夫が死んだら住宅ローンなくなる保険ってある?

日本で住宅ローンを組むと、団体信用生命保険という保険があり、稼いでくる世帯主(ローンの契約者)が死亡すると、住宅ローンの残債がもれなく免除されて家族が路頭に迷わずに済みます。

アメリカに来て住宅を購入する人の多くは、この保険を探したのではないでしょうか。そして大半は、専門知識を持たない不動産仲介業者やローン会社から「何それ?」的な返しをされ、「アメリカにはそういうのはないんだ・・」とあきらめていたかもしれません。少なくても、私はそうでした。

しかし!つい先日、こういう保険があることを見つけました!

目次

  1. Mortgage Protection Insuranceとは?
  2. メリットとデメリット
  3. 生命保険 vs Mortgage Protection Insuranceどちらがおすすめ?

1.Mortgage Protection Insuranceとは?

ローンの名義人が死亡したときに住宅ローンの返済免除される保険は、アメリカではMortgage Protection Insuranceと呼びます。住宅ローンを組む時に頭金20%払えない人のためのPMI(Private Mortgage Insurance)とは違います。

このMortgage Protection Insuranceは、住宅ローンを組む時に自動的についてくるわけではありません。ローンオフィサーが親切に「つけますか?」と聞いてくれることもありません。

任意で加入する保険商品なので、加入したい人は保険会社へ問い合わせる必要があります。

2.メリットとデメリット

このMortgage Protection Insuranceには、メリットとデメリットがあります。

メリット

  • 残債がいくらでも契約した金額までならローン残債が免除される
  • 生命保険に加入できない人にとっては助かる
  • 年齢が若ければ保険料も安い

デメリット

  • ローン完済までの30年をまるまるカバーできるわけじゃない。
  • 早ければ1年ごと、長くても数年ごとの契約更新で料金が上がる
  • 保険商品によっては年齢が一定以上だと加入できないことも多い
  • 生命保険より割高感があるかも
  • 契約した金額をまるまる受け取れるわけじゃなく、ローン残債額しかもらえない

3.生命保険 vs Mortgage Protection Insuranceどちらがおすすめ?

アメリカで住宅を購入した人の多くは、世帯主に万が一のことがあった場合に備えて、住宅ローンを完済できる金額の生命保険に加入しているのではないでしょうか。

ただし、必ずしも住宅ローン完済を目的に生命保険に加入しているというわけではありません。ただシンプルに、家族が路頭に迷わないためという目的で加入している人も多いですよね。

我が家もそうでした。稼ぎ頭の夫と、ついでに稼ぎが鼻くそな私にも生命保険がかかっており、私が死亡したら息子様の学費分ぐらいがゲットでき、夫が死亡したら住宅ローンを完済とまではいかなくても、大半を返済できる金額をゲットできます。

生命保険の契約をした時には、住宅ローンは持っていなかったため、保険会社のアドバイス通り、年収の5年分を目安に加入しました。

ただ実際にはあれから20年近く経っており、年収もアップしているし住宅ローンも抱えているしということで、もうちょっと保険額を上げたいところではありますが、すでに夫婦そろって50代。払い込む金額が劇的にアップしそうなので無理です。

もしこの年齢でMortgage Protection Insuranceへ加入すると、毎月の保険代が数百ドルになってしまい、生命保険と比べて割高です。

だから我が家では、若い頃に加入した生命保険で、万が一の時には対応しようと思っています。

私の個人的な意見ですが、生命保険かMortgage Protection Insuranceかを迷ったら、まずは生命保険を検討するのが良いと思います。それで納得できる金額なら、できるだけ若い年齢で加入しておけば、金銭的にはお得度は最強になります。

それに生命保険なら、住宅ローンの有無や残債に関係なく、契約した保険金をまるまる受け取ることができます。

しかし持病があるとか肥満とか、さまざまな健康上の理由で生命保険に加入できない人なら、Mortgage Protection Insuranceを検討するのが良いと思います。そうすれば、少なくても世帯主がなくなっても家族はその家で住み続けることは、一応可能となります。