アメリカの高校生と妊娠の実態

アメリカでは、10代で出産する女性が15.4%います。その中にはハイスクールに通っている高校生などもいたりします。息子様が通っていた公立高校でも、学年に1人か2人ほど、高校を卒業する前に父親になった子がいました。

妊娠したからと言って、必ずしも即結婚というわけではありません。ハイスクールを卒業したら結婚しようねと約束するカップルもいれば、ハイスクールではなくて大学を卒業するまでは結婚しないカップルもいます。

今回は、私の周囲で実際に起こった「高校生の妊娠」をご紹介します。

高校生でシングルマザー

ハイスクールから徒歩数分の絶好ロケーションに住んでいたママ友。ある日、彼女がランチタイムに職場から自宅に戻ってみると、なんと裸で彼氏とベッドに入っている娘を見つけたそうです。

案の定、その子は高校生のうちに妊娠しましたが、籍は入れることなく、シングルマザーとして出産しました。

なぜ籍を入れないのか聞いてみた所、理由は健康保険にありました。

アメリカの健康保険は、フルタイムの学生で独身なら、子供は26歳ぐらいまで親の扶養に入ることができます。2010年に法律が変わり(オバマ大統領ありがとう)、結婚しても26歳までは親の健康保険に加入できるようになりましたが、当時は結婚したら自動的に親の健康保険から外れる仕組みでした。

もし高校生カップルが結婚しても、お互い学生で収入もなく、親の扶養家族でなくなって健康保険を別途で入ることは、経済的に無理だと判断したようでした。

同居の末、破局

夫の職場にいた同僚女性は、甥っ子を引き取って面倒を見ていました。かなりイケメンの彼は、やはりハイスクールでも女子生徒にモテたらしく、高校2年生で彼女が妊娠、父親となりました。

彼はそのままハイスクールへ通い続けましたが、彼女は学校を中退して、赤ちゃんと共に彼の家で同居生活を始めました。

しかし、お互いにティーンで若く、いろいろ遊びたい盛りだったのでしょう。赤ちゃんを残して夜遊びが多く、働きながら赤ちゃんの面倒を見る羽目になった叔母から何度も注意を受けていたそうです。

結局、赤ちゃんの母親は「こんな口うるさい家で暮らせるか」と捨て台詞を履き、赤ちゃんを置いて単独で家を出ていったそうです。

高校を卒業する前にシングルファーザーとなってしまった甥っ子でした。

育児は祖父母任せが多い

息子様が所属していたハイスクールのフットボール部にも、同級生で2人ほど、卒業前に彼女が妊娠して出産した生徒がいました。高校を卒業したら就職して結婚するのかと思いきや、2人とも大学へ進学しており、私は少なからず驚きました。

アメリカの大学は、全ての大学ではありませんが、学校によっては夫婦で暮らせるファミリー寮があります。そうした所で生活しながら、学業とバイトを掛け持ちする学生は一定数いるようですね。

もしもファミリー寮がない大学や、子供はいるけれど学業だけに専念したい人は、実家に赤ちゃんを残して、もしくは母親がシングルマザーとして赤ちゃんを育てながら、父親は大学が長期休みの時に訪問する、という形をとることもあるそうです。

ただし、大学生活の間に別の人と恋愛関係になってしまう可能性はもちろんあるので、必ずしも結婚というハッピーエンドが待っているとは限りません。

アメリカの大学受験と合格通知の真実

アメリカの大学受験プロセスは、日本と大きく異なります。願書の受け付けは入学の1年前から一斉に始まり、SATやACTと言った標準テストの結果をはじめ、学校の成績や論文など、幅広く審査されて合否が決まります。

大学ごとに合否結果を一斉に発表する所もあれば、願書を受け取った順に審査をして合否通知を発送する所もあります。

生徒によっては、高校のシニア年度が始まった直後に進学する大学が決まるという事も珍しくありません。しかし、大学が決まったらと言って気を抜くことなかれ。なぜなら、

合格通知を取り消される可能性がある

からです。

目次

  1. 受け取る合否通知は「内定」みたいな位置づけ
  2. 息子様にも怖いお手紙が来た

1.受け取る合格通知は「内定」みたいな位置づけ

自宅に送られてくる合格通知は、言っていれば内定みたいなものです。大学側としては、

「合格通知を出した時と同じ成績を維持し、品行方正でい続ける事」

を正式に大学への入学を認める条件と定めています。

品行方正であるかどうかは、今までと同じように生活していれば問題ないでしょう。

しかし、成績に関しては、注意が必要です。

ハイスクールの最終年で大学も決まったし、あぁもう宿題でストレスを感じる必要もない!なんて気を緩めてしまうと、成績が下がり、大学から「合格はなかったことにしましょう」と書かれた恐怖のお手紙が送られてくる可能性があります。

特に名門と呼ばれている大学ではこの傾向が強いので、注意してください!

2.息子様にも怖いお手紙が来た

実は私の息子様も、この怖いお手紙を受け取りました。

進学すると決めた大学からは、定期的にメールが送られてきました。メールの内容は「はい、今学期のレポートカードを送ってください」というものです。

アメリカの高校は、学校によって2学期制もあれば3学期制もあったりして、レポートカードが出るタイミングは異なります。しかしどの学校でも、Progress Reportという中間成績みたいなものがあり、大学から成績を出せと言われたら、レポートカードなりProgress Reportなり、その時に最新の成績を提出しなければいけません、

息子の場合、どの科目かは忘れてしまいましたけれど、大学へ成績を報告するタイミングで最新だったProgress Reportで、70点台がありました。

成績を維持することが入学の条件だということは息子も心得ていたため、この70点台をとってからは気を引き締めて成績回復につとめました。その結果、レポートカードに記載される成績は、なんとか80点代の後半ぐらいまで回復し、一応の帳尻は合わせたと安心していました。

しかし、学校に提出した成績の一つが70点台だったということで、息子は大学から脅迫まがいのお手紙を受け取りました。

「この成績、何ですか?話が違いますよね?これ、どうにかしてもらえますか?できなければ、合格を取り消すことも考えているので、よろしく。」

そんな内容でした。

私はガクガクブルブルで顔が真っ青になりました。大学へ電話する勇気がなかったので、アポも取らずに高校のカウンセラーの元へ手紙を握りしめてダッシュしました。

カウンセラーは手紙を読んで絶句し、「こんなの見たことない。。。」とコピーを取ったうえで、大学側へメールを送ってくれました。

数日後、大学側からの返信を見せてもらいました。それによると、

「あぁ、この70点台が気に入らなかったので送りました。でも今は回復して80点台なんでしょ?だったら心配ご無用ですよ。」と。

ネットで調べたところ、合格取り消しになる目安は、AからCぐらいの幅だそうです。もちろん大学にって基準は異なるので、AからBになっても取り消されてしまうことは、もしかしたらあるかもしれません。

これから大学受験を控えている皆さま、正式に新入生として大学の寮へ引っ越すまでは、どうか気を抜かずにベストを尽くしてくださいね!

