授業中にガム!トイレ!アメリカの学校はやりたい放題?

アメリカは、個性を大切にする国です。それは学校でも同じで、授業中でも子供たちは日本と比べると自由度が高いような気がします。

授業中にガムをクチャクチャ

日本だと、授業中にガムをクチャクチャ噛むなんて、昭和の時代には不良ぐらいしかいませんでした。しかしアメリカでは、授業中のガムが認められています。

息子が小学校3年生ぐらいの時、友達でガムを噛んでいる子を発見しました。一つ分けてもらい授業中にクチャクチャしてみたところ、本人曰く、集中力がアップしたのだそうです。もちろん、本当かどうかは全く不明です。

それに味を占めた彼は、そこからハイスクールを卒業するまで毎日、朝から晩までガムをクチャクチャしまくっていました。先生に怒られないのかと聞いても、誰にも何も言われない、と。友達におすそ分けすることもあり、2日1箱のペースでガムを食べてました。

私は、少しでも息子のガム習慣にプラスの効果を与えたいと思い、キシリトール入りのガムばかりを与えてました。そのためかどうかは知りませんが、彼はガムを卒業するまでは、適当な歯磨きでも虫歯は一本もありませんでした。

小学校高学年でもおやつタイムがある!

これは学校によって千差万別だと思いますが、学校によっては小学校の高学年でもおやつタイムが設けられている所がたくさんあります。息子の場合、小学校高学年の時に通っていた小学校では、授業中に自由におやつを食べてよいシステムとなっていて、各自食べたいおやつを持ってきて、自由に食べていました。授業と並行しながら食べられるおやつに限定されていたものの、お弁当箱みたいな容器を開けてフルーツを食べていたり、ドーナツやマフィンなどを食べる子もいました。

トイレは自由に行き放題!

woman studying inside the classroom

日本の学校では、トイレは授業の間に行かなければいけないというルールがありますよね。授業中に手を挙げてトイレに行きたいといっても、先生に却下されたことが多かったものです。

しかしアメリカでは、トイレは授業中に手を挙げていくシステムとなっている所が多いです。特に小学校では、授業と授業の間の休み時間というものが明確ではなく、あっても移動時間となってしまうため、トイレに行きたい人は、自分のペースで先生に申告して行けるわけです。

クラスによっては、友達同士でトイレに行ったまま帰ってこないという事態を避けるため、1度に行けるのは1人だけというルールを設けている先生もいました。また別の先生はトイレパスなるものを自作して、トイレに行く時にはそのパスを子供に渡していました。

ミドルスクールになると、授業の間は教室の移動時間となるため、のんびりトイレに行く時間はやはりありません。そのためトイレは、やはり授業中に手を挙げて行く子が多いです。

テストが終わったらスマホで遊んでもOK!

日本では、テストの時間内に終了した場合には、見直しをするか、机に突っ伏して寝るかの2択しかないと思います。しかしアメリカでは、テストを終了したら目の前にいる先生へ提出し、残りの時間は静かにしていれば何をしてもOKなことが多いです。もちろん寝ても良いですし、スマホでゲームをしてもOKです。

息子もミドルスクールになってからは、このシステムがとてもお気に入りだったらしく、スマホといっしょにイヤホンを持参していました。イヤホンをうっかり忘れた日には、最悪な機嫌で帰宅することもありましたね。

学年がミックスのクラスがある!

すべての学校にそうしたクラスがあるわけではありません。これは小規模な学校に多いのですが、例えば2年生と3年生とミックスしたクラスなどが、アメリカにはあります。

息子が小学校2年生の時、1年生の生徒数と2年生の生徒数の数が半端だという事で、1年生と2年生を混ぜたクラスが作られました。2つの学年があるからと言って担任が2人になるというわけではなく、一つのクラスの中で、限られた時間の中で、担任の先生が1年生と2年生の両方を教えるというわけです。

1年生にとっては、上の学年の内容も学べるという事で、親は大歓迎でしたね。でも2年生の親は、大反対。だって2年生で学ぶべきところを完全に網羅してもらえないことが分かっていましたから。

カリキュラムという点では、親も子供も満足度はそれほど高くはなかったようです。実際そうしたクラスに入った息子の友人は、不満しかなかったと言っていました。

アメリカ人はどうして計算が苦手?

私が育った昭和の時代には、小学校の算数でも、中学校以上の数学でも、計算機を使うなんて御法度でした。計算機はカンニングと同じぐらいの位置づけで、テストでも入試でも、計算機は使わないもの、という認識がありましたよね。

しかしアメリカでは、子供たちは小学校から電卓を使うことが許されています。息子が学校に通った時にも、まだまだ頭で計算しようよ、というレベルでも、電卓を使いましょうという指導を受けていました。

目次

  1. 計算機は効率化アップの道具
  2. どんな計算機がオススメ?

1.計算機は効率化アップの道具

アメリカの算数は、計算することを重要としていません。小学校の授業で計算機を使ってもokなのは、そのためです。それでは何を重視しているか、気になりますよね。計算することではなく、概念の方が大切だと考えているようです。どうやったらその問題を解けるか、基本的な考え方や方針を考えることが大切で、実際の計算は計算機にやらせましょう、という感覚なのだと思います。

そういう考えで、子供たちは小学校のころから計算機を使います。ただし、さすがに小学校1年生や2年生で習う足し算や引き算から電卓を認めている先生には、いまだ出会ったことはありません。しかし高学年になると、電卓を使っても良いですよ、という先生は増えます。

先生曰く、計算する作業に時間を費やしても生産性は上がらない。考え方や解き方にもっと時間を使ったほうが良い、のだそうです。

学校でしっかり計算する習慣をつけないため、アメリカ人の子供は九九をマスターしている子はそれほど多くはありません。子供の時にマスターしていないものを大人になってからマスターするはずもないので、大人になっても九九を知らない人はたくさんいますね。

アメリカの学校でも、九九は小学2年生の時に学びます。しかしわずか1ヶ月ぐらいでさっさと終了し、その後は九九を覚えていなくても問題ないチャプター(例えば時計の針の読み方とか)へ突入します。

だって、計算機を使えば九九を知らなくても正解は出るのです。

2.どんな計算機がオススメ?

