おい金返せ!ホテルで返金トラブルにあったらどうする?

ショップに返品したり、サービスで返金を受けたりすると、私たちは疑うことなく、クレジットカードに反映されているものだと盲目的に信じていることが多いものです。しかし、私が少し前に経験した返金トラブルは、目からうろこな経験でした。

目次

  1. 2週間の滞在
  2. チェックアウトの際に返金300ドル
  3. 案の定たらいまわし
  4. クレジットカード会社へ泣きついた
  5. 経験から学んだこと

1.2週間の滞在

数か月前に、息子が夏のインターンをするため、とある都市のホテルに2週間ほど滞在しました。ホテルはHome2というヒルトン系ホテルチェーンで、キッチンやリビングのスペースがついているSuiteタイプでリーズナブルな価格帯が人気です。彼はルームメイトとアパートを契約していたのですが、入居日まで2週間ほどあったため、それまではホテルにいたのです。

ホテルの予約は、私が半年ほど前に取りました。その時には具体的なチェックアウト日がまだわかっていなかったため、余裕をもって日数を確保しました。早めに予約を入れたため、本来なら一泊200ドル程度のホテルが、1泊当たり120ドルというお得な価格でとれました。

2.チェックアウトの際に返金300ドル

luxury reception in hotel

ホテルでは一般的に、チェックインした時点でチェックアウトまでの宿泊費が全額チャージされます。息子の場合もそうでした。しかし彼の場合、予定よりも数日早くチェックアウトして契約したアパートへ入居しました。

ホテルの予約システムは、何日前もしくは何時間前まででなければキャンセルできませんというルールになっています。定価で宿泊するなら24時間前までにキャンセルすればチャージはされませんが、格安料金で泊まる場合には、これが2日前とか3日前までにキャンセルしてください、というルールだったりします。

息子の場合もおそらく、数日前のキャンセルルールだったのだと思います。返金が発生すれば返してもらえるだろうと軽く考えており、細かい部分はチェックしませんでした。そして実際にチェックアウトの際に、300ドル程度の返金がありました。

こうした返金は、ケースバイケースではあるものの、多くは数日以内、遅くても2週間以内にはクレジットカードに反映されます。しかしこのホテルの場合、1か月待っても返金の事実がカードに反映されませんでした。

3.案の定たらいまわし

a sad man talking on the phone

私はホテルへ直接電話を掛けました。どうやらBilling部署で働いている人はリモートワークをしているのか、いつかけても不在で、毎回フロントデスクの人が彼のメールアドレスを教えてくれました。

彼のメールへ連絡しても、返信が返ってきません。

これまでの長いアメリカ生活の中で、このパターンはよく心得ています。シカトを決め込もうというパターンですね。ヒルトン系列の大きなホテルだったので、この対応には驚きましたが、ホテルへ直接連絡してもらちが明かないので、ネットからヒルトングループのカスタマーサービスを見つけ、そこへ連絡しました。

こちらも、アメリカらしく、人によって言うことが違います。グループの側で解決しましょうという人もいれば、ホテルへ直接連絡しろという人もいます。返金されているはずなのにカードへクレジットされていない事実を裏付ける証拠として、カードの取引明細などもすべて提出しているのですが、そうしたものに目を通していないのか、「返金したでしょ」という人もいました。挙句の果てには「グループは各ホテルの問題を解決することはできません。」と全く役に立たないアドバイスを頂戴しました。

夫に事情を話し、息子がお世話になったホテルだし、金額が300ドルでめくじら立てる金額でもなく、あきらめたほうが良いのかなと聞きました。彼は、それとこれとは全く異なる問題だから、解決するべきだと言いました。そして、時間を見つけて彼がホテルの支配人と話をしようと提案してくれました。

4.クレジットカード会社へ泣きついた

そんな中、ある日ふと、もしかしたらホテル側は返金したけれど、クレジットカード会社の側でシステムエラー的な何かが起こっているのではないか?という案がひらめきました。

そこで、カード会社へ連絡したのです。すると、

通常、法人が返金をした場合には、業者には2週間の猶予が与えられており、その期間内に返金額をクレジットする義務があります。猶予期間を超えた場合には、返金額に金利が付いた額をカード会社から業者に対して請求します。