アメリカのボーディングスクール: 特徴とデメリット

アメリカには、庶民には全く縁のないボーディングスクール(Boarding School)というものがあります。これは全寮制の学校で、平日だけでなく週末も自宅に自由に帰ってくることはできません。夏休みとか冬休みのような長期休暇の時だけ、家に帰ることができます。

今回は、私にも息子様にも、ついでに言うなら夫にも全く無縁だったボーディングスクールについて調べてみました!

目次

  1. ボーディングスクールの特徴
  2. ボーディングスクールに行くメリット
  3. ボーディングスクールのデメリット
  4. こんなボーディングスクールもある!

1.ボーディングスクールの特徴

ボーディングスクールには、いくつかの特徴があります。

  • ハイスクール(9年生から12年生)が一般的。中にはミドルからスタートする学校もある。
  • 全寮制なので当然だけど学費はとても高い
  • 学校ごとに目的が違う。アカデミックな学校もあれば、問題児を主に受け入れる学校もある。スポーツ育成や軍人育成のための学校もある。
  • 学区はない、国籍も関係ない。世界中から生徒が集まる。
  • 学校の選び方によっては、学力が底上げされるので大学進学の際の選択肢が増える。
  • 少人数制。中にはマンツーマンの授業をモットーとするところもある。

2.ボーディングスクールに行くメリット

ボーディングスクールを選ぶメリットは、たくさんあります。

例えば、親が忙しすぎて家にほとんど帰れないとか、家にいるとケンカばっかりしてるので子供にとって害がある、なんて場合には、ボーディングスクールはお金があれば選択肢の一つになります。

入学すると、大学と同じように子供は夏休みとか冬休みみたいな時にしか帰宅できません。そのため、ずっと海外に行きっぱなしの親とか、出張が多くて子供が一人置き去りにされてしまう親にとっては、ボーディングスクールに入れることによって、親にとっては大きな安心感を得られますし、子供にとっても寂しくない環境を得られます。

親子の関係が最悪な家庭にとっても、ボーディングスクールはメリットとなります。でもこれは、先立つものがあっての話。年間に数百万円レベルの学費や寮費がかかるので、お金がない庶民世帯だと、自力で家族関係の回復に努めなければなりません。はい、これいたって普通です。

ボーディングスクールの中には、富裕層の中でも選ばれた人しか入学できないような所もあります。そういえば、北朝鮮のリーダーはスイスのボーディングスクールに在籍していたという話がありましたね。

こうした学校には、王族とか貴族とか、一生庶民と交わることがない選民たちの子息が在籍していることが多いです。学校生活を送る中で、子供たちはネットワークを小さなうちから築きあげ、のちの世界平和に役立てるという役割を担っているのかもしれません。

もちろん、すべてのボーディングスクールが、そんな選民向けのお学校というわけじゃありません。学費が意外とお安く、公立のハイスクールへ行かせるよりもマシという感覚でボーディングスクールを選べる学校も、なきにしもあらずです。

3.ボーディングスクールのデメリット

ボーディングスクールのデメリットは、なんといってもコストが高いという点ではないでしょうか。お金を余るほど持っていて、年間1,000万円ぐらいの出費は鼻くそだ、という世帯なら、子供の教育の選択肢の一つとして検討したらよいと思います。

しかしそうでない家庭なら、ボーディングスクールを利用しなくても、近所の公立高校でも十分に子供は賢くなりますし、健全に育ちます。安心してください。

また、多感な時期の子供をボーディングスクールに入れることで、親子関係は少なからず疎遠になります。これも、デメリットですね。子供にとっては、問題を自分で解決しなければいけないという自主性は身につきますけれど、逆に親に頼ろうという姿勢はなくなることでしょう。親子の密接な関係を築きたい人にとっても、ボーディングスクールは賢明な選択肢ではないかもしれません。

4.こんなボーディングスクールもある!

上記しましたが、アメリカには色々な目的のボーディングスクールがあります。

  • 軍人育成スクール
  • 問題児矯正スクール
  • アスペルガー専用スクール
  • エリート養成スクール

NewsWeekが選ぶ全米おすすめボーディングスクールはこちらから

アメリカの大学と教育ローンの新常識

バイデン大統領が「教育ローンを抱えている皆さん!あなたのローンをなくして差し上げましょう!」と大絶賛&喝采を浴びたのは、去年のこと。

しかし案の定、「お前らのローンをなくしたら、その金は俺たちの税金で賄うんだろ?冗談じゃねー!反対だ!」と言う共和党からの猛反対によって、あえなくこの計画は海の藻屑となってしまいました。

我が家でも、教育ローンを抱えていました。毎年上がり続ける学費の高騰ぶりにホトホト嫌気がさし、もう貯金を崩したくなかったので、低金利で借りられる公的ローンをマックスで借り、チンタラと返済しようと思ったのです。

ちなみに教育ローンは息子様の名義で借りましたが、返済はすべて私達、親が責任もって完済することが、すでに家族会議で決定しています。なので、借りるのも親、返すのも親というわけです。

教育ローン返済が免除になるとかならないというニュースが、2023年の初頭には頻繁にネット上に吹き荒れていました。うちも息子が卒業する年だったので、返済が免除になれば万歳三唱なのですが、免除にならなければ遅れないように返済をはじめなければいけません。そのため、定期的に教育ローンのサイトはチェックしていました。

謎の$4,000、何これ?