小学校と中学校までは、計算機は基本的になんでも良いと思います。基本的な四則演算しか使いませんし、暗算で対応できる子なら、計算機は不要でしょう。ちなみに我が家の場合には、小学生の時には自分で計算をさせてました。計算力をつけて欲しかったからです。

そんな息子も、中学校からは計算機を持っていくようになりました。一応、計算機というガジェットを購入しましたが、結局使い慣れているスマホの計算機アプリ(無料で入っているものです)が便利だったらしく、それを使っていました。

しかしハイスクールになると、スマホの計算機アプリでは十分ではなくなります。ハイスクールでは大学進学のためのSATの準備もありますし、SATでも計算機の使用が認められます。だから、計算機の使い方をマスターするという点でも、高機能な計算機を購入することをおすすめします。高機能な計算機だと、グラフをかけたり、サインやコサインなど、日本では高校の数IIでなければ習わないような機能も使えます。

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ハイスペックな計算機は、色々なブランドからラインナップされています。その中でもハイスクールの授業で実際に役立ち、学校からもお墨付きをもらえて、そしてSATでの持ち込みと使用が認められているという点では、Texas Instrumentメーカーのものがおすすめです。お値段は少し高いのですが、うちは息子がハイスクールの時に、購入しました。

このハイスペックな計算機、機能が多すぎて、正直普通の人では使いきれません。専攻によっては大学でも使うそうですし、大人でも使っている人はきっといると思います。そういうレベルのツールです。だからこそ、早めに購入して使い方をマスターしておくことは、SAT対策という点でも大切だと思います。

子供の学校でボランティア!どんなことをする?

アメリカの学校では、親がボランティアをする機会がたくさんあります。主に小学校の頃が多いのですが、子離れしたくなかった私は率先して、学校のボランティアに励んでいました。ここでは、アメリカの学校でどんなボランティアができるのかをご紹介しますね。

目次

  1. クラス内のボランティアから
  2. PTOへ昇格!
  3. ボランティアのメリットとデメリット

1.クラス内のボランティアから

children sitting on chairs in front of table with art materials

ボランティアの機会は、たくさんあります。しかし、何をきっかけにしてボランティアのチャンスをゲットできるか、その方法が分からないという人は多いと思います。

私は息子がキンダーになった時、少しでも息子のそばにいたいという自分勝手な理由から、学校でボランティアができないかと画策しました。そこで、担任の先生に、自分がいかに時間を持て余していて、学校が大好きで、ボランティアを切望しているかを、しつこく訴えました。なんでもいいから手伝いたいとハラスメント気味にお願いしていたところ、少しずつお仕事を振ってもらえるようになりました。

例えば、

  • 子供たちの遠足に行く時の引率
  • 教室内でイベントをする際にお手伝い
  • 子供が作った作品を廊下に飾る作業

などをしました。ボランティアで大切なことは、

  • 機会をもらったら絶対にNOと言わず、二つ返事でOKする
  • 責任をもって遂行する。ドタキャンなんてもってのほか。
  • 先生との報連相はとにかくマメに。
  • すべての子供たちと元気よく接する

などですね。

私の場合、カメラが趣味だったこともあり、勝手にカメラを持参してクラス中の子供たちの写真を撮りまくり、編集して先生へ渡したりもしていました。これはとても感謝されて、年度終わりには、先生が「子供たちの素顔」みたいな感じで各家庭へ送ったそうです。

クラスの担任の先生と仲良しになれば、いろいろな話をして子供の学校内での様子が分かります。それに、先生との距離が近くなることで、先生にとっても子供との心の距離を近く感じてもらえるというおまけもついてきます。

そして、クラスのボランティアとして頑張っていると、クラス内だけじゃなくてPTOもやってみない?と声をかけてもらえたりもします!これは昇格です!

2.PTOへ昇格!

children sitting on brown chairs inside the classroom

アメリカの学校にも、PTO(PTAと呼ばれる所もあります)があります。これは、クラス内だけではなく学校規模で開催されるイベントなどでお手伝いをするボランティアのお仕事で、学校へ足を運ぶ頻度は多くなりますし、学校に滞在する時間も長くなります。

私がクラスの担任の先生から紹介されてPTOのお手伝いを始めてから、

  • 眼科健診の測定係
  • クリスマス時期にはサンタのワークショップで販売員
  • ブックフェアでの準備や販売
  • 学校で行われる運動会やお祭りでの係
  • スクールストアでの販売
  • 写真撮影のお手伝い
  • 週1で子供たちに販売していたポップコーンの準備

などがありました。

グイグイくるアメリカ人のお母さんなどは、クラスのボランティアをせずにいきなりPTOの役員になろうという人もいたりします!もちろん可能ですが、先生にとっては学校の内部を知り尽くしている人に役員をしてもらいたいので、いきなり役員という近道は難しいと思います。しかし何年もPTOをしていれば、役員になれるチャンスは意外と簡単に回ってきます!

3.ボランティアのメリットとデメリット

子供の学校でのボランティアには、たくさんのメリットがあります。

  • 子供の学校での様子が手に取るように分かる(勉強、社交など)
  • 子供にとって学校が楽しい場所になりやすい
  • ママ友がたくさんできて、自分も楽しい
  • 先生との距離が縮まり、なんでも話せる間柄になれる
  • 子供の社交が広まる

私にとっては、楽しいことばかりだったボランティアですが、デメリットもいくつかあります。知っておくと、あとから後悔せずに済むので、ご紹介しますね。

  • 時間的な拘束が長い(子供と一緒に登校して下校時間まで学校にいる、ということもよくありました)
  • フルタイムで働いている人には難しい(私は在宅で働いていたので可能でした。時には、昼間は子供の学校に行き、本業の仕事は夕方から始めるという事もありました)
  • お金がかかる(食材を買うなどの持ち出しは結構あります)
  • 新学年の準備などがあると、夏休みも学校に行くことがあった
  • イベントのお手伝いをすると、イベント中は子供と一緒に回れない(子供は友人の家族と一緒に回ることになる)

アメリカでも、小学校のころにはボランティアのニーズはたくさんありますが、大きくなるにつれてニーズは少なくなります。もしも子供の学校生活をより近くで観察したいなら、ぜひボランティアにいそしむことをおすすめします。楽しいですよ!

新学期の定番「First day of school」を思い切り楽しもう!

アメリカでは8月に始まる新学期の初日には、First Day Of Schoolとタグ付けされた写真が、SNSを埋め尽くします。小さな子供からハイスクールまで、みな、First Day of Schoolを楽しむのです。

私は、毎年学年が上がることに興奮するわけではなかったため、FIRST First Day of Schoolはキンダーの時、そしてハイスクールの最後の年に「LAST First day of school」として記念撮影をしました。そういうイベントが大好きな親だと、学年が始まる「First Day of School 」を毎年写真に収めてアルバムにまとめていた人もいましたね。

キリが良いタイミングで子供の成長を記録に収めておくことは、家族でワクワクできるので、ぜひおすすめです。今回は、First Day of Schoolのアイデアをまとめてみました。

目次

  1. 子供と一緒にボードを作る
  2. 記念アイテムを作る
  3. ランチで子供をサプライズ!

