいます。

メディケアでは、基礎疾患がある人でも加入できる制度が確立されました。そのため、それまで健康保険が必要だったけれど加入できなかった人でも、安心して健康保険に加入できるようになったのです。

3.健康保険のプランは大きく分けて3種類

各保険会社が提供している健康保険、および職場を通して加入する健康保険は、大きく分けるとサービス内容によって3つのタイプに分類できます。

HMO保険会社が決めた医療機関を受診するプラン。これはネットワークと呼ばれていて、各保険プランごとに、どの医療機関が該当するか異なります。
HMOプランでは、医療機関を受診した際にかかる自己負担分(Co-Pay)があらかじめ決められていて、その金額のみを支払います。Co-Payはプランによって異なりますが、20ドル~40ドル程度と比較的リーズナブルです。
PPO患者自身が自由に医療機関を選べるプランです。ただし、年間の持ち出し負担分(Deductible)があり、その負担額をクリアするまでは、保険の適用はありません。このDeductible、年間で2000ドル~5000ドルと高めなので、健康な人だと、健康保険が適用されないままほぼ全額が自己負担となってしまうことも珍しくありません。
POSHMOとPPOの中間に位置するプランで、両者の良い所を抽出したハイブリッドタイプの保険商品です。ネットワーク内の医療機関を受診することを前提とするものの、それ以外の医療機関を受診しても、保険が適用されるという魅力があります。

おわかりでしょうか。健康保険のプランが変わると、同じ疾患で同じ医療機関を受診しても、自己負担分が大きく変わります。20ドルの自己負担分だけで済む人もいれば、300ドルを請求される人もいるわけです。

4.医療費の自己負担分はどう計算する?

アメリカの医療費の計算方法は、とても複雑です。日本のように、かかる医療費は病院が変わっても同じ、というわけではなく、医療機関ごとによって治療費の設定額は異なります。

もしも健康保険に加入していなければ、この医療機関が設定する金額を、そのまま請求されることになります。例えば、インフルエンザかなと思って病院に行き、簡単な検査を受けたとしましょう。無保険の場合には、病院が設定した「Office Visit代$300」を全額請求されます。

それでは、健康保険に加入していた場合にはどうでしょうか?どこで加入したかに関わらず、健康保険はプランごとに、提携価格があります。上記のOffice Visit代も、医療機関が設定した価格は$300ですが、プランの提携価格は$100だとします。この場合、医療機関は治療費をプランとの提携価格に修正しなければいけません。その結果、治療費は$100となります。

さぁここで、HMOやPPOによる違いが出ます。

この健康保険で、患者の自己負担額は$40というHMOプランに加入していた場合、患者さんに請求されるのは$40だけです。そして、健康保険会社が医療機関に対して支払うのは、残額の$60となります。

PPOプランはどうでしょうか?年間の自己負担額(Deductible)が$2000と設定されているプランなら、かかる$100は全額が患者さんの負担となります。

ちなみに、このDeductibleは、1月1日~12月31日までの自己負担分が蓄積されていきます。たくさん病院に行ってDeductible額をクリア(自己負担で$2000払ったということ)した後には、プランが定めるカバー率で、医療費の一部が健康保険によって負担されます。

5.かかる医療費を安く抑えるコツとは?

アメリカの医療費は、日本とは比較できないほど高額です。仮に無保険だったとすると、ケガや病気で入院すると、数日間の入院だけでも数万ドルという信じられない医療費を請求されることも珍しくありません。

そういえば、新型コロナウィルスで入院した場合、無保険だと医療費の請求が1億円ぐらいになる、という噂がまことしやかにささやかれました。本当かどうか、信じるのはあなた次第、なのですが。

それでは、医療費を少しでも安く抑えるコツには、どんなものがあるのでしょうか?

  • 健康保険は、家族の健康状態を見て決める。健康ならHMOプラン、基礎疾患がある人はPPOプランがオススメ
  • ER(Emergency Room)ではなくUrgent Careを利用する
  • 気軽に病院には行かず、まずは家庭で様子をみる

などがありますね。

アメリカの医療費の闇は深かった!

アメリカの医療費って、信じられないぐらい高いですよね!アメリカで自己破産する人の60%は、医療費が払えないことが原因と言われているほどですし、新型コロナウィルスで入院すると、1億円の医療費請求を受け取るという噂もまことしやかにささやかれています。

どうしてアメリカの医療費は、こんなに高いのでしょうか?気になりますよね?

目次

  1. アメリカの医療費が高い理由(1) 医療費は自由価格
  2. アメリカの医療費が高い理由(2) 医師が高給すぎる
  3. アメリカの医療費が高い理由(3) 人件費が高い

1.アメリカの医療費が高い理由(1) 医療費は自由価格

※写真はイメージです

アメリカの医療費が高い1つ目の理由は、医療費は医療機関が自由に設定できる仕組みになっていることが考えられます。日本の場合には、同じ治療を受ける場合には、都道府県や病院が変わっても、かかる医療費は同じですよね?これは、厚生労働省が医療費を一元管理しているからです。

しかしアメリカでは、医療はビジネスという考えが根底にあるため、医療費は病院やクリニックがそれぞれ自由に設定できます。同じ治療を受けても、ニューヨーク州のマンハッタンだと治療費が2万ドル、しかしアーカンソー州の田舎町ではたったの500ドル、なんて雲泥の差が出てしまうことも、不思議ではありません。

2.医師が高給すぎる

アメリカの医師が稼ぐ給料は、他の先進国と比較しても驚くほど高額です。

日本を含めた先進国では、医師の平均給料は、870万円~1600万円程度です。もちろん、健康保険が適用されない美容整形の分野に行くと、アメリカのように治療費が医療機関ごとに自由設定となるので、私が大ファンの「イエス!」医師のように高給の医師もいますが、決して一般的ではありませんよね。

しかしアメリカでは、医師の平均給料は、なんと2200万円と超高給です。

医師が高給な背景には、学校のビジネス化がある

医師になるためには、大学や大学院などの教育機関でMedicalを専攻し、州のライセンスを取得しなければいけません。アメリカは医学部だけでなく、大学全体がとても高額で、社会問題にもなっていますが、その中でも医学部は特に高額な学部として知られています。

医師になるためには、この高額な学費を支払わなければいけませんよね。親が超リッチな富裕層なら良いですが、誰もが富裕層出身というわけではありません。庶民だと医師になるために多額の教育ローンを組み、卒業するまでに1000万円~2000万円のローン借り入れとなってしまうことは珍しくありません。

このローン、どうやって返済するのでしょうか?