そんなある日、ローンのサイトへ行ってみると、残価が大きく減っているではありませんか!最初、何のことか全く意味不明でした。誰かがタイポしたのか計算間違いしているのか、1万ドルぐらいあるはずのローン残高が、4000ドルも減っているのです。

もしかしたら、バイデン大統領様がこっそり皆に$4,000分を免除してくれたのかな、なんて夢物語を考えたりもしましたが、ニュースでもそういったことは一言も言っていません。

まぁいいか、減っているものをあえて大声で騒ぎたてる必要もなかろう。と見なかったことにしました。

するとその3日後あたりに、卒業を間近に控えた大学からメールが届き

「卒業するあなたへギフトがあります!教育ローン$4,000分、大学が返済しておきましたよ!卒業土産だと思って受け取ってください。」

と書かれていました。

息子が通っていた大学は、ニードベースのファイナンシャルエイドを受けていない生徒が約半数いるほど、金持ちが多い大学です。公的ローンを利用していた卒業生がどのぐらいいたのかは知りませんが、大学側にとっては大きな出費だったことでしょう。

だからといって「いえいえ、そんな、お気持ちだけで十分です」

などと言うはずもなく、もちろん$4,000はありがたく頂戴しました。

そんな感謝の気持ちに浸っていた頃、大学から別のメールが送られてきました。

「卒業する皆さんへ朗報です!わが校では、過去4年間に20ミリオンドルの募金をゲットしました!これはすごい記録です!さぁ卒業生となった皆さん、これからはあなたたちが貢献する番ですよ!」

という内容でした(笑)。

そんなメールを見た夫が一言。

「なーんだ、この大学、カネの宝庫だな。」

それが、アメリカの私大です。

アメリカのマグネットスクールの概要と特徴

皆さんもご存じの通り、アメリカの公立学校は、小学校から高校まで、学区が決まっています。そして、学区を越えて別の学校へ通いたいなら、引っ越すか、私立の学校へ行くという選択肢しかない、と言うのが一般的ですよね。

そんなアメリカには、すべての学区や州というわけではないものの、マグネットスクール(Magnet School)と呼ばれる学校があります。

目次

  1. マグネットスクールとは
  2. どうやれば入学できるの?
  3. 大学や職業にフォーカスした学校もある

1.マグネットスクールとは

マグネットスクールは公立の教育機関で、小学校からハイスクールまでいろいろあります。大きな特徴としては、公立なので授業料などはかからないけれど、学区が特に設定されておらず、多くの場合には州内に住んでいたり、通学できるエリアに住んでいる人なら幅広く受け入れているという点ですね。

マグネットスクールは公立なので、ここで教えるカリキュラムは、その州の規定に基づいた公立学校の内容となっています。しかし、それだけではありません。マグネットスクールごとに力を入れている分野があり、公立のカリキュラムに加えて力を入れているエリアの少し進んだバラエティ豊かな教育も受けられる、と言う点が大きな特徴です。

現在、アメリカには4,300以上のマグネットスクールがあります。そして、公立学校に通う生徒15人に1人の割合に当たる350万人が、マグネットスクールへ通っています。

2.どうやれば入学できるの?

マグネットスクールの多くは、学区の教育レベルがそれほど高くないエリアに作られている傾向があります。カリキュラムに特別感を出すことで、近隣のエリアで暮らす優秀な生徒へ、より豊かな教育を提供しようという意図があるのかもしれません。

ただし、マグネットスクールは学区制ではなく希望性なので、すぐそばに住んでいるからと言って自動的に入学できるわけではありません。1年ぐらい前から入学申請をし、早い者勝ちなのか審査があるのかは学校によって違いますが、定員になったら申し込みは締め切りとなってしまいます。

だから、どんなに優れた生徒でもタイミングが合わずに入学できなかったという悲劇は、十分に起こります。

3.大学や職業にフォーカスした学校もある

小学校のマグネットスクールでは、主に理科の実験を多くやる、といったレベル程度なのですけれど、ハイスクールになると、マグネットスクールは少人数になって内容も多様化してきます。

例えば、学力重視の進学塾みたいなマグネットスクールでは、入学の際に入試があり、合格しなければ入学できません。そこではACTやSATの対策に力を入れており、大学受験の際には皆さんハイスコアを叩きだしているようです。

また、整備士とかパイロットのような特定の職業に特化したカリキュラムを提供するマグネットスクールもあります。もちろんハイスクールではパイロットになりたい生徒だからと言って、勝手に飛行機に乗せて飛ばせるなんてことは無理ですが、大学受験も視野に入れた特定の職業に就くために必要な知識やスキルを教えてくれるようです。

マグネットスクールは公立の学校なので、高校の単位がそのまま大学の単位となるAPクラスやDual Creditクラス、IBクラスなどもあります。またアメリカのハイスクールに多い「自動車免許の取得」などのクラスも、公立の学校同様に提供されているようですね。

アメリカの学校選びと人種の影響

アメリカでは、住んでいる場所によって小学校から高校までがすべて学区で区切られています。学区が気に入らなくても、親が学区外で仕事をして子供を職場のそばの学校に入れるとか、私立に入れるなどの対策をしない限りは、決められた学区へ子供を通わせなければいけません。

多民族国家なアメリカですが、マイノリティーは同じ人種でコミュニティを作ることが多いですよね。チャイナタウンとかジャパンタウン、リトルイタリーなど、全米にはたくさんのマイノリティコミュニティがあります。そのためエリアごとに線引きされる学区の人種も、どこに住むかによって大きく偏ることは珍しくありません。

目次

  1. どうして学校を選ぶ際に人種を気にしなければいけないのか?
  2. 学校の選び方
  3. まとめ

1.どうして学校を選ぶ際に人種を気にしなければいけないのか?

どうして学校を選ぶ際に、生徒や先生の人種を意識しなければいけないのでしょうか?お前、考えすぎなんじゃねーのか?被害妄想が強すぎるんじゃないのか?なんて罵声が聞こえてきそうですが、これは私の独りよがりな意見ではなく、多くのマイノリティコミュニティでは意識されていることです。

人種を気にしなければいけない理由、それは一つしかありません。

人種差別、もしくは類似する経験で子供が不快な思いをせずに済むように。

というものです。

もちろん、住む場所によっては、そんな贅沢を言っていられないことはあるでしょう。息子の場合にも、アジア人すら皆無という学校に通っていたこともあれば、アジア人がチラホラいる学校に通っていたこともあります。

特定の人種が95%を占めるような学校は、マイノリティとしては避けた方が無難、という声は多いですね。その理由は、やはり学校で不快な経験をするリスクが高くなるから。

必ずしも、マイノリティが少ない学校では人種差別が横行しているというわけではありません。しかし、明らかな差別とかイジメはなくても、その場の空気とか、なぜか空気のような扱いを受けたりするとか、同じことをしても処分が違うとか、また同じテストの点数でも成績が違う、なんて事態が起こるリスクがあることは、理解しておいた方が良いでしょう。

