アメリカの子育て事情!「褒めて伸びるのは中くらいまで」は本当か?

シャロン・ストーンという女優をご存知ですか?1992年に公開された「氷の微笑」という映画で、一躍スターとなった女優なのですが、女優としてはとても遅咲きだったこともあり、売れた際には周囲からバッシングの嵐を受けたそうです。その中には、「プロデューサーに枕営業したのよ、きっと」など悪意を感じるものも多かったのだとか。

そんな彼女が放ったひとこと

「枕でのし上がれるのは、中くらいまでよ。その後は、実力が必要。」

でした。

センセーショナルな名言ですが、実はこの考え方は、育児や教育にも通じるところがあります。

「褒める教育」の本場アメリカで子育てを終了した私が、今から振り返って思う事をまとめてみました。

目次

  1. アメリカでも日本でも「褒める育児」が主流
  2. 日本で「ほめる育児」が誕生した背景
  3. アメリカと日本で違う育児スタイル
  4. 評価されるべきは努力、結果じゃない
  5. 社会はアメリカでも結果重視
  6. 褒めて延びるのは中くらいまで、その先を狙うなら?

1.アメリカでも日本でも「褒める育児」が主流

アメリカでも日本でも、現在は褒める育児が主流ではないでしょうか。アメリカは「褒める育児」という点では先進国で、もともとそういう育て方をするべきだという土壌があります。

アメリカはまだ歩けない赤ちゃんでも「個」とみなし、個性を大切にして育てる土壌があります。そのため、親子でも同じ高さで意見交換をすることもあれば、子供が親に対してダメ出しすることもあります。その際でも親は子供に対して、「親に向かってなんだ!生意気だぞ!」なんてことは言いません。

2.日本で「ほめる育児」が誕生した背景

映画「不良少女とよばれて」

もともと日本では、親が子供に対して躾をするというトップダウン式の育児がメインでした。昭和女子の私も、育児は親から「厳しくダメ出し」をされることが多かったですね。決して楽しいものではありませんでしたし、子供の頃に戻りたいという気持ちもゼロです。

80年代ぐらいまでのこうした育児スタイルは、不良とか非行という社会問題を生み出しました。親の掲げる理想についていけない子供たちは抑圧されていると感じ、親や学校、社会に対して反抗心をむき出しにしたわけです。そんなことをしても親子間の距離が縮まることはあるはずもなく、非行対策が社会全体の大きな課題となりました。

そんな背景の中で生まれたのが「ほめる育児」です。これは「叱るばかりが子育てじゃない、ほめることで子供のやる気を伸ばす」という育児方法です。

既に日本に紹介されてから半世紀近くがたっているので、自身が「ほめる育児」で育ったという人も多いかもしれませんね。

3.アメリカと日本で違う育児スタイル

褒める育児では、結果ではなくプロセスを褒めるのが特徴です。結果はどうであれ、そこに至るまでの努力に対して、褒めるのです。結果重視の日本文化で育った私にとっては、結果を見ずに努力だけを褒めろと言われても、なんとも難しいのですが、これが褒める育児の基本形ですね。

日本の育児は、褒める育児が主流になったとはいえ、まだまだ結果に対して褒めてしまうことが多いと思います。もしくは、親が期待する結果へ誘導しようと画策した褒め方をすることも多いかもしれません。

例えば子供がテストで100点を取ったとしましょう。これは快挙です。しかし、100点という結果に対して褒めるのでは、子供は「100点でなければ褒めてもらえない」というプレッシャーを感じます。

アメリカの褒める育児では、「昨日しっかり準備した成果だね!」とプロセスに対して褒めます。プロセスを褒めるので、点数は100点でも80点でも、あるいは30点ぐらいでも同じように褒めます。

なのでアメリカの子供は、頑張るというプロセスを大切だと感じるようになるのです。結果がどうであれ、頑張ることがとても大切なのだ、と。

4.評価されるべきは努力、結果じゃない

しかし、ここにアメリカの子育てや教育の闇があります。

結果度外視でプロセスだけを褒められた子供は、頑張ることが評価されるべきで、結果はどうであれ頑張ったものが勝利すると考えるようになります。これは、私がアメリカで子育てした中で、とても強く感じたことであり、もどかしく感じたことでもありました。

例えば、学校で試験を行い、85点取った子がいたとします。アメリカのハイスクールでは、成績がすべて大学入試の審査材料となるので、90点取ってAが欲しい所ですが、85点では残念ながら点数が足りません。

日本人なら、大半は「自分の頑張りが足りなかあった」とあきらめるのではないでしょうか。

しかしアメリカの子は違います。85点をなんとか90点にするべく、先生に交渉へ行くのです。これ、アメリカの学校あるあるです。

「90点にするためには、何をすれば良いですか?」

と先生に交渉しに来ます。先生もそうした交渉にはなれているので、驚くことはありません。既に、そういう生徒のために別途で宿題やプロジェクトを準備している先生もいれば、「ダメなものはダメ」と突き放す先生もいます。

しかし、この考え方は、結果よりもプロセスが大切だと教えられて育つアメリカの子供の根本にある考え方だと思います。

5.社会はアメリカでも結果重視

努力次第で結果を変えられるのは、アメリカでは大学入試でも見受けられます。基本的にアメリカの大学入試は、SATやACTのスコアだけでなく、それぞれ評価基準が違う全米のハイスクールの成績や頑張ったクラブ活動、ボランティアや仕事の経験などが、まるでAO入試のように多方向から検討されます。

アメリカの入試制度についてはこちらから

この際、大学によって何をどのぐらい重要視するかは、それぞれ異なります。SATやACTの成績が良ければ、他は何でもOKという大学もあるでしょう。何でもOKとまではいかなくても、SATやACTが最低基準を超えていなければ、他が良くても不合格にする大学もあります。特に、難関大学と呼ばれるところは、その傾向が強いかもしれませんね。

テストのスコアというのは、生徒にとっては「結果」であり、「努力」というプロセスではありません。日本の大学のように、テストの結果だけで合否が決まるというわけではないにせよ、「結果を伴わない努力は実らない」という現実をアメリカの子供が初めて突き付けられるのは、もしかしたら大学入試の時なのかもしれません。

6.褒めて伸びるのは中くらいまで、その先を狙うなら?

話を元に戻しましょう。

アメリカの育児では、結果がどうであれ、親はプロセス、つまり子供の頑張りに対して褒めます。そうすることで、子供は自信がつきます。そして、もっと頑張ろうという気持ちが湧いてきます。

。。。というのはあくまでも理想論です。

もちろん、小さな子供は皆そうです。しかし子供は成長するにしたがって、ずるがしこさを覚えます。ちょっとした演技で親をちょろまかせることが分かれば、嘘も方便とばかりに嘘を塗り重ねる子だっています。

例えば、試験の前に子供が勉強せずにゲームにはまってしまい、そのせいでテストの点が70点だったとしましょう。正直者のできた子なら、

「ゲームやり過ぎて点数が悪かった。次はもっと努力する」

と自白するかもしれません。しかしそんな子は、きっと少数派です。多くの場合には、試験がいかに難しかったのかを力説し、70点は決して悪い点数ではないと真剣に説くのではないでしょうか。

頑張って70点なら仕方ありません。でももし、頑張らずに70点だったなら、どうしますか?

ここで役立つのが、私達日本人がよく知っている「管理教育」です。

取ってしまった70点は仕方ない。でも次に同じ試験をした時には、70点以上取れるようにアフターケアすることが、「中くらいよりも上」に行くためには必要不可欠な作業だと思います。

親が家庭で勉強のフォローができればよいのですが、必ずしもそういうわけではありませんよね。その場合には、「先生に時間を作ってもらったら?」とアドバイスするだけでも、子供にとっては大きな意味があります。

私の息子がハイスクールの時にも、私が分かる科目(と言っても数学しかありませんでしたが)は家庭でサポートしました。でもほかの科目に関しては、学校の先生に放課後時間を作ってもらってフォローしてもらうなど、「わからない所を放置しない」ことを徹底しました。

アメリカにはサポートしない親が多い?

アメリカの家庭では、私が見た範囲ですが、小さな年齢でも子供の勉強には一切ノータッチという親がとても多いです。勉強が好きなのも嫌いなのも個性、やりたきゃするだろうし、しなくても生きていける、ぐらいにリラックスした育児なのかもしれません。

大半がそうしたリラックス系ペアレンツの中、少数派ですが親が家庭でしっかりと子供のケアをする所もあります。勉強だけでなく、スポーツや芸術においても、そういう家庭はあります。そして、結果を出しています。

「褒めて伸びるのは中くらいまでよ」という考え方は、あながち間違ってはいないのでしょう。

初日ですっかりトラウマに!息子が経験したアメリカ給食エピソード

子供って、どんな理由でトラウマになるか分かりません。私の息子は、キンダーの初日で、なんとアメリカの給食に対してすっかりトラウマになってしまいました。

目次

  1. 酸っぱい牛乳
  2. 濡れてるチキンナゲット
  3. 大学ではすっかりあきらめの境地
  4. どんな経験からも学ばせる

1.酸っぱい牛乳

photo of boy drinking glass of milk

息子がキンダーに入る時、とりあえずランチは自宅で準備しなくてよいという事実に、私は心が躍りました。だから、キンダーが始まるまで、学校に行ったら友達と「給食」なるおいしい食事をして、とても楽しい時間を過ごせるということを、子供に言い聞かせ続けました。

息子はキンダーの初日、私に洗脳されるがままに給食に心躍らせて、学校に行きました。

しかし帰宅した彼は、半泣きでした。

「ママ、僕もう給食は食べたくない」というのです。

理由を聞くと、

「牛乳がすっぱくて飲めなかった」

「友達は誰も給食なんて食べておらず、みなランチを持参していた」

とのことでした。

ガーン。牛乳がすっぱいのは、完全に想定外でした。おそらくその日だけだったのでしょうけれど、キンダーの初日というタイミングで子供をトラウマにするには十分すぎる破壊力でした。

その後、私は毎朝、子供のランチを作って持たせることになりました。

2.濡れてるチキンナゲット

porcao de peixe

ミドルスクールに入ってからは、学校の給食を食べる子が増えました。共働きの親が多く、子供のランチなんて忙しい朝に作れない、という理由だったのだと思います。

その頃にも、私はせっせと毎朝子供のランチを詰めていましたが、ある日子供が私にこう言ったのです。

「ママ、僕、明日学校のランチを食べたいんだけど、いいかな?」

ええっ!!良いも悪いも、良いに決まってるじゃないですか!私がこの日をどれだけ待ち望んだことか!