ローン返済のためには、高給を稼げる仕事につくしかありません。医師の給料が少しずつ上がって現在の状況となっているのは、学費の高騰と連動しているのです。

訴訟対策にもお金がかかる

アメリカは、訴訟大国です。個人レベルでも簡単に訴訟できますし、訴訟とか裁判に対してハードルはとても低いですね。

アメリカの医療機関も、患者が望む結果にならなければ、訴えられるリスクを抱えています。医療ミスのような、明らかに病院側に問題がある場合だと、信じられないぐらいの高額な賠償金を支払うことになりますし、そうでなくても患者さんからの訴訟に対しては、常に不安が付きまといます。

そのため、アメリカの医療費には、この万が一の訴訟に備えた弁護士費用が含まれています。

また、アメリカの医療機関では、訴訟が嫌なので、患者に対して過剰なサービスや治療をする傾向があります。そうした過剰な治療に対して費用を支払うのは患者なので、結果的に医療費が高くなってしまうわけですね。

研究費にも巨額を投資

アメリカの医療機関の多くは、研究のために莫大な金額を投資しています。新薬の開発を始め、アメリカの医療技術が世界のトップレベルに君臨し続けているのは、こうした研究の結果によるものです。

その研究費は、どこから出ているのでしょうか?

そうです、私達、患者です。もちろん、いろいろな所から資金集めはしていますけれど、私達が支払う医療費の一部は、こうした研究費に回っているのでしょう。

3.アメリカの医療が高い理由(3) 人件費が高い

アメリカの医療現場には、医師だけでなく、看護師をはじめとするスタッフなど、たくさんの人が働いています。これらのスタッフには、全て人件費がかかります。アメリカは全般的に人件費が他の先進国と比較しても高額なため、これらの人件費が治療代の中に含まれていると考えると、必然的に医療費が高くなってしまうのも納得できるのではないでしょうか。

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最悪?アメリカで病気になったらどうする?独身は必見!

同居している家族がいても、風邪やインフルエンザになると、とってもつらいものです。そんな状態がもし、アメリカで、頼める友人もいない環境で起こったとしたら?今回は、アメリカで病気になってしまい、布団から出れなくなった時の解決策をご紹介します。

目次

  1. まず最初にする事
  2. 薬はどこでゲットする?
  3. 食事はどうすれば良い?
  4. どのタイミングで医者に行けばよい?
    • アポが不要のUrgent Care
    • 夜間ならERへ行くべし
  5. 利用できる?Tele Visit

1.まず最初にする事

頼れる人がいないアメリカで体調が悪くなってしまったら、まず最初にする事は、安静にすることです。できるだけ悪化するのを防ぐために、シャワーなんて省略して、ベッドへ直行してください

私の個人的なおすすめは、必要な薬最初に飲むことです。熱があるなら解熱剤を飲んでから寝る。それと、水もできるだけたっぷり飲んでおくことをおすすめします。

もしも翌日に、会社や学校へ連絡しなければいけない時には、メールやテキストをしたい時間にアラームを設定して、それまでは爆睡しましょう。時間を気にしながら寝ることは、体調が良くない時には難しいですし、そのせいで悪夢にうなされるのもいやですよね。

すぐれない体調の時に頑張ってくれるのは、私達の体内にある免疫力です。しっかり睡眠をとることによって、免疫機能がウィルスや細菌などの感染症と戦ってくれます。

体調が回復するまで何日かかるのかは、誰にも分かりません。しかし、頼れる人がいなくても、必要なものが無理することなく手に入れば、怖いものナシです。

2.薬はどこでゲットする?

thermometer and pills

私が若い頃に一人暮らしをしていた時には、インターネットなどありませんでした。友人に電話して来てもらうのも悪いと思い、体調が少しだけ良い時に、外出して薬を買いに行ったものです。

しかし、昨今のアメリカでは、そんな事をする必要はありません!なぜなら、薬はオンラインで購入すれば良いのです!

注文してから何日も待ちたくない薬は、Amazonがイチオシです。何回も注文するのは大変なので、

  • 解熱剤
  • 風邪薬(咳などの症状を抑えてくれるのでおすすめです)

は少し多めに購入しておきましょう。アメリカの薬は、種類によっては4時間ごととか6時間ごとの摂取となるものが多く、小さなパッケージではあっという間に使い切ってしまいます。そのため、少し多め、もしくは大きめのパッケージを買うのがおすすめです。

3.食事はどうすれば良い?

体調が悪いと、食欲がゼロとなってしまう人は多いですよね。しかし、体内の免疫力がウィルスや細菌と戦って勝利を収めるためには、体内に最低限の栄養を補給する作業は必要です。水だけを飲んでいるよりは、オレンジジュースのようにビタミンCがたっぷり入ったジュースを飲むことをおすすめします。

冷蔵庫に入っていない時には、最寄りのスーパーやウォルマート、ターゲットなど自宅まで配達してくれる店を利用して、自宅まで持ってきてもらいましょう。送料や手数料は割高ですが、背に腹は代えられません。

何を注文すれば良いかというと、

  • オレンジジュース(冷蔵庫で冷やすフレッシュなタイプがオススメ)
  • チキンスープ(缶タイプでもよし、電子レンジでチンするだけのタイプでも良し)
  • りんご(サッパリして食べやすく、消化も良く、栄養価も高いのでおすすめ)

あたりを注文するのが良いと思います。

orange juice in clear drinking glass
chicken soup dish
board with slices of fresh apples and knife near window

4.どのタイミングで医者に行く?