多くの人種差別事例では、周囲は「考えすぎじゃないの?」と言ってしまうような、本人しかわからないようなことがあるものです。本人しか分からないような小さなことだと、子供が何も言わなければ親ですら知ることはできないでしょう。その可能性がゼロではないことは、アメリカで暮らすマイノリティなら多少は理解しておいた方がよいかもしれませんね。

極端な例を挙げると、教室で誰かの消しゴムがなくなったとしましょう。一番最初に疑われるのはマイノリティ、なんてこともこの現代社会の中で残念ながら起こります。

子供の頃にそうした理不尽な経験をすると、心にトラウマ的なダメージを負いかねません。だからこそ、マイノリティの親は、少しでも子供の学習環境をマシなものにしたいと考えるのでしょうね。

2.学校の選び方

人種を考慮した上での学校の選び方は、いくつかあります。

教師とスタッフの人種をチェック

学校の生徒は毎年入れ替わり立ち代わりなので、そこを数えても、あまり意味がないかもしれません。しかし、長く務める教師やスタッフの人種をチェックすることで、その学校がどのぐらい多様性を重視しているかが分かります。

教師とスタッフの人種をチェックする際には、何人働いているという数だけでなく、どんなポジションについているかという点もできればチェックするのがおすすめです。

Advanceクラスにマイノリティがいるか

マイノリティが在籍していても、上級クラスにいないのでは、なんとなくきな臭い感じがしますよね。そうした点に関しても、できれば事前にチェックした上で学校を選びたいものです。

上級クラスにおける人種別統計を見るならこちらから(不快になるので閲覧注意)

停学や退学になった生徒の人種別割合

人種を問わず、よろしくないことをすれば学生は停学や退学の処分を受けます。しかし学校によっては、特定の人種に対しては甘く、別の人種に対しては厳しい処分を課す所も、残念ながらあります。

処分された学生の割合を見るならこちらから(吐き気がするので閲覧注意)

学生の進路

人種の多様性だけで学校を選ぶことに対しては、賛否両論あるでしょう。もちろん、それが何よりも大切という人もいます。しかし中には、人種が偏っていても、子供にとって最高かつ最強の教育環境を与えてくれる学校に行かせたいという親も、もちろんいるわけですね。

その場合には、卒業後の進路をチェックすることも、大切なポイントです。また学校によってAPクラスやDual Creditクラスのラインナップが異なるので、その辺を比較して決めるという方法もアリでしょう。

3.まとめ

子供が楽しい毎日を過ごす場所である学校。学校の選び方によって、子供にとって毎日が楽しくなることもあれば、暗い毎日になってしまうこともあります。子供の学校を選ぶ際には、できれば実際に学校へ足を運び、スタッフの対応や雰囲気などを肌で感じたうえで慎重に決めるのが良いかもしれませんね。

大学費用を抑えるための節約テクニック

アメリカの大学は、皆さんが想像する通り、高額です。その中には、比較的リーズナブルに通学できる所もあれば、年間の学費が年収より高いじゃないか!なんていう驚愕的な大学などもあるわけですね。

しかしこれはあくまでも、大学1年生から4年生までを同じ大学で学ぶことを前提とした場合の話です。アメリカの大学には、コミュニティカレッジなども多くあり、工夫すれば驚くほどリーズナブルに大学を卒業することも不可能ではありません。

ここでは、お金をできるだけかけずに大学を卒業するための節約術をご紹介します。

目次

  1. まずは高校のカウンセラーに相談
  2. ハイスクールでしておくこと
  3. コミュニティカレッジに2年通ってAssociateを獲得しよう
  4. 大学へのトランスファー、そして2年で卒業
  5. 注意点

1.まずは高校のカウンセラーに相談

できるだけコストをかけずに大学を卒業するためには、まず安くスタートできる大学探しから始めなければいけません。そのためには、ハイスクールのカウンセラーに相談するのがベストです。

何を相談するのかが分からない、という人がいるかもしれませんね。

相談する内容は、住んでいる街の周辺に、自宅から通えそうなコミュニティカレッジがあるかどうかを聞くのです。

コミュニティカレッジのリストをゲットするだけではNGです。ここから先が大切なポイントです。

そのコミュニティカレッジを卒業したら、単位を自動的に丸事すべて受け入れている4年制大学はあるかどうか、という点まで必ず確認してください。

もしも同じコミュニティにコミュニティカレッジと4年生の州立大学がある場合、多くの場合には、コミュニティカレッジの単位を4年制大学が受け入れるという協定を結んでいます。それをチェックするのです。

はいこれで、大学4年間のプランが見えてきましたね。

4年制大学と比較すると、コミュニティカレッジはハードルがとても低く設定されています。寮がなく、憧れのキャンパスライフをエンジョイしたい人にとっては期待外れかもしれません。天才や秀才たちがおらずにガッカリしたり、キャンパス中が盛り上がるスポーツの試合などもなく、つまらないと感じる学生生活になる可能性もあります。

しかし安心してください、ここはアメリカ。あとからいくらでも挽回できるチャンスはあるのです!

2.ハイスクールでしておくこと

大学にかかる費用をすこしでも安く抑えるためには、ハイスクールでDual Creditとなるクラス、そしてAPクラスを積極的に、少しでも多く獲得することをおすすめします。

理由は、大学の単位としてカウントされるからです。

  • Dual Credit →州内の州立大学なら大体カウントしてもらえる。
  • APクラス →年度末にAP TESTなるものを受け、1から5までのスコアを獲得。スコアによって進学する大学で受け入れてもらえるかどうかが変わる。

こうしたクラスは、ハイスクールで受講する際に100ドル程度の費用がかかるかもしれません。かかる費用、無料か有料かに関してはISD次第です。お金がかかったとしても、ハイスクールで受講しておいた方が大学に入ってから受講するよりもリーズナブルなのでおすすめです。

3.コミュニティカレッジに2年通ってAssociateを獲得しよう

さて、ハイスクールで複数の大学単位を獲得している状態でコミュニティカレッジに進学すると、どんなメリットがあるのでしょうか?

