お尻の蒙古斑は虐待の証拠!?

私達日本人の多くは、生まれた時にお尻に蒙古斑(もうこはん)と呼ばれるアザがあります。これは、生まれてくるときに産道にぶつかったとか、お母さんや医者にひっぱたかれた、なんてものではなく、先天性の青あざです。

先天性なので、ついている子もいれば、ついていない子もいます。しかし蒙古斑の存在を知らないアメリカの医者の中には、蒙古斑を親の虐待だと疑う人もいるので注意が必要です!

目次

  1. 蒙古斑の原因
  2. アメリカ人の医者は蒙古斑を知らない?

1.蒙古斑の原因

蒙古斑の原因は、真皮層のメラノサイトです。日本人は他の人種やほかのアジア人と比較して、真皮層のメラノサイトが多いのだそうです。このメラノサイトの数が、蒙古斑の有無や色の濃さと直接的な関係があります。

人種別の発生率をみると、

  • アジア人 80%(このうちモンゴル人は95%)
  • インド人とヨーロッパ人 10%未満
  • ヒスパニック系 40-50%
  • 黒人 非公表

となっています。

蒙古斑についての詳しい説明はこちらから

2.アメリカ人の医者は蒙古斑を知らない?

アメリカの医者にはヤブが多いと言っているわけではありません。しかし、多人種が生活しているアメリカでは、蒙古斑何それ?という医者も現実にたくさんいます。特にアジア人が少ない地域では、蒙古斑だと言っても「へ?」という医者が本当に存在するのです。

息子様の生後3か月健診に行った医者も、そんな蒙古斑を知らない医者でした。

息子を全裸にしてチェックしながら、お尻の尾てい骨あたりに残っている蒙古斑を見つけ、私と夫に一言、「これ、何?」と聞いたのです。

蒙古斑という名称を知りませんでいたので、私は、日本人はほぼ全員生まれた時にそこにあざがあり、私も生まれた時についていた、と説明しました。するとその医者は、

「あーそういえば、そんな話を以前に聞いたことがあったなぁ」みたいな感じで写真を撮影し、カルテに残しておきました。

ちなみに、蒙古斑は英語でMongolian Spotとか、Mongolian Blue Spotなどと呼ばれているそうです。もしもこれから出産する予定の人は、覚えておくと万が一の時に医者との無駄なトラブルを回避できるかもしれません。

No Child Left Behind政策の真実

アメリカでは、2002年にNo Child Left Behindというプログラムがスタートしました。これは、クリントン政権が行っていた「貧困層の子供にも最低限の教育をうけさせよう」という政策の流れをブッシュ政権が引き継いだもので、2002年に政策の一つとして誕生したのです。

正式な政策となった背景には、世界に台頭する中国の理系力に対して、アメリカの子供たちが圧倒的に負けていたことに対する危惧や懸念がありました。アメリカは世界のナンバーワンなのだから、子供たちが受ける教育もナンバーワンにしようぜ、という意図だったのかもしれません。

目次

  1. 2015年に失効。成果は出たのか?
  2. 国民の完全な勘違い
  3. ワークブックを買うときの注意点

1.2015年に失効。成果は出たのか?

No Child Left Behindは、2002年にスタートして2015年までという期間限定の政策でした。具体的に何をしたのかは公式サイトを見ていただけると分かると思いますが、ざっくり一言でまとめると、

  • 学校で何を教えるかは州でも先生でもなく連邦政府が決める
  • 生徒にきっちり教えることは先生の義務

としました。皆さんもご存じの通り、アメリカは連邦政府が決めることに対して反対する人が多く、州ごとに独自の方法を好む人がたくさんいます。子供に対する教育でも、州とか学区、または先生が自由に何を教えるか決めたらよいだろう!という反発があったようですね。

またアメリカでは、日本のように全国1億人総中流階級というような横並びではなく、貧困層が多い学区もあれば、裕福な学区もあり、同じカリキュラムで同じ成果を出せというのは、現実的にも難しかったようです。

No Child Left Behindについて詳しく知りたい人はこちらから

最初から期間限定の政策だったNo Child Left Behindは、2015年をもって終了となり、現在では「政府じゃなくて州が決めようぜ」という別の政策に生まれ変わっています。

2.国民の完全な勘違い

きっとアメリカに限ったことではないのでしょう。政府が意図する政策には、それぞれ目的とか希望、理想などがあるものですけれど、国民が正確にそれを理解するとは限りません。

我が家では、No Child Left Behindがスタートしてから数年したころに、ちょうど息子がキンダーの年を迎えました。そこから私の長いボランティア生活がスタートし、たくさんの保護者と話をする中で、私はいろいろなことを考えさせられました。

  • 家庭では何もしなくても、学校が子供を天才にしてくれると思い込んでいた親
  • 学校が子供の教育に全責任を負うべきだと考え、宿題を出すなら鉛筆もよこせと先生に迫った親
  • 宿題出したらBehindになる子供が出るぞ、それでもいいのか、宿題やめろ、と先生に迫った親

などがいました。それは変だろアメリカ人。。。という人は多かったですね。

そうした親と関係しているのかどうかは知りませんけれど、先生の中にも「へ?」という人が居たりしました。

  • どういうわけか、数学の授業に民主主義を採用して答えを多数決で決めた先生
  • 「私は離婚したばっかりなので、今年はやる気ゼロです」と宣言した先生
  • 「できません、やりません、クレーム受けません」のポリシーを体現した先生

この親にしてこの教師あり。。。絶望的な気持ちになったこともありましたね。

そんな私に、最も強烈な印象を与えた人がいました。その方は、

「No Child Left Behindは、Leve Everyone Behindのことだ」

と言い切り、学校を相手にせずせっせと家庭での学習に力を入れていました。

当時の私は、まだアメリカでの教育には暗中模索な状態でした。でも私がこれまで経験してきた狭い常識を考えたら、Leave Everyone Behindがなんとなく現実味を帯びていたというか、理にかなっているなという気がしました。

