海外からの留学生、長期休みには国へ帰る?それとも?

息子が通う大学だけに限ったことではありませんが、アメリカの多くの大学には、海外からの留学生がたくさんいます。私費で留学している超絶お金持ちな生徒もいれば、国費で着ている超絶優秀な生徒もいたりします。

そんな海外からの留学生は、大学が休みになるたびに、母国へ帰っているのでしょうか?

目次

  1. 留学生はキャンパスに滞在できることが多い
  2. 寮費は別払い
  3. 母国へ帰ったきり戻ってこない生徒も
  4. コロナの時にはどうしてた?

1.留学生はキャンパスに滞在できることが多い

息子が通う大学では、留学生は夏休みも含めてキャンパスに滞在できます。母国と言っても安近短な国ばかりではなく、アフリカや中東などはるか遠くからやってくる留学生もいて、帰国することがその生徒にとって必ずしもベストな選択ではないからです。

多くの大学では、サンクスギビング休暇が1週間ほど、クリスマス休暇が3週間ほど、春休みが2週間ほど、そして3か月程度の夏休みもあります。多くの留学生は、夏休み以外はキャンパスにいますし、夏休みでもリサーチの研究とかインターンなど滞在期間を有意義に過ごせる何かを見つけて、夏もキャンパスにいることもありますね。

ちなみに、キャンパスが空っぽになる期間に滞在する生徒は、寮の移動があるようです。特に夏の期間は、滞在する生徒のための寮があり、皆さんそこへ荷物を持って大移動します。

2.寮費は別払い

これも、息子が通う大学限定の話ですが、クリスマス休暇と夏休みに関しては、キャンパスに残る留学生に対しては、寮費が別途で請求されます。もちろん大学の寮なので、目が飛び出るような金額を請求されるわけではありませんが、1週間いくらという金額が設定されています。

ちなみに、この期間には大学キャンパスで働くスタッフもお休みになりますし、カフェテリアなどもクローズしています。そのため、キャンパスに残ることは許可されていても、食事に関しては自分でUberEatsやGrabHubなどを利用するという選択肢しかありません。

私費で留学してきているお金持ちの生徒は、こちらで中古車を購入し、休みの期間中の足を確保しています。また中には、休み中に「退屈を持て余すだろうから」という理由だけで、キャンパスのそばにコンドミニアムを購入した超富裕層な親もいました。もちろんこれは、一般的なケースではありません。

3.母国へ帰ったきり戻ってこない生徒も

一方で、生徒の中にはこうした休暇を利用して母国に帰国したまま、戻ってこない子もいます。ホームシックで戻りたくなくなったのか、それともアメリカが、もしくはアメリカの大学が肌に合わなかったのか知りませんけれど、そのまま帰ってこないケースは無きにしも非ずです。

息子がフレッシュマンだった頃、友人のルームメートが中国からの留学生だったのですが、彼は秋休みの段階でさっさと荷物をまとめて帰ってしまい、二度とキャンパスに戻ってきませんでした。

年間の学費が8万ドル近くし、留学生はほぼ全額を払わなければいけない私大で、そのような大胆不敵な行為ができるのは、さすがチャイナマネーだなと思ったほどです(笑)。

4.コロナの時にはどうしてた?

コロナが始まったのは、息子がフレッシュマンになったばかりの時でした。フレッシュマンを完結していない春休みの段階で、生徒は留学生を除く全員が帰宅の措置となりました。この時、経済的に余裕がない生徒は、学校が飛行機代を払うなど、色々な配慮をしてくれました。

留学生の場合、多くの国が国境封鎖したため、帰れても戻ってこれなくなる事態が懸念されました。そのため息子の大学では、留学生だけは滞在しても良しという措置になりました。確かにあの頃は、外国人のアメリカ入国が難しくなった時期もありましたから、アメリカ人ではない留学生にとっては、移動してコロナ感染のリスクを冒すよりも、そのままキャンパスにとどまった方が安全だったのだと思います。

しかし中には、そうした配慮をしない大学も多く、コロナなんて幻さとばかりに、マスクすら着用しない大学などもありました。ところ変われば品代わるではありませんけれど、どこへ留学するかによって留学生にとっては大きな影響が出たことは否めませんね。

もしもこれからアメリカの大学への留学を考えている人は、そうした万が一のことも念頭に入れたうえで大学選びをするのが良いかもしれません。

アメリカ私大4年間のリアル収支を公開!

息子様の卒業がいよいよ数か月後に迫りました! いやぁ、長かったようで短かった4年間でした。そこで今日は、4年間に我が家が支払った教育費がどのぐらいだったのかをご紹介します!

目次

  1. 基本データ
  2. 年間8万ドルの内訳
  3. 我が家はいくら払った?その内訳は?
  4. 大学が遠方だと交通費も高い
  5. 4年間の収支!

1.基本データ

  • 私大。ファイナンシャルエイドなしの学費は年間8万ドル(約1,080万円)
  • 年度の最初と最後は車で送迎。サンクスギビング休暇、クリスマス休暇、春休みは飛行機で帰省
  • 4年間ずっと学生寮

2.年間8万ドルの内訳

年間8万ドルの学費なんて、一体全体どこにお金が使われているんだ?と気になる人は多いと思います。はい、もちろん私も気になります。

項目金額
Direct CostTuition(授業料)$62,000
Room(寮費)$9,000
Board(食費)$7,000
アクティビティ費(使途不明)$700
Indirect CostTravel(使途不明)$500
Personal(使途不明)$500
トータル$79,700
学費の内訳

TravelとかPersonal、アクティビティ費などは、もしかしたらクラブ活動費とか、キャンパスで実施していたコロナ検査費用などが含まれているような気がします。

また息子様の大学は、ニューヨーク州のド田舎にあるため、寮費は格安でした。コロンビア大学のように同じニューヨーク州でも都会にある大学だと、寮費だけでも2万ドル超だったりするようです。

3.我が家はいくら払った?その内訳は?

アメリカの大学は、皆さんもご存じの通り、世帯収入によって学費が変わります。そのため、うちがいくら払ったといっても、うちより高額所得の世帯なら、余裕のよっちゃんでもっと多額を請求されることでしょう。

ちなみに息子様の大学では、学生1人当たりの平均額が紹介されており、それによると、定価8万ドルに対して平均は約4万ドル程度となっています。

しかしここで知っておきたいのは、これはあくまでも平均という事です。大学からのお知らせには、学生の約半数は定価8万ドルを全額支払っていると明記されていました。つまり、平均的な4万ドルを払う家庭もあれば、もっと少なくて済む家庭もアリ、そして満額を徴収される家庭もあるというわけですね。

年間のざっくりした収支をご紹介すると、こんな感じです。

ファイナンシャルエイド(大学スポンサーのニードベース。返済義務なし)$39,700
★学生ローン(申し込んだら保証されているローン額)$4,000
★親が払う分(Family Contribution)$33,000
★生徒が払う分(なぜか自動的に組み込まれている)$1,000
★キャンパスでのバイト代(バイトできるかは保証されてない)$2,000
家庭が払う金額の合計$40,000
支払いの明細

★がついている分は、基本的に親が払います。

学生ローン

学生ローンには、低金利で借りられるけれど年間数千ドルしか無理という公的ローンと、そのほか高額な学費を満額で借りられる民間ローンがあります。もちろん、ローンを利用しなければ、その分は親が負担しなければいけません。

キャンパスのバイト?何それ?

基本的に世帯の収入に関わらず、生徒が負担する分$1,000とキャンパスでのバイト代$2,000はなぜか上乗せされています。子供の貯金額を見て計算しているわけではなく、学年によって1年生ならいくら、という感じで数字を出しているようです。

生徒が負担するといっても、生徒あてに請求書がくるわけではありません。

それにキャンパスでのバイト代にしても、バイトを斡旋してくれて、バイト代から学費を差し引いてくれるわけではありません。これはあくまでも「頑張ればこのぐらいバイトで稼げるでしょ」というざっくりとした見積もりです。

バイト代から学費が天引きされるわけではなく、バイト代は生徒の口座へ普通に振り込まれます。そこから学費に当てるなら、親やローンなど立て替えてくれている人へ勝手にどうぞ、というスタンスです。

キャンパスでのバイトは、正直激戦です。学生の数だけバイトがあるということはなく、バイトしたくてもできない生徒もたくさんいます。勉強が忙しすぎてバイトなんて無理という生徒もいます。

息子の場合には、

  • 大学1年の時には、ライブラリでバイト。週2時間のシフトでお給料は週に30ドル。
  • 大学2年の時には、コロナのため全バイト禁止。
  • 大学3年の時には、働きたくてもバイトがなかった。
  • 大学4年になっていきなり昇格。バイトリーダー的な仕事をゲットでき、週300ドルを獲得。

やはり上級生になると高額なバイトをゲットできるようになります。息子は、イベントを計画するようなお仕事だったようですが、詳しくは私は知りません。ほかには下級生に勉強を教えるTA(Teacher’s Assistant)バイトなどもあります。

4.大学が遠方だと交通費も高い

大学が自宅から車でさっと行けるロケーションなら、かかる費用は上記だけ。でも車で行けない距離だったり、休みの度に親が車で行くのは面倒だから飛行機で帰ってこいという我が家のような場合には、飛行機代もかかります。はい、もちろん自腹です。

息子の場合、フライト料金は、通常は往復で$350程度なのですが。サンクスギビング休暇とクリスマス休暇には価格が高騰して$800ほどになります。高いから帰らないという選択肢はないので、払いました。

そして大学4年になってからは、インフレの影響なのでしょうか、フライト料金が爆上りしてしまい、通常料金を見る機会すらなくなりました。

年間の帰省回数3回、4年間で1万ドル(約130万円)近くを使いました。

ちなみに、年度の最初と最後は荷物が多いので、車で行きました。自宅から片道6時間程度かかるのですが、渋滞するエリアが多く、7時間程度かかります。そのため、車で行ったら必ず宿泊するのが習慣となっていて、そこにも費用が掛かりました。

車で送迎したときの宿泊費は4年間で、$4,000(約52万円)ぐらいですね。

5. 4年間の収支!