  • コミュニティカレッジの卒業に必要な単位数が減る
  • 2年を待たずに卒業できるチャンスがある
  • コミュニティカレッジ卒業までにかかる費用を安く抑えられる

しかも、コミュニティカレッジは自宅から通学することが前提なので、寮費などは一切かかりません。アルバイトをしながら両親のすねをかじるのも上等です。

4.大学へのトランスファー、そして2年で卒業

コミュニティカレッジを卒業する見込みがついたら、すべての単位をトランスファーできる大学へ入学を申し込みます。トランスファーなので、新規入学を希望する高校生たちとは合否基準が若干異なり、編入しやすいはずです。

コミュニティカレッジの単位を受けいてくれる大学は、私立よりも州立大学が多いです。上記のように、あらかじめコミュニティカレッジを提携を結んでいる大学なら、もれることなく単位をすべてトランスファーできるので、金銭面でも最低限に抑えられます。

4年生の大学へトランスファーしたら、あなたは卒業まであと2年の所にいます。

必要な専門科目を積極的に取得しながら、必ずガイダンスオフィスと連携プレーで、どの単位をいつ取れば最短で卒業できるかというプランニングをしながら大学生活を送ってください。

アメリカの大学は、専門単位が不足していても、卒業に必要な単位を取得していれば、General Studyという専攻名で卒業することはできます。だから、専攻する履修単位が足りなくて卒業できないからと言って、焦る必要はありません。

5.注意点とは?

それでは、この最安の方法で大学へ行くことには、どんな注意点があるのでしょうか?

  • 学力面での難易度は度外視した大学選びになる →大学院で知名度のある所へ行けばV字回復できるのでOK
  • 地域によってはコミュニティカレッジでも費用が高い可能性がある
  • 行きたい大学、学びたい事がある人にとっては、コストをとるか学びをとるか、究極の選択になるかもしれない
  • 選民意識のある私立大学だと、その大学院への進学が難しくなる可能性はある

などがありますね。

アメリカの大学へ、できるだけお金をかけずに通って卒業することは可能です。試行錯誤しながらでも良いですし、学費を稼ぐために数年間働くという人もたくさんいます。大切なことは、無理せずに通える大学を見つけ、できるだけ無駄を省いて最短で卒業する道を見つけることと、目標を設定したら最後までやり遂げる実行力なのかもしれませんね。

No Child Left Behind政策の真実

アメリカでは、2002年にNo Child Left Behindというプログラムがスタートしました。これは、クリントン政権が行っていた「貧困層の子供にも最低限の教育をうけさせよう」という政策の流れをブッシュ政権が引き継いだもので、2002年に政策の一つとして誕生したのです。

正式な政策となった背景には、世界に台頭する中国の理系力に対して、アメリカの子供たちが圧倒的に負けていたことに対する危惧や懸念がありました。アメリカは世界のナンバーワンなのだから、子供たちが受ける教育もナンバーワンにしようぜ、という意図だったのかもしれません。

目次

  1. 2015年に失効。成果は出たのか?
  2. 国民の完全な勘違い
  3. ワークブックを買うときの注意点

1.2015年に失効。成果は出たのか?

No Child Left Behindは、2002年にスタートして2015年までという期間限定の政策でした。具体的に何をしたのかは公式サイトを見ていただけると分かると思いますが、ざっくり一言でまとめると、

  • 学校で何を教えるかは州でも先生でもなく連邦政府が決める
  • 生徒にきっちり教えることは先生の義務

としました。皆さんもご存じの通り、アメリカは連邦政府が決めることに対して反対する人が多く、州ごとに独自の方法を好む人がたくさんいます。子供に対する教育でも、州とか学区、または先生が自由に何を教えるか決めたらよいだろう!という反発があったようですね。

またアメリカでは、日本のように全国1億人総中流階級というような横並びではなく、貧困層が多い学区もあれば、裕福な学区もあり、同じカリキュラムで同じ成果を出せというのは、現実的にも難しかったようです。

No Child Left Behindについて詳しく知りたい人はこちらから

最初から期間限定の政策だったNo Child Left Behindは、2015年をもって終了となり、現在では「政府じゃなくて州が決めようぜ」という別の政策に生まれ変わっています。

2.国民の完全な勘違い

きっとアメリカに限ったことではないのでしょう。政府が意図する政策には、それぞれ目的とか希望、理想などがあるものですけれど、国民が正確にそれを理解するとは限りません。

我が家では、No Child Left Behindがスタートしてから数年したころに、ちょうど息子がキンダーの年を迎えました。そこから私の長いボランティア生活がスタートし、たくさんの保護者と話をする中で、私はいろいろなことを考えさせられました。

  • 家庭では何もしなくても、学校が子供を天才にしてくれると思い込んでいた親
  • 学校が子供の教育に全責任を負うべきだと考え、宿題を出すなら鉛筆もよこせと先生に迫った親
  • 宿題出したらBehindになる子供が出るぞ、それでもいいのか、宿題やめろ、と先生に迫った親

などがいました。それは変だろアメリカ人。。。という人は多かったですね。

そうした親と関係しているのかどうかは知りませんけれど、先生の中にも「へ?」という人が居たりしました。

  • どういうわけか、数学の授業に民主主義を採用して答えを多数決で決めた先生
  • 「私は離婚したばっかりなので、今年はやる気ゼロです」と宣言した先生
  • 「できません、やりません、クレーム受けません」のポリシーを体現した先生

この親にしてこの教師あり。。。絶望的な気持ちになったこともありましたね。

そんな私に、最も強烈な印象を与えた人がいました。その方は、

「No Child Left Behindは、Leve Everyone Behindのことだ」

と言い切り、学校を相手にせずせっせと家庭での学習に力を入れていました。

当時の私は、まだアメリカでの教育には暗中模索な状態でした。でも私がこれまで経験してきた狭い常識を考えたら、Leave Everyone Behindがなんとなく現実味を帯びていたというか、理にかなっているなという気がしました。

それからは、我が家でも自宅での学習に力を入れるようになりました。

ちなみに、息子様が小学校の時に使っていたワークブックは、本屋とかアマゾンで格安で購入できるアイテムでした。別に難しい教材でなくても学校で習う範囲をしっかり理解できましたし、そこに私の受験経験から得た応用スキルをちょっとだけ試してみる、というスタンスで取り組みました。

3.ワークブックを買うときの注意点

子供は学校からも宿題を持って帰ってきますが、内容がないよ~という事は少なくありません。(※はい、笑う所です)