ランチアカウントなるものは開設していなかったので、翌日には現金を持たせました。

その日の夕方、帰宅した息子は一言。

「やっぱり明日から、またランチお願い。」

ガーン。。。。

その理由を聞くと、その日のメニューはチキンナゲットだったらしいのですが、なんとベチャベチャに濡れたナゲットが出されたそうです。

友達は「おいしくないけど食べられないことはない」と食べていたそうですが、食にうるさい息子様のお口には合わなかったようです。

はい、翌日からワタクシは再び、ランチ作りに復帰しました。

3.大学ではすっかりあきらめの境地

そんな息子も、はや大学生。大学の寮に入ってキャンパスライフを謳歌しています。大学のカフェテリアには、私も何度かお邪魔したことがあり、決してまずくはないお食事をいただきました。これなら息子の大学生活も安泰だろう、と考えていたのです。

ところが、大学生活をスタートしてから数か月で、息子から電話が。

「ママ、学校の食事、マズ過ぎてダメ。どうしよう?」

はぁー??

どうしようもこうしようもない、親としては食事代で年間に5,000ドル以上(60万円近く)も払っています。不味くても、食べてもらわなければ困るのです。

「カネ払ってんだから、食え。不味くても食え。それが大学っちゅーもんじゃ」

と突き放しました。

もちろん、お小遣いを使って毎食をUberEatsやGrabHubにするわけにもいかず、息子は食べられるものを食べて生き延びていたようです。

息子曰く、「親が来る時だけ、素晴らしいメニューが出るけど、それ以外はクソみたいなものしか出さない」のだとか。私は彼に、それでも食べろ、と言いましたが。

それからは、月に2回ほど、私がラーメンやお菓子、パンなどを箱に詰めて送っています。そして、マルチビタミンも飲むようにさせました。栄養満点の食事をしてくれれば理想的ですが、まだ若いので、多少の不健康は平気でしょう。しかし、空腹に耐えるのは苦痛です。とりあえず腹は満たせよ、という母からの愛ですね。

4.どんな経験からも学ばせる

我が家の教育方針は、(決して夫や息子から賛同を得ているわけではありませんが)「転んでもただでは起きぬ」です。人生、良いこともあれば、悪いことだって当然あります。嫌な経験をすることは仕方ないにせよ、そこから何かを学べば、自身の今後の成長につながるだろう、と私は考えております。

息子のトラウマ的な学校給食に対しても、今は大学のおいしくない食事を食べるという選択肢しか、与えていません。しかし、それも大学生活という青春の1ページになると信じています。

もし将来、おいしい家庭料理やグルメなお食事をいただいた時、マズイ食事に耐え抜いた経験があれば、おいしさに対して感謝する心を持てるだろうとも期待しています。

実際、高校までは料理に対して文句こそ言えど称賛することはほぼなかった彼が、帰省して私の手料理を食べると、「学校の食事とは比べ物にならないほどおいしい!」と言ってくれます。決して私が料理上手というわけではありませんが、少しは食に対する感謝の気持ちを覚えたのだと思います。

アメリカのスリープオーバー事情!トラウマにならないためのコツとは?

日本でも、仲が良い子の家へ泊まりに行くことは、子供にとってはとても楽しくてワクワクするイベントです。今回は、アメリカのスリープオーバー事情をご紹介しますね。

目次

  1. Sleep Over(スリープオーバー)って何?
  2. 何人ぐらいが多い?
  3. スリープオーバーの際の夕食は?
  4. お風呂はどうすれば良い?
  5. 朝食はどうなるの?
  6. 何時ぐらいに解散?
  7. 失敗しないコツとは?

1.Sleep Over(スリープオーバー)って何?

スリープオーバーとは、一言でいうならお泊り会ですね。子供がキンダーに入ると、親の社交の延長線上にいるお友達だけではなく、学校で自分自身で気の合う仲良しができます。男の子も女の子もスリープオーバーと称して、お泊り会をするわけです。

アメリカの子供スリープオーバーは、とても気軽にすることが多いからでしょうか、頻度も結構頻繁だと思います。私の息子もキンダーの時に親友ができ、毎週ではないものの、隔週ぐらいでスリープオーバーをしていましたね。

2.何人ぐらいが多い?

仲良しを1人呼んで2人のスリープオーバーをすることもあれば、5人ぐらい読んでグループのスランバーパーティ(名前が違うだけで内容は同じ)になることもあると思います。

うちは男の子しかいないので、何人呼ぶかという数を意識したことはありませんでした。しかし娘を持つ仲良しの友人に聞いた話だと、女の子は合計が2の倍数でなければケンカが始まるのだとか。やはり女の子はペアになりたいからなのでしょうね。

スリープオーバーのホストに慣れている人とか、あまり細かいことが気にならない人なら、複数をまとめて呼ぶと楽しいと思います。

ただし、私の経験をもとに言うと、人数が増えると深夜まで大騒ぎします。もちろん、外に勝手に出たりっていうことはしませんし、モノを壊すなんてこともありませんけれど、兄弟がいたりすると、小さい子供も仲間入りすると思うので、寝てるのは親だけという事態になります。我が家の場合、犬が大喜びして、犬も深夜まで大興奮でした。

親はどうすれば良い?

よその家の子供をお預かりすることに責任を感じ、子供たちが遊ぶ姿を監督しなければ、という人はいるかもしれませんね。もちろん、しても良いですし、年齢によってはするべきだとは思います。子供の性格によっても変わると思います。

私の場合、一度もありません。他のお友達の家でも、だいたい放置です。もちろん、危険なものはありませんし、私の言うことを聞かない不行き届き者は、夜遅くても親に電話して迎えに来てもらうので、朝までこちらが耐える必要はないと思います。

子供がキンダーの時でもハイスクールの時でも、基本的には親は夜11時か12時ごろになったら就寝してました。子供達はおそらく、2時とか3時まで起きていたと思います。小学校ぐらいだと、興奮しすぎて深夜でも大騒ぎしますが、ハイスクールになれば勝手にゲームするぐらいなので、うるさくはないですね。

3.スリープオーバーの際の夕食は?

スリープオーバーの際には、せっかくお友達が来てくれるのだから腕によりをかけて美味しいものを作ろう!と意気込みたくなります。しかし、結論から言うと、止めたほうが良いです。これは私の経験ですが、子供っていくつになっても「家庭の味」があります。そのためでしょうか、よその家にお邪魔すると、手料理拒否する子がとても多いのです。私の子供もよその家に行ったときには、味が合わないために「お腹が空いていない」という理由で食べなかったそうです。息子の友達を招いた時でも、同じような感じでした。最初の2回ほどその仕打ちを受けたので、潔くあきらめ、それ以来ずっとスリープオーバーの時にはピザと決めています。

ハンバーガーみたいのでも良いと思います。でも人数が増えると、ハンバーガーだけでも費用がかさみます。巨大なピザを、子供や友人の年齢と人数に合わせて「少し多め」に買うだけの方が、絶対に食べるので失敗しませんし、かえって安上がりかなと思います。

小学校高学年ぐらいになると、他人の家でも手作りのハンバーガーとかホットドッグなら食べる子が多くなります。それに、チップスとソーダ(炭酸飲料など)でディナー終了です。栄養?そんなものはスリープオーバーでは考える必要ありません。

日本食はBig NO NO

日本食をごちそうして喜んでいただけるのは、おそらくアメリカで暮らす日本人のお友達ぐらいではないでしょうか。大人のアメリカ人でも、全員が日本食のファンというわけではないので、私はおもてなしディナーとしてはリクエストされない限りは絶対に作りません。

ましてや子供になると、アメリカの家庭料理を出しても食べないのですから、日本食なんて食べるはずがありません。我が家に初めて招待する子の親も、きっとその辺は心配していたのだと思います(笑)。「ディナーはどうするの?」と聞かれることもあったので、「心配しないで!日本食なんて食べさせたりしないわよ!」と伝えてました。

その後で「ピザにしようと思ってるんだけど、ピザ食べられるよね?」と確認を取ってましたね。アメリカ人でピザを食べない子って、私は見たことがありません。なので、失敗しない「おもてなし料理」なのだと思います。

4.お風呂はどうすれば良い?