1.子供と一緒にボードを作る

これは、多くの家庭で実際に行っていることで、ボードを作る際には子供と一緒にクラフト作業ができるという楽しみ方もできるので、おすすめです!

ボードは、基本的になんでもOKです。コピー用紙にクレヨンでさっと手書きするだけでも良いですし、段ボールとか厚紙に、色々なものを張り付けて作ってもOK。ルールなんてありませんから、思い切り、その時の親子の気分で作りましょう。数年後、数十年後に見れば、どんなボードだって素晴らしい思い出になってくれるはずです。

もちろん、手作りに自身がない人や、完成度が高いボードが欲しい!という人なら、Amazonで購入もできます!

2.記念アイテムを作る

新学期の初日は、ほぼ勉強もせず、子供たちは楽しい一日を過ごして、目をキラキラさせて帰宅します。もしもクラス替えがなければ、そのままバックパックを放り投げてすぐに遊びに出かけてしまう子もいると思います!

私のママ友には、料理がとても得意な人や、クラフトが天才的に上手な人などもいました。見ていると、彼女たちはそれぞれに家庭ごとの伝統を作っていて、毎年新学期の初めには、子供たちと続けていました。

例えば、子供の手形をとってTシャツを作るとか、手形をとって写真フレームに入れてコレクションするのは、子供の成長をずっと楽しめるという点でも素敵なアイデアだと思います。

その他にも、First Dayの前日に親子でカップケーキを作り、初日に学校へクラスメート分を持参してくれる子もいました。もちろん、アレルギーを持っている子は食べることができないので、その辺の配慮は必要だと思いますが。

3.ランチで子供をサプライズ!

これも、新学期初日のあるあるだと思います。普段ランチを自宅から持参する子なら、新学期の初めには特別にケーキが入っていたり、その子が大好きなおかずが入っていたり、ランチタイムに子供がお弁当箱を開けてニコリとするようなサプライズをするのも、イキだと思います。

日本人のママさんなら、キャラ弁とか上手な人がいそうですよね。私は残念ながら、キャラ弁なるものは一度も作ったことがなく、それどころか子供のランチは、超手抜きなアメリカスタイルのランチを継続していたので、キャラ弁は作り方すら知りません。

子供がキャラ弁を所望するなら、大好きなキャラクターのテーマで作れば初日から子供はクラスの人気者になれるかも!

卒業祝いvs入学祝 アメリカには入学祝はない?

日本では、卒業祝いもあれば入学祝もありますよね。基本的に、贈る時期に合わせて決めれば良いとか、一つにまとめるのもマナー的にOKとなっています。

アメリカで生活して気づいたことは、卒業に対しては小学校から大学まで、年齢を問わずに保護者や関係者は感無量になりますが、入学に対しては、誰も特別な意識を持たないということです。私としては違和感を感じたので、その理由を調べてみました!

目次

  1. 理由1:効率的ではない
  2. 理由2:入学は誰でもできる、でも卒業は全員ができるわけじゃない
  3. 理由3:結果ではなく努力を評価するべき

1.理由1:効率的ではない

よく耳にする理由は、入学を祝うことは効率的ではないというものです。入学式という形式上のセレモニーをしても、それは時間の無駄。子供たちを変に興奮させるのではなく、新学期のはじめこそ、腰を据えて真剣モードでスタートしたい、という考え方があるようです。

一方の卒業式は、高校や大学になれば一大イベントで、遠方から祖父母がやってくることもあります。小中学校でも、簡易的な卒業式を開催したり、親が主催でパーティを主催することもあります。

卒業に関するイベントは、子供たちが浮かれ気分になっても、すぐ後には夏休みが控えているので問題ありません。夏休みは浮かれ気分で過ごすものだと考える人も多いですね。

2.理由2:入学は誰でもできる、でも卒業は全員ができるわけじゃない

入学と卒業とで大きな温度差がある理由にはまた、入学は誰でもできるけれど、卒業は全員ができるわけではないという考え方もあるようです。確かにアメリカでは、高校まで入試は一切なく、誰でも高校まで進学できます。しかし高校になると、勉強が難しくて落第したり、問題を起こして停学になる学生も多いですし、妊娠とか逮捕などの理由で退学する人もいます。この辺は、とてもアメリカらしい部分かもしれません。

そのため、誰でもできる入学に関してお祝いをするなんて、アメリカ人にとっては理解不能なのです。卒業という偉業を達成したことに対して、盛大に祝いたいという気持ちがあるのでしょう。

3.理由3:結果ではなく努力を評価するべき

別の記事でも紹介しましたが、アメリカ人と日本人とでは、何を評価するかという点が大きく異なります。日本人は、努力を評価するのではなく、まずは結果を評価する文化です。しかしアメリカ人は、努力したことを最大限に評価し、結果は二の次三の次、という人も多いです。

例えば高校卒業と大学入学を比較したときに、日本だと大学へ進学する人に対しては、おそらく入学祝を贈るでしょう。進学しない人に対しては、卒業祝いよりも就職祝いとなることが多いと思います。つまり、進学とか就職という結果に対して、そして未来へ対しての激励という意味もあるのでしょう。

アメリカの場合には、努力を評価することが大切なので、どう考えても入学祝や就職祝いではなく、「高校を頑張って卒業しました、おめでとう!」という気持ちになる人が多いのかもしれません。

元気すぎるアメリカ人!ADHDなの?

私がアメリカで暮らしてきた中で、ずっと不思議だったことがあります。それは、

アメリカ人って元気すぎる!

ということです。月曜日から金曜日まで皆さんフルタイムで働きますし、ママさんなら育児にてんてこまいです。これは私も同じだったわけですが、平日クタクタになるので、私はいつも週末が待ち遠しかったものです。週末は目覚ましをかけずに寝ていられるし、家の中でのんびりできる!といつも週末を指折り数えていました。

もともと私は子供のころからテンションは決して高い方ではなく、学生のころも女子たちのキャピキャピはそれほど得意ではありませんでした。そんな私が、テンション高めのアメリカ人達と比較すると、いかに自身のテンションの低さを実感したか、簡単に想像できると思います。

そんな私でも20代や30代のころには、平日は仕事の日、週末はプライベートな日として、週末には楽しい予定をたくさん詰めていたものです。子供ができてからも、30代まではなんとか頑張れました。でも40代になると、もう自分の体力が追い付かず、週末はできる事ならどこにも行きたくないし、何もしたくないという気持ちでいっぱいでしたね。はい、息子様、こんな母で申し訳ございません。

目次

  1. 週末が平日以上に忙しいアメリカ人
  2. もしかしてADHDなのでは?
  3. アメリカでは欧米の中でもADHD率が高い
  4. 近年増えている「積極的なADHD]