アマゾンなどで購入できるワークブックは、学校の学習だけじゃ物足りない、親として心配、というときに役立ちます。

いろんなメーカーがいろいろな難易度のワークブックを出しており、超簡単なレベルの問題しか乗っていないブックもあれば、難易度が高いのに問題だけで答えを配布していない教材もあります。そのため、できるだけ内容をチェックしてから買うことをおすすめします。

問題だけ大量に出して答えがないとは何事だ!という声が聞こえてきそうですね。はい。私もそう思いました。Answer Keyと呼ばれる解答集がきちんと同封されたものを選ぶことも、ワークブック選びでは大切なポイントだと思います。

アスリート必見!奨学金獲得の戦略

将来はプロになりたい、だからこそ、大学は本場のアメリカへ留学したい!または、大学はスポーツ奨学金で行きたい!と考えているヤングなアスリートは多いのではないでしょうか。アメリカの大学には、さまざまな奨学金制度があり、アスリートももちろん対象となっています。しかし、方法やプロセスは意外とややこしく、「分からない」と思っているうちに受験が終わってしまうことも。

目次

  1. アスリート奨学金(Athletic Scholarship)とは?
  2. アスリート奨学金の獲得方法
  3. 大学のコーチに高校の実績をアピールする方法
  4. ハイライト動画の作り方
  5. スカウトから入学までの流れ
american football playing

1.アスリート奨学金とは?

大学のスポーツチームは、大学の規模によってDivisionに分類されています。

大学の規模アスリート奨学金
Division I (D1)大(大学院を併設するような、数万人規模の学生がいる大学に多いFull Rideのみ
Division 2 (D2)中(学生数が数千人程度の学校に多い)Partial
Division 3 (D3)小(小規模な私立大学が多い)なし

このうち、アスリートという区分で奨学金が支給されるのは、D1とD2のみとなります。D1はアスリート奨学金はFull Ride(全額無料)のみとなっているので、D1のスポーツでスカウトされて入学する学生は、学費も寮費も、教科書代も、全て無料となります。

D2のアスリート奨学金は、Partial、つまり全額無料ではないけれど一部が無料になるというものです。いくら無料になるかはケースバイケースで、半額だけ無料という人もいれば、もう少し少ない学生もいます。

D3については、アスリート奨学金はありません。しかし、D3の大学にもスポーツチームはあり、スカウトによって入部します。アスリートという枠での奨学金はないものの、D3は資金が潤沢な私立大学が多いので、Financial Aidが充実しているとか、施設や設備、サービスにお金をかけてくれているという魅力があります。

2.アスリート奨学金の獲得方法

アスリート奨学金は、大学のコーチからのスカウトによって決まります。例えばD1の場合には、大学ごとにFull Rideの奨学金の枠が100人程度と決まっており、その枠内でしか与えることはできません。規模が大きな大学のスポーツは、試合がテレビ中継されるなど、メディアへの露出も抜群です。そのため、奨学金がなくてもぜひチームに入れてほしいという人は多く、チームに所属しているメンバー全員がアスリート奨学金を受けているというわけではありません。

アスリート奨学金を受けるためには、高校の時に大学のコーチからスカウトしてもらうことが必要です。もちろん、それが唯一の条件というわけではありません。中には、大学へ入学してからWalk-onという形で入部を希望し、才能が認められたらFull Rideの奨学金をコーチからオファーしてもらえる、というケースもあります。

一方、D1のアスリート奨学金は、無慈悲な部分もあります。この奨学金は、入学してから卒業までの全期間を保証するものではなく、毎年、見直しがあります。そのため、大学1年生の時には奨学金をもらえたけれど、2年目にはなくなった、というケースもあります。

アスリート奨学金がなくなったら、学生はどうなるのでしょうか?答えは簡単。学費や寮費の支払義務が発生します。もしも諸事情で支払えないとなると、履修ができずに退学という事態にもなりかねません。

そうならないためには、アスリート奨学金を狙うとはいえ、最悪の場合も念頭に入れて、学費を払える大学を選ぶということも、必要な対策かもしれませんね。

もしケガでスポーツを辞めたら、どうなる?

大学のスポーツは、ケガで退部する人もいれば、プレータイムがあまりないという不満を抱えて退部する人もいます。また、少数派だとは思いますが、コーチからのセクハラや嫌がらせなどで退部するケースも、ちらほらと聞きます。

どのような理由で退部する場合でも、スポーツを辞めたからと言って大学も退学する必要はありません。スポーツをすることを条件に入学しているわけではないので、スポーツの有無と在学資格の有無とは完全に別物です。

3.大学のコーチに高校での実績をアピールする方法

真剣にスポーツをする高校生は、全米に数えきれないほどいます。そして、若い才能が欲しいと考える大学も、全米にたくさんあります。このマッチングは、どのようにして行うのでしょうか?日本からアメリカへスポーツ留学を希望する人はもちろんのこと、アメリカの高校でスポーツで頑張っている人にとっても、これは興味関心がある所だと思います。

おすすめはNCSA

私の息子も、頑張っていたフットボールで大学からスカウトを受けました。プロになるつもりはなかったのですが、大学でもフットボールを頑張りたいという希望もあり、試行錯誤しながらアスリート奨学金のプロセスを研究しました。

アメリカのハイスクールでスポーツをしていて、大学でもスポーツを続けたいという子は、まず最初にNCSAへ登録することがマストです。

NCSAというのは、アメリカの大学と高校生をマッチングするサービスで、全米の大学が利用しています。スポーツごとに分かれていて、データベース化されています。

NCSAのサービスでは、高校1年生から登録ができ、高校在学期間中の試合のハイライトをアップロードできます。それを大学のコーチが見て、ピンと来たら連絡をもらえるという仕組みになっています。

NCSAは、有料のサービスです。料金を払えば、自分が住んでいる地域や州だけでなく、遠く離れた州にある大学から声がかかることもあります。

ちなみにこのNCSAのサービス利用にかかる料金ですが、最低料金だと100ドル程度だと聞いたことがあります。我が家は、見事なセールストークに飲み込まれてしまい、$2500も払いました。最終的にはNCSAで見つけた大学からスカウトを受け、そこへ進学することになったので、元が取れたとは言えますが。

地元のコーチが声をかけてくれることも

アメリカのハイスクールスポーツは、ローカルテレビなどでも放送されます。そのため、地元で活躍するアスリートは、テレビで知名度が高くなり、地元の大学から声がかかることもあります。