これらをすべてまとめると、我が家では$174,000(約2,300万円)を大学の4年間に払ったことになります。

ちなみに、息子様が小さなころからコツコツと積み立ててきた目標額は10万ドル(1,300万円)でした。これはクリアしたのですが、想像以上に学費が高騰したこと、しかもクソ高い私大に進学したことなどで、まったくお呼びではないレベルで足りませんでした。

これから皆さんのお子様が大学へ進学される時が来たら、ぜひ参考にしてください。

で、大学の学費は結局どうやって貯めれば良いのか?

子供の大学費用を貯めようとすると、恐ろしく長い月日がかかるものです。もちろん、いくら貯めるのかによっても変わりますが、我が家では子供がキンダーぐらいにの年齢からコツコツと、できる範囲で貯金を始めました。

そんな息子は今年で大学を卒業します。長かった学費貯金ライフから、ようやく解放されます!

大学費用を貯める方法は、色々あると思います。多くの人は、

  1. 529プラン
  2. Traditional IRA
  3. Roth IRA
  4. Educational Saving Bond

あたりが多いのではないでしょうか。私自身、学資貯金を始めたころには何が何だか分からず、試行錯誤しながらとにかく貯めました。上の方法もすべてトライしましたし、子供の学費として使いました。

学費として使うことを前提にこれらの口座で貯めることには、それぞれメリットとデメリットがあります。私の経験値を元にご紹介しますね。

1.529プラン

メリット

  • 学費として下ろす時に税金がかからない
  • 年間いくらまでしか貯金できないという上限がない
  • 大学側のFinancial Aidの計算では、これが最も有利
  • 州が提供するプランなら、Tax Returnの時に積み立て分を控除してもらえる可能性アリ

デメリット

  • 貯金する時に全く税金面で優遇されない
  • 学費の計算では資産としてカウントされる
  • 州に関係ないプランにすると、Tax Returnでの控除すらないことも
  • 子供が大学に行かないと、引き落としの際にペナルティがかかる

2.Traditional IRA

メリット

  • 貯める時に税金面で控除してもらえる
  • 学費として使うなら、引き出した時に10%のペナルティはかからない
  • 学費の計算では資産対象外になる
  • Financial Aidの計算が影響しない大学3年生、4年生の学費になら使っても問題なし
  • 子供が大学に行かなければ、そのまま老後資金として貯め続けられる

デメリット

  • 貯められる金額の上限が決まっている(Roth IRAとの合計が年間$6,000ぐらい)
  • ペナルティはかからなくてもIncome Taxがかかる。
  • 引き下ろしたことでその年の収入が高くなり、払う税金が高くなる
  • 大学のFinancial Aidの計算では、年収が高いとみなされて学費があがる

3.Roth IRA

メリット

  • 学費として使うなら、引き出した時のペナルティは免除(Traditional IRAと同じ)
  • Traditional IRA同様に、学費の計算では資産対象外となる
  • Financial Aidの計算が影響しない大学3年生、4年生の学費になら使っても問題なし
  • 子供が大学に行かなければ、そのまま老後資金として貯め続けられる

デメリット

  • 貯める時に税金面での控除がない
  • 貯められる金額の上限が決まっている(Traditional IRAとの合計が年間で$6,000ぐらい)
  • 引き出した分が収入とカウントされないので、税金は高くならない(Traditional IRAと違う点)
  • でも大学のFinancial Aidの計算では収入としてカウントされる(結果、学費が上がる)

4.Educational Saving Bond

セービングボンドは一般的に、購入したボンドを一定期間寝かせると価額が2倍になるというもので、教育費に使用することを目的としたEducational Saving Bondもあります。

メリット

  • 祖父母からまとまった金額を贈与されたときにおすすめ
  • 放置しておけば満期で価額が2倍になる
  • 2倍に成長した伸びしろについては無税

デメリット

  • ボンド購入時に税金の控除はない
  • コツコツ積み立て型の商品ではない

結論

大学が毎年計算するFinancial Aidの計算で、学費をできるだけ少なく抑えたいなら、学費の貯金は529プランを利用するのが一押しです。

貯める部分に焦点を当てて、資産にカウントされない方法を模索するなら、IRAもおすすめです。しかしIRAには「引き落とした年に収入がアップしたと見なされる」悲劇があるので、注意が必要ですね。

我が家では、貯金する年の税金を少しでも減らそうと、私と夫とお互いに年間$5,000ずつ、トータルで1万ドルをTraditional IRAに入れたこともありました。しかし引き出す時になって、「あ、しまった!収入があがっちゃう!」という事に遅ればせながら気づき、大学1年と2年の時には、我慢してIRAには手を付けませんでした。

大学のFinancial Aidの計算は、

2021年分の収入を2022年2月にファイル→2022年10月のFAFSAで計算→2023年5月に学費決定→2023年9月からの学費に適用

という時差があります。大学3年生と4年生の学費にならIRAを使っても学費面でデメリットがないのは、そういう理由です。

そう考えると、

  • 大学1、2年の学費は529で賄う
  • 大学3、4年の分はIRAで賄う

という方法が良いのかなという気がします。

これはあくまでも私の経験に基づく考察なので、皆様にはそれぞれ精査していただくことをおすすめします。

大学の教科書って高すぎない?

私は高校までは、ずっと公立でした。教科書にお金を払ったのかどうかは、正直覚えていませんが、払ったとしても、それほど高額ではなかったと思います。しかし息子様が通うアメリカの大学では、教科書の高額さに毎学期、泣きが入っています。今日は、大学の教科書代について、エピソードをご紹介しますね。

目次

  1. 教科書代は学期ごとに400ドル超
  2. 教科書サービスはBarns&Nobleが多い
  3. 購買で取り扱っていない教科書はどうする?
  4. 学期が終わった教科書はどうする?

1.教科書代は学期ごとに400ドル超

教科書代にいくらかかるかは、学校によっても違いますし、どんなクラスをとるかによっても違います。だから、これはあくまでも息子が通っている大学の話として参考にしてくださいね。

息子が通っている大学では、学期あたりに4クラスを取得するシステムとなっています。大半の教科書は、キャンパス内にある書店で入手できます。この時、必ずしも新品で購入する必要はなく、我が家のような庶民のために、いくつかのオプションがあります!

  • 新品で購入
  • 新品をレンタル
  • 中古を購入
  • 中古をレンタル

このうち、最も高額なのは新品を購入するという方法で、学期が終わっても「購入」なら教科書はキープできます。

最もリーズナブルなのは中古をレンタルするという方法です。中古と言ってもボロボロというわけではなく、十分に使用できるクオリティです。以前使っていた学生が所々にメモ書きしていることもありますが、余白に書いてある程度なので、それほど邪魔にはならないようです。

新品購入と中古レンタルとの間にあるのが、新品をレンタルするという選択肢と、中古を購入するという選択肢です。価格はどちらも同じぐらいで、決して安くはありません。目安としては、新品を購入する場合と比べて10%オフから20%オフぐらいといったところでしょうか。

息子が大学1年生の時には、4クラスすべての教科書を新品で購入しました。かかった費用は400ドルを超えました。年間に2学期あるので、初年度には教科書代で800ドル以上かかったと思います。

4クラスで400ドル超えというと、1冊あたり100ドル以上するのかな、というイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。専門的な内容のものはやはり高く、1冊200ドル超のものもあります。しかも、そういうクラスに限って、複数冊の教科書が必要だったり、ワークブック的なものも購入しなければいけなかったりして、余計に費用がかかってしまいます。

その一方で、20ドルぐらいで購入できる教科書もあります。アマゾンで買ってきて!というクラスもあります。運よくそうしたクラスに当たれば、教科書代が100ドル未満ということもあるかもしれませんね。

2.教科書サービスはBarns&Nobleが多い

多くの大学では、Barnes&Nobleという書店がサービスを提供しています。大学のWEBサイトとリンクしているので、ネットで教科書を注文する際には、このサイトを使うことになります。注文した教科書の受け取りは、自宅に郵送してもらっても良いですし、キャンパス内の本屋で受け取ることもできます。

Barnes &Nobleから大学を検索したい人はこちらから

3.購買で取り扱っていない教科書はどうする?

大半の教科書はキャンパス内の書店で取り扱っています。しかし中には、なぜか取り扱っていない教科書もあります。そんな時には、Amazonなどで探さなければいけません。去年はキャンパスで取り扱っていない教科書が必要となり、しかも早めに教えてくれたらよいものを、学期が始まってから準備しろと尾いわれ、いろいろ探した挙句、カナダからのお取り寄せとなりました。

生徒の中には、教科書のレンタルサービスを利用する子もいます。これは大学とは関係ないレンタルサービスショップが行っているもので、学期ごとに教科書をレンタルし、郵送で自宅まで送ってもらうことができます。そして学期が終わったら、郵送で返却するという仕組みになっています。利用している子の話を聞くと、本屋でレンタルするよりもリーズナブルなことが多いそうです。

4.学期が終わった教科書はどうする?

息子は、大学2年生から専門分野以外は中古レンタルにしました。理由は、後から読みもしない本が家にあっても邪魔だから。学期が終了したら返却するだけなので、使わない教科書が手元に残ってしまうことはありません。

しかし、Amazonで購入した教科書などは、手元に残ってしまいます。教科書によっては、大学の本屋が1ドルとか2ドルといった激安価格で買い取ってくれます。100ドル超の教科書を1ドルで買い取るなんて、かなり足元を見ていますよね。それでも、持っていても邪魔だからという理由で、買い取ってもらう子は多いです。

そうでない場合には、学期が終わると教科書は自宅に帰ってきます。

正直、使わない教科書が家にあっても邪魔です。誰も読みません。うちにも数冊そうしたものがあったので、どうしようかとネットで探していたら、BooksRunという便利なサービスを見つけました。

BooksRunはこちらから

ちなみに、こちらで本に記載されているISBN番号を入力すると、本のタイトルと表紙の画像、そしていくらで買い取ってくれるかがリアルタイムに出ます!