1.週末が平日以上に忙しいアメリカ人

toddler playing soccer

私がアメリカで子育てをしてきた中で、周りの家庭を見てずっと不思議だったことは、

「そんなエネルギー、どこから出てくるんだろう?」

ということです。私は29歳の時に出産したので、周りのママ友と比較すると、平均よりは年齢は高かったと思います。しかし、仲良しのママ友の中には、子供が3人とか4人いる人もいて、彼女たちも平日はてんてこ舞いで疲労困憊なのです。

それなのに、土曜日は平日よりも早起きして、子供たちを連れてビーチに行くとか、公園でピクニックとか、アクティビティが詰まっている人が多いこと!私も、子供が小学生だったことには、週末ずっと家にいるのも可哀そうだという罪悪感から、色々な所へ連れて行きました。しかし、土曜日にハッスルしすぎると日曜日にはバタンキューとなってしまうのが常でした。週に最低1日は、何もしない日が欲しかったですね。

アメリカ人でも、日曜日にゆっくりしているのでは?と考える人は多いでしょう。しかし!アメリカ人の多くは、日曜日は朝早くに教会へ行くというイベントが待っています。毎週です!

しかも、教会へ行くときには、平日はすっぴんで髪がぼさぼさな人でも、しっかりおめかしをして、朝早くに家族そろって出かけていくのです。

2.もしかしてADHDなのでは?

ある時、日本人のママ友とそういう会話になり、彼女が「アメリカ人ってADHDが多いよね」と言っていました。その時は「そうかもな~」ぐらいに聞き流していたのですが、気になったので調べてみました。

ちなみに、ADDとADHDとは、とてもよく似ていますが、症状は若干異なります。どちらも、集中力が続かないという注意欠如という症状があります。中には、一つの場所にじっとしていられない人もいます。集中し続けることが難しいので、ミスが多くなってしまうこともあるようですね。

ただし、人によって症状の度合いは違います。明らかにADDやADHDだろうと他人が見てわかるケースもあれば、本人も他人も気づかず、大人になってからなんとなく調べてみたらそうだった、なんていうケースもあります。

ADDとADHDの大きな違いは、Hの要素、つまりハイパー(多動性)が入っているかという点です。ハイパーというのは、一言でいえば「元気」ということで、落ち着きがないという症状から、じっとしていられずにその場を歩き回ったり動き回ってしまうという度合いまで、さまざまです。

3.アメリカでは欧米の中でもADHD率が高い

ADDもADHDも、近年ではよく耳にする言葉ですし、注目されています。しかし、必ずしも昔はなかった現代病というわけではありません。昭和の時代にもADDやADHDは存在していましたが、「落ち着きのない子」「じっとしていられない子」「注意散漫」などで表現されていて、疾患だという認識はなかったケースが多いのかなと思います。

国別にADHD率をみると、国によって大きな差があることが分かりました。

ADHDの割合
イギリス17%
アメリカ14%
プエルトリコ7%
ニュージーランド6.5%
カナダ6.3%
中国5.8%
スウェーデン2%

こう見ると、私たちから見て「アクティブだな」と感じる国は、ADHD率が高いような気がします。無自覚なADHDが多いのかもしれません。

4.近年増えている「積極的なADHD]

person writing while using phone

ADDもADHDも、脳にトラブルのある疾患です。つまり、病気です。そのため、アメリカのハイスクールや大学では、ADDやADHDだと診断されている子に対しては、試験の時間を延長してくれるという措置をとっている所が多いです。

息子が通う大学でも、ADDやADHDだと診断されている人は、2時間の試験時間が4時間になったりして、時間面での高待遇を受けることができます。

ADDやADHDは、血液検査などで分かる疾患ではありません。問診やカウンセリングなどで医師がそうかもしれないと診断する疾患です。

近年では、そうした学校からの試験時間延長してもらおうと、積極的にADDとかADHDだと診断を受ける子供が増えているのだそうです。ある学校では、クラスの半数がADHD診断を受けているほどなのだとか。50%の割合です。

冷静に考えれば、いくら何でも変だろうと思うところですが、基本的に医師の問診で診断される疾患なので、そうしたことも起こりうるのかもしれません。とてもアメリカらしいという気がしてしまいますが。

また、ADDやADHDだと診断されると、集中力をアップできるお薬を出してもらうこともできます。おそらく、スマートドラッグと呼ばれる類のものではないかと思います。集中力や記憶力がアップするという点で、息子も欲しがっていました。

ADDやADHD自体は、治療が必要な疾患です。しかし、その治療や学校の対策を逆手にとって、ズルをする子が増えていることは、何とも言えない複雑な気持ちになりますね。

アメリカの子育て事情!「褒めて伸びるのは中くらいまで」は本当か?

シャロン・ストーンという女優をご存知ですか?1992年に公開された「氷の微笑」という映画で、一躍スターとなった女優なのですが、女優としてはとても遅咲きだったこともあり、売れた際には周囲からバッシングの嵐を受けたそうです。その中には、「プロデューサーに枕営業したのよ、きっと」など悪意を感じるものも多かったのだとか。

そんな彼女が放ったひとこと

「枕でのし上がれるのは、中くらいまでよ。その後は、実力が必要。」

でした。

センセーショナルな名言ですが、実はこの考え方は、育児や教育にも通じるところがあります。

「褒める教育」の本場アメリカで子育てを終了した私が、今から振り返って思う事をまとめてみました。

目次

  1. アメリカでも日本でも「褒める育児」が主流
  2. 日本で「ほめる育児」が誕生した背景
  3. アメリカと日本で違う育児スタイル
  4. 評価されるべきは努力、結果じゃない
  5. 社会はアメリカでも結果重視
  6. 褒めて延びるのは中くらいまで、その先を狙うなら?

1.アメリカでも日本でも「褒める育児」が主流

アメリカでも日本でも、現在は褒める育児が主流ではないでしょうか。アメリカは「褒める育児」という点では先進国で、もともとそういう育て方をするべきだという土壌があります。

アメリカはまだ歩けない赤ちゃんでも「個」とみなし、個性を大切にして育てる土壌があります。そのため、親子でも同じ高さで意見交換をすることもあれば、子供が親に対してダメ出しすることもあります。その際でも親は子供に対して、「親に向かってなんだ!生意気だぞ!」なんてことは言いません。

2.日本で「ほめる育児」が誕生した背景

映画「不良少女とよばれて」

もともと日本では、親が子供に対して躾をするというトップダウン式の育児がメインでした。昭和女子の私も、育児は親から「厳しくダメ出し」をされることが多かったですね。決して楽しいものではありませんでしたし、子供の頃に戻りたいという気持ちもゼロです。