ただし、大学側にとっては、生徒が地元にいるからという理由でのスカウトは、基本的にほぼ考えていないことが多いです。地元にたくさんアスリートがいても、その大学が欲しいと思えなければ、声がかかることは残念ながらありません。

チャンスは必ずやってくる

もしも経済的にNCSAへの登録が難しい場合、また地元のコーチに全く声をかけてもらえなくても、あきらめてはいけません。高校のjunior 後の夏休みには、大学が一斉にスカウトに動き始めます。

大学ごとに、公式ページで、リクルート希望者を募ります。既に大学から声をかけてもらっている場合でも、そうでない場合でも、このフォームに記入することで、スカウト希望者への正式なエントリーとみなされます。

ここエントリーシートには、SATやGPAなど学業面での情報に加えて、Hudlのリンクもしくは動画クリップをアップロードできるような内容となっています。コーチはこのシートを見ながら、誰をスカウトすべきかの作戦会議をするわけですね。

遠方の場合には、実際に大学が主催するキャンプへ参加して直接コーチとコミュニケーションを取ることが難しいかもしれません。その時のために、高校時代の試合のハイライトは、自身で動画編集をしてキープしておきましょう。

3.ハイライト動画の作り方

多くのハイスクールでは、試合の様子を録画撮影しています。例えば、私の息子がやっていたフットボールでは、Hudlというソフトがあり、そこにプレーごとに細かい動画として録画されていました。こうしたソフトがない場合には、いつどこで名プレーをするか分かりませんから、親か友人などにお願いして、試合の様子を、全録画してもらうことをおすすめします。

録画する際には、自分のアップではなく、できればフィールドの半分ぐらいが写る距離感がおすすめです。大学のコーチとしては、アスリートの表情を見たいわけではなく、試合全体の様子の中で、そのアスリートがどんなプレーをしたのかという全体像を把握したいのです。

ぜひ大学のコーチに見てもらいたいという動画を見つけたら、次はいよいよ編集です。複数の動画をつなげて1つにまとめるのが基本ですが、

  • 音はナシ。お気に入りのミュージックをBGMにするのはNGです。
  • 動画は長くても2分以内に収める事。大学のコーチは忙しいので、長編を作っても見てもらえません。
  • ベストなプレーを最初に持ってくること。2番目にベストなプレーは2番目に。忙しいコーチは、最初の数プレーを見るだけで、だいたいの学生の才能レベルが分かります。
  • チームスポーツの場合には、自分に〇とか矢印を付けて、どれが自分かを分かりやすく工夫しましょう。背番号だけを伝えても、大勢いる中で見つけることは大変です。

こちらは、私の息子のSophomore/Juniorの頃のハイライト動画です。ご参考までに。

ちなみにNCSAにアップロードするクリップは、このようにまとめたものではなく、一つ一つのプレーごとに異なるアップロード動画となっています。それを、大学のコーチが見てくれるという仕組みですね。

5.スカウトから入学までの流れ

スカウトから入学までの流れを、ザックリと説明しますね。

~ハイスクールJuniorの春

ここまでの時期は、大学のコーチが高校生をスカウトする時期です。声をかけて会話をし、「ぜひうちにおいでよ!」的なセールストークをします。ここでスカウトされても、正式なものではないため、1つの大学に絞る必要はありません。種まきは、多いほど良いのです。

この時期にしておくこと

  • SATを受けてスコアをゲットしておく。
  • とにかくGPAは高く維持する。
  • コーチに見てもらう動画クリップの準備。

ハイスクールJunior4月~5月

大学のコーチから、より詳細なお知らせが入るようになります。

  • 夏に主催するキャンプに参加しないかというお誘い→参加したほうが良いです
  • リクルート希望のためのフォームへの記入を促される →オンラインで自主的に見つけることもできます

この時期にすること

  • 夏のキャンプ計画。移動や宿泊の手配も。
  • 候補になる大学は全て、オンラインでリクルートフォームに記入しておくこと。

JuniorとSeniorの間の夏休み

Campの様子

この時期は、アスリート奨学金を狙う人にとっては、とても忙しい時期となります。まず、進学しようかなと考えている大学が主催するキャンプには、できるだけ時間を作って参加しましょう。中には、飛行機で移動しなければいけない大学もあるかもしれませんが、価値はあると思います。

夏休みに入ると、コーチから学業成績についてチェックが入ります。

  • SATスコア(ACTでも可)
  • Report Card(Juniorまでの成績が掲載されているもの)

大学によっては、文武両立でなければ入学できないこともあり、そこから先のリクルートのプロセスを進めて良いかどうかを、ここでコーチが判断します。

もしも大学が求める学力基準に満たなければ、残念ながらコーチからの連絡はここで途絶えます。

また、大学への出願プロセスは、8月1日に解禁となります。早い人なら8月中に願書を提出し、9月には結果を受け取ることもできます。ちなみに、我が家は8月中旬に全ての書類が揃ったので出願しました。

大学の仕組みや出願方法については、こちらから

SATについてはこちらから

この時期にしておくこと

  • キャンプへの参加
  • 大学へ出願準備。エッセイなどがあり、結構時間がかかります。
  • 高校の先生へ推薦状の依頼

アスリートはEarly Actionが原則

9月に入ると、いよいよ出願が本格化します。出願形態には、Early DecisionやEarly Action、Regular Decisionがありますが、コーチからは、基本的には第1位志望の大学ならEarly Decisionでの出願を勧められます。Early Decisionがない大学では、Early Actionを勧められます。

その理由は、倍率が低いからです。できるだけ合格しやすい条件で出願することで、自分にとってもコーチにとってもウィンウィンとなるわけですね。

コーチは合否に影響がある?

D1は、もしかしたらコーチが学生の合否に多大な影響を及ぼしているかもしれません。しかし、アスリート奨学金がないD3では、コーチは大学の合否には全く影響がありません。

息子は気に入った大学へEarly Decisionで願書を出しました。その大学では合格発表が一斉に行われたのですが、合格発表された時間から15分経った頃に、コーチから結果を知りたいと連絡がありました。おそらくそれで、アスリートを何人確保できたのかをカウントするのだと思います。

以下は、アメリカのハイスクールのフットボールをテーマにした作品です。もちろんフィクションですが、内容がリアルすぎて、ドキュメンタリーやノンフィクションだといわれても、私は信じますね。

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リーズナブルな州立大学の見つけ方

世界中を見ても、アメリカほど大学の学費が高額な国はありません。高額な私立大学になると、年間の学費が8万ドルを超えるところもあり、4年間かようとちょっとした家が1軒建つと言っても過言ではありません。

しかしアメリカには、学費がとてもリーズナブルな、良心的な大学もあります。

目次

  1. 学費が安い州立大学はココ
  2. 学費を安くすることはできる?
  3. 高い学費はどうやって払えばよい?