私は、実際にこのサイトで大学の教科書を3冊ほど売却しました。120ドルの教科書が40ドルで買い取ってもらえたり、80ドルのものが20ドルだったり、私としては納得できる金額でした。

実際に使ってみて良かったなと感じたところは、

  • Webで完結するので気軽に利用できる
  • 送料はBooksRunが負担してくれて、Shipping Labelを自宅でプリントアウトできる
  • 支払いは、PayPalへの入金か、自宅へのチェック郵送
  • 買い手がつくかどうかに関係なく買い取ってくれるので、自分で買手を見つける必要がない

という点でしたね。

家に眠っている古い書籍なども、ついでに買い取ってもらえないかなと思っていろいろ調べました。比較的新しい書籍は買い取ってくれるようですが、教科書以外はかなり激安価格で買いたたかれてしまいます。お気を付けを。

アメリカの大学入試と「Affirmative Action(アファーマティブ・アクション)」の関係

アメリカで生活すると、誰もが経験することの一つに、差別があります。ライフスタイルや住んでいる場所などによって、どんな差別をどんな風に経験するかは千差万別ですが、残念ながらアメリカには根強い差別社会であると言っても、決して言い過ぎではないでしょう。

私自身、渡米したばかりの時には、差別をされていても気づかないことが多かったものです。しかし在米歴が長くなることによって、明らかな言葉による差別はなくても、他の人との対応の差とか、その場の空気感などで、差別を感じ取れるようになりました。

そんな差別社会を少しでも軽減しようと登場したのが、Affirmative Action(アファーマティブ・アクション)です。これは「多様性(Diversity:ダイバーシティ)を促進する」ことを目的としています。

アメリカでは、Diversityというと人種的な多様性をイメージする人が多いです。しかし、必ずしも人種的な部分だけではなく、LGBTとか性別なども含めて、多様性を促進する政策はアファーマティブ・アクションとなります。アメリカでデフォルト的に使われているアファーマティブ・アクションは、 Racial Affirmative Action のことですね。ここでは、この人種的なアファーマティブアクションが、大学入試にどんな影響を及ぼしているのかを、分かりやすくご紹介します。

※このページは、人によっては気分を害することがあるかもしれません。できるだけ客観的な内容にまとめていますが、差別についての事情を知りたくないという方は、このまま退出されることをおすすめします。

目次

  1. アファーマティブ・アクションとは?
  2. アファーマティブ・アクションの由来
  3. 大学入試におけるアファーマティブ・アクション
  4. アファーマティブ・アクションがなくなるかも?
  5. 大学への入学しやすさは、アファーマティブ・アクション以外にもある
  6. 最近増えている、アファーマティブ・アクションへの誤解

1.アファーマティブ・アクションとは?

アファーマティブ・アクションとは、日本語にすると「積極的格差是正措置」となります。はい、正直、日本語に訳しても全く意味が分かりませんよね。これを一言で表現するなら、マイノリティに対する差別をできるだけ改善しましょう、多様化を促進しましょうというものです。

アメリカは、人種のるつぼと呼ばれているように、たくさんの民族や人種が暮らしています。そのうち、最も多いマジョリティは、人口の約60%を占める白人です。

マイノリティを大きく分類すると、

  • アフリカ系(黒人と呼ばれる人種です)が12%程度
  • ヒスパニック系(ラティーノ、ラティーナなどが含まれて、メキシコ以南の南米系の人がここに含まれます)は18%程度
  • アジア系(日本人はここに含まれます。東アジアだけでなく、東南アジアやインド系も、すべてアメリカではアジア系に分類されています)が6%弱

となっています。人種は、どの国の出身かということではなく、一言でいうなら「肌の色」で決まります。アメリカ国籍を持っているアメリカ市民なのか、それともグリーンカードで生活している移民なのかという点は、人種が判断されるうえでは、関係ありません。

余談ですが、「移民」という点ではロシアや東ヨーロッパからやってきた人達もいます。しかし彼らは、肌の色という点で分類すると多くは「白人」です。人種的なアファーマティブ・アクションでは、白人は措置の対象とはなっていません。つまり、移民ということで不便を感じることはあっても(アメリカには移民差別にありますので)、他の有色人種のように差別されていないという理由でアファーマティブ・アクションは対象外、となることが多いようです。

2.アファーマティブ・アクションの歴史

アメリカにおけるアファーマティブ・アクションは、実は最初から有色人種を救済するための措置として誕生したものではありません。ご存知ですか?

その昔、アメリカの大学には優秀なユダヤ系の生徒が多くいました。ユダヤ系の数が増え過ぎてしまうことを恐れた政府側が、「白人を救うための救済措置」として、ユダヤ系学生の入学を制限したのが、アファーマティブ・アクションの始まりです。

大学の入学選考過程においては、アファーマティブ・アクションは現在でも存在すると言われています。しかしそれは、決してユダヤ系学生を排除しようというものではありません。歴史の中で経済弱者の立場を強いられてきた有色人種の入学を促進することによって、より平等な社会を作りましょう、という位置づけとなっています。

アメリカの差別が分かりやすくまとめられている動画

3.大学入試におけるアファーマティブ・アクション

大学入試においては、出願申込プロセスの中で、人種を申告する項目があります。「答えたくない」という選択をすることもできますが、多くの学生は、回答拒否することが合否にマイナスの影響を与えたくないと考えるため、人種を申告しています。

私の息子が大学進学の際には、通っていた高校のカウンセラーから「人種の選択は、アジア人を選ばないように。有利にならないから。」と言われました。息子の場合には、アジア人である私が50%、そして非アジア人である夫が50%なので、どちらを選んでもOKでした。

大学入試におけるアファーマティブ・アクションでは、多くの場合にポイント制が採用されているようです。SATの得点に、このポイントを加算すると考えると、分かりやすいかもしれませんね。例えば、マジョリティである白人のSATスコアをプラスマイナスゼロとしたら、

  • 黒人はプラス20ポイント
  • ヒスパニックもプラス20ポイント
  • アジア人はマイナス20ポイント

のように、大学ごとに独自の点数調整システムを採用していると言われています。

また、大学に在学する生徒の人種と性別の統計を見ると、白人の女性が最も多いのだそうです。そのため、息子の高校のカウンセラーは、「白人の女性であることも、有利にならない」とおっしゃっていました。

ちょっと待って、アジア人はマイナスポイントなの?

上のチャートを見ていただくと分かりますが、黒人とヒスパニック系は、自身のSATスコアにアファーマティブ・アクション調整で何ポイントが加算されているのに対し、アジア人は、なんと獲得したスコアからポイントが差し引かれています。これは、タイポではありません。

多くの大学でこうしたアジア人のポイントを下げる対策をするのは、大学におけるアジア人の割合が高くなっていることが背景にあります。

大学におけるアファーマティブ・アクションというのは、多様性という目標を実現するために行う対策です。そのため、実際のSATスコアだけで純粋に合否を決めてしまうと、合格者がアジア人ばかりに偏ってしまうという事態が起こりかねません。そうした事態を防ぐために、アジア人の得点を少し下げるという対策をしているわけです。

カリフォルニア州ではアファーマティブ・アクションを撤廃

アファーマティブ・アクションは、アメリカの憲法によって定められている権利とか義務とかではありません。あくまでも、国がオススメしている「多様化を維持するための」政策です。大学の入学に関するアファーマティブ・アクションは、全国の大学が独自に行っており、公表はされていません。

しかし2009年には、カリフォルニア州が州立大学におけるアファーマティブ・アクションを撤廃しました。大学は、人種に頼らずに自身の実力で入学してくださいね、ということなのでしょう。個人的には、自身の頑張りが純粋に評価されるという点で、私はこの政策には賛成です。

そんなカリフォルニア州がその後どうなったのか、気になりませんか?現在のアファーマティブ・アクションでは、黒人とヒスパニック系が合格しやすくなっており、若干有利な状況ですが、アジア系にとってはとても不利です。カリフォルニア州では、その点はどのように変わったのでしょうか?

カリフォルニアの州立大学では、現在超難関と言われているUniversity of California Barkley Campusを筆頭に、ほぼすべての州立大学のキャンパスで、アジア人学生が占める割合が50%程度と高くなっています。他の州と比べてアジア人の割合が多いカリフォルニア州ですが、それでも州内で生活するアジア人の比率は、全体の14%程度です。そう考えると、州立大学へ進学するアジア人の比率がどのぐらい高いのか、よくわかります。

4.アファーマティブ・アクションがなくなるかも?