ユーザーには、返金から2週間以内にクレジットがない場合には、Diputeする選択肢があります。

この場合には、Disputeすることをおすすめします。証拠書類とカバーレターをこちらの住所まで郵送してください。

Barclay Creditcard

とのアドバイスを受けました。つまり、ホテルが300ドルの返金をしなければ、私はホテルからチャージされた1000ドル以上を全額Disputeして良いですよ、とのことです。

本当かなと思いながらも、カード会社のアドバイス通り、Disputeしました。その後、1か月程度の調査を行った結果、私たちが払った全額ではない返金分を、無事に返金してもらえました。

5.経験から学んだこと

クレジットカード払いは、現金を持たなくて便利という利便性はありますが、それだけではありません。今回のようにトラブルが起こった時には、私たちユーザーを守ってくれる役割もしています。

これまでDisputeは、使っていないチャージをされた時にするものだと思っていました。しかし、今回のように返金されるべきものがなかった場合にも適用されることが分かりました。

ちなみに、そのホテルのレビューを読んだところ、多くの人がBilling Departmentとトラブルを抱えていることが分かりました。私たちのように返金がないという人もいれば、よくわからないチャージをされたという人もいました。皆が解決したのかどうかは知りません。夫曰く、誰かが何か悪いことをしている香りがすると。そうなのかもしれませんし、頭の悪い人が経理を担当しているだけなのかもしれません。その辺は、私にはわかりません。

もしも今回のようなトラブルが起こった場合、ホテル側が誠意のない対応をしても、クレジットカード会社が助けてくれるので、あきらめる必要はありません!

アメリカの給料日は月1じゃない!頻度別メリットやデメリットとは?

日本では、お給料日と言えば、ほとんどの会社が月に1回ですよね。締め日や給料支払い日は会社によって異なりますが、こちらの会社では毎週お給料がもらえるとか、こちらは隔週でお給料がもらえるということは、まずありません。

しかしアメリカでは、月1のお給料日は、逆にかなりマレです。うちもそうですが、サラリーマンとしてお給料を受け取っている人の約73%は、隔週がお給料日となっています。

ほかにも、お給料日の頻度はいろいろあります。それぞれ、メリットとデメリットがあるので、もしも選べるならよく考えて選びたいですね。

目次

  1. アメリカのお給料、どんな選択肢がある?
  2. お給料の頻度、最も多いのは「隔週」
  3. パートに多い「毎週」
  4. 「月に2回」は予算をたてやすい
  5. 「月1回」は人気なし
  6. 法律でお給料の頻度が決められている?
  7. 年金の支払いは月1回

1.アメリカのお給料、どんな選択肢がある?

アメリカのお給料は、多くの会社ではいくつかのオプションがあり、採用されたときに選ぶことができます。多くの場合には、

  • 毎週
  • 隔週
  • 月に2回
  • 月に1回

がオプションとなっていますが、私の夫の職場では、3か月ごととか6か月ごと、1年ごとという頻度もオプションとしてあります。誰が選択するのかはわかりませんし、そうしている人に出会ったこともありません。おそらく、「誰も選択しないオプション」なのだと思います。

2.お給料の頻度、最も多いのは「隔週」

month of january planner

お給料の頻度で最も多いのは、隔週です。つまり、2週間に1度の頻度でお給料がもらえるというものですね。上記の通り、正社員として働いているアメリカ人の73%、それ以外のパートなどでを含めても、全体の37%は隔週払いを選択しています。

隔週でお給料を受け取ることは、

  • 毎回受け取るお給料の金額は同じ
  • 給料日は金曜日が多い
  • 年間のお給料日は26回。つまり、年に2回、給料が3回入る月がある。
  • 家賃や光熱費の支払いなど、月1で支払う経費の予算組が少し面倒

などの特徴があります。

3.パートに多い「毎週」

正社員ではなく、パートとかフリーランスのように、労働時間が不規則になったり、その時によって受け取るお給料の金額が変わるという人は、お給料の受け取りは「毎週」を選択する人が多いです。アメリカで働く人の約32%は、毎週お給料を受け取っています。1週間働いたら、翌週に1週間分のお給料をもらえる、というわけですね。

お給料の頻度が毎週だと、

  • お給料が頻繁に入ってくるので生活しやすい
  • 給料日は毎週金曜日になることが多い
  • 家賃や光熱費など月1の予算組が少し面倒、使ってしまうリスクもある
  • 従業員が少ない企業はデフォルトでこの頻度になっていることも多い
  • パートタイムはたいてい毎週の給料
  • 給料は年間52回