風邪やインフルエンザの場合には、長くても1週間ぐらい寝ていれば、「体調が悪過ぎて死にそう」な状態は脱出できます。もしも体調が悪いのに無理して外出してしまうと、こじらせて治るものも治らない状態になりかねません。

同居の家族がいれば、医者に言ったほうが良いのかを相談できますが、単身世帯ではそれもできませんよね。

  • 解熱剤を飲んでも死にそうなぐらいに高熱が続く
  • 最悪な痰で鼻も喉もふさがってしまい、呼吸ができない
  • 1週間しても全く体調が良くなる兆しがない
  • 咳をしたり呼吸すると肺が痛い

など、直感で「これはやばい」と感じたら、早い段階で医者に行くことをおすすめします。

アポが不要のUrgent Care

アメリカの病院は、基本的にどこでもアポが必要です。しかし、Urgent Careなら、アポなしで行けます。救急車を呼ぶほどではないけれど、今すぐに受診して安心感と強い薬が欲しいという時には、Urgent Careへ行くのがおすすめです。

Urgent Careは、ERに行くよりもずっとコスト面でリーズナブルです。アポを取って受診した時と同じように、Co-Payのみの支払(HMOプランの場合)で済みます。ERの場合には、費用が別途設定されていて、Co-Payの5倍から10倍ぐらいかかります。

ちなみにUrgent Careは、健康保険のネットワーク内の所を選びましょう。体調が悪すぎてどこがネットワーク内かチェックする気力がないという場合があるかもしれません。そんな時には、加入している健康保険会社のカスタマーサービスへ電話して、「体調が悪いから近くのUrgent Careを教えてくれ」と言えば、教えてくれます。

そうする事すら難しい場合には、お金のことは体調が回復してから心配することにして、最寄りのUrgent Careへ駆け込むという方法も、ありかもしれません。

そうした事態に備えで、私は携帯電話に、最寄りのUrgent Careの電話番号と住所を登録しています。

Urgent Careの注意点

Urgent Careは、アポなしでも来院できて、とても便利です。しかし、多くの場合には診療時間があって、Emergency Roomのように24時間体制で医師が待機しているわけではありません。せっかくタクシーで行っても、診療時間外だと空振りとなってしまいます。もしも可能なら、事前に診療時間を確認することをおすすめします。

夜間ならERへ行くべし

もしも、ヤバイと思ったタイミングが夜間なら、Urgent Careは診療時間外の可能性があります。その場合には、迷うことなくERへ行ってください。ERに行けば、とりあえず24時間体制で医師がいますし、必要な検査を受けることができます。

ERへは、救急車で搬送されても良いですし、マイカーがある人なら運転していってもOKです。

ERの注意点

私はこれまで、ERを何回か利用したことがあります。どれも緊急事態だったのですが、驚いたことは、ERの待ち時間は気が遠くなるほど長い、ということでした。一度、diverticulitis(大腸憩室症)という、腸が詰まって破裂しそうな状態になった夫を連れて、ERに行ったことがありました。その時は、なんと2時間待ち。待合室で待っている人の中には、銃で撃たれて血を流している人などもいました。

おそらく、救急車で大きな病院へ搬送されれば、「命のリスク」という優先順位で見てもらえるのだと思います。しかしマイカーでERへ行った場合はおそらくほとんど、「来院した順番」での診察となります。数時間の待ち時間がある点は、理解しておいた方が良いです。

5.利用できる?Tele Visit

これはコロナ禍においてサービスが急速に拡大したものだと思うのですが、自宅に居ながらZoomや電話で医師や看護師に相談できるというサービスがあります。これは、病院ではなくて保険会社から提供されているもので、24時間体制で看護師が応対してくれるという便利なサービスです。場合によっては薬を処方してくれることもありますが、どこまでのサービスを提供してくれるかは、ケースバイケースです。

体調が良くない時に、あちこち電話をするのは大変です。そのため、そうなる前の段階で、加入している保険会社からどんなサービスが提供されているのかをチェックしておくことをおすすめします。

医療費が払えない!どうする?

アメリカでは、約4300万人が医療費未払と言われています。日本と比較して高額すぎる医療費が悪いと言えばそれまでなのですが、実際に自分の元へ、信じられない金額の医療費請求が来たら、パニックになってしまいますよね?そんな時には、どうしたら良いのでしょうか?

目次

  1. アメリカの医療費はいつ払う?
  2. 医療機関からの請求書を見てびっくり!払えない!どうする?
  3. アメリカ人の平均医療費未払額はいくら?

1.アメリカの医療費はいつ払う?

アメリカで医療機関を受診すると、加入している保険によって、窓口で診療前に払う人もいれば、その場では払わずに後日、請求書が送られてくる人もいます。

HMOプランという自己負担分がすでに分かっている場合には、病院に行って受付をする際に、その場で請求されることが多いですね。

「2時にアポが入っているメアリー・スミスです」

「はい、スミスさんね。お会計は、Co-payで40ドルになります。」

のような感じですね。この時の支払は、現金でも良いですし、大抵のクリニックではクレジットカードやデビットカードでも払えるので、多くの場合にはカード払いが多いのではないでしょうか。

一方、PPOプランの場合には、年間の自己負担額や保険のカバー率など、ややこしい計算が必要となります。この計算をするのは医療機関ではなくて保険会社なので、医療機関はその場で患者さんの正確な自己負担額を出すことはできません。だから、後日、郵送で請求書が送られてくるわけですね。

医療機関によっては、HMOプランでも、いつ払うかを選べることがあります。クリニックごとに、「受付の時に支払いが必要」というルールの所もあれば、「後から請求するのもアリ」と、患者に選択させてくれる所もありますね。

いずれの場合でも、払わなければいけないことに変わりはないので、私はいつも、窓口でサッとCo-Payをカード払いしています。

2.請求書を見てびっくり!払えない!どうする?

健康診断やちょっとした風邪など、医療費がそれほど高くならないだろうと予測できる時には、後から請求書が送られてきても、それほど不安や恐怖を感じることはないと思います。しかし、超音波検査とかCTスキャンなどの検査を行った場合には、医療費の請求がどんどん高額になってしまいます。

もしも医療費請求を受け取って、金額が高すぎて払えない!という時には、どうしたら良いのでしょうか?