大学の入学に関するアファーマティブ・アクションに対しては、賛否両論です。歴史的に経済的弱者で、自身の努力だけではどうすることもできない壁があるのなら、アファーマティブ・アクションで救済し、チャンスを与えることがアメリカンドリーム、という気はしますよね。国がすすめるアファーマティブ・アクションも、ここが目標というか、理想形なのだと思います。

しかし実際には、大学への進学率を決める要因は、人種ごとによる背景だけが要素というわけではありません。親の教育レベルや、親の収入によっても、子供の進学率には大きな差があります。

極端な例を挙げてみます。例えば、両親が博士号を持っていて世帯年収が100万ドル近く(1億円程度)の世帯で生まれた有色人種の子と、親が高校中退で世帯収入も低く、政府からの支援に頼らなければ生活できない白人の子を比較した場合、大学に進学できる可能性という点では、経済的に裕福な有色人種の子の方が有利です。

理由は、親が高等教育を受けているため、経験をもとに子供に教育しやすい生活環境を与えられたり、経済的余裕があることで、子供に必要な教育環境を選択できるからです。

これは、人種が関係しているわけではなく、経済的な背景が大きく影響していることを表しています。

シンプルな、人種のみを考慮するアファーマティブ・アクションでは、この富裕層の子供は有色人種という理由で入学がさらに有利となります。そして、貧困層の子でも白人の場合には、有利となる措置にはなりません。

近年のアメリカでは、人種による格差もまだまだ残っています。しかしその一方で、経済的な格差が広がっています。そこに、人種という要素が複雑に絡んでいるため、アファーマティブ・アクションをどのように取り扱うかという点が、難しいのです。

5.大学への入学しやすさは、アファーマティブ・アクション以外にもある

アメリカの大学において、合否を決める要素は、学校の成績やSATスコアだけではありません。アファーマティブ・アクションも要素の一つですが、その他にも、ポイントがアップして合格しやすくなるケースは、たくさんあります。

奨学金の優待生

アスリートやアーティストなど、大学からScholarshipによるリクルートを受けている人は、自身のSATスコアに対して、「+20ポイント」などの上乗せをしてもらえることが多いです。ただし大学側も、コーチがスカウトしてきた生徒だからと言って、無条件で合格させることはできません。大学のレベルを維持しなければいけませんから、下駄を履かせることはできても、スカウトされた生徒に対してもそれなりのレベルを要求します。

Legacy枠

Legacy(レガシー)というのは、親や祖父母がその大学の卒業生であるときに活用できる枠です。特に私立大学の場合にはLegacy枠によるポイント上乗せは大きく、+40ポイントぐらいはゲットできるのではないでしょうか。

多額の寄付

これは、富裕層にしかできない裏技なのかもしれません。数十万ドルから数百万ドルという寄付を申し出れば、大学側もビジネスなので、子息の入学を「特別に」認めてくれることはあるようです。

例を挙げると、過去に大統領だったトランプ氏の義息のジェリー・クシュナー氏は、ハーバード大学に入学させたい父親による$20M(日本円にして20億円程度)以上の寄付金を条件に、入学を認められたのだとか。

ちなみに、寄付金による優遇措置は、人種によるアファーマティブ・アクションとは全く関係ありません。大学運営がビジネスである以上、多額の寄付金で入学させてもらえるという例外的な優遇措置は、必要悪だと考える人は多いです。

6.最近増えている、アファーマティブ・アクションへの誤解

最近では、アファーマティブ・アクションに対する間違った認識が広がっていて、勘違いから大憤慨する人も少なくありません。

下のクリップでも説明されていますが、アファーマティブアクションはあくまでも「多様性を促進するためのもの」であって、「特定のグループに属する人(人種など)を罰する」ためのものではありません。しかし、残念な使われ方がしていることはまだまだ多いようです。

アメリカの大学費用はどう貯める?529Planって何?

子供の大学費用をどうやって貯めるのがベストなのか、頭を悩ませている人はたくさんいるのではないでしょうか。私自身も、子供が生まれたばかりの頃には、どんな方法で貯めるのが良いのか、またどんな貯め方だとどんな落とし穴があるのか、不安でした。ここでは、学費を貯める方法としてよく耳にする529Planについて、詳しくご紹介します。

目次

  1. 529 Planって何?
  2. 529プランのメリット
  3. 529プランのデメリット
  4. どの529プランがオススメ?

1.529 Planって何?

529プランとは、子供の教育費を貯蓄する目的の口座です。金融機関が提供してる金融商品ですが、運用方法が異なるだけで、基本的なルールはどの金融機関で口座を作っても変わりません。

A 529 plan is a tax-advantaged investment vehicle in the United States designed to encourage saving for the future higher education expenses of a designated beneficiary. In 2017, K–12 public, private, and religious school tuition were included as qualified expenses for 529 plans along with post-secondary education costs after passage of the Tax Cuts and Jobs Act

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529プランの特徴

  • contribution(入金)に非課税枠はない
  • 引き落とした時にも税金はかからない
  • Growth(増えた分)に税金がかからない→ここが魅力
  • 引き落とせるのは教育目的のみ(学費や寮費、教科書代など)
  • 親の名義で貯蓄し、子供に学費に使う
  • 年間$10,000までなら私立の小中高に学費として引き落としてもOK

529プランは、Traditional IRAのように貯蓄分が非課税にはなりません。その点では、Saving Accountの代わりに529プラン口座で貯めているという感覚でOKだと思います。そして引き出す際にも、それが収入としてカウントされることはないという安心感があります。

金融機関ごとに、どんなMutual Fundで増やしてくれるのかという点は異なります。私が利用していたUpromise529プランでも、最初に「ハイリスクだけれど大きく増やしたい人向けのプラン」「堅実にコツコツ貯めたい人のためのプラン」などの選択肢から選ぶことができました。銀行のSaving Accountなどに入れておくよりも大きく増えるという点で、529プランは利用する価値は大いにあると思います。

2.529プランのメリット

529プランのメリットは、たくさんあります。

親名義で貯められる

アメリカの大学では世帯の収入によってかかる学費が違います。親の収入はもちろんのこと、子供名義の資産や貯金があると、Financial Aidを受ける際には不利です。できるだけ子供名義の口座は持たない、資産は作らない、というのがアメリカの常識です。529プランは、Account Owner(口座の所有者)は親で、Beneficiary(学費を使う人)は子供という設定ができます。この点は、大きなメリットだと思います。

大きく増える

529プランの多くは、Saving Accountよりも金利が高めのMutual Fundで運用します。例えば、毎月$200ずつを18年間コツコツと積み立てた場合、Saving Accountで利子が1%しかつかなければ、最終的には$47,000程度にしかなりません。しかし、金利が6%つく529プランなら、18年後には$77,000にまで大きく増えてくれます。しかも、金利で増えた$30,000には税金はかからないので、その分もしっかり学費に充てられます。

Financial Aidへの影響が少ない

大学の学費を決定する際に申請するFAFSAにも、529プランの残高を申告する必要はあります。親名義でも子供名義の場合でも、他の口座やIRA口座後比較すると、インパクトは少なめです。Vanguardの調査によると、529プランを持っていることでFinancial Aidに与える影響は、5.64%程度なのだとか。例えば、大学側が$30,000のFinancial Aidパッケージを準備していた場合には、その5%程度なので$1,500ぐらい金額が下がるだろうということです。

祖父母や親戚からの応援も受け付けられる

529プランへの貯蓄は、口座の所有者ではない祖父母や親戚、友人などもギフトとして一時的に入金することができます。口座所有者の親は、毎月コツコツと積み立てるわけですが、祖父母からのクリスマスギフトを529プランへ入れてもらうことができれば、学費が増えるスピードにも拍車がかかりそうです。

フレキシブル

529プランは、とてもフレキシブルです。口座を開設した所有者を変更することは簡単ではありませんが、誰が貯蓄した学費を使うかというBeneficiaryに関しては、変更したり、また複数の人を設定したり削除することも可能です。

また、年間いくらまでしか貯蓄できないという制限もなければ、年間いくらまでしか引き出せないという制限もありません。それに、いつでも口座を解約することもできます。

州立大学の学費を現在のレートでロックインできる

州が提供している529プランの中には、口座を開設した時の学費レートが、子供が大学へ進学する時にも適用されるというお得なプランもあります。現在では既に学費が高騰した状態となっていますが、これからも学費の高騰は続く可能性が高いですよね。

私の友人は、この州のプランを利用していました。口座を開設したのが約20年ぐらい前で、学費の高騰が始まったばかりの頃だったそうです。彼女が子供の学費として支払った金額は、現在の学費の半額以下で年間$10,000程度だったそうです。

州によっては収税面で優遇措置あり

全ての州ではありませんが、全米30の州では、529プランに貯蓄した投資額については、収税の所得税から一部もしくは全額が控除されるという特典があります。控除枠が最も大きいインディアナ州では、年間の節税額は$200以上が期待できるようです。ちなみに残念ながら、私が住んでいた州では、そうした特典は一切ありませんでした。

州ごとの節税についてはこちらから

3.529プランのデメリット

私は子供が生まれてから大学を卒業するまで、ずっとコツコツと529プランに積立をしてきました。その他にもIRA口座なども併用しましたが、実際に529プランを使った際に感じたデメリットをご紹介します。

FAFSAで申告しなければいけない

529プランはInvestment口座として、毎年ファイルするFAFSAで申告しなければいけません。Traditional IRAなどは資産としてカウントされない大学がほとんどなのですが、残念ながら529Planは、しっかり資産としてカウントされてしまいます。ただ、他の口座と比べてインパクトが少ないというだけなのです。

学費以外の引き出しにはペナルティがかかる

529プランは、学費を貯蓄する目的で利用するための口座です。金利によって成長した利子が非課税になるのも、そのためですね。しかし、子供が大学に進学しないことにしたから口座を解約したいとか、事情が変わって529口座内のお金が必要になったから解約したいという場合には、増えた分に対して10%のペナルティがかかります。上記に挙げた、毎月$200を18年間積立続けた場合だと、利子の分$34,000に対して10%のペナルティ、つまり$3,400程度が徴収されることになります。これは結構、大きいです。

元本保証ではない

これは529プランに限らず、全ての投資商品に共通するデメリットです。比較的リスクが少ない529プランも、元本保証ではありません。市場の劇的は大暴落などが起こると、元本割れのリスクもわずかながら存在します。

ただし、529プランは積立信託投資なので、長期間続ければ続けるほど、そのリスクを小さく抑えることができます。

金融機関によって手数料が違う

529プランの運用は、金融機関が行います。そして、手数料もかかります。私が利用していた529プランは、年間の手数料が$20とリーズナブルでしたが、金融機関によってはもう少しかかる所があるかもしれません。少額をコツコツ貯めたい人にとっては、手数料をガッポリ徴収されることは、大きなデメリットですね。

4.どの529プランがオススメ?