それからは、我が家でも自宅での学習に力を入れるようになりました。

ちなみに、息子様が小学校の時に使っていたワークブックは、本屋とかアマゾンで格安で購入できるアイテムでした。別に難しい教材でなくても学校で習う範囲をしっかり理解できましたし、そこに私の受験経験から得た応用スキルをちょっとだけ試してみる、というスタンスで取り組みました。

3.ワークブックを買うときの注意点

子供は学校からも宿題を持って帰ってきますが、内容がないよ~という事は少なくありません。(※はい、笑う所です)

アマゾンなどで購入できるワークブックは、学校の学習だけじゃ物足りない、親として心配、というときに役立ちます。

いろんなメーカーがいろいろな難易度のワークブックを出しており、超簡単なレベルの問題しか乗っていないブックもあれば、難易度が高いのに問題だけで答えを配布していない教材もあります。そのため、できるだけ内容をチェックしてから買うことをおすすめします。

問題だけ大量に出して答えがないとは何事だ!という声が聞こえてきそうですね。はい。私もそう思いました。Answer Keyと呼ばれる解答集がきちんと同封されたものを選ぶことも、ワークブック選びでは大切なポイントだと思います。

ナルシスト親に育てられると子供はどうなっちゃう?

ナルシストというと、私たちが持つイメージは

  • 自分が世界で一番美しいと思っている自己陶酔
  • プライドや気位が異常なまでに高い
  • 自分は間違ってない、間違っているのは他人

あたりではないでしょうか。しかし精神学的にみると、実は私たちが持っているナルシストのイメージは、鼻くそレベルの可愛いものなのだそうです。

目次

  1. ナルシストとは?
  2. ナルシストの親に育てられた子供はどうなる?
  3. 高齢の親がナルシストだった。どう対応すればよい?

1.ナルシストとは?

ナルシストとは、医学的には自己愛性パーソナリティ障害という精神疾患です。一言でいうなら、「かまってちゃん」「Needy」な人かもしれません。自分が大きく偉大なものだと勘違いし、他人から構ってほしくて仕方なく、他人に共感したり空気を読まない気分屋は、ナルシストの可能性は高いですね。

ナルシストが親になると、いくつかの特徴が表面化するのだそうです。

  • 子供との会話でも、話題は自分のことばかり。
  • 子供が遊びたい友達を選べるわけではなく、自分の友人の子供と無理に遊ばせる
  • 行動が未熟で理不尽
  • 外面が良い。でも家の中では子供にやたら厳しい。
  • どれだけ親が犠牲を払っているかを嫌見たらしくネチネチと言う。子供に罪悪感と感謝の心を植え付けようとする。
  • 子供にとって大切なイベントでも、気分とか体調を理由に欠席する
  • 子供が嫌だと言っても、無理にスポーツや習い事を強制する
  • 子供を出汁にして他人を利用したり、個人的な利益につなげようとたくらむ
  • イライラやストレスを子供にぶつける。それを悪いと思わない。
  • 子供が一緒に何かをしようと誘っても、色々な言い訳をしてやらない。
  • 子供が巣立つことを嫌い、自立を阻む

書いていて思ったのですが、ナルシスト親って代表的な毒親みたいなものですね。

2.ナルシストの親に育てられた子供はどうなる?

上記のようなナルシストは、ある程度距離のある関係なら可もなく不可もなく、かもしれません。しかし距離が近くなればなるほど毒を発揮して嫌われます。

他人なら、サーっと潮が引くように離れていくこともできるでしょう。しかしナルシストを親に持つ子供となると、離れたいと思ってもなかなか実現はできません。

そんなナルシスト親に育てられることもは、成長過程におけるメンタル部分に、マイナスの影響が出るのだそうです。

  • 優柔不断 →非難されるのではないかという不安が先立ち、なかなか決断できません
  • 自分は無知無力、役立たずで価値がない人間だと思い込む →毒親による刷り込みの結果
  • 自分の心に壁を作る →誰にも傷つけられたくないという一心で、他人と長期的な関係を築くことに不安や恐怖を感じます
  • 自分より他人が大切 →他人にどう思われるかが気になってしまいます
  • うつ病になりやすい →周囲の期待に応えられないと自責の念に苦しめられます
  • 隣の芝が青く見えて仕方ない

3.高齢の親がナルシストだった。どう対応すればよい?

子供の頃には「親なんて大嫌いだ」という強い思いを持ちながら成長し、大人になってようやく、高齢になった自分の親が実はナルシスト親、毒親だったと客観的に知ったという人は意外と多いのではないでしょうか。

自分の親がナルシストの毒親だった。できれば関わりたくない。でも高齢だし。なんて悩んでいる皆さん、高齢のナルシスト親に対して、大人になった私たちができることはいくつかあります。と専門家の先生はおっしゃっています。

  • 変えることは不可能。毒親の間違った言動を指摘しても時間の無駄。
  • 言うことを聞く必要はない。お願いされたとおりに行動する必要もない。右から左でOK。
  • 親が慣れている親中心の世界を尊重する必要はない。親が毒親でも自分自身を大切にするべき。
  • 自分自身のやり方で、最低限の思いやりを持って接する。それだけ。
  • ナルシストは精神疾患なので、自分で対応できなければプロに依頼する方法もアリ。
  • 境界線をしっかり引く。親が境界線をはみ出したら事前に通告したペナルティを課す。
  • こちらの計画に透明性を持たせる。親の賛否は考慮しない。でも透明性を持たせることでもしかしたら理解を得られる可能性はある。

なのだそうです。幼少の頃には毒親に育てられ、成人してからも毒親と関われなんて言われることに激しく抵抗したくなる人はいると思います。

それはそれで、アリだと思います。実際にアメリカの統計によると、親と全くかかわりを持っていない、もしくは過去に親と疎遠にしていた人の割合は、なんと全体の40%以上にも上るのだとか。

それをどう考えるかはあなた次第。「覆水盆に返らず」なのか「血は水よりも濃い」なのかは、価値観やそれまでの親との関係によって大きく違うと思います。

奴隷制を教えない学校がある?アメリカ歴史の授業事情

アメリカの学校では、何を教えるかは国ではなく州が規定しています。そのうえで、各ISD(Independent School District)がどんな教科書を使うかを決めるわけですが、使用する教科書はとても分厚く、1年で終わらないケースは決して少なくありません。しかし必ずしも、教える範囲が多すぎて終わらないという理由だけではないことはご存じですか?