分割払いも可能

アメリカの医療費が高いことは、誰もが理解しています。そして、金額によっては一度に支払えないことに関しても、多くの人は理解を示してくれます。そのため、もしも請求書を受け取っても一括払いが無理という場合には、分割払いで払うという方法もアリです。

分割払いは、医療機関に相談して分割払いをアレンジしても良いですし、自分でその時に支払えるだけの金額を払うという姿勢でも、特に問題はありません。

2000ドルの請求書が来たのに200ドルしか支払わないなんて、さぞかし医療機関はご立腹に違いない、という不安を感じるかもしれませんよね。しかし、毎月それなりの金額を継続して払い続けているなら、医療機関は特に大事にすることなく、毎月請求書を送ってきます。ちなみに、分割払いにしたからと言って、クレジットカードのように利息が付くということはないので、安心してくださいね。

現金一括ならディスカウントもアリ

医療機関によって、そして請求された金額によってケースバイケースですが、請求された多額の医療費をディスカウントしてもらうことも可能です。

その方法は、請求書を持って医療機関の窓口へ行き、なんとか勉強してもらえないかとお願いするのです。安くしてもらえるなら一括払いも考えるから、と。

もちろん、交渉術は必要ですし、相手を怒らせてはいけません。しかし、何十万円、何百万円という医療費請求の場合には、病院側も回収できないよりもディスカウントして回収したほうがメリットがあると考えるので、いくらか割引いてもらえる可能性が期待できます。

3.アメリカ人の平均医療費未払額は?

アメリカ人の平均医療費未払額は、約1800ドル(21万円程度)と言われています。貯金という習慣を持つ人が少ないアメリカでは、21万円を一括で払えと言われても、「いや無理だから!」となってしまう人が多いのです。

この未払医療費は、毎月医療機関から送られてくる請求書に対して、クレジットカードで少額ずつを分割払いにする人が多いようです。

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アメリカの医療費の仕組み

アメリカの医療費はどうしてこんなに高い?

アメリカの歯科治療: 高額な理由と保険選び

アメリカに来ると、とにかく医療費が高額というイメージが強すぎて、医者にかかることもためらってしまう人は多いですよね?確かに、アメリカの医療は日本と比べると比較できないほど高額ですが、その中でも歯医者は別格です。ここでは、アメリカの歯医者にかかると、どのぐらいの費用がかかるのか、そして歯医者で治療を受ける方法などをご紹介します。

目次

  1. アメリカの歯科治療は高額?
  2. アメリカでの歯医者の見つけ方
  3. 歯科治療はどのように進む?
  4. 歯科治療の相場はどのぐらい?
  5. 歯科保険の選び方
  6. アメリカの歯医者はココがすごい!

1.アメリカの歯科治療は高額?

アメリカで歯科治療を受ける際には、まず最初に、健康保険で歯科治療がカバーされているかどうかをチェックすることから始めましょう。日本では、健康保険に加入していれば、内科でも外科でも歯科でも、基本的にはリーズナブルな料金で治療を受けられます。しかしアメリカでは、健康保険の中に歯科プランが含まれていない場合があるので、要注意です。

この場合には、まずは歯科保健に加入した上で歯医者に行くことを、強くお勧めします!

加入している健康保険に歯科プランがあるかを確認する方法

健康保険は、プランごとにどこまでカバーされるかが異なります。歯科治療でも、チェックアップやクリーニングなどの予防歯科分野ならカバーするけれど、後はしないというプランもありますし、歯科治療は全くカバーしないというプランもあります。

確認する方法としては、加入している健康保険の会社に電話をして確認するか、それともホームページで紹介されているプランのBenefitを確認するという方法が良いでしょう。

ガッカリ、歯科はカバーされていなかった。どうする?

もしも加入している健康保険でしか治療がカバーされていない場合には、どうしたら良いのでしょうか?方法は3つあります。

  • 加入している健康保険のOpen Season(11月ごろ)まで待ってから、歯科プランを追加する
  • 個人で歯科保険を購入する
  • 自費でそのまま治療する

ちなみに、自費でそのまま治療することは、おすすめしません。信じられないほど高額な治療費になってしまいます。

うちは駐在。大丈夫だよね?

駐在でも、保険会社のプランによっては歯科治療がカバーされていないというケースは少なくありません。手厚い保険を会社が選んでくれているはず、だと過度の期待をせずに、まずはBenefitをチェックしましょう。

2.アメリカで歯医者を見つける方法

アメリカには、たくさんの歯医者があります。しかし、歯医者ならどこに行っても良いというわけではありません。健康保険プランのネットワークごとに、ネットワーク対象となる歯医者と、そうでない歯医者とがあります。

自分が通えるネットワーク内の歯医者を見つけるためには、健康保険のホームページもしくはアプリを使い、dentist(歯医者)を検索して見つけます。歯医者と言っても、口腔内手術を行えるOrthodontistなどもいますが、チェックアップや虫歯治療、歯周病治療などは、General DentistなどでOKです。

歯医者を見つけたら、いよいよ電話で予約を入れます。日本でも歯医者は予約制が多いですが、それでも緊急の時にはアポなしでも来院すれば受診できますよね。

しかしアメリカでは、アポがなければ見てもらえない可能性が大です。そのため、まずは電話で予約を入れてください。緊急の場合には、いかに緊急なのかを電話で訴えれば、できるだけ早い時間や日時に予約を入れてもらうことができるかもしれません。

電話予約をする際には、どんな目的で受診したいのかという質問をされるほか、健康保険の種類についても確認されます。ここで、うっかりネットワーク外の歯医者だと、「その保険はうちで取り扱っていませんよ」と教えてくれます。

3.歯科治療はどのように進む?

クリニックによって、多少の順番は違うかもしれませんが、簡単な流れをご紹介しますね。

クリニックに来院してチェックイン

クリニックにいったら、受付で名前とアポの時間を告げて、チェックインします。これは、日本と同じですよね。この時、初診だと、健康保険証のコピーを取ることが多いので、提示を求められます。2回目以降は、「健康保険は前回と同じですか?」と聞かれ、同じなら再コピーは必要ありません。

一般的なクリニックだと、受付する時にCo-Payを徴収されるところも多いのですが、歯科の場合にはCo-Payシステムが少ないからでしょうか。受付時に徴収される歯医者は、ほとんどありませんね。

まずは歯科助手がお口の中をクリーニング

アメリカの歯医者は、完全個室というわけではありませんが、患者同士が顔をあわせずに済むような個室のようなスペースになっています。そこへ通されると、まずは歯科助手がやって来て、レントゲンを撮るなど、必要な作業を行います。