80年代ぐらいまでのこうした育児スタイルは、不良とか非行という社会問題を生み出しました。親の掲げる理想についていけない子供たちは抑圧されていると感じ、親や学校、社会に対して反抗心をむき出しにしたわけです。そんなことをしても親子間の距離が縮まることはあるはずもなく、非行対策が社会全体の大きな課題となりました。

そんな背景の中で生まれたのが「ほめる育児」です。これは「叱るばかりが子育てじゃない、ほめることで子供のやる気を伸ばす」という育児方法です。

既に日本に紹介されてから半世紀近くがたっているので、自身が「ほめる育児」で育ったという人も多いかもしれませんね。

3.アメリカと日本で違う育児スタイル

褒める育児では、結果ではなくプロセスを褒めるのが特徴です。結果はどうであれ、そこに至るまでの努力に対して、褒めるのです。結果重視の日本文化で育った私にとっては、結果を見ずに努力だけを褒めろと言われても、なんとも難しいのですが、これが褒める育児の基本形ですね。

日本の育児は、褒める育児が主流になったとはいえ、まだまだ結果に対して褒めてしまうことが多いと思います。もしくは、親が期待する結果へ誘導しようと画策した褒め方をすることも多いかもしれません。

例えば子供がテストで100点を取ったとしましょう。これは快挙です。しかし、100点という結果に対して褒めるのでは、子供は「100点でなければ褒めてもらえない」というプレッシャーを感じます。

アメリカの褒める育児では、「昨日しっかり準備した成果だね!」とプロセスに対して褒めます。プロセスを褒めるので、点数は100点でも80点でも、あるいは30点ぐらいでも同じように褒めます。

なのでアメリカの子供は、頑張るというプロセスを大切だと感じるようになるのです。結果がどうであれ、頑張ることがとても大切なのだ、と。

4.評価されるべきは努力、結果じゃない

しかし、ここにアメリカの子育てや教育の闇があります。

結果度外視でプロセスだけを褒められた子供は、頑張ることが評価されるべきで、結果はどうであれ頑張ったものが勝利すると考えるようになります。これは、私がアメリカで子育てした中で、とても強く感じたことであり、もどかしく感じたことでもありました。

例えば、学校で試験を行い、85点取った子がいたとします。アメリカのハイスクールでは、成績がすべて大学入試の審査材料となるので、90点取ってAが欲しい所ですが、85点では残念ながら点数が足りません。

日本人なら、大半は「自分の頑張りが足りなかあった」とあきらめるのではないでしょうか。

しかしアメリカの子は違います。85点をなんとか90点にするべく、先生に交渉へ行くのです。これ、アメリカの学校あるあるです。

「90点にするためには、何をすれば良いですか?」

と先生に交渉しに来ます。先生もそうした交渉にはなれているので、驚くことはありません。既に、そういう生徒のために別途で宿題やプロジェクトを準備している先生もいれば、「ダメなものはダメ」と突き放す先生もいます。

しかし、この考え方は、結果よりもプロセスが大切だと教えられて育つアメリカの子供の根本にある考え方だと思います。

5.社会はアメリカでも結果重視

努力次第で結果を変えられるのは、アメリカでは大学入試でも見受けられます。基本的にアメリカの大学入試は、SATやACTのスコアだけでなく、それぞれ評価基準が違う全米のハイスクールの成績や頑張ったクラブ活動、ボランティアや仕事の経験などが、まるでAO入試のように多方向から検討されます。

アメリカの入試制度についてはこちらから

この際、大学によって何をどのぐらい重要視するかは、それぞれ異なります。SATやACTの成績が良ければ、他は何でもOKという大学もあるでしょう。何でもOKとまではいかなくても、SATやACTが最低基準を超えていなければ、他が良くても不合格にする大学もあります。特に、難関大学と呼ばれるところは、その傾向が強いかもしれませんね。

テストのスコアというのは、生徒にとっては「結果」であり、「努力」というプロセスではありません。日本の大学のように、テストの結果だけで合否が決まるというわけではないにせよ、「結果を伴わない努力は実らない」という現実をアメリカの子供が初めて突き付けられるのは、もしかしたら大学入試の時なのかもしれません。

6.褒めて伸びるのは中くらいまで、その先を狙うなら?

話を元に戻しましょう。

アメリカの育児では、結果がどうであれ、親はプロセス、つまり子供の頑張りに対して褒めます。そうすることで、子供は自信がつきます。そして、もっと頑張ろうという気持ちが湧いてきます。

。。。というのはあくまでも理想論です。

もちろん、小さな子供は皆そうです。しかし子供は成長するにしたがって、ずるがしこさを覚えます。ちょっとした演技で親をちょろまかせることが分かれば、嘘も方便とばかりに嘘を塗り重ねる子だっています。

例えば、試験の前に子供が勉強せずにゲームにはまってしまい、そのせいでテストの点が70点だったとしましょう。正直者のできた子なら、

「ゲームやり過ぎて点数が悪かった。次はもっと努力する」

と自白するかもしれません。しかしそんな子は、きっと少数派です。多くの場合には、試験がいかに難しかったのかを力説し、70点は決して悪い点数ではないと真剣に説くのではないでしょうか。

頑張って70点なら仕方ありません。でももし、頑張らずに70点だったなら、どうしますか?

ここで役立つのが、私達日本人がよく知っている「管理教育」です。

取ってしまった70点は仕方ない。でも次に同じ試験をした時には、70点以上取れるようにアフターケアすることが、「中くらいよりも上」に行くためには必要不可欠な作業だと思います。

親が家庭で勉強のフォローができればよいのですが、必ずしもそういうわけではありませんよね。その場合には、「先生に時間を作ってもらったら?」とアドバイスするだけでも、子供にとっては大きな意味があります。

私の息子がハイスクールの時にも、私が分かる科目(と言っても数学しかありませんでしたが)は家庭でサポートしました。でもほかの科目に関しては、学校の先生に放課後時間を作ってもらってフォローしてもらうなど、「わからない所を放置しない」ことを徹底しました。

アメリカにはサポートしない親が多い?