4.「月に2回」は予算をたてやすい

月に2回のお給料は、隔週とよく似ていますが、違う点もたくさんあります。会社によって、毎月1日と15日と決めている所もあれば、15日と30日と決めている所もあります。アメリカで働く正社員のうち、約20%は、この月2回のお給料日を選択しています。

このお給料形態では、

  • 何曜日がお給料日、ではなく、お給料日によって曜日が変わる
  • 毎月必ずお給料日は2回(隔週のように3回給料がもらえる月はない)
  • 月によって労働日数は変わりますが、正社員を対象としているのでお給料の金額は毎回同じ
  • 給料は年間24回

という特徴があります。

5.「月1回」は人気なし

two glasses of white wine next to a block calendar

日本ではデフォルトとなっている月1回のお給料日ですが、アメリカでは残念ながら人気がありません。その理由は、次のお給料日まで気が遠くなるほど待たなければならないから、だと思います。この頻度を選択しているのは、全体の11%程度と、とても少数派です。

月1回のお給料だと、

  • 給料日ごとに家賃や光熱費も含めて予算を作りやすい
  • 計画的に使えない人は次の給料日までにお金が無くなってしまうリスクあり
  • 給料は年間12回

6.法律でお給料の頻度が決められている?

アメリカには、連邦政府と州政府とで、お給料の支払い頻度に関する法律があります。

連邦政府の法律では、頻度は会社の経理の都合に合わせていくつかの選択肢を提供することは認められていますが、頻度は一定の間隔でなければいけないというルールがあります。

州の法律は、週ごとに異なります。例えばメイン州では、州法によって月1の頻度は認められていません。お給料日の間隔は、長くても16日までとなっているので、毎週、隔週、月2回という選択肢しかありません。

7.年金の支払いは月1回

働く人に対するお給料は、ほとんどが毎週とか隔週、月2回など、次のお給料日までの日数はそれほど長くありません。貯金が苦手なアメリカ人にとっては、お給料を使ってしまっても、なんとか次の給料日まで生き延びられるというメリットがありますよね。

しかしお給料の支払いに関しては、頻度は日本よりも多いですが、年金の支払いになると、やはりアメリカでも月に1回となってしまいます。

受け取った収入で1か月間も暮らしたことがない人にとっては、これは精神的にストレスかもしれません。

私自身、日本では当然ですがお給料は月1でした。その後、アメリカの企業で働いて、お給料を隔週でもらえるようになったら、すっかりその頻度に慣れてしまい、月1は給料日の間が長すぎるから嫌だと感じるようになりましたね。

ちなみに、日本には日雇いバイトなどがあり、それはお給料は働いた分をその日に受け取ることができます。夜のお仕事などでも、日払いをしてもらえる職場なら、働いた分の一部もしくは全額を当日に受け取ることができます。

アメリカには、こうした日払いの制度はありません。少なくとも私が足る限りでは、聞いたことがないです。なので、日払い制度は日本独自の文化なのかもしれませんね。

ちょっと待った!その$10K、使ったんじゃなくて払ったの!

クレジットカードのデータは、すべてデジタルに管理されています。その中では、もちろんよく起こるわけではないものの、恐ろしいミスが起こることもあります!今回は、私が経験したクレジットカードのエラーによる最悪の経験をご紹介しますね。

信販系のカードは管理会社が変わる

私が過去20年近く持っているクレジットカードは、息子様の大学費用をキャッシュバック的にゲットできるUpromise系のカードです。年会費がなく、年利も低く、それでいて利用金額の何パーセントかを、息子の529プランへ自動的にキャッシュバックとして入金してもらえます。大学資金を少しでも大きく増やしたい私にとっては、とても便利なカードでした。

Upromiseカードについてはこちらから

しかしどんなに便利なカードでも、人為的なミスが起こることはあるものです。私は10年前に一度、これで大変な経験をしました。しかもちょうど、引っ越しのタイミングでした。

引っ越しのタイミングでカード完済

引っ越し先では家電を買いそろえたりするため、お金がかかります。このタイミングで一度クレジットカードを完済しようと思い、$10K (130万円程度)をオンラインで支払いました。