その上で、医師が診察しやすいように、お口の中をクリーニングしてくれます。日本のクリーニングだと、超音波を使う所が多いのですが、アメリカはマニュアル式が多いですね。私は個人的に、超音波だとキーという高音で謎の痛みを感じるので、アメリカ式のマニュアルクリーニング、つまり手彫りタイプが好きです。

いよいよ医師が登場

歯科助手がお口の中をある程度綺麗にしてくれたら、医師がやってきます。レントゲンを確認したり、口の中を実際にチェックして、虫歯の有無とか歯周病の有無などを検査してくれます。

もし虫歯や歯周病で治療が必要な場合には、どんな状態のトラブルがあって、どんな治療が必要かという説明を受けた後で、治療にかかる費用の見積もりを出してもらえます。

見積もりの出し方ですが、クリニックが健康保険会社に連絡をして、ざっと見積もりを出すことになります。

そして、治療方針及び見積もりに納得した上で、治療を開始することになります。

ここで注意したいのは、アメリカの歯医者では、見積もりを取って患者が納得してから、治療が始まるという点ですね。なんせ日本よりも歯科治療が高額なので、場合によっては「これ、高いな、今回はちょっと無理」なんてことがあるかもしれません。万が一のトラブルを避けるために、まずはお金の話、治療はその後、なのです。

治療はその日は行わず

歯科検診でトラブルが見つかっても、その場で治療することはまずありません。

多くの場合には、次の予約を取らなければいけません。

その理由は、歯医者は完全予約制で、一人の患者の治療時間が決められているからですね。歯科検診だけのはずだった人に、あれもこれもと治療をしてしまうと、時間がかかって次の患者さんに影響があります。そのため、治療が必要な場合には、治療は次回しましょう、となるわけです。

ちなみに、アメリカの歯医者では、何度通院しても再診料はかかりません。治療の内容に対して費用がかかるので、それを1度に終わらせても、3回に分けても、歯医者が受け取れる治療報酬の金額は同じです。

日本だと、再診料が発生するので、ダラダラと治療を続ける医師もいたりしますよね、アメリカにはそういうモノはないので、治療は基本的に早いです。

4.歯科治療の相場はどのぐらい?

アメリカの歯科治療は、内科や外科に行った時と同じで、健康保険がどこまでカバーしてくれるかによって治療費は大きく変わります。ザックリとした目安とか相場を見ても、日本よりはかなり高額だと感じる人は多いですね。

歯科検診とクリーニング

特に問題がない人でも、6か月に1回は歯科検診とクリーニングを進められます。もしもこれを無保険で行うと、相場としては300ドル~500ドル程度かかることが多いですね。しかし、健康保険が歯科治療をカバーしている場合には、自己負担ゼロとなることが多いです。

しかし近年では、健康保険のカバーが劣悪になりつつあり、クリーニングはカバーするけれどレントゲンはカバーしません、なんてこともあります。

虫歯治療

簡単な詰め物をするだけの虫歯治療だと、保険が適用される銀歯(アマルガム)でも、70ドルぐらいかかります。しかし、銀歯の人気が最低なアメリカでは、健康保険がきかない白色のセラミックを所望する人も多く、この場合には1本あたり150ドル~200ドルぐらいかかります。

神経の根幹治療(Root Canal)

虫歯を放置すると、やがては歯の神経にも影響がでて、根幹治療が必要になります。この場合、保険を使っても200ドル~500ドルぐらいかかりますが、無保険だと、治療費は2500ドル~ということが多いです。

歯周病によるディープクリーニング

歯周病の治療としては、スケーリングと呼ばれるディープクリーニングを行うのが一般的ですよね。これは、歯と歯茎の間の隙間をスッキリクリーニングするという治療で、麻酔をかけて行います。かかる治療費は、上下左右のスケーリングで、700ドル~900ドルぐらいが相場となります。

5.歯科保険の選び方

歯科保険商品を選ぶ際には、どんな点に注意して比較検討したら良いのでしょうか?

Deductible(年間の免責額)

歯科保険にも、Deductibleはあります。Deductibleとはつまり、健康保険を適用する前に自己負担として払わなければいけない金額ということです。

例えば、Deductibleが1000ドルの歯科保険だとしましょう。ルートカナル2500ドルという治療をすると、まず自己負担分の1000ドルに関しては、支払いが確定します。そして、残りの1500ドルに対して、保険の適用率に応じた額がカバーされます。もしもルートカナルの適用率が80%だとすると、自己負担分は

Deductibleの分 $1,000

保険適用分($1,500分のうちの自己負担)300ドル

合計の支払額 $1,300ドル となります。

お口の中に自信がある人なら、このDeductibleの額が高めの保険を選んで毎月の保険料を安く抑えるという方法もありますが、年に2回の歯科検診が無料になる保険プランを選ぶのが得策です。

歯科保険を安く抑えるコツ

歯科保険を少しでも安く抑えるためには、既に加入している健康保険に、歯科保険の特約が付いていないかを調べてみてください。独立した歯科保険を個人で購入するよりも、健康保険の特約としてつける方がリーズナブルになることが多いです。

また、保険会社の中には、異なるDeductibleのプランを複数ラインナップしている所もあります。毎月の保険料が高くなれば、やはりカバー率も良くなるわけですが、お口の中の状態によって歯科保険のニーズは変わりますよね。そのため、自分にとって最もリーズナブルな保険を選びたいものです。

6.アメリカの歯医者はココがすごい!

アメリカの歯医者は、日本の歯医者とは大きく違う点がたくさんあります。

麻酔フレンドリー

アメリカの歯医者は、患者の痛みに対してとても良心的です。「何となく痛い気がする」というわずかな痛みでも、より強力な麻酔をしてくれます。ただし、強い麻酔になると、そのあと半日、顔が麻酔で動かない、なんてこともあるので注意してくださいね。

また、痛みに対して恐怖心がある人には、笑気ガスを使ってくれます。ただし、このガスは神経をリラックスさせるものなので、痛みを取り除く作用はありません。

テレビ付きの歯医者が多い

完全個室タイプの治療スペースがある歯医者では、患者の目の前にテレビが設置されていて、治療中には視聴できるところもあります。ただし、映画などは放送されてはおらず、基本的には地上波やケーブルテレビでやっているニュース系を流しています。チャンネルを変えてほしいというリクエストにも、応じてもらえます。

通院回数が少ない

上記した通り、アメリカの医療機関には、再診料という概念がありません。一つの治療に対して費用がかかるので、1回で治療を終わらせても3回に分けても、医師が受け取る報酬は同じなのです。それなら、1回で治療を終わらせた方が、医師にとっては効率的ですよね。

患者にとっても、少ない通院回数で治療が終わることは、大きなメリットがあります。

待ち時間が少ない

完全予約制、アポなし患者は受診不可、となっている空でしょうか。アメリカの歯科クリニックは、基本的に待ち時間はかなり少なめです。受付に座っている人も1人とか2人ぐらいですね。

アメリカの歯医者は高額!?