529プランの中には、公的な機関が提供しているものもあれば、民間の金融機関からラインナップされているものもあります。州ごとに、どのプランがベストなのか、もしくはどの大学へ将来行こうと考えているかによって、ベストのプランはそれぞれ異なります。

例えば、子供が大学に入学するまで、州をまたいでの引越しをする可能性がない人なら、州立大学へ進学する際に有利なプランも含めて考慮するのが良いかもしれません。しかし、現在住んでいる州とは異なる州の大学へ子供が進学する可能性がある人なら、州の条件などがなく、全米の公立でも私立でも自由に使える529プランを選ぶのが良いでしょう。

州ごとにベストな529プランを見つけるならこちらから

私が利用していた529プランは「Upromise529」

私が利用していたのは、全米全ての大学で利用できるUpromiseというサービスです。これは、ただ毎月コツコツと529プランへ積み立てるだけでなく、クレジットカードを使ったりレストランを利用すると、キャッシュバックのような形で大きく貯めることができる529プランです。最近では、オンラインショッピングをすると、利用金額に応じてさらにキャッシュバックしてもらえる特典がついています。ちなみに私は、18年間で積立以外にゲットした特典分だけでも、$6,000ほどになりました。

もしも529プランをいろいろ比較検討しているなら、ぜひチェックしてみてくださいね。口座を開設すると、もれなく$30をプランへ入金という形でゲットできるキャンペーンをしています。

Upromiseに興味がある方はこちらから

もしも口座を開設するなら、私のお友達として紹介されると、さらに$25をもれなく529プランに付与してもらえます。→こちらのリンクからどうぞ

アスリート必見!奨学金獲得の戦略

将来はプロになりたい、だからこそ、大学は本場のアメリカへ留学したい!または、大学はスポーツ奨学金で行きたい!と考えているヤングなアスリートは多いのではないでしょうか。アメリカの大学には、さまざまな奨学金制度があり、アスリートももちろん対象となっています。しかし、方法やプロセスは意外とややこしく、「分からない」と思っているうちに受験が終わってしまうことも。

目次

  1. アスリート奨学金(Athletic Scholarship)とは?
  2. アスリート奨学金の獲得方法
  3. 大学のコーチに高校の実績をアピールする方法
  4. ハイライト動画の作り方
  5. スカウトから入学までの流れ
american football playing

1.アスリート奨学金とは?

大学のスポーツチームは、大学の規模によってDivisionに分類されています。

大学の規模アスリート奨学金
Division I (D1)大(大学院を併設するような、数万人規模の学生がいる大学に多いFull Rideのみ
Division 2 (D2)中(学生数が数千人程度の学校に多い)Partial
Division 3 (D3)小(小規模な私立大学が多い)なし

このうち、アスリートという区分で奨学金が支給されるのは、D1とD2のみとなります。D1はアスリート奨学金はFull Ride(全額無料)のみとなっているので、D1のスポーツでスカウトされて入学する学生は、学費も寮費も、教科書代も、全て無料となります。

D2のアスリート奨学金は、Partial、つまり全額無料ではないけれど一部が無料になるというものです。いくら無料になるかはケースバイケースで、半額だけ無料という人もいれば、もう少し少ない学生もいます。

D3については、アスリート奨学金はありません。しかし、D3の大学にもスポーツチームはあり、スカウトによって入部します。アスリートという枠での奨学金はないものの、D3は資金が潤沢な私立大学が多いので、Financial Aidが充実しているとか、施設や設備、サービスにお金をかけてくれているという魅力があります。

2.アスリート奨学金の獲得方法

アスリート奨学金は、大学のコーチからのスカウトによって決まります。例えばD1の場合には、大学ごとにFull Rideの奨学金の枠が100人程度と決まっており、その枠内でしか与えることはできません。規模が大きな大学のスポーツは、試合がテレビ中継されるなど、メディアへの露出も抜群です。そのため、奨学金がなくてもぜひチームに入れてほしいという人は多く、チームに所属しているメンバー全員がアスリート奨学金を受けているというわけではありません。

アスリート奨学金を受けるためには、高校の時に大学のコーチからスカウトしてもらうことが必要です。もちろん、それが唯一の条件というわけではありません。中には、大学へ入学してからWalk-onという形で入部を希望し、才能が認められたらFull Rideの奨学金をコーチからオファーしてもらえる、というケースもあります。

一方、D1のアスリート奨学金は、無慈悲な部分もあります。この奨学金は、入学してから卒業までの全期間を保証するものではなく、毎年、見直しがあります。そのため、大学1年生の時には奨学金をもらえたけれど、2年目にはなくなった、というケースもあります。

アスリート奨学金がなくなったら、学生はどうなるのでしょうか?答えは簡単。学費や寮費の支払義務が発生します。もしも諸事情で支払えないとなると、履修ができずに退学という事態にもなりかねません。

そうならないためには、アスリート奨学金を狙うとはいえ、最悪の場合も念頭に入れて、学費を払える大学を選ぶということも、必要な対策かもしれませんね。

もしケガでスポーツを辞めたら、どうなる?

大学のスポーツは、ケガで退部する人もいれば、プレータイムがあまりないという不満を抱えて退部する人もいます。また、少数派だとは思いますが、コーチからのセクハラや嫌がらせなどで退部するケースも、ちらほらと聞きます。

どのような理由で退部する場合でも、スポーツを辞めたからと言って大学も退学する必要はありません。スポーツをすることを条件に入学しているわけではないので、スポーツの有無と在学資格の有無とは完全に別物です。

3.大学のコーチに高校での実績をアピールする方法

真剣にスポーツをする高校生は、全米に数えきれないほどいます。そして、若い才能が欲しいと考える大学も、全米にたくさんあります。このマッチングは、どのようにして行うのでしょうか?日本からアメリカへスポーツ留学を希望する人はもちろんのこと、アメリカの高校でスポーツで頑張っている人にとっても、これは興味関心がある所だと思います。

おすすめはNCSA

私の息子も、頑張っていたフットボールで大学からスカウトを受けました。プロになるつもりはなかったのですが、大学でもフットボールを頑張りたいという希望もあり、試行錯誤しながらアスリート奨学金のプロセスを研究しました。

アメリカのハイスクールでスポーツをしていて、大学でもスポーツを続けたいという子は、まず最初にNCSAへ登録することがマストです。

NCSAというのは、アメリカの大学と高校生をマッチングするサービスで、全米の大学が利用しています。スポーツごとに分かれていて、データベース化されています。

NCSAのサービスでは、高校1年生から登録ができ、高校在学期間中の試合のハイライトをアップロードできます。それを大学のコーチが見て、ピンと来たら連絡をもらえるという仕組みになっています。

NCSAは、有料のサービスです。料金を払えば、自分が住んでいる地域や州だけでなく、遠く離れた州にある大学から声がかかることもあります。

ちなみにこのNCSAのサービス利用にかかる料金ですが、最低料金だと100ドル程度だと聞いたことがあります。我が家は、見事なセールストークに飲み込まれてしまい、$2500も払いました。最終的にはNCSAで見つけた大学からスカウトを受け、そこへ進学することになったので、元が取れたとは言えますが。

地元のコーチが声をかけてくれることも

アメリカのハイスクールスポーツは、ローカルテレビなどでも放送されます。そのため、地元で活躍するアスリートは、テレビで知名度が高くなり、地元の大学から声がかかることもあります。

ただし、大学側にとっては、生徒が地元にいるからという理由でのスカウトは、基本的にほぼ考えていないことが多いです。地元にたくさんアスリートがいても、その大学が欲しいと思えなければ、声がかかることは残念ながらありません。

チャンスは必ずやってくる

もしも経済的にNCSAへの登録が難しい場合、また地元のコーチに全く声をかけてもらえなくても、あきらめてはいけません。高校のjunior 後の夏休みには、大学が一斉にスカウトに動き始めます。

大学ごとに、公式ページで、リクルート希望者を募ります。既に大学から声をかけてもらっている場合でも、そうでない場合でも、このフォームに記入することで、スカウト希望者への正式なエントリーとみなされます。

ここエントリーシートには、SATやGPAなど学業面での情報に加えて、Hudlのリンクもしくは動画クリップをアップロードできるような内容となっています。コーチはこのシートを見ながら、誰をスカウトすべきかの作戦会議をするわけですね。

遠方の場合には、実際に大学が主催するキャンプへ参加して直接コーチとコミュニケーションを取ることが難しいかもしれません。その時のために、高校時代の試合のハイライトは、自身で動画編集をしてキープしておきましょう。

3.ハイライト動画の作り方

多くのハイスクールでは、試合の様子を録画撮影しています。例えば、私の息子がやっていたフットボールでは、Hudlというソフトがあり、そこにプレーごとに細かい動画として録画されていました。こうしたソフトがない場合には、いつどこで名プレーをするか分かりませんから、親か友人などにお願いして、試合の様子を、全録画してもらうことをおすすめします。

録画する際には、自分のアップではなく、できればフィールドの半分ぐらいが写る距離感がおすすめです。大学のコーチとしては、アスリートの表情を見たいわけではなく、試合全体の様子の中で、そのアスリートがどんなプレーをしたのかという全体像を把握したいのです。

ぜひ大学のコーチに見てもらいたいという動画を見つけたら、次はいよいよ編集です。複数の動画をつなげて1つにまとめるのが基本ですが、

  • 音はナシ。お気に入りのミュージックをBGMにするのはNGです。
  • 動画は長くても2分以内に収める事。大学のコーチは忙しいので、長編を作っても見てもらえません。
  • ベストなプレーを最初に持ってくること。2番目にベストなプレーは2番目に。忙しいコーチは、最初の数プレーを見るだけで、だいたいの学生の才能レベルが分かります。
  • チームスポーツの場合には、自分に〇とか矢印を付けて、どれが自分かを分かりやすく工夫しましょう。背番号だけを伝えても、大勢いる中で見つけることは大変です。