スリープオーバーでは、基本的には子供はお風呂に入りません。入ったら?と言わなくても良いです。いろいろな性犯罪のリスクを考えると、お呼ばれする側も招待する側も、その辺は一線を引いた方が良いかもしれません。

もちろん、1週間預かるという場合には、お風呂に入ってもらいますが、1日ぐらい入らなくても死んだりしないので平気です。それにアメリカでは、シャワーは夜じゃなくて朝という人が多いので、スリープオーバーを終えて帰宅してから入るという子もいると思いますね。

スリープオーバーを夜7時ぐらいの集合するなら、家で入ってくる子もいます。入ってこない子もいますけれど、その辺は家庭ごとの方針で良いと思います。

5.朝食はどうなるの?

スリープオーバーは、翌日に学校がない金曜日の夜が多いです。土曜日の朝は、比較的時間がゆっくりしているので、だいたいパンケーキを作っていました。手作りのディナーは食べない子でも、パンケーキは食べます(笑)。

朝からたくさん気合を入れて作る必要はなく、パンケーキとスクランブルエッグでも良いですし、フレンチトーストでも良いと思います。その辺はフレキシブルに対応すればOKです。息子の経験だと、シリアルを選んで食べたという家もありましたし、お父さんが早起きしてパンケーキを作ってくれたという家もありました。

6.何時ぐらいに解散?

スリープオーバーは、だいたい土曜日の昼前には解散することが多いですね。朝10時とか11時ぐらいに、迎えに来てもらっても良いですし、こちらから送り届けても良いと思います。

7.失敗しないコツとは?

スリープオーバーは、子供達にとっては親の監視から離れて楽しめる一大イベントです。たとえ毎週だとしても、楽しいイベントなので、羽目を外す子もいます。私自身スリープオーバで失敗したという経験はありませんが、友人の中には嫌な経験がトラウマになってしまい、子供には申し訳ないけれどスリープオーバーしたくないという人もいました。

これまでのスリープオーバーの経験から、皆さんの参考にして頂けそうなエピソードをご紹介しますね。

教訓:なくして困る高価なものは持たせるべからず

息子が小学校5年生の時に、iPodが子供達の間で爆発的な人気となりました。息子も持っていましたけれど、友人たちも持っている子は多かったですね。

ある日、息子が友達5人を呼んでスリープオーバーをわが家でした時のことです。そのあと数日してから、お友達の親からメールがありました。「息子のiPod、たぶんそちらでなくしたみたいなんだけど」と。

子供達が帰った後に掃除機をかけましたが、気が付かなかったし、普通に生活しているうえでは全く見かけてないので、「探してみるね」と伝えました。でも結局、見つかりませんでしたね。弁償などは一切しませんでしたし、息子から聞いた話では、その子は親から怒られて、小遣いを前借して新しいのを買ってもらったそうです。

教訓:リビングの床でごろ寝でもNo Problem

子供が小さければ、深夜まで大騒ぎした後で、そのままリビングでごろ寝させても良いと思います。ゲスト待遇しようとすると、親が疲れてしまいます。それに、日本のように人数分だけ布団を敷けばよいということはなく、基本的には寝る時には子供でもベッドで寝るのがアメリカ流。子供の友達全員分のベッドなんてあるわけないですし、誰もそんな待遇は期待していません。

なので我が家ではだいたい、家にあるだけの枕や毛布をリビングに出し、フリースタイルにしてました。部屋は寒すぎない程度に温度調整しておけば、例え毛布ナシで床で転がっていても、風邪をひく心配はないです。

中には、子供部屋にテントを張り、その中で寝てもらうという家もあるようです。我が家もトライしたことがありますが、深夜に起こされて「影が見えた」とか「何かが動いた」とオカルト的な文句を言われたことがありました。

だったら勝手にリビングででもどこでも好きな場所で寝ろや!と思いましたが、そこはもちろん大人の対応。しかしその後、スリープオーバーにテントを出すことはなくなりました。

教訓:エネルギー過多な男子グループは外で遊ばせるべし

男の子って、エネルギーがあふれてます。スリープオーバーなどで興奮すると、更にエネルギーレベルが上がります。もしも深夜まで男子の大騒ぎを聞かされたくないなら、プールなどに連れて行って疲れさせるとか、外で走り回らせて疲れさせるという方法も、一つの手かと思います。

ただし、家の庭で遊ばせると言っても、子供が夜間に外で大騒ぎすると、警察を呼ばれる可能性があります。そのため、庭で遊ばせるのは昼間、もしくは疲れてもらえそうなインドアな場所を選ぶのが良いと思います。

教訓:親同士の距離感も大切

誰でもそうですが、見知らぬ家庭に子供を泊まりに行かせることには抵抗がありますよね。そうならないためには、普段からママ友との距離もできるだけ積極的に縮めておくのがおすすめです。

私は子供の学校でPTOを始めボランティアをしていたり、Substitute teacherもしていたので、たくさんの保護者と会話をする機会が多くありました。その点では、息子の社交にも少しは貢献できたかなという気はします。

親同士の距離感が近くなると、スリープオーバーの時にトラブルが起きても、穏便に済むことが多いです。

教訓:子供が心配なら潔くホストをするべし

私は比較的、「かわいい子には旅をさせろ」の精神で、子供が小さい頃からいろいろな経験をさせてきました。それでもやっぱり、年齢が小さいうちは心配でした。

心配過ぎて子供を行かせたくないという人や、心配過ぎて寝られないかもしれないという人は、いっそのことお友達を呼んでホストをするという方法がおすすめです。よその家の子供を預かることで責任はあるものの、子供を近くで観察できるという点では、理想的な方法だと思います!

Your Side of the Storyって奥が深い

「喧嘩両成敗」という言葉があります。これは、どちらが原因を作ったとか、どちらが先に手を出したに関係なく、ケンカをしたらどちらも悪いですよね、ということです。しかし必ずしも現実社会においては喧嘩両成敗ルールが適用されるわけではありませんよね。今日は、アメリカにおける喧嘩両成敗ルールがどうなっているのかをご紹介します。

目次

  1. 子供の学校では「喧嘩両成敗」
  2. Your side of the Storyって何?
  3. 必ずしもどちらが正しいとは言えない

1.子供の学校では「喧嘩両成敗」

子供の学校では、「いじめられたら、やり返せ。でなきゃ、ずっとやられる」という考えがある一方で、「喧嘩をするのはどちらも悪い」という喧嘩両成敗論もあります。その他にも、「やられてやり返すのは賢くない。だからやり返さない」という新興思想たるものもあります。

昭和女子としては、「喧嘩するのはどちらも悪い」と理想論を頭で理解していたとしても、現実には「やられたらやり返す」がベストの解決策だと考えてしまいます。

例えばドラえもんの中でのび太がいつもジャイアンにやられるのは、もちろん悪いのはジャイアンなのですけれど、のび太がジャイアンにやり返さないから、ジャイアンはいつまでものび太をいじめるのです。もしものび太が「うるさいジャイアン!叩くなよ!」といって叩き返していたなら、きっとジャイアンも「のび太を叩いたら叩き返されるかは、あいつには手は出さずにおこう」と考えていたかもしれません。

話がそれてしまいました。

息子がアメリカの学校に通い始めたのは、すでに15年以上昔になりますが、その当時からアメリカの教育シーンでは、喧嘩両成敗論がメジャーでした。そう考えている親がどれだけいたかは疑問ですけれど、少なくても先生方は、そのように生徒を指導していました。

「ケンカをしたらどちらも罰せられるから、するのをやめましょう」

というルールで利益があるのは、正直、ジャイアンだけです。だってジャイアンは、どんなルールであろうと、のび太を叩くわけですから。

「やられたらやり返せ!そうすればジャイアンを止められる」

と教えられれば、のび太はもしかしたらやり返そうという気持ちになれるかもしれません。しかし、「やられてもやり返しちゃダメ。だって喧嘩両成敗だから。」と教師から指導されたのでは、やられっぱなしの泣き寝入りです。

息子がキンダーだった頃、私は機会があって教室内のボランティアなどでよく学校に出入りをしており、先生ともいろいろな話をする機会がありました。息子の担任の先生は、言ってみるなら「OLD SCHOOL」な方で、教師はやり返さないように指導しろと言われてるけれど、やり返さなければいじめられっ子はずっといじめられ続ける、という考えでした。

ちょうど息子のクラスに、物静かな子が一人いました。他のクラスメートにからかわれたり、意地悪されている光景を、私も何回か目にしたことがありました。先生はその子に、「やり返さないとずっとやられるから、やり返せば?」と言ったようですが、その子はいつもやられっぱなしだとおっしゃっていました。

私もその子に聞いたことがあります。その子いわく、どんな状況でも暴力には反対だ、だから叩かれても叩き返したくないと。キンダーにしてそんな素晴らしい考えを持つなんてすごい!!しかし意地悪な子供がいる学校の中では、そうした素晴らしい考え方は自身にとって大きな障害になってしまうことは多いと思います。

ただ、それがその子の意見ですし、それで本人が納得しているのなら他人が口出すことでもないため、先生は一年中ずっとその状況を静観していらっしゃいました。

翌年度は息子とその子はクラスが別々になったので、その子がその後どうなったのかは分かりません。本人なりに解決策を見つけたことを願います。

2.Your side of the Storyって何?