これで、カードの残高はゼロになるはず。でした。

ところがなんと、数日後に残高をチェックした所、残高が$20K となっていました。ゼロのはずなのに、へ?と思いました。

クレジットカードのステートメントを見ると、元の残高$10K に、さらに$10Kがチャージされているような感じでした。$10K – $10K = 0 なのに、$10K + $10K = $20Kとされたわけですね。

すぐにカード会社へ連絡しました。すると、カスタマーサービスをたらいまわしにされるだけで、全く問題が解決しません。それもそのはず、カスタマーサービスにとっては、まさかそんな問題が起こるだなんて夢にも思いませんし、きっと頭のおかしい利用者が意味不明なクレームをつけていると思ったのでしょう。

「$10Kも一気に支払う人なんているの?見たことないわ。」

「残高が$10K?それは、あなたが使ったからでしょ!」

などと言われ、埒が明かなかったので、責任者を出してもらいました。

事情を説明すると、最初は

「うちのシステムがそんな間違いするはずない」

と言っていた責任者も、私があまりにもしつこく引き下がらないので($10Kがかかっているので当然です)、調べてくれました。その結果、システムのエラーをようやく見つけたようでした。電話で保留にされること複数回、きっと電話の前に1時間以上座っていたと思います。最終的には、謝罪を受け、修正したものがオンライン上に反映されるまでに2日かかると言われました。

その2日後、問題なくカードの残高はゼロとなり、その後は問題なくカードを使えるようになりました。

この経験で学んだこと

私の経験は、頻繁に起こるわけではありません。おそらく99%ぐらいの人は、経験することはない嫌な体験だと思います。しかし、もしも私がタイムリーに金融機関側のミスを見つけなかったら?と考えると、末恐ろしくなります。20ドルや30ドルの話じゃなく、$10K です。

この経験で学んだことは、

  • 金融機関、クレジットカード会社でもミスをすることはある
  • クレジットカードの取引詳細をこまめにチェックすることは大切
  • 問題があったら早めにアクションを起こす
  • Statementや「支払いました」的なメールはすべて保存しておく

という事ですね。

アメリカで生活する上では必需品のクレジットカードですが、問題が起こった時の対応策を知っておけば、パニックになったり慌てずにさっと対処できるのかなと思います。

海外駐在vs現地採用!給料の差ってどのぐらい?

少し前にツイッターで、海外駐在の人と現地採用の人の給料差が話題となっていました。日本の企業に限らずアメリカ拠点の企業でも、海外へ駐在すると受け取る給料の額面は飛躍的にアップします。私自身、夫の異動も含めて過去に数回の海外駐在経験があり、どんな手当てがついてどのぐらいアップするのか、なんとなく理解しています。周囲には日本からの駐在者、ヨーロッパからの駐在者などもたくさんいました。ここでは、そんな海外駐在と現地採用のお給料差について、ご紹介します!

これはあくまでも私自身の経験及び周囲から取材した一般論です。「そんな手当もらってねーぞ!」「嘘つくな!」というコメントはお控えください。

目次

  1. 海外に駐在すると手当てが増える!
  2. 現地採用と差がつく理由はこれ
  3. 海外駐在は必ず儲かるのか?

1.海外に駐在すると手当てが増える!

海外に駐在するという事は、「会社の都合で海外へ行き、決められた期間、そこで会社のために働く」という事です。そのために会社は、海外での生活でできるだけ不便を感じさせなように、さまざまなお手当を出します。これが、海外駐在は高給だといわれる理由ですね。

具体的にどんな手当てがつくのでしょうか。

手当日本にいる時海外駐在現地採用
住宅手当・社宅
・アパートの借り上げ
・上限ありの家賃補助
基本的には全額支給なし
光熱費補助なし全額支給なし
自動車手当なし役職によって社用車を支給。購入費用を負担してくれる会社もアリ。役職によって社用車を支給
海外赴任手当なしありなし
教育費補助なし企業によって支給ありなし
地域手当ほとんどなし海外赴任手当に含まれるあり
そのほかの手当食事手当
交通手当
ハードシップ手当
資格手当など
帰省手当
日本で受け取っていた手当が続行するケースも多い
なし(ボーナスはあり)
手当の違い