こちらは、私の息子のSophomore/Juniorの頃のハイライト動画です。ご参考までに。

ちなみにNCSAにアップロードするクリップは、このようにまとめたものではなく、一つ一つのプレーごとに異なるアップロード動画となっています。それを、大学のコーチが見てくれるという仕組みですね。

5.スカウトから入学までの流れ

スカウトから入学までの流れを、ザックリと説明しますね。

~ハイスクールJuniorの春

ここまでの時期は、大学のコーチが高校生をスカウトする時期です。声をかけて会話をし、「ぜひうちにおいでよ!」的なセールストークをします。ここでスカウトされても、正式なものではないため、1つの大学に絞る必要はありません。種まきは、多いほど良いのです。

この時期にしておくこと

  • SATを受けてスコアをゲットしておく。
  • とにかくGPAは高く維持する。
  • コーチに見てもらう動画クリップの準備。

ハイスクールJunior4月~5月

大学のコーチから、より詳細なお知らせが入るようになります。

  • 夏に主催するキャンプに参加しないかというお誘い→参加したほうが良いです
  • リクルート希望のためのフォームへの記入を促される →オンラインで自主的に見つけることもできます

この時期にすること

  • 夏のキャンプ計画。移動や宿泊の手配も。
  • 候補になる大学は全て、オンラインでリクルートフォームに記入しておくこと。

JuniorとSeniorの間の夏休み

Campの様子

この時期は、アスリート奨学金を狙う人にとっては、とても忙しい時期となります。まず、進学しようかなと考えている大学が主催するキャンプには、できるだけ時間を作って参加しましょう。中には、飛行機で移動しなければいけない大学もあるかもしれませんが、価値はあると思います。

夏休みに入ると、コーチから学業成績についてチェックが入ります。

  • SATスコア(ACTでも可)
  • Report Card(Juniorまでの成績が掲載されているもの)

大学によっては、文武両立でなければ入学できないこともあり、そこから先のリクルートのプロセスを進めて良いかどうかを、ここでコーチが判断します。

もしも大学が求める学力基準に満たなければ、残念ながらコーチからの連絡はここで途絶えます。

また、大学への出願プロセスは、8月1日に解禁となります。早い人なら8月中に願書を提出し、9月には結果を受け取ることもできます。ちなみに、我が家は8月中旬に全ての書類が揃ったので出願しました。

大学の仕組みや出願方法については、こちらから

SATについてはこちらから

この時期にしておくこと

  • キャンプへの参加
  • 大学へ出願準備。エッセイなどがあり、結構時間がかかります。
  • 高校の先生へ推薦状の依頼

アスリートはEarly Actionが原則

9月に入ると、いよいよ出願が本格化します。出願形態には、Early DecisionやEarly Action、Regular Decisionがありますが、コーチからは、基本的には第1位志望の大学ならEarly Decisionでの出願を勧められます。Early Decisionがない大学では、Early Actionを勧められます。

その理由は、倍率が低いからです。できるだけ合格しやすい条件で出願することで、自分にとってもコーチにとってもウィンウィンとなるわけですね。

コーチは合否に影響がある?

D1は、もしかしたらコーチが学生の合否に多大な影響を及ぼしているかもしれません。しかし、アスリート奨学金がないD3では、コーチは大学の合否には全く影響がありません。

息子は気に入った大学へEarly Decisionで願書を出しました。その大学では合格発表が一斉に行われたのですが、合格発表された時間から15分経った頃に、コーチから結果を知りたいと連絡がありました。おそらくそれで、アスリートを何人確保できたのかをカウントするのだと思います。

以下は、アメリカのハイスクールのフットボールをテーマにした作品です。もちろんフィクションですが、内容がリアルすぎて、ドキュメンタリーやノンフィクションだといわれても、私は信じますね。

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リーズナブルな州立大学の見つけ方

世界中を見ても、アメリカほど大学の学費が高額な国はありません。高額な私立大学になると、年間の学費が8万ドルを超えるところもあり、4年間かようとちょっとした家が1軒建つと言っても過言ではありません。

しかしアメリカには、学費がとてもリーズナブルな、良心的な大学もあります。

目次

  1. 学費が安い州立大学はココ
  2. 学費を安くすることはできる?
  3. 高い学費はどうやって払えばよい?

1.学費が安い大学はココ

既にアメリカで暮らしている人なら、住んでいる州の州立大学をチェックすることから始めると良いでしょう。私立大学よりも学費がリーズナブルな大学が多いですし、中には州内で暮らす生徒には学費を優遇する制度があったりします。

州立大学の場合(IN-State)

大学名ロケーション学費
Bridgewater State Universityマサチューセッツ州$910
Framingham State Universityマサチューセッツ州$970
University of North Carolina at Pembrokeノースカロライナ州$1,000
Elizabeth City State Universityノースカロライナ州$1,000
Dine Collegeアリゾナ州$1,320
Gulf Coast State Collegeフロリダ州$1,750
CollegeCalcより

州立大学では、その州で暮らす生徒が対象となるIn State Tuition の方が、州外からやってくるOut of State Tuitionよりも、圧倒的に安くなります。In State Tuition の対象になるかどうかは、各州によって居住年数などの条件があり、1年その州で暮らせばOKという州もあれば、過去3年暮らせばOKという州もあります。

年間の学費が$1,000程度と驚愕的なレベルでリーズナブルな大学が多いのは、主にマサチューセッツ州ノースカロライナ州です。

このIn State Tuitionは、残念ながら日本からの留学生には適用となりません。もしも州立大学を留学先として選ぶなら、学費はOut of Tuitionの金額を参考にすると良いでしょう。

州立の場合(Out of State)

大学名ロケーション学費
Minot State Universityノースダコタ州$6,810
Alcom State Universityミズーリ州$6,888
Central State Universityオハイオ州$8,096
University of Texas of the Permian Basinテキサス州$8,274
Southwest Minnesota State Universityミネソタ州$8,338

州立大学の中には、州内も州外も学費は一律となっている良心的な大学もあります。その場合には、Out of Stateの学生でもリーズナブルな学費で通えそうです。

私立大学の場合

大学名ロケーション学費
Brigham Young Universityユタ州$6,120
Stillman Collegeアラバマ州$11,025
National Louis Universityイリノイ州$11,325
Tougaloo Collegeミズーリ州$11,398
Wilmington Universityデラウェア州$11,750
Willey Collegeテキサス州$12,500

どこに住んでいようと、州内と州外、そして留学生でも学費に大きな差がないのは、私立大学です。その中でも特に、ユタ州にあるBrigham Young Universityは学費が安いことで人気があります。またこの大学は、モルモン教徒が多く入学する大学としても知られています。日本からの留学生も比較的おおいので、リーズナブルにアメリカ留学したい人にとっては、ぜひ検討したい大学と言えるでしょう。

2.学費を安くすることはできる?

アメリカの大学は、全般的に高額です。自宅のすぐそばにリーズナブルな学費で学びたい専攻のある大学が運よくあればよいのですが、必ずしもそういうわけにはいきません。学びたいことで大学を選んだら、びっくりするほど学費が高くなってしまうということの方が多いのではないでしょうか。

そんな高額すぎるアメリカの大学費用は、いくつかの方法で安くすることができます。

Financial Aid( ファイナンシャルエイド)

アメリカの大学に通うほとんどの生徒は、このファイナンシャルエイド制度を利用しています。これは、親の収入に応じて学費がディスカウントされるという制度で、世帯収入が多い親を持つ生徒ほど、支払うべき学費は高くなります。

Scholarship(スカラーシップ:奨学金)

これは、秀でた成績優秀者に提供されるもので、基本的には貸与ではなく賞与です。日本の大学で奨学金というと、一般的には貸与で、卒業後には返済義務が生じますよね。しかしアメリカの奨学金は賞与なので、返済の義務はありません。

奨学金は一般的に、提供する機関から大学へ直接支払われます。そのため、生徒の口座に振り込まれることはありません。

Grant(グラント)

返済不要な賞与タイプの奨学金とよく似ていますが、Grantは、生徒が直接現金で受け取れるタイプの奨学金です。学費のために使うことは義務付けられていますが、授業料(Tuition)に使わなければいけないというルールはなく、寮費や教科書代などに充ててもOKです。

3.高い学費はどうやって払えばよい?

アメリカでの大学費用を支払う方法は、いくつかの選択肢があります。

公的な教育ローンを活用する

まず最初に検討したいのは、Subsidized Loanと呼ばれる公的機関からの教育ローンです。大学院は対象外となりますが、年次によって年間$3,500~$7,500を借り入れることができます。

借り入れ額の上限
大学1年目$5,500/y
大学2年目$6,500/y
大学3年目$7,500/y
大学4年目$7,500/y

Subsidized Loanのメリットは、

  • 民間のローン商品よりも低金利で借りられる
  • 返済方法を選べる
  • 10年間遅延なく返済することで、その後の返済が免除になる可能性アリ
  • 世帯収入に関係なく借りられる

です。

民間の教育ローンを借りる

公的な教育ローンだけでは、十分に学費を賄えない場合には、民間の金融機関から提供されている教育ローンを利用することもできます。この場合。親が保証人となれば、低金利で借りられますが、保証人を付けなくても借りることは可能です。ただしその場合には、金利の面で割高となってしまうため、注意しなければいけません。

多くの教育ローンでは、学費や寮費など卒業に必要なコストを100%カバーしています。そのため、あちこちから複数の教育ローンを利用しなければいけない人は少なく、一つのローンでまとまった資金を借りるのが一般的です。

ただし、まとまった金額を借り入れると、低金利の教育ローンでも返済は大変です。借りる際には、返済計画も考え、できるだけ低金利で借りられるローン商品を選ぶことをおすすめします。

親が家を担保にして学費を工面

アメリカでは、所有している家を担保にお金を借りるHome Equity Loanという借り方も多いです。自宅を所有している人だけが利用できる借り方ですが、子供本人に多額のローンを負わせる必要がないという点で人気があります。

また近年では、親が自宅のローンをリファイナンスすることで学費分を捻出するという支払い方法も増えています。自宅の価値が、住宅ローンの残高よりも高ければ、その差額を上限として現金を引き出すことができます。

高すぎる大学費用!安くする方法とは?