目次

  1. 教えない範囲があるのはどうして?
  2. 意図的に教えない範囲とは?
  3. 州ごとの特徴と取り組み
  4. 最終的には教師の判断にゆだねられる

1.教えない範囲があるのはどうして?

教科書に載っているにも関わらず教えない理由は、いくつかあります。

  • あまり重要じゃないので知らなくても困らないだろう
  • 時間が足りず終わらなかった
  • 教師の宗教的その他の事情で「教えたくない」
  • 保護者から「教えるなそんなもの」という圧力

などがあります。

どの国の歴史も、楽しくハッピーで建設的なものばかりではないと思います。特にアメリカの歴史は、私が日本で習った「北米史」を元に考えると、

  • ヨーロッパで住みづらいと感じていた人たちがアメリカへ移民
  • そしたらネイティブインディアンがいた
  • 仲良くしようと思ったけれど最終的に迫害してしまった
  • アフリカから労働力確保の目的で黒人を奴隷として連れてきた
  • 奴隷だからという理由で迫害したら南北戦争が起きた
  • 第1次、第2次世界大戦に参加。
  • 朝鮮戦争やベトナム戦争、中東での戦争にも参加。

ざっくりとまとめれば、まあこんな感じではないでしょうか。アメリカは1776年に建国してからまだ250年程度と歴史が浅いため、1年間のカリキュラムにまとめるのは難しすぎるということもないと思います。(恐ろしいほどに長い歴史を持つ日本でさえ、しっかりコンパクトにまとめられながら、小学校から高校まで3回リピート学習します)

しかしアメリカの歴史は、内容が迫害や奴隷など明るくハッピーではないものが多く、人種や民族が大きくかかわっていたりするので、教えたくない、知りたくないという人が大勢います。

2.意図的に教えない範囲とは?

日本では、学校で何を教えなければいけないかという範囲は、文部科学省が一元管理しています。北海道に住んでいる人でも沖縄に住んでいる人でも、基本的に学ぶ内容は同じです。アメリカ人が多く住んでいる地域だからアメリカ人に忖度して広島と長崎の原爆投下部分を飛ばす、なんてことはしません。

しかしアメリカでは、何を教えなければいけないかというマストな部分は州が決めますが、どこまで掘り下げるか、また学ぶかどうかに関してはとてもフレキシブルです。そして私達日本人なら「そこは教えたほうが良いのでは?」と思うような部分でも、教えなくても可、としている所がけっこうあります。

具体的には、

  • ヒトラー率いるナチスによるユダヤ人迫害(31の州で義務になっていない)
  • アメリカの奴隷制度(7つの州では教えていない)
  • キング牧師による公民権運動(8つの州で教えていない)
  • 白人至上主義(49の州で義務になっていない)

などがありますね。

3.州ごとの特徴と取り組み

何をどこまで深く掘り下げるか、どんな言葉を使うかは、すべて州が決めています。このように教えなさいという線引きが明確な州もあれば、さらっと触れるだけでOKですという州もあります。

マサチューセッツ州

マサチューセッツ州では、小学校で奴隷制度や公民権の運動、南北戦争が残した遺産などを学びます。そして学年を追うごとに、より深く掘り下げた内容を学ぶことが義務付けられています。

ちなみにこの州は、白人至上主義という言葉の意味を学ぶことを義務付けている数少ない州の1つです。

ニューハンプシャー州

マサチューセッツ州の隣にあるニューハンプシャー州ですが、学校で歴史の時間に何を学ぶかは大きく異なります。この州では、掘り下げて学ぶ必要はなく、奴隷制という言葉、そして人種差別という言葉を学べば良し、とされています。

ウェストバージニア州

この州では、需要と供給を学ぶ中で「奴隷制」を例に出すという教え方をしています。

ノースカロライナ州

アフリカからの奴隷移民のことを「アフリカからやってきたアフリカ人の移民」と教えています。

ユタ州

ユタ州では、人間が不平等な現代アメリカを理解するという目的で、南北戦争のことを教えます。

テキサス州、サウスカロライナ州、ミシシッピ州

奴隷制度を「黒人は白人と同等ではないという真実に基づいて新しい政府を作った」と教え、州の権利を主張することと類似している内容となっています。またこれらの州では、人種差別について学ぶことは義務付けていません。

ペンシルバニア州

ペンシルバニア州では、小学校で人種の関係と少数民族の扱いについて学びます。

メリーランド州

メリーランド州はマサチューセッツ州と並び、白人至上主義という言葉の意味や背景を学ぶことが義務付けられている数少ない州の一つです。

4.最終的には教師の判断にゆだねられる

州が何をどのように教えろと規定していても、実際に生徒へ教えるのは教師です。最終的には、各教師の一存によって何をどこまで学ぶかが決まるといっても過言ではありません。

例えば、ニューヨーク州やニュージャージー州、フロリダ州では、黒人の歴史というカテゴリーをきちんと教えることが義務付けられています。しかし実際には、教えられていない学校は数多くあります。

確かに歴史という事実は、学んで楽しいことばかりではありませんし、気分が悪くなったり不快になることもあるでしょう。私たちが学生の頃に学んだ歴史でも、戦時中に日本軍がアジア諸国で行った悪行については、ほとんど触れられませんでした。ただ単語と年号と共に暗記しただけでしたね。アメリカの歴史も、そういうスタンスなのかもしれません。

学校で教えなくても家庭で教えたら良い

ちなみに我が家は、夫が大の歴史マニアで、あらゆる国のあらゆる歴史に精通しています。はい、利益につながらない趣味ですね。

日本の歴史に関しても、私より詳しく知っているほどです。詳しい年号までは覚えていないものの、どういう背景で何がどうなったのかという時代の流れを正確な前後関係で把握しています。

そんな我が家では、子供が小学校2年生の頃に、当時は発売されたばかりの「History of US」というDVDを見て、家族で討論会をしていました。子供なりの疑問や意見があるでしょうし、一緒に見て一緒に意見を交換することによって、子供なりに良くも悪くも歴史に対する理解度が深まったようです。

現在、息子は22歳ですが、歴史に関しては客観的な視点を持っています。この点においては、学校だけに任せず家庭で歴史の勉強を一緒にしてよかったなと思いますね。

DVD3枚セット
本もある

レストランで子供が何を食べるか決めるのは誰?親?それとも子供?