ケンカの原因に関係なく両方を同じように成敗するというアメリカの学校では、当事者の言い分などは、全く考慮されません。しかし現実には、当事者のお互いの言い分を聞いたうえで、客観的にどちらが悪いのかを審判するケースは多いと思います。アメリカの学校でも、ミドルスクールやハイスクールなど年齢が上がれば、無条件に喧嘩両成敗ということはありません。それぞれの事情や言い分を聞いたうえで「追って沙汰を申す」となります。

その際によく耳にする言葉が「Tell your side of the story」です。これは、「あなたの言い分を言ってごらん」という意味ですね。もちろん、大人でも子供でも嘘をついたり事実を湾曲させる人はいます。しかし第三者が両者から言い分を聞き、その場にいた複数の人たちの証言を照らし合わせると、多くの場合には事実が見えてくるものです。

3.必ずしもどちらが正しいとは言えない

子供のケンカから大人のトラブル、裁判になるような事案まで、立場や見方によっては、必ずしもどちらが正しいか決められないことはあります。ここで、極端な例を挙げてみます。

その昔、救助ボートに乗って大海を何日も漂流している4人がいました。当然ですが食料も飲み水もなく、体力は日に日に衰えています。すでに漂流してから3週間近くたっており、このまま救助されなければ近日中に全滅という状況です。

そんな中、船のリーダーが提案しました。

「くじ引きをして、仲間が生きるために自らを捧げるのはどうだろうか?」

しかしその案は、多数決では賛成が多かったものの、1人が反対したため、見送りとなりました。

喉が渇いても、海水は飲むことはできません。海水を飲むことは、死を意味します。しかしどうしても喉の渇きに耐えられなかった1人が、仲間が止めるのも聞かずに海水を飲んでしまいました。案の定、その人はすぐに虚脱状態となってしまいました。

既にその人の命はカウントダウンの状態です。しかし亡くなるのを待っていると、他の人の命も危険なほど、全員が極限状態に陥っていたのです。

命の灯が消えかけている人は、自分を殺して食べてほしい、と言いました。全員がためらっていたものの、最終的には3人の命を救うために、死にかけていた一人を殺害するという結論にたどり着き、実行しました。はい、殺人をしたわけです。

彼らは、仲間が体を提供してくれたおかげで、救助船に発見されるまで命をつなぐことができました。しかし、陸に上がるとすぐに逮捕されて、裁判にかけられました。

ここで問題です。彼らが極限の状況で取った行為は、間違っていたのでしょうか。

「モラル」を何よりも大切だと考えれば、死にかけているからと言って人を殺して食べるなんて言語道断だとなるでしょう。

しかし「命」を何よりも大切だと考えるなら、放っておいてもすぐに亡くなったであろう人を殺して食べたとしても、1人を犠牲にして3人が助かったわけですから、それは正義だったと考えることもできます。極限状態においてはやむおえない決断だったのです。

ちなみにこれは、実際にイギリスで起こった事件です。そしてハーバード大学では、政治哲学のケーススタディとして取り上げられています。

子供のケンカからこうした究極の選択まで、私達が生きる上ではさまざまな困難があり、トラブルの当事者となることもあるでしょう。立場が変われば言い分も変わり、何が正しいと感じるかも変わるものです。

絶対的な正解がないからこそ、考えれば考えるほど奥が深い問題だなと思います。

日本に多い友達親子、アメリカでは悪?

日本には、親子が上下関係というよりは友達のような関係で仲が良い「友達親子」が大人気です。親友のように何でも話すことができるこの関係は、親が子供に対して威圧的な態度をとらず、子供は親に対して恐怖心を抱くことがありません。

日本と比べて、親は威厳ある存在であることを重視する傾向にあるアメリカでは、この友達親子は、どこまで浸透しているのでしょうか?

目次

  1. アメリカにおける友達親子の実態
  2. 友達親子のメリット
  3. 友達親子のデメリット
  4. アメリカで増えている友達親子
  5. アメリカの専門家が友達親子に否定的な理由

1.アメリカにおける友達親子の実態

アメリカにも、友達親子はいます。しかし親子関係は上下関係であるべきだと信じる人が多いからでしょうか、友達親子の関係を築いている人はそれほど多くありません。中には「そんな関係。。」と否定的な人もいます。

アメリカの市場調査によると、アメリカで暮らす親の約40%程度は、子供と親友のような関係を築きたいと考えています。そしてその多くは、子供が成人してからも実家暮らしを続けることに対して、否定的ではありません。

子供にできるだけ快適な生活環境を提供しようと、子供におねだりされたわけでもないのにモノを買い与えることも少なくありません。私はこれを書きながら、まさに自分のことだと思っております。

親が「子供の親友になりたい」と思っている一方で、子供はそんな親をどう見ているのでしょうか?

実は子供自身も、約半数は親のどちらかを「親友の一人」だとみなしているのだそうです。そうなると、子供にとっては家庭がとても居心地の良い空間となり、時間がある時にはできるだけ家にいたいと感じたり、成人しても親と同居する選択肢があるのなら、迷わずに同居を選ぶことが多くなるのだとか。

2.友達親子のメリット

upset little ethic boy looking at faceless father during argument

友達親子には、たくさんのメリットがあります。日本では、子育て専門家の尾木ママも、この友達親子の育児方法を称賛されてましたね。

  • 子供の反抗期が軽減される(親が子供の気持ちに理解を示すため)
  • 親は、子供の社交や生活環境を把握しやすい(子供が臆することなく話してくれる)
  • 子供の親に対する不満が減る
  • 親は、子供が言うことを聞いてくれるので精神的に楽

ぐらいでしょうか。友達親子の関係を築いている人のほとんどは、その関係に満足しているという点もまた、友達親子の特徴ですね。

3.友達親子のデメリット

a woman getting mad to a young girl

友達親子には、デメリットもあります。日本では友達親子に対して賛成派と反対派がきっぱり分かれる傾向にあり、賛成派は約40%程度なのに対して、反対派は30%もいて、賛成派と同じぐらい反対の人もいます。その理由は、

  • しつけができない(親に威厳がないため)
  • 子供の精神的な成長を妨げる
  • 反面教師で学べない

この点は、アメリカの専門家の多くも口をそろえて指摘する部分です。アメリカでは、親は子供の上に立って指導するべき存在という考え方が根付いており、子供に対して毅然とした態度で対応する人が、とても多いです。そして、そうあるべきだと信じている人も多いですね。

その人たちの考えは、「親は子供と同等の立場ではないのだから、友達になる必要はない。子供は友達を家の外で見つけたらよい。親は親、友達は友達。同じではない。」というものです。

専門家も、親が子供の親友になってしまうと、子供が悪いことをしても、その気持ちを理解して受け入れてしまい、正しい方向へと導くことが難しくなってしまうと指摘しています。例えば未成年の飲酒でも、威厳のある親なら、「未成年なのだからダメ」と言うでしょうけれど、友達親子だと「外はダメだけど家の中でならOK」と許可を出してしまうかもしれません。子供の「ルールに従う」スキルが育たないという点は、確かにデメリットですね。

また親子間に一定の距離があると、子供は成長過程の中で、親の悪い面を見たら「自分はそうならないように」と反面教師で学ぶ経験をするでしょう。しかし友達親子の場合には、親の悪い部分を見て、そのまま受け入れて真似をしてしまう子が増えてしまうのだそうです。

4.アメリカで増えている友達親子

専門家からは批判的な意見が多い友達親子ですが、アメリカのミレニアム世代の子は、両親と友達親子となるケースが多いようです。その理由はずばり、ヘリコプターペアレンツやブルドーザーペアレンツがそのまま友達親子になることが多いから。私も多分、このタイプだと思います。

ヘリコプターペアレンツやブルドーザーペアレンツについてはこちらから

アメリカは車社会ですし、子供が一人で近所の公園に歩いていくだけでも親が逮捕されるので、基本的に親は子供が中学生ぐらいの年齢になるまでは、四六時中べったりと張り付いています。その中では、子供にあれこれ言う大人に対して、子供の代わりに戦うこともあるでしょう。これ、ヘリコプターやブルドーザーの特徴ですね。

そうした生活が続くことによって、子供にとっては親は一番のよき理解者となります。そしてその関係が少しずつ友達親子になっていくのかもしれません。

威厳のある育て方をした場合にはどうなる?

私の周囲には、子供に対して威厳のある子育てを貫いた友人が何人もいます。彼女たちは、子供がお願いしても間髪入れずNOと言い、子供が「どうして?」と聞けば「Because I Said so!」と言っていました。

この育て方が良いか悪いかは、私が判断することではありません。しかし多くの場合、親は自分よりも上の立場にいる存在だとだと認識して育ちます。その上下関係を受け入れて、ルールを守る人間に成長する子もいましたし、子供が高校を卒業すると同時に家を出た子もいましたね。

多くの家庭に共通しているなと感じたことは、子供が18歳の段階で精神的にかなり大人だったという点です。自分は成人だと自覚して、親とは異なる考え方と価値観で行動しようと考えている子が多かった気がします。

5.アメリカの専門家が友達親子に否定的な理由

アメリカの専門家が、この友達親子に対して否定的な理由は、ほかにもあります。それは、アメリカは「成熟した文化」なので、子供がいつまでも子供の気持ちを持ち続けることは、必ずしも善ではありません。子供は成長したら早く独立して、大人としての責任と自覚をもって生活するべきだという考え方が根付いています。

友達親子だと、子供は大人になっても快適な実家から出たいと思わないでしょう。実家にいる限りは、子供が何歳になってもヘリコプターペアレンツが守ってくれるので、大人としての責任を実感する機会は減ってしまいます。この点が問題だと、専門家は指摘するわけですね。

実は私の息子も、そろそろ大学を卒業する時期が近付いており、就職先を模索しています。友達親子だった息子は、就職先は実家のそばが良いと言っておりました。

でも私は、子供には世界を見てたくさんの経験をしてほしいと思っています。なので、「獅子は子を谷へ突き落す」戦法に切り替えて、遅ればせながら子供の自立を応援している次第です。

アメリカの親あるある!NOと言わないエレファント・ペアレンツは毒親?