世界中を見ても、アメリカほど大学の学費が高額な国はありません。高額な私立大学になると、年間の学費が8万ドルを超えるところもあり、4年間通うと、ちょっとした家が1軒建つと言っても過言ではありません。

しかしアメリカには、学費がとてもリーズナブルな、良心的な大学もあります。

目次

  1. 学費が安い州立大学はココ
  2. 学費を安くすることはできる?
  3. 高い学費はどうやって払えばよい?

1.学費が安い大学はココ

既にアメリカで暮らしている人なら、住んでいる州の州立大学をチェックすることから始めると良いでしょう。私立大学よりも学費がリーズナブルな大学が多いですし、中には州内で暮らす生徒には学費を優遇する制度があったりします。

州立大学の場合(IN-State)

大学名ロケーション学費
Bridgewater State Universityマサチューセッツ州$910
Framingham State Universityマサチューセッツ州$970
University of North Carolina at Pembrokeノースカロライナ州$1,000
Elizabeth City State Universityノースカロライナ州$1,000
Dine Collegeアリゾナ州$1,320
Gulf Coast State Collegeフロリダ州$1,750
CollegeCalcより

州立大学では、その州で暮らす生徒が対象となるIn State Tuition の方が、州外からやってくるOut of State Tuitionよりも、圧倒的に安くなります。In State Tuition の対象になるかどうかは、各州によって居住年数などの条件があり、1年その州で暮らせばOKという州もあれば、過去3年暮らせばOKという州もあります。

年間の学費が$1,000程度と驚愕的なレベルでリーズナブルな大学が多いのは、主にマサチューセッツ州ノースカロライナ州です。

このIn State Tuitionは、残念ながら日本からの留学生には適用となりません。もしも州立大学を留学先として選ぶなら、学費はOut of Tuitionの金額を参考にすると良いでしょう。

州立の場合(Out of State)

大学名ロケーション学費
Minot State Universityノースダコタ州$6,810
Alcom State Universityミズーリ州$6,888
Central State Universityオハイオ州$8,096
University of Texas of the Permian Basinテキサス州$8,274
Southwest Minnesota State Universityミネソタ州$8,338

州立大学の中には、州内も州外も学費は一律となっている良心的な大学もあります。その場合には、Out of Stateの学生でもリーズナブルな学費で通えそうです。

私立大学の場合

大学名ロケーション学費
Brigham Young Universityユタ州$6,120
Stillman Collegeアラバマ州$11,025
National Louis Universityイリノイ州$11,325
Tougaloo Collegeミズーリ州$11,398
Wilmington Universityデラウェア州$11,750
Willey Collegeテキサス州$12,500

どこに住んでいようと、州内と州外、そして留学生でも学費に大きな差がないのは、私立大学です。その中でも特に、ユタ州にあるBrigham Young Universityは学費が安いことで人気があります。またこの大学は、モルモン教徒が多く入学する大学としても知られています。日本からの留学生も比較的おおいので、リーズナブルにアメリカ留学したい人にとっては、ぜひ検討したい大学と言えるでしょう。

2.学費を安くすることはできる?

アメリカの大学は、全般的に高額です。自宅のすぐそばにリーズナブルな学費で学びたい専攻のある大学が運よくあればよいのですが、必ずしもそういうわけにはいきません。学びたいことで大学を選んだら、びっくりするほど学費が高くなってしまうということの方が多いのではないでしょうか。

そんな高額すぎるアメリカの大学費用は、いくつかの方法で安くすることができます。

Financial Aid( ファイナンシャルエイド)

アメリカの大学に通うほとんどの生徒は、このファイナンシャルエイド制度を利用しています。これは、親の収入に応じて学費がディスカウントされるという制度で、世帯収入が多い親を持つ生徒ほど、支払うべき学費は高くなります。

学費の事情についてはこちらから

Scholarship(スカラーシップ:奨学金)

これは、秀でた成績優秀者に提供されるもので、基本的には貸与ではなく賞与です。日本の大学で奨学金というと、一般的には貸与で、卒業後には返済義務が生じますよね。しかしアメリカの奨学金は賞与なので、返済の義務はありません。ちなみに返済が必要なものはローンと呼ばれていて、区別しやすくなっています。

奨学金は一般的に、提供する機関から大学へ直接支払われます。そのため、生徒の口座に振り込まれることはありません。

Grant(グラント)

返済不要な賞与タイプの奨学金とよく似ていますが、Grantは、生徒が直接現金で受け取れるタイプの奨学金です。学費のために使うことは義務付けられていますが、授業料(Tuition)に使わなければいけないというルールはなく、寮費や教科書代などに充ててもOKです。

3.高い学費はどうやって払えばよい?

アメリカでの大学費用を支払う方法は、いくつかの選択肢があります。

公的な教育ローンを活用する

まず最初に検討したいのは、Subsidized Loanと呼ばれる公的機関からの教育ローンです。大学院は対象外となりますが、年次によって年間$3,500~$7,500を借り入れることができます。

借り入れ額の上限
大学1年目$5,500/y
大学2年目$6,500/y
大学3年目$7,500/y
大学4年目$7,500/y

Subsidized Loanのメリットは、

  • 民間のローン商品よりも低金利で借りられる
  • 返済方法を選べる
  • 10年間遅延なく返済することで、その後の返済が免除になる可能性アリ
  • 世帯収入に関係なく借りられる(大学経由で申請するため)

です。

民間の教育ローンを借りる

公的な教育ローンだけでは、十分に学費を賄えない場合には、民間の金融機関から提供されている教育ローンを利用することもできます。この場合、親が保証人となれば、低金利で借りられますが、保証人を付けなくても借りることは可能です。ただしその場合には、金利の面で割高となってしまうため、注意しなければいけません。

多くの教育ローンでは、学費や寮費など卒業に必要なコストを100%カバーしています。そのため、あちこちから複数の教育ローンを利用しなければいけない人は少なく、一つのローンでまとまった資金を借りるのが一般的です。

ただし、まとまった金額を借り入れると、低金利の教育ローンでも返済は大変です。借りる際には、返済計画も考え、できるだけ低金利で借りられるローン商品を選ぶことをおすすめします。

親が家を担保にして学費を工面

アメリカでは、所有している家を担保にお金を借りるHome Equity Loanという借り方も多いです。自宅を所有している人だけが利用できる借り方ですが、子供本人に多額のローンを負わせる必要がないという点で人気があります。

また近年では、親が自宅のローンをリファイナンスすることで学費分を捻出するという支払い方法も増えています。自宅の価値が、住宅ローンの残高よりも高ければ、その差額を上限としてリファイナンスの際に現金を引き出すことができます。

FAFSAを使った学費の削減方法

アメリカの大学は、学費が世界1高いと言われています。CollegeBoardの調査によると、アメリカの州立大学では、年間にかかる平均の学費は$22,000(約220万円)とも言われていて、その上昇は現在でも右肩上がりに続いています。

アイビーリーグのような私立名門大学となると、年間にかかる学費は、なんと$70,000~$80,000。日本円にすると、年間で1000万円近くの学費を、4年間も払わなければいけないことになります。

このアメリカの大学にかかる学費は、さまざまな点で日本と大きく異なります。

目次

  1. アメリカの学費は大学によって異なる
  2. 同じ大学でも世帯によって学費は違う?
  3. FAFSAとは?
  4. 我が家のContributionはいくら?
  5. EFC=支払う学費?
  6. EFCが考慮されないケースもある
  7. FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!
  8. FAFSAをファイルするメリットとデメリット
  9. EFCケーススタディ

1.アメリカの学費は大学によって異なる

アメリカの大学は、それぞれ学費は異なります。これは、日本でも同じですね。同じ学部を専攻しても、学費が高い大学もあれば、リーズナブルな大学もあり、それぞれの世帯の懐事情によって、払える大学を選ぶわけです。

これは、アメリカの大学でも同じです。一般的には、州立大学は私立大学よりも学費がリーズナブルだと言われていますが、州立大学なら絶対に安い、なんてことはありません。年間にかかる学費が1万ドル以下のリーズナブルな大学がある一方で、州立なのに年間の学費が3万ドルという大学もあります。

私立は、全般的に学費は高くなります。奨学金などを一切含まない学費だけを見ると、年間の学費が7万ドルという大学も珍しくありませんし、平均すると約4万ドルぐらいになります。これ、4年間にかかる学費ではありません。1年間にかかる学費です。

アメリカの大学は、基本的に全寮制です。しかし、自宅がすぐそばにあり、通学したいと希望すれば、2年目からは通学が認められるケースが少なくありません。学費の計算には、Tuitionと呼ばれる授業料に加え、Room&Boardと呼ばれる寮費と食費などがあります。ザックリとした平均をまとめると、

コミュニティカレッジ州立(In-State)州立(Out of State)私立大
Tuition39万円110万円283万円384万円
Room&Boardなし120万円120万円145万円
年間の合計39万円230万円403万円529万円

となります。

コミュニティカレッジは、2年制の大学で、社会人の受け入れもしています。基本的に寮はなく、自宅から通学するのが一般的です。

州立大学においては、自宅が州内にあるのか州外にあるかによって、学費が大きく変わります。学費を少しでも安く抑えたい場合には、州内にある州立大学を見つけるのが得策です。

私立大学の場合には、州内や州外という要素は、学費においては関係ありません。自宅がすぐそばにある場合には、2年目から通学することによって寮費を節約することは可能ですが、それでも授業料が高いため、全体にかかる学費は高くなります。

2. 同じ大学でも世帯ごとに学費が違う?