アメリカの家庭では、私が見た範囲ですが、小さな年齢でも子供の勉強には一切ノータッチという親がとても多いです。勉強が好きなのも嫌いなのも個性、やりたきゃするだろうし、しなくても生きていける、ぐらいにリラックスした育児なのかもしれません。

大半がそうしたリラックス系ペアレンツの中、少数派ですが親が家庭でしっかりと子供のケアをする所もあります。勉強だけでなく、スポーツや芸術においても、そういう家庭はあります。そして、結果を出しています。

「褒めて伸びるのは中くらいまでよ」という考え方は、あながち間違ってはいないのでしょう。

初日ですっかりトラウマに!息子が経験したアメリカ給食エピソード

子供って、どんな理由でトラウマになるか分かりません。私の息子は、キンダーの初日で、なんとアメリカの給食に対してすっかりトラウマになってしまいました。

目次

  1. 酸っぱい牛乳
  2. 濡れてるチキンナゲット
  3. 大学ではすっかりあきらめの境地
  4. どんな経験からも学ばせる

1.酸っぱい牛乳

photo of boy drinking glass of milk

息子がキンダーに入る時、とりあえずランチは自宅で準備しなくてよいという事実に、私は心が躍りました。だから、キンダーが始まるまで、学校に行ったら友達と「給食」なるおいしい食事をして、とても楽しい時間を過ごせるということを、子供に言い聞かせ続けました。

息子はキンダーの初日、私に洗脳されるがままに給食に心躍らせて、学校に行きました。

しかし帰宅した彼は、半泣きでした。

「ママ、僕もう給食は食べたくない」というのです。

理由を聞くと、

「牛乳がすっぱくて飲めなかった」

「友達は誰も給食なんて食べておらず、みなランチを持参していた」

とのことでした。

ガーン。牛乳がすっぱいのは、完全に想定外でした。おそらくその日だけだったのでしょうけれど、キンダーの初日というタイミングで子供をトラウマにするには十分すぎる破壊力でした。

その後、私は毎朝、子供のランチを作って持たせることになりました。

2.濡れてるチキンナゲット

porcao de peixe

ミドルスクールに入ってからは、学校の給食を食べる子が増えました。共働きの親が多く、子供のランチなんて忙しい朝に作れない、という理由だったのだと思います。

その頃にも、私はせっせと毎朝子供のランチを詰めていましたが、ある日子供が私にこう言ったのです。

「ママ、僕、明日学校のランチを食べたいんだけど、いいかな?」

ええっ!!良いも悪いも、良いに決まってるじゃないですか!私がこの日をどれだけ待ち望んだことか!

ランチアカウントなるものは開設していなかったので、翌日には現金を持たせました。

その日の夕方、帰宅した息子は一言。

「やっぱり明日から、またランチお願い。」

ガーン。。。。

その理由を聞くと、その日のメニューはチキンナゲットだったらしいのですが、なんとベチャベチャに濡れたナゲットが出されたそうです。

友達は「おいしくないけど食べられないことはない」と食べていたそうですが、食にうるさい息子様のお口には合わなかったようです。

はい、翌日からワタクシは再び、ランチ作りに復帰しました。

3.大学ではすっかりあきらめの境地

そんな息子も、はや大学生。大学の寮に入ってキャンパスライフを謳歌しています。大学のカフェテリアには、私も何度かお邪魔したことがあり、決してまずくはないお食事をいただきました。これなら息子の大学生活も安泰だろう、と考えていたのです。

ところが、大学生活をスタートしてから数か月で、息子から電話が。

「ママ、学校の食事、マズ過ぎてダメ。どうしよう?」

はぁー??

どうしようもこうしようもない、親としては食事代で年間に5,000ドル以上(60万円近く)も払っています。不味くても、食べてもらわなければ困るのです。

「カネ払ってんだから、食え。不味くても食え。それが大学っちゅーもんじゃ」

と突き放しました。

もちろん、お小遣いを使って毎食をUberEatsやGrabHubにするわけにもいかず、息子は食べられるものを食べて生き延びていたようです。

息子曰く、「親が来る時だけ、素晴らしいメニューが出るけど、それ以外はクソみたいなものしか出さない」のだとか。私は彼に、それでも食べろ、と言いましたが。

それからは、月に2回ほど、私がラーメンやお菓子、パンなどを箱に詰めて送っています。そして、マルチビタミンも飲むようにさせました。栄養満点の食事をしてくれれば理想的ですが、まだ若いので、多少の不健康は平気でしょう。しかし、空腹に耐えるのは苦痛です。とりあえず腹は満たせよ、という母からの愛ですね。

4.どんな経験からも学ばせる

我が家の教育方針は、(決して夫や息子から賛同を得ているわけではありませんが)「転んでもただでは起きぬ」です。人生、良いこともあれば、悪いことだって当然あります。嫌な経験をすることは仕方ないにせよ、そこから何かを学べば、自身の今後の成長につながるだろう、と私は考えております。

息子のトラウマ的な学校給食に対しても、今は大学のおいしくない食事を食べるという選択肢しか、与えていません。しかし、それも大学生活という青春の1ページになると信じています。

もし将来、おいしい家庭料理やグルメなお食事をいただいた時、マズイ食事に耐え抜いた経験があれば、おいしさに対して感謝する心を持てるだろうとも期待しています。

実際、高校までは料理に対して文句こそ言えど称賛することはほぼなかった彼が、帰省して私の手料理を食べると、「学校の食事とは比べ物にならないほどおいしい!」と言ってくれます。決して私が料理上手というわけではありませんが、少しは食に対する感謝の気持ちを覚えたのだと思います。

アメリカでは給食費の未払いトラブルが起こらない?その理由とは?

日本の学校では、子供たちが食べる給食にかかる費用は、親が負担します。給食がなければ、親が毎日お弁当を作らなければならず、大変な労力や時間がかかってしまいますよね。

それに、学校で提供される給食は栄養バランスが取れているだけでなく、リーズナブルです。自治体によって毎月かかる給食費は違いますが、平均すると4,000円~5,000円程度が一般的ではないでしょうか。

しかしこの給食費、日本では未払いが大きな問題となっています。その理由は払えないとか払いたくないとか様々ですが、この未払いによって自治体は大きなダメージを受けていたり、取り立て役を仰せつかる担任の先生は、白髪が増えるような苦労を強いられています。

この給食費の未払いトラブルは、実はアメリカにはほぼありません。少なくとも、私がアメリカで子育てをしてきた中では、見たことがありません。その理由と仕組みをご紹介しますね。

目次

  1. アメリカの給食費の仕組み
  2. Free LunchとReduced Lunchとは?
  3. 該当するなら利用したほうが良い、その理由は?

1.アメリカの給食費の仕組み

アメリカでは、キンダーから大学まですべて、学校では給食を提供しています。しかし全員が給食を食べなければいけないというわけではなく、自宅からお弁当を持参する子もたくさんいます。生徒や家庭に選択権があり、家庭でお弁当を作るのが面倒な人は、給食という選択肢もあります、というスタンスですね。

この給食費は、プリペイド式になっています。親が事前にランチアカウントなるものを開設して、そこにいくらかを入金しておきます。子供は学校で給食を食べたいときに、4桁の暗証番号(PIN)を会計の時に伝えることで、子供が現金を持たなくてもランチを購入でき、学校側も未払いのリスクを回避できるという仕組みになっています。

子供が自身で現金を管理できるぐらいの年齢になると、学校側もプリペイドだけでなく、子供がその場で現金払いするという選択肢もくれます。プリペイドでもその場で現金払いでも、給食の代金は変わりません。私の息子はほとんどお弁当を持参していたので、給食代金がどのぐらいかはよく覚えていないのですが、確か1食あたり$3(500円程度)ぐらいだったような気がします。

ランチアカウントがない!子供はどうなる?