日本にも、育児の仕方を例える表現はたくさんあります。過保護、放任主義、教育ママなど、どれも子供によかれと思ってしている育児方法なのですが、メリットもあればデメリットもあります。それでは、アメリカに多い「Elephant Parents(エレファント・ペアレンツ)とは、どのような育児方法なのでしょうか?

目次

  1. エレファント・ペアレンツとは?
  2. エレファント・ペアレンツの傾向
  3. 結果vs努力、どちらが大切?

1.エレファント・ペアレンツとは?

エレファント・ペアレンツとは、一言でいうなら「何よりも子供の感情を最優先する」という育児スタイルです。子供の気持ちを大切に考える、という一般的なレベルではなく、学業や運動で結果を残すことよりも、その時の子供の気持ちを優先してしまうのが、この育児スタイルの特徴です。

エレファント・ペアレンツのメリットは、子供は精神的なストレスを感じることが少なく、好きなことをのびのびと楽しみながら成長できるという点です。このタイプの親は、子供が「これは嫌い」と言えば強要することはほぼありません。そのため、子供にとっては「好きなことだけをして、嫌いなことはしなくて良い」という考え方となってしまう傾向があります。また、嫌なことは親に言えば何でも解決してくれますし、子供が直接対峙する必要もありません。

エレファント・ペアレンツは「行き過ぎた過保護」とも表現できるかもしれませんね。日本にも多いと思いますけれど、私がいろいろ見てきた中では、アメリカの方が多い気がします。

2.エレファント・ペアレンツの傾向

私がこれまで見てきたエレファント・ペアレンツには、以下のような行動をする人がいました。

  • 子供が「数学は嫌い」だと言えば、数学は勉強する必要なし。「数学なんてやらなくても生きていける」と逆に励ます。
  • テストの点が悪くても、子供が「頑張った」と言えば叱ることはない。
  • 長期的なスパンではなく、目の前の幸福度で物事を判断する
  • 子供が「クラブ活動を辞めたい」と言えば、即OK
  • 子供のスポーツ試合をしても、抗議してスコアを禁止させる
  • 勝敗がつくイベントを嫌う

つまり分かりやすく言うと、子供の気持ちや感情を優先するあまり、子供に「辛くても将来役立つことだから頑張ろう」と教えるのではなく、「ツライものを続けても意味がない」と教えるのがエレファント・ペアレンの特徴です。

エレファント・ペアレンツは、子供にとっては、「自分の気持ちを理解し、サポートしてくれるよき理解者」です。子供の中には、そうした親の育児方針に感謝し、何事にも全力で頑張る子もいるでしょう。しかし残念ながら、全ての子供が、それほど人間的にできた子ではありません。

子ともにとっては、何をしても文句を言われず、勉強せずにテストの点が悪くても、「頑張った」と言えば御咎めなし。これはもう、親ガチャ大当たりですよね。

エレファント・ペアレンツな育て方は、子供の能力やポテンシャルを無駄にするリスクが高く、長期的には子供にとって大きなダメージがあることも、理解しておいた方が良いと思います。

3.結果vs努力、どちらが大切?

アメリカでは、結果よりもそこに至るまでの過程を評価しよう、という風潮が日本よりも強いです。大学受験のプロセスを見ても分かりますが、試験の結果だけでなく、それまでに頑張ったボランティアとかクラブ活動などが幅広く評価の対象となっています。

私は日本で生まれ育った昭和女子です。だから、勉強でもスポーツでも芸術でも、結果を出してナンボ、という価値観を持っています。努力をするのは当たり前。その中で、結果を出せる人が勝利するという、誰にとっても分かりやすい図式で、客観的な評価をしやすい環境であることが大切だと教えられてきました。

しかしアメリカでは、結果が悪くても交渉次第で「特別に」覆ることが少なくありません。

例えば学校で、80点以上がAというルールだったとします。アメリカでは、75点の生徒が教師に「どうしてもAでなければ困る」とアピールすることは珍しくありません。日本人ならきっとそういう光景を見ても、「だったら最初から勉強しろよ」「頑張りが足りなかったんだ」と思うところでしょう。

アメリカにも、そういう先生はもちろんいます。でも生徒は食らいつき、「何をしたらAにしてくれますか?」と交渉しようと試みるのです。

先生の中には、根負けして「じゃあ、レポート書いてきたら特別に」という人もいれば、「何を言っても無理」と拒否する人もいます。

エレファントペアレンツは、ここでも怯みません。親が学校に電話して、「子供はこんなに頑張ったのだから、教師はそこを評価するべきだ」とクレーマーになることも多いです。

アメリカでも結果を出してナンボ

アメリカでも、努力の有無に関わらず結果が評価されることは、多いですね。特に社会人になると、結果を伴わない頑張りが評価される機会は、かなり少ないのではないでしょうか。

自分はこういう実績を上げたから給料を上げてほしい、という交渉はよく聞きますが、毎日残業して頑張ったのだから給料アップすべきだ、という交渉は、私は未だ聞いたことがありません。

育児のやり方は、家庭ごとに違いますし、子供の性格に合わせて完全カスタマイズするべきだと思います。その中には、もちろん子供の気持ちを大切にすることは大切です。でもそればかりでは。。。ということなのでしょう。何事にも、加減やバランスが大切ですね。

アメリカの親あるある!放任主義はどこまで許される?

子育てには、いろいろなスタイルがあります。こんな子育てをしようと目標を設定する人もいれば、自分が育てられた育児法をそのまま自身の子供に適用する人もいます。私は子供のころ、親がかなりのタイガーペアレンツぶりを発揮していたため、放任主義で何をしても親にうるさく言われない友達が、とても羨ましかったものです。

アメリカにも、放任主義はあります。しかし日本とは異なり、放任主義を認めない厳しい法律も存在しています。ここでは、アメリカの育児における放任主義の実態をご紹介しますね。

目次

  1. 放任主義(Free Range Parents)とは?
  2. 放任主義のメリット
  3. 放任主義のデメリット
  4. アメリカでは放任主義が法律で規制されている
  5. 放任主義は普及するのか?
  6. 過保護から急に放任となるアメリカの子育て

1.放任主義(Free Range Parents)とは?

アメリカの放任主義は、Free Range Parentingと呼ばれています。子供の周囲からリスク要因を積極的に取り除いてしまうヘリコプターペアレンツとは、正反対の場所に位置する育児スタイルです。よく言えば、子供が自身の幸せを「自給自足」で手に入れられる子育て、悪く言えば、子供を「放し飼い」の状態にする子育てです。

放任主義とは、子供が自身で考えて行動をし、経験から学習するという育児スタイルです。きっかけは1946年に出版された「The common sense book of body and child care]という本で、小児医学博士が子供の精神面における発展に関して、親が全てを管理するよりも、子供自身にもっと自由を与えて自身で考えさせた方が長期的にプラスになる、という育児方法を奨励したのが始まりです。

アメリカでは、州によって法律は異なりますが、基本的に放任主義奈子育ては厳しく制限されています。日本では「当たり前」だと考えられていることでも、アメリカでは放任主義、もしくは育児放棄だとみなされることがたくさんあります。例えば、

  • お母さんがちょっと買い物に行く間、子供が一人でお留守番
  • 「はじめてのお使い」のように子供一人での外出
  • カギっ子

これらは、アメリカでは御法度です。日本にいる感覚で気軽にしてしまうと、すぐに通報されて警察から尋問を受けると思います。最悪の場合には、児童虐待のレッテルを貼られて子供は保護施設に連れていかれる可能性すらあります。

2.放任主義のメリット

放任主義というと、親が育児を放棄して子供を野放しにするというようなネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし実際に、メリットはたくさんあります。

  • 子供が考えて行動できるようになり、積極性が高くなる
  • 子供に自信がつく
  • 子供の創造性を養うことができる
  • 子供の責任感が育つ
  • 危険を察知するスキルを養える
  • 子供の社交性が身につく

小児児童精神学の研究でも、小学校低学年ぐらいの年齢は、リスクから学ぶスキルを身に着けられる唯一の年齢という結果が出ています。つまりこの年齢の時に、子供が親とは関係ない場所でいろいろな経験をし、怖い思いをしたり、危険から学ぶことによって、その後の人生にも危険察知能力がプラスに作用するのだとか。

もちろん、安全であることが分かっているなら、それもアリだと思います。しかしアメリカの社会の仕組みや事件や事故を見ると、残念ながら現実的なものではないですよね。

3.放任主義のデメリット

放任主義には、いくつかのデメリットももちろんあります。

  • 子供が事件や事故に巻き込まれるリスクが劇的に高くなる
  • 度を超えると育児放棄という犯罪になる
  • 法規制がある場所では、親が逮捕されたり子供が保護施設に入れられる可能性もある

などです。

とくにアメリカでは、子供から一瞬目を離したすきに誘拐される事件が全米各地で日常的に起こっています。年間46万人以上の子供が誘拐されています。もちろん、大半は放任していない家庭でです。そうした環境なので、放任主義で子育てをすると、かなり高い確率で誘拐されてしまいそうです。

4.アメリカでは放任主義が法律で規制されている?