小さな子供と一緒にレストランへ行き、子供が何を食べるかを決めるその決定権が誰にあるかについては、日米で比較されることも多いですし、色々なところでよく話題となります。

ステレオタイプな意見としては、

  • 日本の親は子供にメニューを選ばせずに親が決める
  • アメリカの親は子供にメニューを選ばせる

といったところではないでしょうか。

実際に私が子育てしてきた中では、このステレオタイプは必ずしもすべての親に当てはまるわけではありませんでした。そこで今回は、”レストランで子供にメニューを選ばせる”ことの是非を考察してみます!

目次

  1. キッズメニューが楽しくて安い!
  2. 子供に選ばせるメリットとデメリット
  3. 私が見たバリエーション

1.キッズメニューが楽しくて安い!

アメリカの飲食店では、キッズメニューが別途で準備されていることが多いです。大人が見るメニューの一部にキッズメニューが紹介されていることもありますが、別途でキッズメニューが用意されていて、子供が座ったら目の前にそのメニューを出してくれたりします。

メニューは、写真付きのメニューがラミネートされている店もあれば、使い捨ての紙にメニューがプリントされていて、食事の際にはマットとして使えたり、待っている時には塗り絵ができるなど、楽しい遊び道具となっていることも多いです。そうした店では、クレヨン数本と共にメニューを渡してくれます。

キッズメニューが写真付きだと、子供はメニューの写真を見ながら「これ食べてもいい?」と聞くことが多いのではないでしょうか。

キッズ向けのメニューはどれもリーズナブルで、お高い店でも5ドル以下がほとんどです。だから子供が全部食べ切れなくても、親としては「くっそー!もったいないことをしたじゃないかっ!」とならずに済みますね。

キッズメニューに写真がついていなければ、就学前の子供だと読めない可能性は高いでしょう。そんな時には、親がメニューを読み上げて、どれにする?と聞くのが一般的かもしれません。我が家もそうしていました。

キッズメニューの選択肢はそれほど多くはなく、レストランによっては3種類ぐらいしかなかったり、多くても5種類ぐらいでした。迷いながらも子供が選べるという点で、とても優秀なシステムだと思いますね。

2.子供に選ばせるメリットとデメリット

レストランで子供自身にメニューを選ばせることは、子供にとっては「考えて意思決定をする」という重要なプロセスを実践できる絶好のチャンスです。子供の大好物を親が知っていて、きっとそれを注文するだろうなと分かっていても、あえて子供に選択肢を与えて決めさせることは、大きなメリットがあります。

具体的には、

  • 状況に応じて意思決定ができる人間になる
  • 選択肢の中から選べるスキルを身に着ける
  • 選ぶ自由と食べる責任をセットで学べる
  • 相手の意見を尊重できる人間になる
  • 自分の意見を持てる人間になる

などがあるでしょう。

それでは、レストランで子供にメニューを選ばせることには、どのようなデメリットがあるのでしょう?

考えてみましたけれど、思い浮かびませんでした。強いて挙げるとすれば、食べ切れずに残してしまい、食べ物が無駄になるという事かなと思います。しかしキッズメニューは大人なら数口で完食できる量なので、子供が残した分は親のお腹に入れれば、食料ロスを回避できます。

ミルクしか飲めない赤ちゃんの時期にあえてキッズメニューを選ばせる必要はありません。しかし子供が普通食を食べるようになったら、レストランでの外出タイムをより楽しくワクワクできる経験にするためにも、ぜひお子様に選ばせてはいかがでしょうか?

3.私が見たバリエーション

私の子育てでは、さまざまな人と子連れで食事に行く機会がありました。その時、皆さんどのように子供にメニューを選ばせているのか、人によってバリエーション豊かでしたので、ここでご紹介しますね。

「これでいいよね?」

アメリカ人の親でも、子供に選択させず、子供が食べられそうなものを親が選んで子供に賛同を得る、という人はいます。

「あなたの好きなMac&Cheeseあるわよ」

これも、子供に選択させるというよりは、親が選んだものを子供が受け入れるというスタイルですね。

「Mac&Cheeseにしたら?」

これも、選択肢を子供に与えるわけではなく、親の提案を子供が飲むというスタイルです。

「何にする?」

どんな選択肢があるか分からない状態で子供が何を食べたいか聞く、フリースタイルなパターンですね。

「Mac&Cheeseとハンバーガー、どっちにする?」

比較的多いのがこのパターンでした。親はキッズメニューを読み上げ、子どもに選択させるというものです。中には「どれもヤダ」という子もいたりしましたが、たいていは「うーん、、、ハンバーガーにする」と選んでた子が多かったです。

レストランでの外食をする機会でも、子育てに役立つアイデアはたくさんあります。

え?噓でしょ?世界の驚愕育児あるある!

私たちが知っている常識は、私達が生きてきた文化や価値観の中で培われたものです。所変われば品変わるではありませんが、世界には、私たちが「えええっ?噓でしょ?」と腰を抜かしてしまいそうな育児方法がたくさんあります!