アメリカに来ると、とにかく医療費が高額というイメージが強すぎて、医者にかかることもためらってしまう人は多いですよね?確かに、アメリカの医療は日本と比べると比較できないほど高額ですが、その中でも歯医者は別格です。ここでは、アメリカの歯医者にかかると、どのぐらいの費用がかかるのか、そして歯医者で治療を受ける方法などをご紹介します。

目次

  1. アメリカの歯科治療は高額?
    • 加入している健康保険に歯科プランがあるかを確認する方法
    • ガッカリ、歯科はカバーされていなかった。どうする?
    • うちは駐在。大丈夫だよね?
  2. アメリカでの歯医者の見つけ方
  3. 歯科治療はどのように進む?
    • クリニックに来院してチェックイン
    • まずは歯科助手がお口の中をクリーニング
    • いよいよ医師が登場
    • 治療はその日は行わず
  4. 歯科治療の相場はどのぐらい?
    • 歯科検診とクリーニング
    • 虫歯治療
    • 神経の根幹治療(Root Canal)
    • 歯周病によるディープクリーニング
  5. 歯科保険の選び方
    • Deductible(年間の免責額)
    • 保険を安く抑えるコツ
  6. アメリカの歯医者はココがすごい!
    • 麻酔フレンドリー
    • テレビ付き歯医者が多い
    • 通院回数が少ない
    • 待ち時間が少ない
※写真はイメージです

1.アメリカの歯科治療は高額?

アメリカで歯科治療を受ける際には、まず最初に、健康保険で歯科治療がカバーされているかどうかをチェックすることから始めましょう。日本では、健康保険に加入していれば、内科でも外科でも歯科でも、基本的にはリーズナブルな料金で治療を受けられます。しかしアメリカでは、健康保険の中に歯科プランが含まれていない場合があるので、要注意です。

この場合には、まずは歯科保健に加入した上で歯医者に行くことを、強くお勧めします!

加入している健康保険に歯科プランがあるかを確認する方法

健康保険は、プランごとにどこまでカバーされるかが異なります。歯科治療でも、チェックアップやクリーニングなどの予防歯科分野ならカバーするけれど、後はしないというプランもありますし、歯科治療は全くカバーしないというプランもあります。

確認する方法としては、加入している健康保険の会社に電話をして確認するか、それともホームページで紹介されているプランのBenefitを確認するという方法が良いでしょう。

ガッカリ、歯科はカバーされていなかった。どうする?

もしも加入している健康保険で歯科の治療がカバーされていない場合には、どうしたら良いのでしょうか?方法は3つあります。

  • 加入している健康保険のOpen Season(11月ごろ)まで待ってから、歯科プランを追加する
  • 個人で歯科保険を購入する
  • 自費でそのまま治療する

ちなみに、自費でそのまま治療することは、おすすめしません。信じられないほど高額な治療費になってしまいます。

うちは駐在。大丈夫だよね?

駐在でも、保険会社のプランによっては歯科治療がカバーされていないというケースは少なくありません。手厚い保険を会社が選んでくれているはず、だと過度の期待をせずに、まずはBenefitをチェックしましょう。

2.アメリカで歯医者を見つける方法

アメリカには、たくさんの歯医者があります。しかし、歯医者ならどこに行っても良いというわけではありません。健康保険プランのネットワークごとに、ネットワーク対象となる歯医者と、そうでない歯医者とがあります。

自分が通えるネットワーク内の歯医者を見つけるためには、健康保険のホームページもしくはアプリを使い、dentist(歯医者)を検索して見つけます。歯医者と言っても、口腔内手術を行えるOrthodontistなどもいますが、チェックアップや虫歯治療、歯周病治療などは、General DentistなどでOKです。

歯医者を見つけたら、いよいよ電話で予約を入れます。日本でも歯医者は予約制が多いですが、それでも緊急の時にはアポなしでも来院すれば受診できますよね。

しかしアメリカでは、アポがなければ見てもらえない可能性が大です。そのため、まずは電話で予約を入れてください。緊急の場合には、いかに緊急なのかを電話で訴えれば、できるだけ早い時間や日時に予約を入れてもらうことができるかもしれません。

電話予約をする際には、どんな目的で受診したいのかという質問をされるほか、健康保険の種類についても確認されます。ここで、うっかりネットワーク外の歯医者だと、「その保険はうちで取り扱っていませんよ」と教えてくれます。

3.歯科治療はどのように進む?

クリニックによって、多少の順番は違うかもしれませんが、簡単な流れをご紹介しますね。

クリニックに来院してチェックイン

クリニックにいったら、受付で名前とアポの時間を告げて、チェックインします。これは、日本と同じですよね。この時、初診だと、健康保険証のコピーを取ることが多いので、提示を求められます。2回目以降は、「健康保険は前回と同じですか?」と聞かれ、同じなら再コピーは必要ありません。

一般的なクリニックだと、受付する時にCo-Payを徴収されるところも多いのですが、歯科の場合にはCo-Payシステムが少ないからでしょうか。受付時に徴収される歯医者は、ほとんどありませんね。

まずは歯科助手がお口の中をクリーニング

アメリカの歯医者は、完全個室というわけではありませんが、患者同士が顔をあわせずに済むような個室のようなスペースになっています。そこへ通されると、まずは歯科助手がやって来て、レントゲンを撮るなど、必要な作業を行います。

その上で、医師が診察しやすいように、お口の中をクリーニングしてくれます。日本のクリーニングだと、超音波を使う所が多いのですが、アメリカはマニュアル式が多いですね。私は個人的に、超音波だとキーという高音で謎の痛みを感じるので、アメリカ式のマニュアルクリーニング、つまり手彫りタイプが好きです。