アメリカでは、州やコミュニティごとに、児童労働法などの法律が存在しています。その中で、州によっては具体的に、何歳以下は一人で留守番させてはいけないとか、一人で学校や公園まで行かせてはいけない、と言った規則があります。

例えば、子供が一人で家で留守番できる年齢を見ると、メリーランド州では8歳以上、イリノイ州では12歳以上と年齢が大きく異なります。具体的な年齢を制限していない州もありますが、その場合にはケースバイケースでの対処となっています。

育児放棄との線引きが不明瞭

アメリカの中には、フリーレンジな子育てを認めようという動きの州もあります。しかしそれはまだごく少数で、多くの州では子供の安全を確保するという目的で、子供一人だけの行動は厳しく制限されています。

育児放棄との線引きが難しいという理由もあるでしょう。アメリカでは、育児放棄は犯罪です。児童福祉情報ゲートウェイという公的機関があり、ここでは具体的に何を育児放棄や虐待とみなすのかを細かく定義しています。

5.放任主義は普及するのか?

アメリカでも近年は、育児放棄との線引きを明確にすることで、フリーレンジな子育ても認めようという動きがチラホラ出てきています。

最初に立ち上がったのはユタ州で、2018年に「子供をフリーレンジなスタイルで育てる事」を権利として認めました。ただし何でもOKというわけではなく、どこまでがOKかという線引きがあります。

またテキサス州とオクラホマ州でも、現在ではユタ州と似たような権利が州法によって認められています。

6.過保護から急に放任となるアメリカの子育て

man inside vehicle

上記のように、アメリカで育つ子供はほとんどの場合、どこに行くにも親と一緒、一人で家で留守番することもないという環境で育ちます。学校から徒歩で帰宅することも、州によっては認められていません。公園で遊ぶ際にも、親が監督として目が届く所にいなければなりません。

アメリカでは州によって多少の差はありますが、子供は16歳ごろから自動車の免許を取得できます。車社会のアメリカなので、それまでは親がいなければ1人でどこにも行けなかった子でも、免許を取得すると自分自身の世界が一気に広がります。友人と一緒にドライブするとか、友人の家に遊びに行くのも、親がいなくても車を運転できればお茶の子さいさいです。

私がアメリカで子育てをしてきて感じたことなのですが、アメリカでは、多くの親は自動車の免許を取れない15歳あたりまではとても過保護に育てます。しかし、子供が自動車免許を取ったら突然放任主義になることが多いですね。

その時によく耳にする言葉は「Well, that’s his(her) decision」(子供が決めたことだから)です。悪い判断をしても、そこから学べば良いじゃないかというフリーレンジな子育てのメソッドに基づく子育てへと、突然切り替わるのです。

ここで注意したいのは、突然自分では管理できないほどの自由を手に入れたことで、羽目を外し過ぎてしまったり、事件に巻き込まれて矯正施設へ送られる子もいるということです。高校生ぐらいの年齢は、背伸びして大人になりたくて仕方ない年齢ですし、反抗期の子もいますよね。そこに親から「放任」という特権をもらうことで、良からぬ方向に行ってしまうこともあるのです。

我が家はLife360アプリで問題解決

私の息子も、似たようなものでした。車の免許を取るや否や、週末には夜遅くになっても帰ってこないのです。テキストすればすぐに返信をくれますが、やはり親としては夜中の11時や12時に息子が帰宅しないというのは、心配でたまりません。

息子は「友達の親はみんなもう寝てるから、ママも寝てていいよ」というのですが、心配で寝れるはずがありません。

子供が羽を伸ばして自由を謳歌したいのは理解できます。私自身、親から非現実的な門限を強制されていたため、自身の子供にもそうするのは嫌だという気持ちもありました。それに、学生としての義務はしっかり果たしているのだから、自由を与えるべきだという考えもありましたね。

そこでいろいろリサーチして、Life360というGPSアプリを子供に入れてもらうことにしたのです。このアプリは、以前は無料だったのですが、今では無料版と有料版とがあります。無料版だけでも使い勝手はとても良いので、もしも思春期のお子さんを持つ方には、おすすめですよ!

ちなみに我が家では、

  • Life360を勝手に削除したりDeactivateしないこと
  • 翌日に学校がある日は、深夜に遊ぶのはナシ
  • 金曜と土曜は、12時までに帰ってくること。遅れる時には必ず連絡すること。

というルールを作りました。Meet the half Way、つまり落としどころを決めたわけです。

子供を一方的に押さえつけると、たぶん反発するだけで事態は改善しにくいと思います。しかし野放しにするのも、親としては心配ですよね。家庭で話し合って、両者が歩み寄れる中間地点を作ることが、子育てでは大切なのかなと思います。

アメリカ親あるある!ヘリコプターにブルドーザー、あなたはどのタイプ?

なんちゃらペアレンツ、という言葉は日本にもあります。例えば、モンスターペアレンツは代表的なものですね。モンスターペアレンツとは、子供の学校や塾の先生などに容赦なくクレームをつけるクレーマーなのですが、子供への愛情が発端となっています。

アメリカにも、モンスターペアレンツはいます。しかし、それだけではありません。モンスター以外にも、複数のカテゴリーがありますよ!あなたはどのタイプに当てはまりますか?

目次

  1. ヘリコプターペアレンツ(Helicopter Parenting)
  2. ブルドーザーペアレンツ(Bulldoze parenting)
  3. 芝刈機ペアレンツ( Lawnmower parenting)
  4. 完璧な親なんていない

1.ヘリコプターペアレンツ(Helicopter Parenting)

ヘリコプターは、同じ場所をぐるぐる旋回することができます。それにちなんで名づけられたヘリコプターペアレンツは、育児に関しても子供に過度に関わり、過剰な子育てをしている人を指します。一言でいうなら「過保護」と表現できるかもしれません。

「子供のために心配して、何が悪い?」

という声が聞こえてきそうですね。実際に、日本もアメリカも、ヘリコプターペアレンツは多いと思います。子供の成長や生き方に積極的にかかわることは決して間違いではありませんが、度を超えるとこれは子供を必要以上に保護し、あれもこれも何でも親がしてしまうので、子供の自立心が育たないという結果になりかねません。

ヘリコプターペアレンツは、子供が小さい頃は判別しにくい傾向があります。特にアメリカでは子供は基本的に親と一緒に行動しなければいけないため、親がヘリコプターであることが目立ちません。Hands Onな親として、むしろ高評価されることもあるぐらいです。

しかし子供がそれなりに一人でできるようになる時期、例えば高校生や大学生になると、ヘリコプター的な部分が目立ってきます。このぐらいの年齢だと、年齢的にはまだまだ子供ですが、大抵のことは子供自身が判断して行動しますし、車の免許を取れば子供だけの行動範囲が広がります。

この時期には、親はHands OnではなくEyes Onであることが求めらます。でもヘリコプターペアレンツの場合には、アドバイスという名の価値観の押し売りや、一歩間違えると虐待レベルにもなりかねないほど、あれこれ手と口を出してしまいます。

私たちの身近にいるヘリコプターペアレンツには、

  • 子供の進学先を「ここがいいから、ここに行きなさい」とアドバイス
  • 遠足に子供がランチを忘れたので、仕事を休んで遠足先まで届けた
  • 大学の寮に入っている子どもの体調が悪かったので、そばにある病院を調べて予約し、Uberも手配した
  • 子供が医学部に入学したので、将来のためにクリニックを建設した
  • 大学にいる子供が「週末は特に予定がない」というので、10時間もかけて車を運転して会いにいった

など、いろいろあります。

どうして親はヘリコプターになるのか?

ヘリコプターペアレンツが生まれる理由は、

  • 子供に失望して欲しくない
  • 最高の結果を残したい

などがあります。親にしてみれば、子供が悩んでいることや考えていることは、すでに自身が過去に経験しているので、何を選択すればどんな結果になるかが予測できます。それを子供に対して「アドバイス」したり「お手伝い」するわけですね。ベストではない選択を、ベストではないと知りながら選択して、結果的にガッカリしたくない、子供をガッカリさせたくないという気持ちも強いのだと思います。

それに、親は子供をサポートするためにいるのだから、過保護で何が悪いと開き直る親もいると思います。きっと、私はこのタイプかもしれません。

私自身が子供の頃には、親に何かお願いしても、いつも「ダメ」ばかりでした。そのため、大抵のことは自分で考えて手配して、何から何までやりました。その結果、行動力と決断力のある人間になったのですが、親がいろいろしてくれる子を見ると、羨ましくてたまりませんでしたね。そのためでしょうか、自分に子供ができた時には、いろいろしてあげたいという気持ちでいっぱいでした。

子供に与える悪影響

どんな子育てでもそうですが、育て方によってプラスになることもあれば、マイナスになることもあります。ヘリコプターペアレンツの場合には、

  • 子供の自信が育たない(親が何でもお膳立てしてしまうから)
  • 考える力や、やり方を工夫する力が身につかない(ベストの方法を親が提示してしまうので)
  • 経験から学べない(親が失敗しないようにお膳立てするから、失敗しようがない)

などが懸念されます。

2.ブルドーザーペアレンツ(Bulldoze parenting)

ブルドーザーペアレンツとは、子供の将来の成功をより確実なものにするために、先回りして問題になりそうなことを勝手に解決してしまうタイプの親です。ヘリコプターペアレントと違うのは、ヘリコプターは上空を常に旋回していて、子供が困った時には素早く降りてきて問題を解決するのに対し、ブルドーザーペアレントは頼まれてもいないのに、積極的に子供の行手を阻みそうな障害を自ら撤去するという点です。