目次

  1. 親が店内にいても子供は外に放置
  2. 昼寝の赤ちゃんを凍える外に放置
  3. 夜更かし上等
  4. 子供もワインをたしなむ
  5. お尻ぺんぺんは違法
  6. そして我らが日本が誇る、外国には信じられない異常あるあるとは?

1.親が店内にいても子供は外に放置

えええっ?としょっぱなから驚いているあなた。まだまだお話は始まったばかりです!

これはデンマークの文化では全く変ではないことで、親がショップで買い物をしている時や、レストランで食事をしている時には、なんとベビーカーに乗っている赤ちゃんは、ベビーカーごと外に放置されるのだとか。

デンマークの人曰く、デンマークのベビーカーは世界の中でもトップレベルの最先端技術が駆使されており、テクノロジーを駆使したベビーモニターが標準装備されているのだとか。だから安心なんですって。

2.昼寝の赤ちゃんを凍える外に放置

はい、これはノルウェイやスウェーデン、そしてフィンランドのあるある育児です。これらの国ではもともと日射量が少ないため、太陽光に当たることは健康法として「とても良いこと」だと考えられています。

それはもちろん、否定できません。

しかし、この凍える北欧の国では、なんと氷点下な季節でも、赤ちゃんを毛布に包み込んで屋外で昼寝させるのが良しとされているそうです。

新鮮な空気は体にとても良いのだそうで、免疫力を高めて風邪やインフルエンザなどにかかりづらい体質づくりに貢献してくれるのだとか。

3.夜更かし上等

日本でも、近年では小さな子供が塾に通ったり習い事に行ったりしているため、就寝時間は結構遅いと思います。これは日本だけでなく、台湾や香港、またインドなどでも同じです。

子供が何時ぐらいに寝るかという点については、国によって大きな違いがあります。例えばオーストラリアとかニュージーランドなどでは、子供はなんと夜8時前には就寝するのが普通なのだとか。

一方、上記のアジア諸国では、小学校でも平均10時。中学校に入るともっともっと遅くなってしまいます。しかしそれは、「子供は忙しいので普通のこと」なのです。

4.子供もワインをたしなむ

飲酒してはいけない年齢は、国によって違います。しかしワインの都イタリアでは、なんと子供でも食事の際にワインを飲む習慣があるのだそうです。

ヨーロッパでは、合法的に飲酒ができる年齢は18歳~と決められています。しかし、家族の絆や文化の方が大切だと考えるイタリア人にとっては、子供だって食卓でワインを飲むことに対して、まったく違和感を感じない家庭が多いのだとか。

5.お尻ぺんぺんは違法

私が子供の頃には、しつけという名目で親からひどい仕打ちを受けたことがありましたし、学校でも教師が生徒を平手打ち、なんてことは日常茶飯事でした。

しかし時代は変わり、今では日本でも体罰的なことはNGな方向になっているのではないでしょうか。

これはアメリカでも同じです。小さな子供に対して、素手ではなくベルトで「しつけ」をする親はよく聞きますし、素手でお尻をひっぱたくのは「しつけ」で体罰ではないと考える人もたくさんいるようです。

しかしスウェーデンでは、親による子供へのお尻ぺんぺんは、それがしつけであろうと何であろうと、違法行為となっています。

1979年に法改正によって決められたもので、現在ではスウェーデンだけでなくほかに52の国が子供へのこうした異常なしつけを禁止しています。

6.そして我らが日本が誇る、外国には信じられない異常あるあるとは?

皆さん、ここまで読んで、「主語がデカいだけなんじゃないの?」なんて半信半疑だった人は多いのではないでしょうか。

しかし、私たちが生まれ育った日本にも、外国からは信じられない異常なあるある育児は存在しています。それは、

小さな子供でも一人で電車やバスに乗る

という事です。

ね?そう言われれば、他の国の異常あるあるも、そうなのかな、なんて思えてきませんか?

修学旅行は希望者のみ!子供たちはこうして格差を学ぶ【修学旅行・前編】

日本では多くの場合、小学校と中学校、そして高校とで修学旅行なるものがありました。私が学生だった昭和の時代には、基本的には全員が参加する一大イベントで、1年から2年間ぐらいかけてコツコツと毎月学校で積み立てをしていたような記憶があります。

アメリカにも、こうした修学旅行的なSchool Tripは存在します。しかし、すべての学校がこのイベントを開催するというわけではなく、行くかどうか、また行く場所や日数などは千差万別です。

息子はミドルスクールの終わり、8年生の時に修学旅行に参加しました。いろいろな面で日本と大きく違っていたので、ここでご紹介しますね。

目次

  1. 参加は希望者のみ
  2. 払えない人はどうする?
  3. 意外とハードなFund Raiser
  4. そんな修学旅行、どうだった?

1.参加は希望者のみ

息子が通ったミドルスクールでは、毎年8年生がフロリダのディズニーワールドへ1週間の旅行に行くというのが慣例でした。子供たちはミドルスクールに入学したときから、それを楽しみにしていたそうです。

修学旅行に向けてのオリエンテーションなるものは、1年前にスタートします。保護者が足を運べるであろう夕方ぐらいに「修学旅行へ参加したい人は保護者同伴で」オリエンテーションに参加するように申し付けられました。

実際に足を運んでみると、全体の半分以下しかおらず、驚きました。しかも、大半は女子。男子生徒は、息子を含めて10人程度しかいなかったと思います。

ちなみに、1週間の滞在でかかる費用は、1,500ドル程度でした。これには渡航費と宿泊費、そして食費、それにディズニーワールドへ入園する代金も含まれていました。金額だけを見ると、とてもお得だと思います。しかし、この1,500ドルをポンと出せる家庭もあれば、どう頑張っても出せない家庭もあるわけです。

オリエンテーションは、そのためのものでした。

2.払えない人はどうする?

