アメリカの学生は試験対策をしないって本当?

boy wearing yellow shirt while writing on white paper

私が育った日本の学校では、小学校から大学まで、試験前にはみんな超真剣に試験対策をしたものです。だって、試験では1点でも高い得点を獲得したいじゃないですか。

しかしこの考え方は、必ずしもアメリカの学生全てに浸透しているわけではないようです。もちろん、アメリカの学校に通う学生が全員そうだというわけではありません。しかしアメリカ人の学生の中には、少なからず「試験対策、何それ?」という考え方もあるようです。

「今現在の実力をチェックするのが試験。だから勉強して対策するのはナンセンス」

これは息子様が小学生の時に、当時はすでにミドルスクールに通っていた息子の友人のお姉さんの発言でした。

息子様はまだ学年が低かったのでテストという存在を知りませんでしたし、私は日本の試験まみれの学生生活しか知らないので、この考え方はとても斬新で「へ?」となりました。

彼女曰く、試験というのは自分がどこまで理解しているかを見るためのものだから、ありのままの自分で受けるべきだというのです。そして、試験で分からなかったところを、試験の後に復習すればよいのだとか。そして、クラスの子は全員がそうしている、ともおっしゃってました。

「SAT対策なんてしてる奴いないよ」

SAT問題集

これは、ハイスクールでの我が息子の言葉です。私自身、アメリカの大学進学については経験値がゼロでしたから、暗中模索の状態でいろいろリサーチしました。そこで見つけたのがSATという存在。

年間に何回も受験するチャンスがあるこのテスト、一応Standarizedなテストなので、似たような問題がよく出ます。だからしっかり対策をすれば、受験の度に得点はアップするはずなのです。そういう仕組みになっています。

息子がハイスクールのフレッシュマンの時に、私は分厚いSAT問題集を息子に渡しました。息子は一言「サンキュー」と言ったきり、まったく手を付けないまま半年が過ぎました。

結局、本人任せにしておくと何も対策をせずに、親に言われるままにSATを受け続けるのだろうと思ったので、私がチューターとなり、半強制的に息子にこのワークブックをやらせました。

ハイスクールの中で、息子はSATを5回ぐらい受験したと記憶しています。やる気ほぼゼロでも、何度も受験する中では「この問題、前回とよく似ている」という傾向に気づいたようです。

「ハイスクールの時は、力5分しか出さなかった。でも大学では全力じゃなきゃついていけない」

これは息子様の大学で、1年先輩にあたる保護者がおっしゃっていた言葉です。ハイスクールまでは、テキトーに勉強していても良い成績が取れたけれど、大学に入ってからは、それじゃクラスをパスできない、大学に入って否応なく全力で取り組む術をようやく知った、という意味でした。

確かに息子様を見ていても、大学に入ってからはまるで人が変わったかのように、勉強三昧です。決して勉強をこよなく愛しているわけではないと思います。でも、勉強しないと単位を取れないので、強迫観念と恐怖から必死に勉強していました。

課題が終わらなければ寝るな。寝るのは優先事項じゃない。課題の方が大事だ。

という考え方は、社会人になって働く上では、ある程度身につけておいて損はない習慣だと思います。そう考えると、鬼軍曹にしごかれるブートキャンプよりもはるかにハードだった息子様の大学生活も、得られることが多かった貴重な経験だったのかもしれません。

ちなみに、この半強制的な学習習慣は、どんなに優秀な大学へ通う学生でも、全員にプラスの効果があるわけではありません。息子様が通っている大学でも、

  • 単位が取れないと親に怒られるので、教授に枕をして単位を買った生徒
  • 勉強がつらすぎてドラッグにはまり、停学処分を繰り返してなかなか卒業できない生徒
  • 専門科目は難しいので、何も専攻せずにGeneral Studyで卒業した生徒
  • 勉強のストレスに耐え切れず、自殺未遂を測った生徒

などがいました。

投稿者: samuraipassport

こんにちは!アメリカ在住のジャーナリスト兼ライターです。アメリカへの移住から生活まで初心者が知っておきたい情報を発信していきます!アメリカに住んでみたい人や海外に憧れている人にとっても役立つ情報が満載です!

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。