ただ、明確な線引きは難しく、ヘリコプターペアレンツの過保護さに拍車がかかると、ブルドーザーになってしまうという専門家もいます。

このタイプの親を一言でいうと、「子供のために道を作るつもりで、子供よりさらに上を行く親」です。ブルドーザーペアレンツが具体的にどんな事をするかというと

  • 子供の成績が悪かったので、先生に直談判しにいった
  • 授業のスケジュールがイマイチだったので、学校に問い合わせて調整した
  • 子供が学校でいじめられたら、相手の親や学校へ直談判に行く
  • 子供の将来を心配して、大学への裏口入学を手配
  • 子供が将来失敗しないように、大学と専攻を指南
  • 子供の就職が決まると、早い段階で最高の立地条件にアパートを契約してしまう

などがありますね。

私のブルドーザー体験1

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私にも思い当たる節があります。大学の学期が始まった初日に、息子から電話が来ました。「あるクラスでテキストが必要なのだけれど、キャンパス内の本屋では取り扱っていないと言われた」というのです。

本人は、友人や先輩が持ってないか聞いてみるというのですが、大切な授業でテキストがないなんて、私には信じられません。「なければアマゾンで買いなさい」とアドバイスしたのは良いのですが、多分ギリギリまで頼まないのではないかと心配になり、結局私がそのテキストをアマゾンで注文してしまいました。

そして、息子に「ママが注文しました。明日そちらへとどきます」と安心のテキスト。

はいこれ、ブルドーザーでした。今から思い返すと、少し反省しています。

私のブルドーザー体験2

bedroom interior setup

また別の機会にも、私はブルドーザーになってしまいました。

息子のインターンが決まった時のこと。土地勘が全くない場所で、息子は夏の3ヶ月滞在する場所を探さなければいけませんでした。企業がその辺も手配してくれるのかと思いきや、そうしたサービスはないと。3ヶ月だけの滞在で、ホテルだと予算オーバーで高いですし、アパートなんて借りられるのだろうかと心配になりました。息子は学校の授業で大変だろうからと勝手に気を利かせ、はい、いつものように私がリサーチしてしまいました。

最終的に、ホテルのチョイス3つ、AirBのチョイス、そしてアパートのチョイスなどを、息子に頼まれてもいないのに、大量のリンクとともに息子に送りつけたのです。

結果、息子にとても怒られました。自分のことは自分でするし、そうすべきだ、と。

はい、息子様のおっしゃる通りでございます。大変申し訳ありませんでしたと謝罪し、ハラハラドキドキしながら、息子がルームメイトを見つけて共同でアパートを探して契約するのを、遠くから聞き耳を立てて見守っておりました。

どうしてブルドーザーになるのか?

親がブルドーザーペアレンツになる理由は、

  • 子供の能力を信じていない

ことが大きな原因です。問題を解決する能力があるかどうか不安だから、ついつい親が解決してしまおうとするのです。私の場合も、限られた時間の中で間に合わなかったらどうしよう、子供が可哀想だと思うあまり、ついつい私が何でもやってしまいました。

このタイプの親もヘリコプターペアレンツと同じように、子供の成功をサポートもしくはお手伝いしているという意思でしています。悪気はありません。

こうした育児のスタイルは、親の性格や家庭の方針など、いろいろな要素で変わります。また世代によっても育児のスタイルや傾向、トレンドは異なり、Generation Zの親世代はブルドーザーの傾向が強い、という専門家もいます。本当かどうかは分かりませんが。

子供に与えるマイナスの影響

  • 子供の問題解決能力が育たない
  • 子供がストレス耐性が弱くなる
  • 失敗に対する耐性がなく、失敗すると立ち直れない

などが、マイナスの影響として考えられます。

3.芝刈機ペアレンツ( Lawnmower parenting)

芝刈機ペアレンツとは、ブルドーザーペアレンツととてもよく似ています。芝刈り機は、美しい芝生から飛び出している雑草や延び過ぎた芝を容赦なく刈り取っていきますが、芝刈機ペアレンツも育児でよく似た能力を発揮します。

具体的には

  • 子供の宿題の提出状況や成績をオンラインで常にチェック
  • 宿題の完成度を高めるために、親が後からチェックして、時には修正も
  • 評判が良くない子と自分の子供を遊ばせない。禁止する。
  • 宿題やプロジェクトが終わりそうにないと、手伝う(完成度を高めるため)

などがあります。、ヘリコプターペアレンツとブルドーザーペアレンツと比較すると、芝刈機ペアレンツは、ブルドーザーペアレンツに近いタイプだと思います。

子供へのマイナスの影響

芝刈り機ペアレンツを続けることも、子供にとってはマイナスです。

  • マルチタスクに弱くなる
  • 工夫する力がつかない
  • 間違いや失敗から立ち直れない人間になってしまう

のリスクが高くなるようです。

私も芝刈機でした

私はブルドーザーペアレンツというだけでなく、芝刈機ペアレンツでもありました。

息子はずっとアメフトをやっていましたが、シーズン中はほぼ毎週金曜日に試合がありました。金曜日なら良いのですが、たまに木曜日に試合があり、それがアウェーだったりすると、帰宅時間が容赦なく深夜0時を超えたりもしました。

そこから子供は宿題をするわけです。勉強なんて二の次三の次、という子なら、疲れているからという理由で宿題はしない、という選択をしたかもしれません。

でも息子は、帰宅してシャワーを浴びてから、文句の一つも言わず、机に座って宿題に取り組んでました。でもやっぱり眠いわけです。

私は息子が宿題するときには常に隣に座る習慣だったので、私も隣に座って「眠たいだろうに」と思いながら見てました。

深夜1時近くになると、流石に息子も起きていられなくなることもありました。当たり前です。試合でクタクタになり、しかも深夜なのですから。

そんな時には息子に寝るように促し、私が残りを片付けました。はい、間違いを修正したこともあります。これ、明らかに芝刈機ペアレンツですし、ブルドーザーかもしれませんね。

でも当時は、だから何?と思ってました。試合があると分かってて、普段よりも多く宿題を出すなんて、意地悪な先生だと思っていました。ケンカ売ってるのか?と思ってましたね。だったら上等。減点なんてさせねーぞ、ぐらいのつもりでした。

4.完璧な親なんていない

私も育児を経験しました。自身を振り返ると、私はヘリコプターペアレンツであり、ブルドーザーペアレンツ、そして芝刈り機ペアレンツでもあったと思います。こうした子供へ与えるマイナスの影響を知った今、もしも昔に戻れたら違う子育てをするかと言われれば、正直分かりません。

親は誰でも子育てに真剣勝負です。子供にとってできるだけ将来が明るくなるように、あの手この手を尽くします。それは、私だけではなく、子供がいる方は全員がそうだと思います。

私は、子育ては100の家庭があれば100通りあるべきだと思っています。だって、子供も親もそれぞれ性格があり、テンプレート式の育児をしていても、結果は同じ仕上がりにはなりません。カレーという料理を作っても、美味しいと感じる家庭の味がそれぞれ違うのと同じだと思います。

上記の親のタイプを理解した上で、マイナス面を補うような子育てができれば、それが一番良いと思いますね。

アメリカの親あるある!日本人はタイガーペアレンツ?

アメリカの親には、いろいろなタイプがあります。その一つでもあるタイガーペアレンツとは、一言でいうなら「教育ママ」と言えるかもしれません。ただしお勉強のことだけでなく、スポーツや芸術などのアクティビティにおいてもタイガーペアレンツは存在します。

目次

  1. タイガーペアレンツとは?
  2. アジア人はタイガーペアレンツだと思われてる!その理由は?
  3. タイガーペアレンツのメリットとデメリット
  4. 子供に与える影響

1.タイガーペアレンツとは?

タイガーペアレンツとは、2011年にアメリカで出版された「Battle Hymn of the Tiger Mother」という書籍を起源としています。日本でも出版されたので、もしかしたら詠んだことがある人もいるかもしれませんね。

本の中では、中国系の母親の教育法がスポットライトを浴びていました。しかし中国系だけでなく、日本人も韓国人も自国の教育方法を実践すると、それはアメリカでは「タイガーペアレンツ」なのかもしれません。

タイガーペアレンツは、

  • 完璧な結果を出すために、自己を犠牲にするべき
  • 今日の幸せより、明日の成功
  • 努力するなら結果を出せ。結果が出ない努力は努力とは呼ばない。

などの概念に基づいています。日本人なら、賛成するかどうかは別として「はいはい、分かりますよ」という教育方針ではないでしょうか。日本で生まれ育った人ならきっと、多かれ少なかれタイガー的な教育や育児を受けていると思います。

タイガーペアレンツにも、いろいろな度合いがあります。度を超えた強烈なタイガーペアレンツになってしまうと、

  • 友達との遊びは生産性がなく無駄。遊ぶべからず。
  • 結果の出ない習い事は時間の無駄。
  • 将来に役立つ学校の勉強と習い事以外は、一切を禁止。

と、子供にとっては拷問のような日々を強いることになってしまいます。

2.アジア人はタイガーペアレンツだと思われてる!その理由は?