私たちに与えられた選択肢は、3つでした。

  • 全額を一括もしくは分割で払う(一括で払ってもディスカウントはナシ)
  • Fund Raiserをすれば、払う金額が安くなる。いくら安くなるかは自身の売上次第。
  • 金額を見て「行かない」「行けない」という選択肢もOK

金額を聞いて「やっぱり行けない」という判断をした家庭もあったと聞いています。事前にいくらぐらいかかるのかを知っていたために、最初からオリエンテーションにも参加しない家庭もあったことでしょう。

子供の中には、本人は行きたいと思っているけれど、家庭の経済的な事情で行けない子もいました。そのため息子の友達が家に遊びに来ても、傷口に塩を塗り込むような言動をしないために、

「ディズニー、君は行くの?」

「行かない」

「なんで?」

という会話は控えていました。

3.意外とハードなFund Raiser

handing of dollar bills

アメリカの学校で良く行われているFund Raiserは、楽しそうに見えますが、実際にはかなり大変です。学校側が提携するFund Raise業者からカタログをもらい、それを訪問販売するわけです。

しかも、商品はFund Raiser向けのものなので、正直ちゃっちい…。そして割高です。これを、知らない人の自宅を訪問して売らなければいけません。時間をかけても、頑張っても、まったく売れずに売り上げゼロという子もいるわけですね。

ちなみにアメリカでは、祖父母や親戚が同じコミュニティの中で暮らしているというケースがたくさんあります。また、ずっと同じ土地で生活している人なら、仲良しがたくさんいるので、子供が何もしなくても親が職場で売りさばいてくれるという事も多いものです。

しかし夫の職場では、そうした公私混同的なものが禁止されていましたし、私は友人にガラクタ的なものを販売することに抵抗があったので、できませんでした。

そのため我が家では、旅行費は全額を親が負担して払うという選択をしました。周囲のお友達も、やはり保護者の方が頑張って全額を負担していたようです。

4.そんな修学旅行、どうだった?

家庭の経済力によって参加できるかどうかが決まった修学旅行でしたが、旅行先でも息子はハプニングに見舞われました。そのエピソードについては、次回ご紹介しますね。

後半へ続く

転校するなら事前チェックはマスト!知らないと子供が地獄を見るかも?

アメリカでは高校までずっと公立高校があり、入学の際に受験などは必要ありません。法律で定められた義務教育というわけではなくても、普通に生活していればキンダーから高校までは自宅そばの学校へ通うことができます。

しかし、親の転勤などで引っ越すことになった場合、親ももちろん大変なのですが、子供がもしもハイスクールなら、ただ学校を転校すれば済むだけの話ではありません。転校してから「こんなはずじゃなかった」と激しく後悔したり、子供から長期にわたって恨まれるリスクすらあるでしょう。

その理由は「クラスの単位のトランスファー」で想定外の事態が起こってしまうことがあるからです。

もしも、お子さんがハイスクール中にISD外、もしくは州外へ引っ越す人は、ぜひこの記事を読んで事前にしっかりと準備することをおすすめします。

私は運よく、転校先の学校を調べる中で、この落とし穴を見つけました。そして、リサーチすればするほど、怖くなって震えてしまいました。

目次

  1. クラスの難易度とGPAの関係
  2. どうしてそこまで神経質になる必要が?

1.クラスの難易度とGPAの関係

まず最初に、アメリカのハイスクールでどんな難易度のクラスがあって、GPAがどうなるのかを簡単にご紹介しますね。

アメリカのハイスクールは、ISDによっても州によっても、どのレベルのクラスがラインナップされているかが異なります。学校がオファーするクラスの難易度には、

クラス難易度GPA(例)
Basic (Traditional)基礎を教える簡単なクラスAで4.0
Pre-APBasicとAPの中間(中級レベル)Aで4.3
AP難関クラス(AP試験の結果次第)Aで5.0
Dual Credit州立大学の単位になるチャンスあり(試験なし)Aで4.5
IBインターナショナルな学校に多いAで5.0

などがあります。これはあくまでも一例です。例えば同じISD内に、IBクラスをオファーする学校もあれば、しない学校もあったりします。

GPAの計算方法も違います。息子が通っていた学校では、APクラスの方がDual CreditよりもGPAは高かったのですが、他の学校ではDual Creditが一番高いという違いがありました。

同じ基準で計算されるなら、それほど問題になることはありません。しかし転校となると、受け入れ先の学校には独自のルールがあるので、今のルールがマイナスに影響することがあります。

例えば、

  • どの難易度のクラスが、何年生からオファーされているか
  • 他州からの受け入れGPAへの換算方法

などは、独自のルールがあるのです。この「ISDごとによる違い」が、転校する時には大きく足を引っ張ることになることがあります。

2.どうしてそこまで神経質になる必要が?

man wearing black polo shirt and gray pants sitting on white chair

学校によって、GPAの計算方法が違うことは、私は以前から知っていました。そのため、引っ越し先の学校ではどうなるか興味本位で計算してみたところ、GPAが驚くほど低くなってしまったのです。

「え?」

と思い、詳しくガイドラインを読んでみて、恐ろしいことに気づきました。

詳しい話は省きますけれど、転入する学校次第では、息子の「最高の頑張り」が、「それなりに頑張った」ぐらいにしか評価されなくなることを知りました。

私はもうパニックです。引っ越しの準備で多忙を極めていたものの、知り合いの何人かに聞いてみました。しかしママ友に尋ねても、皆さん答えは

「知らない」

なのです。ハイスクールのカウンセラーに尋ねても、「…Should be…」と分からない様子。プリントアウトして持参したガイドラインを見てもらったところ、「ありえない」「信じられない」「えー?」みたいな反応でした。

しかし最終的には「仕方なくない?」と。

おいおい、ちょっと待ってくれ。仕方なくない?では済まないだろ。まぁそう言うしかなかったのでしょうけれど、息子の頑張りが評価半分にされることに対して、私は断固拒否しようと思いました。

しかし、私が拒否しようとしまいと、学校の評価基準は変わりません。その時点で私ができることと言えば、

「住む場所を学区で決める」

という事でした。

幸運にも、引っ越し先で住む場所をまだ決めていませんでした。そこで各ハイスクールへ息子のレポートカード(成績表)をメールに添付し、私が心配していること、私の理解が正しいかを聞きました。

