アメリカの大学は、皆さんが想像する通り、高額です。その中には、比較的リーズナブルに通学できる所もあれば、年間の学費が年収より高いじゃないか!なんていう驚愕的な大学などもあるわけですね。
しかしこれはあくまでも、大学1年生から4年生までを同じ大学で学ぶことを前提とした場合の話です。アメリカの大学には、コミュニティカレッジなども多くあり、工夫すれば驚くほどリーズナブルに大学を卒業することも不可能ではありません。
ここでは、お金をできるだけかけずに大学を卒業するための節約術をご紹介します。
目次
1.まずは高校のカウンセラーに相談
できるだけコストをかけずに大学を卒業するためには、まず安くスタートできる大学探しから始めなければいけません。そのためには、ハイスクールのカウンセラーに相談するのがベストです。
何を相談するのかが分からない、という人がいるかもしれませんね。
相談する内容は、住んでいる街の周辺に、自宅から通えそうなコミュニティカレッジがあるかどうかを聞くのです。
コミュニティカレッジのリストをゲットするだけではNGです。ここから先が大切なポイントです。
そのコミュニティカレッジを卒業したら、単位を自動的に丸事すべて受け入れている4年制大学はあるかどうか、という点まで必ず確認してください。
もしも同じコミュニティにコミュニティカレッジと4年生の州立大学がある場合、多くの場合には、コミュニティカレッジの単位を4年制大学が受け入れるという協定を結んでいます。それをチェックするのです。
はいこれで、大学4年間のプランが見えてきましたね。
4年制大学と比較すると、コミュニティカレッジはハードルがとても低く設定されています。寮がなく、憧れのキャンパスライフをエンジョイしたい人にとっては期待外れかもしれません。天才や秀才たちがおらずにガッカリしたり、キャンパス中が盛り上がるスポーツの試合などもなく、つまらないと感じる学生生活になる可能性もあります。
しかし安心してください、ここはアメリカ。あとからいくらでも挽回できるチャンスはあるのです!
2.ハイスクールでしておくこと
大学にかかる費用をすこしでも安く抑えるためには、ハイスクールでDual Creditとなるクラス、そしてAPクラスを積極的に、少しでも多く獲得することをおすすめします。
理由は、大学の単位としてカウントされるからです。
- Dual Credit →州内の州立大学なら大体カウントしてもらえる。
- APクラス →年度末にAP TESTなるものを受け、1から5までのスコアを獲得。スコアによって進学する大学で受け入れてもらえるかどうかが変わる。
こうしたクラスは、ハイスクールで受講する際に100ドル程度の費用がかかるかもしれません。かかる費用、無料か有料かに関してはISD次第です。お金がかかったとしても、ハイスクールで受講しておいた方が大学に入ってから受講するよりもリーズナブルなのでおすすめです。
3.コミュニティカレッジに2年通ってAssociateを獲得しよう
さて、ハイスクールで複数の大学単位を獲得している状態でコミュニティカレッジに進学すると、どんなメリットがあるのでしょうか?
- コミュニティカレッジの卒業に必要な単位数が減る
- 2年を待たずに卒業できるチャンスがある
- コミュニティカレッジ卒業までにかかる費用を安く抑えられる
しかも、コミュニティカレッジは自宅から通学することが前提なので、寮費などは一切かかりません。アルバイトをしながら両親のすねをかじるのも上等です。
4.大学へのトランスファー、そして2年で卒業
コミュニティカレッジを卒業する見込みがついたら、すべての単位をトランスファーできる大学へ入学を申し込みます。トランスファーなので、新規入学を希望する高校生たちとは合否基準が若干異なり、編入しやすいはずです。
コミュニティカレッジの単位を受けいてくれる大学は、私立よりも州立大学が多いです。上記のように、あらかじめコミュニティカレッジを提携を結んでいる大学なら、もれることなく単位をすべてトランスファーできるので、金銭面でも最低限に抑えられます。
4年生の大学へトランスファーしたら、あなたは卒業まであと2年の所にいます。
必要な専門科目を積極的に取得しながら、必ずガイダンスオフィスと連携プレーで、どの単位をいつ取れば最短で卒業できるかというプランニングをしながら大学生活を送ってください。
アメリカの大学は、専門単位が不足していても、卒業に必要な単位を取得していれば、General Studyという専攻名で卒業することはできます。だから、専攻する履修単位が足りなくて卒業できないからと言って、焦る必要はありません。
5.注意点とは?
それでは、この最安の方法で大学へ行くことには、どんな注意点があるのでしょうか?
- 学力面での難易度は度外視した大学選びになる →大学院で知名度のある所へ行けばV字回復できるのでOK
- 地域によってはコミュニティカレッジでも費用が高い可能性がある
- 行きたい大学、学びたい事がある人にとっては、コストをとるか学びをとるか、究極の選択になるかもしれない
- 選民意識のある私立大学だと、その大学院への進学が難しくなる可能性はある
などがありますね。
アメリカの大学へ、できるだけお金をかけずに通って卒業することは可能です。試行錯誤しながらでも良いですし、学費を稼ぐために数年間働くという人もたくさんいます。大切なことは、無理せずに通える大学を見つけ、できるだけ無駄を省いて最短で卒業する道を見つけることと、目標を設定したら最後までやり遂げる実行力なのかもしれませんね。