学校の新学期が始まると、子供達は学校からたくさんのお知らせをもらって帰宅します。これは、日本でも同じですよね。そのお知らせの紙の中には、ランチに関するものもあって、どのサイトでランチアカウントを開設するか、入金はどうやってできるか、といった説明が書かれています。

最初から「年間を通してお弁当を持参させます」という家庭なら、ランチアカウントを開設する必要はありません。しかし、今日はお弁当だけど明日は給食、という子や、毎日給食という家庭では、ランチアカウントを開設することが多いです。

もしも子供が給食の時間にカフェテリアに行き、給食を購入しようとしたのにアカウントに残金が入ってなかったり、アカウントが開設されていない場合には、どうなるのでしょうか?

a boy leaning his head on the table

結論から言うと、ランチは購入できません。キンダーぐらいの年齢だと、担任が慈悲の心で「今日は私が払うから」と言って購入してくれることは、あるかもしれません。しかしその場合、必ず担任から親に「ランチアカウントを開設していないので、してください」という連絡がいきます。

1回ぐらいなら、担任が費用を負担して給食を購入してくれることはあるでしょう。しかし何回も続くと、残念ながらその子はランチタイムには何も食べられない事態となります。周囲の子が給食やお弁当を食べていても、その子は何も食べられません。はい、これは親の責任なのです。

2.Free LunchとReduced Lunchとは?

「給食代が払えない貧困層に対して、それはあんまりじゃないか?」

という声があるかもしれませんね。アメリカにはそうした貧困層向けの福利厚生プログラムがあります。USDAから提供されているNational School Lunch Program(NSLP)という制度で、全米で2,300万人程度が利用しています。

公立の学校では、世帯の収入が一定以下の場合には、給食費は完全無料となります。さらに、無料になるレベルではないけれど客観的に見て生活が貧しい家庭だと認定されると、給食のディスカウント制度を利用できます。

  • Free Lunch(給食費が無料)世帯収入が、政府が定める貧困ラインの130%以内が対象
  • Reduced Lunch(割引価格)政府が定める貧困ラインの130%から185%まで

貧困ラインというのは、毎年政府が決定するもので、世帯人数によって収入のラインは異なります。

世帯の人数2022年度の貧困ライン
(Poverty Guideline)
Free Lunch
2$18,310$23,803以下
3$23,030$29,939以下
4$27,750$36,075 以下
5$32,470$42,211以下
6$37,190$48,347 以下
7$41,910$54,483 以下
8$46,630$60,619 以下
Poverty Guideline チャート

ちなみにこの貧困ガイドラインは、WICが定めるラインとは異なります。

Free LunchとReduced Lunchは、現在Webで申請できるような環境整備が進められています。それまでは、学校のカウンセラーに相談すると、必要な書類を教えてくれますし、場合によっては学校側で手続きをしてくれることもあるかもしれません。

Free LunchとReduced Lunchの申請はこちらから

Free LunchとReduced Lunch に関するガイドラインはこちらから

3.該当するなら利用したほうが良い、その理由は?

このランチプログラムは、自身の世帯が貧困層であるという一定の基準となります。子供が学校に通っている間には、とりあえず栄養のある食事ができるということは、親にとっては大きな安心感ではないでしょうか。

しかし、メリットはそれだけではありません。例えば大学入学のためのSATやACTを受験する際には、ランチプログラムで無料もしくは割引きの人は、テスト料金にも反映されます。

それに、もしも将来、子供が成長して大学を受験する場合には、Free LunchやReduced Lunchを「過去に1度でも」利用した経験があると、FAFSAをファイルする際に考慮されます。自己負担額ゼロ円と計算される可能性も大いにあります。

アメリカの大学費用についてはこちらから

進化論vs創造論、アメリカでは何割が進化論を信じてる?

進化論(Evolution)と創造論(Creation)は、キリスト教徒がそれほど多くない日本においては、論議される機会はほとんどありません。しかしキリスト教が大多数を占めるアメリカでは、進化論vs創造論は、永遠の課題と言っても過言ではありません。実際の所、どのぐらいの人がどちらを信じているのでしょうか?そして、私達の日常生活には、どんな影響があるのでしょうか?

目次

  1. 進化論とは?
  2. 創造論とは?
  3. 解決できない問題
  4. 進化論vs創造論、アメリカではどっちが主流?
  5. キリスト教信者の夫に質問してみた
  6. 学校で教えるかどうかが議論
  7. 裁判沙汰になったこともある
  8. 世界各国はどうなの?

1.進化論とは?

「種の起源」

進化論とは、一言でいうなら「人間の祖先はネアンデルタール人という類人猿」だという説ですね。これは、1959年に出版されたチャールズ・ダーウィン氏の「種の起源」に基づいた考え方で、自然選択の中で生物は少しずつ進化していくというものです。生物はそれぞれ、生活する環境に応じて少しずつ変異し、間違った変異をした種は絶えてしまい、正しい変異をした種のみが生き残れるという説です。

進化論は、科学的な考えに基づいた説です。

日本では、子供の頃に必ずこの進化論を学びます。長い地球の歴史の中で、人類がどのような経緯で誕生したのかという流れを学びます。だから、人間の先祖は類人猿だと考える人は、日本においてはほぼ100%に限りなく近いと言っても過言ではないと思います。

2.創造論とは?

一方の創造論は、キリスト教の旧約聖書の説に基づいた考え方です。科学的な根拠に基づくと地球の誕生は約45億年ほど前になりますが、創造論の中では地球が作られたのは約6,000年前となります。そして、アダムとイブが既に美しく緑が整備された楽園の中に表れて、それが人類の始まりだという説ですね。

キリスト教ではない人にとっては、創造論というと、だいたいこの部分しか知らないものです。その先の話に続きがあることは、私も含めて知らないとか興味がないという人が多いのではないでしょうか。

アダムとイブがその後どうなったかという点については、聖書を読むとたくさんの登場人物が出てきて、説明されています。ちなみに、アダムとイブは、恐竜と共にこの地球上で仲良く暮らし、氷河期が到来した時にはノアの箱舟に乗っていたから無事だった、のだとか。

3.解決できない問題

日本では、宗教の位置付けはアメリカと大きく異なります。私たちは子供の頃に進化論を学校で習い、テストのために必死に記憶しましたよね。クロマニヨン人とか北京原人、ネアンデルタール人などはすべて、この進化論の授業の中で登場する人類の祖先という位置づけです。