その中で、レスポンスよく返信してくれたハイスクールでは、運よく息子の頑張りが評価半分にならずに済むとのことだったので、そこへ通わせることにしたのです。

ちなみに、業者や学校でもいい加減な人が多いアメリカ。いくつか連絡したハイスクールの中には、なんとノー返信、まさに既読スルーな学校もありました。その後、電話もかけてメッセージを残しましたが、折り返し電話をいただくことはありませんでした。

ちなみに、カウンセラーがそういういい加減な学校は、できるなら避けるのが賢明です。

なぜならハイスクールでは特に、カウンセラーが生徒と大学との懸け橋となります。カウンセラーがいい加減だと大学の願書出願やそれ以降のやり取りが間に合わなかったりして、生徒が地獄を見ることになりかねません。

トランスファー不可のケースもある

我が家の場合には、前のハイスクールで取得したクラスは、とりあえず全クラスがトランスファーできました。計算方法で不満があったために学校選びの段階で難航したものの、取得したのに受け入れてもらえない単位が発生するという事はありませんでした。

しかし、海外や州外から単位をトランスファーする場合には、受け入れてもらえないケースが少なくありません。特に多いのは語学で、例えば前の学校で「Japanese」のクラスをとっていても、受け入れ先でそのようなクラスをオファーしていなければ、手続きする際にコードがないためにトランスファー不可となってしまいます。

語学だけに限らず、受け入れ先のカリキュラム次第では、受け入れられなかったり、そのために単位が不足して卒業できない、なんて事態になるリスクもゼロではありません。

たかが単位、されど単位。

子供のことだからこそ、親としてはできるだけ不要な障害物は取り除いてあげたいと思います。はい、私はブルドーザーペアレントです。

ブルドーザーペアレンツについては、こちらから

アメリカの遠足!同伴する親は何をするの?

私が小学校の時には、遠足に親がついてきた記憶がありません。おそらく、学校の先生が数人で クラス全体を引率していたと思います。

しかしアメリカの遠足は、シェパロン(Chaperon)と呼ばれる親の引率があります!これは親がボランティアでするもので、母親だけでなく、仕事を休んで同伴する父親もたくさんいます。私も息子の学校では「学校に入りびたっている」と思われるほどボランティアをしまくっており、遠足のシェパロンも毎回参加していました。

複数の学校、複数の先生のもとでシェパロンの経験をしてみて、私が感じたことをご紹介しましょう。

遠足は少数のグループで行動

laughing children in between woman and man at daytime

遠足に親が同伴すると、親ごとに子供が数人ずつ割り振られます。日本で言うところの「班」のような感じですね。アメリカの遠足では、基本的に少数のグループで自由行動が多いです。例えば美術館やパークに行ったら、集合は何時ですとシェパロンの親に言われ、集合時間まではグループごとの自由行動となります。

親がシェパロンとして同伴する場合、自分の子が普段仲良くしている友人を同じグループにしてくれることが多いです。人数は5,6人といったところでしょうか。シェパロンは、子供がはぐれたりしないように監督しながら、グループ行動をするのです。

同伴する親やボランティアなので、遠足ごとにシェパロンの数は変わります。親が行ってみたいと思うような場所だとボランティアは多くなりますし、そうでなければ同伴したい親は少ないです。その場合、先生が子供たちを引き連れて歩くことになります。保護者が監督するのは5人で、先生は10人の子供を連れて歩くという事もありました。

特にすることは何もない

遠足に同伴したからと言って、特にしなければいけないことは何もありません。遠足の場所は大体子供の年齢や学年にあった場所が選択されているので、子供たちの自主性に任せて「次はどこ行こうか?」などと羊飼い的な役割をしていれば問題ありません。美術館のような場所だと、展示品に触るなとか、勝手に走るなとか、大声で騒ぐなという注意はもちろんしますが、年齢が低い学年だと、遠足も他人に迷惑がかかりづらいアウトドアが多いです。

保護者に金銭的負担を求められることはある

red and white coca cola vending machine

遠足の場所によっては、有料で入館できる施設があったり、売店があったりします。気が利く親なら、遠足の時には子供にいくらお小遣いを持たせるのですが、必ずしも子供たちが全員、小遣いを持ってくるわけではありません。そうすると、売店に行った時に「Ms.XXX、僕お金ないの」と泣きつかれたりします。

学校の先生は、そうした泣きつきに屈することなく「お金がないなら買えないね」と突き放してました。ひとりに与えると全員に与えなければならなくなり、キリがないからだそうです。平等に、という点では素晴らしいと思います。

先生の中には、「売店にアイスクリームあるけど、シェパロンが買ってあげてもいいですよ!」なんて余計な一言を言う人もいました。そうすると、買ってもらえるのだと思い込む子供がいて、「早くアイスクリームが食べたい!」とねだられることもありましたね。

小学校3年生ぐらいになると、子供に知恵がつきます。そのため、自分ではお金を持っていてもシェパロンに買ってもらおうとするズルい子が出てきます。これは注意したほうが良いですね。

小学校4年生の遠足では、こっそりと私にアプローチしてきて、他の子には内緒で自分だけにお金をくれという信じられない子もいました。

私が遠足に同伴したときには、ジュースかアイス程度に限定して、私のグループにいる子に買ってました。現金を渡すことは少なく、アイスかジュースを子供たちに選ばせて、私がまとめて会計するというスタイルが多かったです。

事故はあります

遠足は、子供にとってはワクワクする特別なイベントです。普段はおとなしい子でも、興奮して羽目を外すことはあります。

息子がキンダーの時に、遠足で牧場に行ったことがありました。そこで、おとなしい子がエキサイトして馬に近づきすぎ、頭を噛まれるという事件が起こったのです!