アメリカでは、アジア人の親はタイガーペアレンツだというステレオタイプがあります。もしも子供の成績が良ければ、かなり高い確率で「もしかしてあなた、タイガーペアレンツなの?」と聞かれるでしょう。

その言葉の背景には、「あなたのお子さん、優秀なのね!」と称賛してくれているのか、それとも「そんな風には見えないのにね」というネガティブな意味があるのか、その辺は分かりません。でも多くのアジア人父兄は、この言葉を耳にしていると思います。

アジア人がタイガーペアレンツだと言われるのは、上記の通り、私達が慣れ親しんできた教育システムが大きく関係しています。日本も韓国も、そして中国も、世界でも有数の「受験大国」です。受験大国では、結果を出すことが全てです。どれだけ頑張っても、結果を伴わなければ目標とする学校に入学できません。そのために、親子は一丸となってなりふり構わず受験に取り組むわけですね。

日本には、子供4人全員を東大に入れた佐藤ママという方がいらっしゃいます。日本のメディアによく出演していらっしゃいますし、彼女の教育方法を少しでも知りたいというママたちに対して、講演会などもしていらっしゃいます。彼女も教育方法も、やはり根底にあるのはタイガーペアレンツ思想です。

日本では近年、「結果ではなく、努力をたたえよう」という褒める教育がトレンドとなっています。しかしそれでも、結果を出さなければ受験に勝てない日本人にとっては、褒めることで成績が上がってくれたらいいなとか、褒めてやる気が出るなら褒めようと、結果ありきの「褒める育児」なのかもしれません。

3.タイガーペアレンツのメリットとデメリット

タイガーペアレンツ育児には、メリットとデメリットがあります。

メリット

  • 自分の感情をコントロールするスキルが身につく
  • 結果を視野に入れての努力ができる
  • 目標達成率が高くなる
  • 将来の選択肢が広がる

デメリット

  • 個性や創造性が育たない
  • 社交性が身につかない
  • 子供時代に幅広い経験ができない
  • 勉強が得意でない子供にとっては地獄

4.子供に与える影響

タイガーペアレンツというと、どうしてもアメリカではネガティブなイメージがあるかもしれません。実際に、マイナスの意味で使われることが多い単語です、しかし、メリットもたくさんあることを忘れてはいけません。

「Battle Hymn of the Tiger Mother」は、アメリカ国内でも一台センセーショナルを巻き起こしました。特に、それまで結果重視ではなく努力重視で「褒める教育」しか知らなかったヨーロッパ系の父兄にとっては、目からうろこが出る育児本だったようです。

この本の出版後、著者の元には「私もタイガーペアレンツになりたいのですが、もっと具体的に何をしたらよいのか教えてほしい」というリクエストが殺到したのだとか。

タイガーの名言「スポーツするなら個人スポーツ」

以前、中国系のタイガーペアレンツから聞いた言葉があります。

「スポーツをするなとは言わない。才能があるならすればいい。だけど、自分の頑張りがストレートに反映される個人スポーツのみ。だってチームスポーツは、自分の頑張りが他の子の手柄になってしまうからね。」

はい、タイガーペアレンツ様。その通りだと思います。名言です。

man wearing white sweater and black shorts about to run

私も子供に対しては、タイガーペアレンツの要素が満載の育児をしてきました。チームスポーツもしてきた中では、息子の頑張りが他の子の手柄になったことも、数えきれないほどあります。息子は陸上という個人スポーツもしていたので、その違いは、経験を通して実感しましたね。

我が家の場合には、チームスポーツから学べることもたくさんあると考えて続けてきました。それはそれで、息子にとっては素晴らしい経験だったと思います。どこで線引きをするかは、その家庭次第という事なのかもしれません。

もしもタイガーペアレンツの由来となった本を読んでみたい方は、こちらからどうぞ。日本語版もあります。

WICプログラムの基本ガイド

アメリカには、自分で調べなければ分からない福祉制度がたくさんあります。WICとはNutrition program for Women, Infants, and Childrenのことで、略してWIC(ウィック)とと呼ばれています。

目次

  1. WICとは?
  2. WICは誰が利用できる?
  3. WICの申請方法
  4. WICでは何をもらえる?
  5. WICの利用方法

1.WICとは?

WICとは、妊娠している女性や、小さな子供を抱える女性がシッカリと栄養補給できるように、という福祉プログラムのことです。妊娠6週目ぐらいの妊娠初期から、子供が5歳になるまで受給できます。

WICについてはこちらから

2.WICは誰が利用できる?

WICは、妊娠している人や、小さな子供がいる人なら全員が利用できるというわけではありません。福祉制度の一つなので、やはり経済的な弱者であることが必要条件となります。WICを利用できる条件としては

  • 妊娠している女性(妊娠6週目から出産するまで)
  • 子供が1歳未満で母乳育児をしている女性
  • 母乳育児ではないけれど、子供が生後6か月までの女性
  • 子供が1歳未満の母親
  • 5歳未満の幼児
  • 世帯収入が政府が定める基準以下

となります。妊娠している女性や母乳育児をしている女性、また産後すぐの女性なら、女性に対してWICが支給されます。しかしそれ以降は、5歳以下の子供に対して支給されることになります。ちなみに、アメリカで生まれる新生児のなんと53%は、WICを受給しているのだとか。

世帯収入がいくら以下なら受給できる?

WICの受給資格は、州ごとに基準が決められているわけではなく、アラスカとハワイを除くすべての州で一律の基準となっています。そのため、物価が高くて収入も高めのにニューヨークやカリフォルニアなどでは、そうでないノースダコタやアーカンソーなどと比較すると、受給しづらい傾向にありますね。

政府が定める受給資格の世帯収入はこちら

ここで注意したいのは、WICには所得制限は設けられていますが、必ずしもフードスタンプを受給できる所得上限と一致するわけではありませんし、貧困層だと定義される所得というわけでもありません。

また、州ごとに独自のWICラインを設けている州もたくさんあります。連邦政府が決める所得上限を超えていても、州ごとの上限を超えていなければ、WICを受けられます!

州ごとの受給資格の世帯収入はこちら

州によって多少の差はありますが、目安としては、母子家庭のような2人世帯だと、年収3万ドル以下、3人世帯だと4万ドル以下ぐらいが目安となります。

自動的にWIC受給対象となるケースもある

WICは低所得世帯向けの福祉プログラムなので、既に別の低所得世帯向けの福祉制度を利用している人なら、自動的に受給対象となることもあります。例えば、

  • SNAP(フードスタンプ)やメディケイドを既に利用している人
  • 家族がメディケイドを利用している人
  • 州政府が提供する福祉制度を利用している人

こんな人も受給対象

アメリカでも、妊婦さん検診があり、妊娠すると定期的に病院へ行って検診を受けることになります。その際、医師や看護師、もしくは栄養士から危機的な栄養状態にあると判断された人は、WICの受給対象となりますね。例えば、極度の貧血とか、妊娠しているのに体重が増えていないとか、また劣悪な栄養状態にある人は、医師の判断でWIC対象となります。

まずは、自分がWICの対象となるかどうかをチェックしてみましょう。

WIC PreScreening Toolはこちらから

3.WICの申請方法

WICを申請するためには、ローカルオフィスで面接を受ける必要があります。面接と言っても難しいことはなく、妊娠や育児で困っていることを相談しながら、どんなアイテムがオススメかという点をアドバイスしてくれたり、書類の確認をします。

申請に必要なモノ

  • 母親の身分証明書(運転免許証など)
  • 世帯の収入を証明するための書類(給料明細や雇用主からの収入証明レターなど)
  • 子供の出生証明書
  • 現住所を確認できるもの(運転免許証でOK)

まずは電話予約

以上の書類を揃えたら、まずは足を運びやすいロケーションにあるローカルオフィスへ電話をしましょう。面接には予約が必要です。

WICローカルオフィスはこちらから

申請面接では血液検査もアリ

WICのローカルオフィスには、看護師が常駐しています。そして、書類をチェックしなら血液検査も行います。この血液検査では、主に貧血で内科をチェックするのが目的です。

面接では、栄養士の人と木綿男子、どんな食事を心がけたほうが良いのかという説明を受け、WIC制度についての説明も受けます。

結構時間がかかり、アポをとった時間からの所要時間は3時間ぐらいかかったという人も多いですね。

4.WICで何がもらえる?

WICでは、妊娠中の妊婦さんに必要な栄養成分、そして乳児や幼児に必要な栄養成分をしっかりとれるような食品を受け取ることができます。ただし食品なら何でもOKというわけではなく、お菓子とかスナックなどは、ありません。主に、乳製品と考えると良いでしょう。

粉ミルク牛乳チーズヨーグルト
豆乳ベビーフードベビー用シリアル
ピーナツバター缶詰に入ったお魚全粒のパンやパスタ100%フルーツジュース
野菜フルーツ全粒のトルティーヤ玄米

具体的に、このプログラムで何がもらえるのかは、州によって若干異なります。

詳しく知りたい人はこちらから

ちなみに、粉ミルクの支給は、子供が1歳になるまでとなっています。

5.WICの利用方法

WICを利用する場合には、3ヶ月に1回、WICオフィスに足を運び、子供の検診をしたり、育児の相談をしながら、スーパーで商品に交換できるクーポンや、プリペイドタイプのカードを受け取ります。

粉ミルクやベビーフードなどは、クーポンを提示してお店で交換してもらうというシステムですが、野菜やフルーツなどの食品に関しては、WICオフィスが事前にチャージしてくれたプリペイド式のカードを受け取り、それで自分たちでショッピングをします。

アメリカのスーパーでは、WICが使える商品にはマークが付けられているので、何を選べばよいかが分かりやすくなっています。ただし、食料品なら何でも買えるわけではなく、お米とかシリアルなどのカテゴリーごとに、毎月いくらまで使えるかという点は決められています。