アメリカでは、子供は学校に行く前の年齢から教会へ通い、創造論を学びます。特に聖書の中でも最初に登場するアダムとイブについては、どんなに小さな子供でも知っている有名な登場人物です。

しかし学校に通う年齢になると、学校で教える進化論と、それまで自分が常識として認識していた創造論とが相反することに疑問を抱くのです。うちの息子も、学校で進化論を習ったけれど、創造論を信じている子どもは憤慨していたと言っていました。

進化論と創造論は、科学を信じるのか、それとも宗教を信じるのかという立ち位置によって、どちらが正しいかは変わります。実際の所、誰もその時代に生きていたわけではないので、知る由もありません。近年では大流行している都市伝説シリーズやYouTuber達が、「実は人間の祖先はサルでもアダムでもなく、宇宙からやってきた宇宙人だ」という説もまことしやかに囁かれているほどです。

私としては、真実が知りたいという点でとても興味がある部分ではありますが、地球の歴史を知り尽くした宇宙人が資料などを公開してくれる以外には、解明されることはきっとないのかもしれません。

4.進化論vs創造論、アメリカではどっちが主流?

今から20年ほど前の2004年にアメリカのテレビ局が行った調査によると、創造論を支持する人は全体の60%で、過半数を占めていました。

あれから20年がたち、2015年にふたたび行った調査では、創造論を支持する人の割合は45%と低くなり、代わりに進化論を創造する人の割合が全体の55%と過半数超となりました。

ちなみに、こうした進化論vs創造論の調査は、結構頻繁に行われていて、データ化されています。その中で分かってきたことは、

  • 若い世代ほど進化論を支持
  • 若い世代はキリスト教から距離を取る傾向もある
  • 低学歴の人は80%が創造論を支持
  • 高学歴の人は、35%程度は「心では創造論、だけど頭では進化論」、65%は「完全に進化論のみを支持」

という点です。

このうち、私が面白いなと感じたのは、「心では創造論、だけど頭では進化論」という考え方ですね。子供の頃に学んだ創造論を否定するわけではないけれど、後から学んだ進化論の方がつじつまが合っているような気がするので、そちらを支持する、ということなのでしょう。

ちなみに、私の周囲を見ても、だいたい上記のプロファイルは当たっています。

5.キリスト教信者の夫に質問してみた

私の夫はキリスト教信者です。私は違います。仏教徒です。

先日、夫と進化論vs創造論について会話をしてみました。私は基本的に、つじつまが合っていることなら信じられるのですが、そうでないものは盲目的に信じろと言われても、なかなかできません。

夫は、「心では創造論、頭では進化論」だと考えています。その夫との会話で、創造論と進化論に接点はないものだろうかと試行錯誤した所、

「もしかしたらアダムとイブは人間ではなくてミトコンドリアだったのかもしれない」

というよくわからない考えが浮かんできました。ミトコンドリアなら、環境的な条件が揃えば、無の状態からでも生まれますよね。だったら私も納得できる妥協案だなと思ったのです。

しかーし、これを敬虔な「盲目的に創造論しか信じない」義母に話したところ、ブチ切れられました。人間とミトコンドリアを一緒にするなんて、冒涜だ、ぐらいの勢いだったと思います。

6.学校で教えるかどうかが議論

アメリカの公立高校では、進化論は学校で教えます。でもネアンデルタール人とか詳しく教えてくれる先生は、たぶん地域的な特徴が許せばいるのでしょうけれど、ごく少数だと思います。多くの先生は、カリキュラムに入っているから仕方なく教えるけど、できれば教えたくない、というスタンスのようです。

その理由は、

「父兄からのクレーム」

なのです。神の教えに反しているとか、そんなものをうちの子供に教えるなとか、国が定めたカリキュラムよりも宗教の方が大切だと真剣に意を唱えてきます。

その結果、学校の先生は

  • さらっと口頭で触れるだけでテストにも宿題にもしない
  • 忘れたふりして飛ばす
  • カリキュラムが多すぎて1年ではこなせないという理由で切り捨てる
  • しっかり丁寧に教えて、後から父兄のクレームを受ける

のどれかを選択することになります。

ちなみに、キリスト系の私立学校では、進化論は全く触れない所が多いそうです。生徒や保護者からの授業料と寄付金で成立している私立なら、賢いビジネス判断なのでしょう。

昔は進化論が禁止されていた

現在では、ほぼすべての州の公立学校では、進化論を教えていると思います。しかし100年前には、バトラー法という法律があって、学校で進化論を教えることを禁止していました。ただしその中でもやはり進化論を信じる教師はいたわけで、過去には今とは逆に、

「創造論は教えない」

というスタンスもあったようです。このバトラー法は廃止となっています。

7.裁判沙汰になったこともある

進化論vs創造論の論議は、正直、同じ価値観を持つ人と論議するなら問題ありませんが、進化論信者と創造論信者が論議をしても、ケンカになるだけで終わるのが大半です。私自身、過去にそうした経験があるので、今では家族以外とはこうした話題には触れないように心がけています。たまに仕事で知り合った人から、会話の流れで創造論を吹っ掛けられることはあります。とても気分が悪くなるので、あからさまに話題を変えるようにしていますね。まぁ良識がある人は、他人とそうした話はしない方が良いと心得ているわけですが。

キッツミラーvsドーバー裁判(2005)

進化論vs創造論でケンカになるのは、私だけに限ったことではないようです。2005年にペンシルバニア州で起きたキッツミラーvsドーバー裁判では、創造論を信じるキッツミラーという名の女性が、他の父兄11名と共に、ドーバー高校を訴えたというものです。原告の言い分は「進化論は科学ではなく悪魔。そんなものを子供に教えるなんて言語道断」というものでした。しかし判決は、進化論は教えてよろしい、ドーバー高校の教え方にも問題はなかったというもので、法律は創造論よりも進化論を支持した結果となりました。

8.世界各国はどうなの?

ほかの国と比べると、アメリカは世界の他の先進国の中でも進化論を信じる人の割合がとても低い国として知られています。

各国の進化論支持率

ある調査によると、進化論を支持する人の割合が最も高いのはアイルランドやデンマーク、スウェーデンなどの北欧諸国で、その次のフランスやイギリスなどのに西ヨーロッパ諸国や日本が並びます。

東ヨーロッパに関しては、西ヨーロッパ諸国よりも進化論支持者の割合は低くなるものの、アメリカよりもずっと高く、平均して7割以上は進化論を支持しています。

アメリカの進化論支持率と同じぐらいの支持率を持つ国には、キプロスやラトビアなど、元ソ連だった国があります。

ちなみに、アメリカよりも進化論支持者が少ない国は、どこがあるのでしょうか?統計によると、イスラム教徒が圧倒的に多いトルコだそうです。