いよいよ医師が登場

歯科助手がお口の中をある程度綺麗にしてくれたら、医師がやってきます。レントゲンを確認したり、口の中を実際にチェックして、虫歯の有無とか歯周病の有無などを検査してくれます。

もし虫歯や歯周病で治療が必要な場合には、どんな状態のトラブルがあって、どんな治療が必要かという説明を受けた後で、治療にかかる費用の見積もりを出してもらえます。

見積もりの出し方ですが、クリニックが健康保険会社に連絡をして、ざっと見積もりを出すことになります。

そして、治療方針及び見積もりに納得した上で、治療を開始することになります。

ここで注意したいのは、アメリカの歯医者では、見積もりを取って患者が納得してから、治療が始まるという点ですね。なんせ日本よりも歯科治療が高額なので、場合によっては「これ、高いな、今回はちょっと無理」なんてことがあるかもしれません。万が一のトラブルを避けるために、まずはお金の話、治療はその後、なのです。

治療はその日は行わず

歯科検診でトラブルが見つかっても、その場で治療することはまずありません。

多くの場合には、次の予約を取らなければいけません。

その理由は、歯医者は完全予約制で、一人の患者の治療時間が決められているからですね。歯科検診だけのはずだった人に、あれもこれもと治療をしてしまうと、時間がかかって次の患者さんに影響があります。そのため、治療が必要な場合には、治療は次回しましょう、となるわけです。

ちなみに、アメリカの歯医者では、何度通院しても再診料はかかりません。治療の内容に対して費用がかかるので、それを1度に終わらせても、3回に分けても、歯医者が受け取れる治療報酬の金額は同じです。

日本だと、再診料が発生するので、ダラダラと治療を続ける医師もいたりしますよね、アメリカにはそういうモノはないので、治療は基本的に早いです。

4.歯科治療の相場はどのぐらい?

アメリカの歯科治療は、内科や外科に行った時と同じで、健康保険がどこまでカバーしてくれるかによって治療費は大きく変わります。ザックリとした目安とか相場を見ても、日本よりはかなり高額だと感じる人は多いですね。

歯科検診とクリーニング

特に問題がない人でも、6か月に1回は歯科検診とクリーニングを進められます。もしもこれを無保険で行うと、相場としては300ドル~500ドル程度かかることが多いですね。しかし、健康保険が歯科治療をカバーしている場合には、自己負担ゼロとなることが多いです。

しかし近年では、健康保険のカバーが劣悪になりつつあり、クリーニングはカバーするけれどレントゲンはカバーしません、なんてこともあります。

虫歯治療

簡単な詰め物をするだけの虫歯治療だと、保険が適用される銀歯(アマルガム)でも、70ドルぐらいかかります。しかし、銀歯の人気が最低なアメリカでは、健康保険がきかない白色のセラミックを所望する人も多く、この場合には1本あたり150ドル~200ドルぐらいかかります。

神経の根幹治療(Root Canal)

虫歯を放置すると、やがては歯の神経にも影響がでて、根幹治療が必要になります。この場合、保険を使っても200ドル~500ドルぐらいかかりますが、無保険だと、治療費は2500ドル~ということが多いです。

歯周病によるディープクリーニング

歯周病の治療としては、スケーリングと呼ばれるディープクリーニングを行うのが一般的ですよね。これは、歯と歯茎の間の隙間をスッキリクリーニングするという治療で、麻酔をかけて行います。かかる治療費は、上下左右のスケーリングで、700ドル~900ドルぐらいが相場となります。

5.歯科保険の選び方

歯科保険商品を選ぶ際には、どんな点に注意して比較検討したら良いのでしょうか?

Deductible(年間の免責額)

歯科保険にも、Deductibleはあります。Deductibleとはつまり、健康保険を適用する前に自己負担として払わなければいけない金額ということです。

例えば、Deductibleが1000ドルの歯科保険だとしましょう。ルートカナル2500ドルという治療をすると、まず自己負担分の1000ドルに関しては、支払いが確定します。そして、残りの1500ドルに対して、保険の適用率に応じた額がカバーされます。もしもルートカナルの適用率が80%だとすると、自己負担分は

Deductibleの分 $1,000

保険適用分($1,500分のうちの自己負担)300ドル

合計の支払額 $1,300ドル となります。

お口の中に自信がある人なら、このDeductibleの額が高めの保険を選んで毎月の保険料を安く抑えるという方法もありますが、年に2回の歯科検診が無料になる保険プランを選ぶのが得策です。

歯科保険を安く抑えるコツ

歯科保険を少しでも安く抑えるためには、既に加入している健康保険に、歯科保険の特約が付いていないかを調べてみてください。独立した歯科保険を個人で購入するよりも、健康保険の特約としてつける方がリーズナブルになることが多いです。

また、保険会社の中には、異なるDeductibleのプランを複数ラインナップしている所もあります。毎月の保険料が高くなれば、やはりカバー率も良くなるわけですが、お口の中の状態によって歯科保険のニーズは変わりますよね。そのため、自分にとって最もリーズナブルな保険を選びたいものです。

6.アメリカの歯医者はココがすごい!

アメリカの歯医者は、日本の歯医者とは大きく違う点がたくさんあります。

麻酔フレンドリー

アメリカの歯医者は、患者の痛みに対してとても良心的です。「何となく痛い気がする」というわずかな痛みでも、より強力な麻酔をしてくれます。ただし、強い麻酔になると、そのあと半日、顔が麻酔で動かない、なんてこともあるので注意してくださいね。

また、痛みに対して恐怖心がある人には、笑気ガスを使ってくれます。ただし、このガスは神経をリラックスさせるものなので、痛みを取り除く作用はありません。

テレビ付きの歯医者が多い

完全個室タイプの治療スペースがある歯医者では、患者の目の前にテレビが設置されていて、治療中には視聴できるところもあります。ただし、映画などは放送されてはおらず、基本的には地上波やケーブルテレビでやっているニュース系を流しています。チャンネルを変えてほしいというリクエストにも、応じてもらえます。

通院回数が少ない

上記した通り、アメリカの医療機関には、再診料という概念がありません。一つの治療に対して費用がかかるので、1回で治療を終わらせても3回に分けても、医師が受け取る報酬は同じなのです。それなら、1回で治療を終わらせた方が、医師にとっては効率的ですよね。

患者にとっても、少ない通院回数で治療が終わることは、大きなメリットがあります。

待ち時間が少ない

完全予約制、アポなし患者は受診不可、となっているからでしょうか。アメリカの歯科クリニックは、基本的に待ち時間はかなり少なめです。受付に座っている人も1人とか2人ぐらいですね。

アメリカでメガネ・コンタクト購入時の処方箋必要性

目次

  1. 日本からメガネとコンタクトレンズは持っていくべき?
  2. アメリカのメガネ・コンタクトには処方箋が必要
  3. 無保険で処方箋を書いてもらうと、いくらの費用がかかる?
  4. アメリカで無保険でもメガネやコンタクトレンズを安く購入するコツとは?