その子は流血したりケガをしたわけでもなかったので、きっと「噛まれた」というよりも「馬の歯が当たった」程度だったのかもしれません。しかし後日、その親から先生にクレームが入りました。「息子が馬に噛まれたって本当?」と。子どもたちの話をどこからか聞きつけたようでした。

小学4年生の時には、お子様向けのテーマパークの噴水プールみたいなところで遊んでいた子供が滑って転び、足をすりむきました。帰宅直前だったのでそのままその子はバスに乗って帰りましたが、翌日先生のもとに親からクレーム。「子供の足が赤くAlmost Infectedだった」とのことでした。

子供の遠足に同伴するボランティアは、とても楽しい思い出です。皆さんもこれからもし機会があれば、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?

一歩間違えたら誘拐犯になってたかも!?

アメリカには、日本の常識とは全く違う常識があります。特に子供に関しては、私たちが日本人として持ち合わせている常識とか親切心で行ったことでも、アメリカでは「余計なお世話」「するべきじゃない」「犯罪者の疑いあり」とみられてしまうことがあるかもしれません。

目次

  1. 事件は、街のお祭りで起きた
  2. 親切は犯罪?
  3. 知らない子供に触れることはハイリスク

1.事件は、街のお祭りで起きた

アメリカでは、人口1,000万人ぐらいの規模の町なら年に1回か2回ほど、Fairと呼ばれるお祭りが開催されます。これは簡易遊園地みたいなもので、ショッピングモールの駐車場のような広い場所に、子供向けのアトラクションがずらりと設置されて、子供たちが楽しく遊べるというものですね。

ちなみに、当たり前ですがアトラクションは有料です。

息子が2歳の時、私たちはカリフォルニアに住んでいました。それまでFairなるものに足を運んだことがなかった私は、ワクワクしながら夫と息子と3人で足を運びました。

Fairに設置されるアトラクションの多くは、小さい子供が喜びそうなものばかりです。子供だけで乗せる親もいますし、親が一緒に乗ってもOKな乗り物もたくさんあります。息子が乗りたいと指さした乗り物は、子供だけでもOKかつ親と一緒でもOKな乗り物で、私たちは家族で乗ることにしました。乗り込んだら、係の人がシートベルトを締めてくれました。

アトラクションが終了すると、私は自身のシートベルトを外して隣にいた息子のベルトも外し、降りようとしました。

その時、後ろから子供の泣き叫ぶ声が聞こえたのです。

2.親切は犯罪?

振り返ると、息子と同じぐらいの年齢の女の子が、どうやら降りたいのにシートベルトを外すことができず、しかも他の人はほとんど降りてしまったため、パニックになって泣き叫んでいたようでした。

あたりを見ると、係員は次の乗客のチケットを確認する作業で忙しく、誰も助けに来ません。

私は、余計な親切心を出してしまい、「大丈夫?」とその子に聞きました。するとその子は泣き叫びながら「外せない!」というのです。そのまま泣く子を放置して降りてしまうこともできましたが、その子のシートベルトを外すことぐらい大したことではないと思い、私は外してあげました。

今から考えると、おそらく私自身の危機管理が十分ではなかったのでしょう。今もし同じ状況になったならきっと、あなたの親がすぐ来るよと告げ、私はそのまま自分の家族と共に降ります。

しかしその時の私は、助けるのが親切だと思ったのです。

その後、私達は乗り物の台から地面へ伸びる階段を下りたのですが、その階段がけっこう急でした。夫がちょうど階段の所で息子を抱っこしてくれたので、私はその後ろからバランスを取りながら降りました。

その時真後ろで、さっきの子がまた泣き叫んでいます。振り返ると、怖くて降りられないから抱っこしてくれ的なポーズで、両手をあげて私を待ってます。

「へ?」

と思いました。階段が急だから怖いのだろうという事は分かりましたけれど、知らない子を抱っこするのはちょっとな、と思ったので、私は手を貸すことにしました。その子は私の手を握って階段を下りました。

地面まで降りたところで、私はその子に聞きました。

「パパかママのところに行ける?」

そしたらその子は「サンキュー」と言って親のところに走っていったようでした。親の所へ無事にたどり着いたかどうかまでは確認せず、私は夫と息子と歩き出しました。

その数秒後、なんとその親に呼び止められたのです。

びっくりしました。

おそらく、一緒にアトラクションに乗らずに外で待っていた両親は、娘が見ず知らずのアジア人の手を握って降りてきたものだから、誘拐犯かと思ったようでした。

私は憤慨しました。人の親切に対して誘拐犯とは何事だ!と思い、ワナワナしました。

その時は、一緒にいた私のアメリカ人夫がその子の父親に「お宅の娘が泣き叫んでいたので、私の妻が親切心でシートベルトを外してあげたんだ。階段を降りる時には手を貸したんだよ。見ろよこの階段、小さな子だと落ちそうだろ?」

というと、その子の父親が状況をようやく理解したらしく、「娘を助けてくれてありがとう。感謝します。」といって立ち去っていきました。

3.知らない子供に触れることはハイリスク

アメリカでは、誘拐が日常茶飯事に起こっています。それだけでなく、子供への性的いたずらを目的とした犯罪などもたくさんありますし、性犯罪や臓器売買目的の誘拐も多いです。子供から一瞬でも目を離したすきに子供がいなくなってしまうと言っても、大げさではありません。だから親は皆、子供の体に誰かが触れることに対してとても警戒します。

もしも私たちが親の立場でなくても、他人の子供に対しては、犯罪者だと勘違いされるような行動をしないように気を遣います。見ず知らずの子供に対しては、どんな行動のどの部分が切り抜かれてイチャモンを付けられるか分かりません。だから大人の方から、基本的には身体的な接触を全力で避けます。

(その子の親が目の前にいる状況でハイタッチをするとか、そういう接触はもちろん別です)

ハグやスモールトークが当たり前、とてフレンドリーなイメージがあるアメリカですが、そうした犯罪も多い国だからこそ、見知らぬ他人への警戒はもひときわ強いのかもしれません。