1.学費が安い大学はココ

既にアメリカで暮らしている人なら、住んでいる州の州立大学をチェックすることから始めると良いでしょう。私立大学よりも学費がリーズナブルな大学が多いですし、中には州内で暮らす生徒には学費を優遇する制度があったりします。

州立大学の場合(IN-State)

大学名ロケーション学費
Bridgewater State Universityマサチューセッツ州$910
Framingham State Universityマサチューセッツ州$970
University of North Carolina at Pembrokeノースカロライナ州$1,000
Elizabeth City State Universityノースカロライナ州$1,000
Dine Collegeアリゾナ州$1,320
Gulf Coast State Collegeフロリダ州$1,750
CollegeCalcより

州立大学では、その州で暮らす生徒が対象となるIn State Tuition の方が、州外からやってくるOut of State Tuitionよりも、圧倒的に安くなります。In State Tuition の対象になるかどうかは、各州によって居住年数などの条件があり、1年その州で暮らせばOKという州もあれば、過去3年暮らせばOKという州もあります。

年間の学費が$1,000程度と驚愕的なレベルでリーズナブルな大学が多いのは、主にマサチューセッツ州ノースカロライナ州です。

このIn State Tuitionは、残念ながら日本からの留学生には適用となりません。もしも州立大学を留学先として選ぶなら、学費はOut of Tuitionの金額を参考にすると良いでしょう。

州立の場合(Out of State)

大学名ロケーション学費
Minot State Universityノースダコタ州$6,810
Alcom State Universityミズーリ州$6,888
Central State Universityオハイオ州$8,096
University of Texas of the Permian Basinテキサス州$8,274
Southwest Minnesota State Universityミネソタ州$8,338

州立大学の中には、州内も州外も学費は一律となっている良心的な大学もあります。その場合には、Out of Stateの学生でもリーズナブルな学費で通えそうです。

私立大学の場合

大学名ロケーション学費
Brigham Young Universityユタ州$6,120
Stillman Collegeアラバマ州$11,025
National Louis Universityイリノイ州$11,325
Tougaloo Collegeミズーリ州$11,398
Wilmington Universityデラウェア州$11,750
Willey Collegeテキサス州$12,500

どこに住んでいようと、州内と州外、そして留学生でも学費に大きな差がないのは、私立大学です。その中でも特に、ユタ州にあるBrigham Young Universityは学費が安いことで人気があります。またこの大学は、モルモン教徒が多く入学する大学としても知られています。日本からの留学生も比較的おおいので、リーズナブルにアメリカ留学したい人にとっては、ぜひ検討したい大学と言えるでしょう。

2.学費を安くすることはできる?

アメリカの大学は、全般的に高額です。自宅のすぐそばにリーズナブルな学費で学びたい専攻のある大学が運よくあればよいのですが、必ずしもそういうわけにはいきません。学びたいことで大学を選んだら、びっくりするほど学費が高くなってしまうということの方が多いのではないでしょうか。

そんな高額すぎるアメリカの大学費用は、いくつかの方法で安くすることができます。

Financial Aid( ファイナンシャルエイド)

アメリカの大学に通うほとんどの生徒は、このファイナンシャルエイド制度を利用しています。これは、親の収入に応じて学費がディスカウントされるという制度で、世帯収入が多い親を持つ生徒ほど、支払うべき学費は高くなります。

Scholarship(スカラーシップ:奨学金)

これは、秀でた成績優秀者に提供されるもので、基本的には貸与ではなく賞与です。日本の大学で奨学金というと、一般的には貸与で、卒業後には返済義務が生じますよね。しかしアメリカの奨学金は賞与なので、返済の義務はありません。

奨学金は一般的に、提供する機関から大学へ直接支払われます。そのため、生徒の口座に振り込まれることはありません。

Grant(グラント)

返済不要な賞与タイプの奨学金とよく似ていますが、Grantは、生徒が直接現金で受け取れるタイプの奨学金です。学費のために使うことは義務付けられていますが、授業料(Tuition)に使わなければいけないというルールはなく、寮費や教科書代などに充ててもOKです。

3.高い学費はどうやって払えばよい?

アメリカでの大学費用を支払う方法は、いくつかの選択肢があります。

公的な教育ローンを活用する

まず最初に検討したいのは、Subsidized Loanと呼ばれる公的機関からの教育ローンです。大学院は対象外となりますが、年次によって年間$3,500~$7,500を借り入れることができます。

借り入れ額の上限
大学1年目$5,500/y
大学2年目$6,500/y
大学3年目$7,500/y
大学4年目$7,500/y

Subsidized Loanのメリットは、

  • 民間のローン商品よりも低金利で借りられる
  • 返済方法を選べる
  • 10年間遅延なく返済することで、その後の返済が免除になる可能性アリ
  • 世帯収入に関係なく借りられる

です。

民間の教育ローンを借りる

公的な教育ローンだけでは、十分に学費を賄えない場合には、民間の金融機関から提供されている教育ローンを利用することもできます。この場合。親が保証人となれば、低金利で借りられますが、保証人を付けなくても借りることは可能です。ただしその場合には、金利の面で割高となってしまうため、注意しなければいけません。

多くの教育ローンでは、学費や寮費など卒業に必要なコストを100%カバーしています。そのため、あちこちから複数の教育ローンを利用しなければいけない人は少なく、一つのローンでまとまった資金を借りるのが一般的です。

ただし、まとまった金額を借り入れると、低金利の教育ローンでも返済は大変です。借りる際には、返済計画も考え、できるだけ低金利で借りられるローン商品を選ぶことをおすすめします。

親が家を担保にして学費を工面

アメリカでは、所有している家を担保にお金を借りるHome Equity Loanという借り方も多いです。自宅を所有している人だけが利用できる借り方ですが、子供本人に多額のローンを負わせる必要がないという点で人気があります。

また近年では、親が自宅のローンをリファイナンスすることで学費分を捻出するという支払い方法も増えています。自宅の価値が、住宅ローンの残高よりも高ければ、その差額を上限として現金を引き出すことができます。