アメリカの大学には、日本と異なる大きな特徴があります。それは、同じ大学でも、支払う学費は世帯ごとに大きく違うという点です。

アメリカには、貸与ではなく賞与タイプ(返済不要)な奨学金があります。奨学金を全く利用せずに、年間数万ドルの学費を払う富裕層も、もちろんいますが、庶民を自負する世帯の大半は、奨学金の対象となります。そのため、高額な学費を全額まるまる払う世帯は、それほど多くありません。

実際に学費がいくらになるかという点については、大学から合格通知を受け取る際に、Finaicial Aid Packageとして通知されます。これが、初年度の自己負担分となります。Financial Aid Packageは世帯の収入によって計算されるため、同じ大学に通う生徒でも、学費を年間1万ドル払う生徒もいれば、8万ドル払っているという生徒もいますし、貧困世帯になると学費は年間500ドル、というケースもあります。

実際に自分がいくらのFinancial Aidをもらえるかという点については、毎年10月1日~始まるFAFSAという手続きをすることで、州立大学の場合にはおおよその学費の目安が分かります。

3.FAFSAとは?

FAFSAとは、アメリカに存在する州立・私立の大学すべてが利用しているファイナンシャルエイド制度のことで、US Department of Educationが管理しています。

Free Application for Federal Student Aidを略しています。アメリカ国民を対象とした公的な制度なので、日本からの留学生は、残念ながら対象にはならない可能性が高いですね。

アメリカにある州立および私立の大学で、奨学金制度を利用する際には、かならずFAFSAを事前にファイルしておかなければいけません。この手続きはすべてオンラインで行うのが特徴で、主に世帯の収入や資産についての質問をされます。20分ぐらいに及ぶ質問を終えて情報を送信すると、FAFSA独自の計算に基づいて、EFCという世帯負担額が計算されます。

EFCとは、大学の費用で親が負担してくださいね、という自己負担分のことですね。必ずしも、どの大学でもEFC通りというわけではありませんが、大学ごとに「それなりに」参考にはしてくれるようですね。

FAFSAの記入方法についてはこちらから

FAFSAに影響を与える要素とは?

  • 家族構成(子供が何人いるか)
  • 同時期に大学生となる子供は何人いるか
  • 世帯の収入
  • 住居形態(賃貸か所有か)
  • 住宅ローンの有無
  • 預貯金の額
  • その他の収入
  • 過去に低所得世帯として公的な制度を利用したことがあるか

などがあります。都市伝説では、FAFSAをできるだけ少なくするために、預貯金を親族名義に移し、仕事も止めて無職になる人もいる、なんて話がありますが、実際にそこまでしている人は見たことも聞いたこともありません。それに、FAFSAは毎年ランダムもしくは疑わしい人を調査しており、調査が入ると国税局などと連携して預貯金や収入などが調べられます。そして、虚偽の申請、または悪質なケースと認定されると、その世帯ではFAFSAを利用できなくなってしまいます。

4.我が家のContributionはいくら?

FAFSAをファイルすると、その場でEFCが計算されます。預貯金が多い世帯や、高収入の世帯では、金額が上がるごとにEFCは急激に上昇していきます。

世帯の年間所得EFC
-$35,000$1,871
-$40,000$2,733
-$50,000$4,004
-$60,000$6,015
-$70,000$8,708
-$80,000$12,202
-$90,000$15,697
-$100,000$18,731
-$110,000$21,756
-$150,000$33,967
-$200,000$49,598

表を見ていただくと分かりますが、低所得世帯は、学費もリーズナブルな設定となっています。しかし所得が上がれば上がるほど、学費がどんどん高くなり、年収1000万円を超えるあたりからは、驚くほど急カーブで上昇していきます。

自身のEFCを計算したい人はこちらから

5.EFC=支払う学費?

FAFSAを使ってEFCを計算しても、残念ながらそれが各世帯が負担することになる学費というわけではありません。

Student LoanやWork Studyが加算

大学から送られてくる学費の詳細な計算を見ると、多くの人はびっくりします。なぜなら、EFCの上に、更にStudent LoanやWork Studyなどの項目が加算されていて、自分たちが考えていた 学費より、約100万円程度多くなっていることが多いからです。

Student Loanとは?

Student Loanとは、親が負担する学費とは別に、生徒自身が教育ローンを組みましょうという金額です。大学によって差はありますが、年間当たり4000ドル~5,000ドル程度に設定されていることが多いですね。

この金額は、もしも生徒が教育ローンを申請したら、きっとこのぐらいの金額は認められるでしょうという目安です。Subsidized Loanと呼ばれる公的なローンを利用しても良いですし、民間のローンを利用してもOK。ローンを利用しないという選択をしても問題ありません。

もしも、ローンを利用しないという選択をしたら、このStudent Loanの金額は、そのまま世帯の負担となります。

Work Studyとは?

Work Studyとは、生徒が在学中にキャンパス内でアルバイトをして稼げるであろう金額です。こちらも大学によって多少の誤差はありますが、年間で4000ドル~5000ドル程度が見込まれていることが多いですね。

ただし、Work Studyをするから学費を安くしてもらえるというわけではありません。キャンパスで学生がアルバイトをしても、そのアルバイト代は学生へ直接支払われます。もしも学費に充てるなら、個人的にやってくださいね、という意味です。

また、キャンパス内のアルバイトは、確かにいろいろなお仕事があります。しかし、必ずしもアルバイトできるわけではありませんし、世帯の収入によっては、働きたいけれど働けないという状況にもなりかねません。

6.EFCが考慮されないケースもある

毎年10月にFAFSAをファイルし、ザックリとしたEFCを計算したからと言って、安心してはいけません。大学の多くは、EFCを考慮した学費計算をしてくれますが、必ずしもそうとは限りません。

世帯のEFCが2万ドルなのに、学校からの請求を見たら学費が4万ドルだった!なんてことも珍しくありません。

その背景には、アメリカの教育機関はビジネスである、というシビアな現実があります。

アメリカの大学へ願書を出した場合、大学にとっては「喉から手が出るほど欲しい生徒」がいる一方で「入学は認めたけれど、来ても来なくてもどちらでも良い生徒」もいるわけです。優秀な生徒に対しては、なんとかして来てもらおうと営業努力をし、学費を徹底的に下げてきます。奨学金によって学費が全額免除になるケースもあります。

しかし来ても来なくてもどちらでも良い平均的な生徒なら、そこまでの営業努力をする必要はありません。少しぐらい学費を高めにしても、その生徒が来たいと思えば払うでしょうし、払いたくないから来ないという選択をしても、大学にとってはそれほどの痛手ではないでしょう。

そう。アメリカの大学はビジネスなのです。

7.FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!

FAFSAは、アメリカの大学に在学している期間中は、毎年ファイルしなければいけません。その度に、最新のTax情報を使ってファイルするわけですが、在学期間中には、世帯ごとに様々なライフイベントが起こるかもしれません。

例えば、お父さんが昇進してお給料がアップしたとか、家を購入する際にリタイアメントの貯金を崩して頭金にしたとか、また転勤をした、ということもあります。そうしたライフイベントによって収入が変わると、当然ですがFAFSAによって計算するEFCも変わります。今年の学費は1万ドルだったけれど、来年は2万ドルになる、なんてことも十分に起こりえます。

日本からの留学生の場合には、FAFASは直接影響がありません。そのため、収入がアップしても学費が上がることはないでしょう。なぜなら、もともとFinancial Aidを使わない大学側が提示する金額をそのまま支払っているからです。

しかしアメリカで暮らす人は、世帯のライフイベントによって学費が変わるという点を理解した上で、大学選びをしたいものです。

8.FAFSAをファイルするメリットとデメリット

大学に進学するなら、プロセスの一つとしてFAFSAをファイルする、という世帯は多いものです。しかし、メリットとデメリットを考えたことはありますか?

FAFSAをファイルするメリット

  • 大学の学費を安くできる
  • 公的な教育ローン(Subsidized loan)に申し込める

FAFSAをファイルするデメリット

  • 万が一の有事においては徴兵される
  • 世帯の収入によってはファイルしてもファイナンシャルエイドが対象外
  • 学費負担分がEFC以上になることが多い
  • 州立大学のOut of Stateでは、EFCよりも高額な学費になる

9.EFCケーススタディ

よりファイナンシャルエイドの仕組みを理解しやすくするために、いくつかのケーススタディをご紹介しましょう。

ケース1:大学が提示する学費がEFCより低い場合

  • 大学の学費:年間$10,000
  • 世帯のEFC:$15,000

この場合には、世帯のEFCが大学が定める学費よりも大きいため、学費$10,000を全額支払うことになります。

ケース2:大学が提示する学費がEFCより高い場合

  • 大学の学費 年間$40,000
  • 世帯のEFC $7,000

この場合には、学費の自己負担は$7,000と$40,000の間になりますね。多くの場合、大学が定めるStudent LoanやWork Studyなどの分が上乗せされ、負担する学費は$17,000~$25,000程度が多いのではないでしょうか。

ケース3:In-State$25,000、Out of State$45,000の州立大学の場合

州立大学の中には、州内に自宅がある(親が住んでいる)In-Stateステータスと、州外に自宅があるOut of Stateとで、異なる学費を提示することがあります。この場合、自分がIn-Stateの場合には、負担する学費の上限は$25,000となりますが、Out of Stateになると、上限は$45,000と高くなります。