1.日本からメガネとコンタクトレンズは持っていくべき?

目が悪い人にとっては生活必需品となるメガネやコンタクトレンズ。アメリカにも視力が悪い人はたくさんいるので、メガネやコンタクトももちろん購入できます。しかし、日本ほど気軽に購入することはできませんし、価格も驚くほど高額になってしまうことが多いという特徴があります。

そのため、日本でメガネとコンタクトレンズを使っていた人は、できれば渡米前に予備の分についても持参するのが賢明です。

2.アメリカのメガネ・コンタクトレンズには処方箋が必要

例えば日本でメガネを作りたい時には、大抵のメガネショップで視力検査をしてくれて、その場でフレームを選んでまとめて購入できます。多くの場合には、当日仕上がりができますし、レンズの在庫がショップにない場合でも数日中に仕上がることが多いですよね。

コンタクトレンズを購入する場合でも、レンズのスペックが既に分かっている人なら、購入の度に検眼しなければいけないことはありません。初回は自分のコンタクトレンズのスペックを知るために検眼が必要となるものの、2回目以降は視力が変わらない限りは、ネットでもショップでも、自由にコンタクトレンズを購入できます。

しかしアメリカでは、メガネでもコンタクトレンズでも、購入に際しては医師の処方箋が必要不可欠です。ショップによっては、眼科医がショップ内に常駐していて処方箋をその場で書いてくれるというサービスもありますが、一般的ではありません。

そのため、メガネおよびコンタクトレンズを購入したい時には、処方箋を書いてくれる眼科医をネットや健康保険のネットワークなどで探し、予約を取って受診しなければいけません。

処方箋はどこでもらえる?

メガネとコンタクトレンズ購入のための処方箋をもらうためには、ネットで処方箋を書いてくれるドクターを検索することから始めましょう。アメリカの眼科医は大きく分けて、メガネやコンタクトレンズの処方箋を主に担当する検眼医(Optometrist)と、白内障とか緑内障の検査や治療などを行う眼科医(ophthalmologist)とがいます。

ネットで Eye Exam Near Me などのキーワード検索をすると、検眼してくれる医師のリストが表示されます。その中から足を運びやすいクリニックを選んで、電話で予約を取りましょう。

処方箋の有効期限はたったの1年

処方箋を書いてもらった場合、メガネなら一度作れば何年でも使い続けることはできます。しかしコンタクトレンズの場合には、処方箋で購入できるのは、わずか1年分のレンズだけというルールがあります。

それは、処方箋の有効期間は1年のみだから。

つまり、コンタクトレンズを着用している人は、最低でも1年に1回は医師に検眼してもらい、処方箋を書いてもらわなければいけません。

健康保険でカバーされていない可能性は大

アメリカの健康保険では、歯科と眼科に関しては、デフォルトではカバーされていない保険が多いですね。歯科や眼科によく通院する人は、健康保険プランのオプションとして、歯科や眼科をカバーをする特約のようなものを付ける必要があります。

眼科の特約を付けると、メガネやコンタクトレンズの検眼にかかる費用が1年に1回無料もしくはディスカウントとなったり、メガネやコンタクトレンズを購入する際にかかる費用の一部もしくは全額が保険で負担されることが多いですね。

3.無保険で検眼すると、費用はいくらかかる?

アメリカの眼科の保険はあくまでもオプションです。そのため、加入していない人もたくさんいます。メガネやコンタクトを普段から着用している人でも、毎月の保険料を考えると、無保険で検眼分を自己負担にしたほうが安上がりと判断する人もいますね。

ちなみに、健康保険を使わずに医師に検眼してもらうと、どのぐらいの費用がかかるのでしょうか?

無保険の場合には、基本的にはその医療機関が提示する費用がそのまま自己負担となります。そのため、安いクリニックもあれば割高のクリニックもあります。

私が数年前にテキサス州で検眼してもらった時の例で言うと、

メガネの検眼と処方箋にかかった費用は100ドル

コンタクトレンズの検眼と処方箋では、別途で50ドル

でした。コンタクトレンズだけの処方箋というのは対応しておらず、メガネだけなら100ドル(毎年メガネを新調するなら、毎年かかります)で、コンタクトレンズの処方箋が欲しいという人は、150ドルがかかります。

高いですよね。

4.アメリカで無保険でも安く購入するコツ

アメリカ国内でメガネおよびコンタクトレンズを購入する場合には、店舗型のショップでも、オンラインショップでも、処方箋が必要というルールは変わりません。オンラインショップでメガネやコンタクトレンズを購入しようとしても、会計する前に、処方箋をアップロードするようにと指示があり、アップロードするまでは発送してもらうことはできません。

しかし、アメリカは処方箋が必要というルールでも、他の海外では日本のように処方箋が不要という国もあります。アメリカで眼科保険に加入していない人なら、処方箋が不要という国からメガネやコンタクトレンズを購入すればよいのです!

日本のネットショップでも、度付きのメガネやコンタクトレンズを購入できるショップはたくさんあります。しかし日本の場合には、とっても高い国際発送の送料がかかってしまうショップが多いですね。

それなら、どこから購入すればよい?

おすすめは、イギリスのネットショップです。イギリスは日本と同じようにメガネやコンタクトレンズの購入には処方箋が必要ない国で、イギリス国外から利用する人もたくさんいます。しかも、オンラインショップによっては送料が無料になる所もたくさんあるので、まとめ買いをすればリーズナブルにメガネとコンタクトレンズを購入できます!