もちろん、企業によって手当の種類は違うので、「そんな手当もらってません!」「うちはこんな手当がありますけど!」という違いはあると思います。

この住宅手当と光熱費に関しては、会社によって対応は異なります。ずいぶん昔の話ですが、私が経験した海外駐在では、会社へ住宅費と光熱費がいくらかかるかを申告して、会社が私に給料といっしょに支給し、それを私が業者へ支払うという形になっていました。(この方法だと、手当もすべて収入と計算され、日本での税金が高くなるというデメリットがあります。)

ちなみに日本で働く場合だと、住宅費に関しては

  • 会社がすでに持っている社宅に住む
  • 自分で見つけたアパートを会社が借り上げで契約してくれる
  • 家賃手当として現金を支給される
  • 中小企業では住宅手当なし

というパターンがあります。このうち税金の面でメリットが大きいのは、会社が借り上げという形で不動産業者と契約してくれる方法ですね。この方法だと、賃料は会社からそのまま業者へ流れ、自分の給料を介してのやり取りがありません。受け取る収入が多くならないので、税金も増えません。

アメリカでの現地採用では、そうした住宅手当などは一切ありません。年間いくらの給料という契約をするだけで、各種手当は一切つきません。そして契約する年俸は、日本の物価を参考にするわけではなく、現地での物価を参考にして決まります。そのため日本よりも物価が高いアメリカの都市部に駐在すると、給料が上がってもリッチな生活を堪能するのが難しい状態に陥ってしまうことがあります。

物価が高い国なら現地採用の給料は高め、物価が安い国だと給料が相対的に低めとなる傾向がありますね。

2.現地採用と差がつく理由はこれ

「駐在の給料は高く、現地採用の給料は安い」と言われる理由は、いくつかあると思います。

住宅にかかる自己負担

bedroom interior setup

海外駐在の場合には、会社が支給する金額に上限が設けられていることはあっても、ほぼ全額に近い金額を住宅手当として支給されます。私や夫の経験では、上限なしの全額会社負担という事もあれば、上限が設けられてはいるものの、上限が高く実質的には全額会社負担でした。

現地採用の場合には、この住宅費の会社負担というのは、多くの場合ありません。地域手当に含まれていると考えることはできますが、地域手当で住宅費を全額賄うことは難しいです。

この住宅費の負担分は、海外駐在と現地採用とで大きく変わる部分だと思います。夫の異動で海外赴任したときには、それまで払っていた数千ドルの家賃が突如としてなくなり、その分を貯金できました。

光熱費に関しても同じです。現地採用の場合、光熱費は給料にすべて含まれているので、別途で手当てを支給してくれる会社は、大企業でも少ないと思います。

しかし海外駐在の場合には、電気やガス、水道の光熱費は全額が会社負担でした。エアコンや暖房をつけっぱなしにして超快適な暮らしをしても、全額を会社が払ってくれます。暑くても電気代を考えてエアコンを我慢する、という生活は海外赴任中にはありませんでしたね。

海外赴任手当

日本からアメリカへ海外赴任してくる駐在者の人は、会社から海外赴任手当が支給されています。いくらかはケースバイケースですけれど、おそらく赴任場所の物価に合わせて金額が決定されていることでしょう。

現地採用でも、企業によっては地域手当がつきます。ただし、手当として基本給に上乗せされることもあれば、地域ごとに手当がすべて含まれた基本給が設定されている場合もあります。

ちなみに夫が働く企業では、地域手当が支給されています。その地域の物価によって、年収の何パーセントが支給されるという計算になっていますが、正直、その地域手当ではマイホームの住宅ローンはカバーできません。なので当然ですが、住宅費の持ち出しはあります。

海外赴任すると給料は2倍に?

私自身の感触ですが、海外に赴任すると、上記のような手当がつくので給料は海外赴任前と比較して1.5倍から2倍ぐらいになると思います。もちろん、そこから現地での家賃などを払うので、増えた分をそのまま貯金できるわけではありません。しかし、出費が減って収入が増えるという点では、確かに海外赴任することで儲かる状況にあることは、間違いないと思います。

3.海外駐在は必ず儲かるのか?

日本からアメリカに来ている駐在者は、受け取る給料の額面だけを見れば、現地採用よりも手厚く保護されていると思います。しかし、額面が大きくても、現地採用にはない負担もあります。

家族のストレス

woman and man sitting on brown wooden bench

夫婦ともに語学が堪能で、就学している子供がいない夫婦なら、海外駐在で家賃フリーな海外生活を満喫できる可能性は高いと思います。しかし、学校に通う子供がいれば、現地での学校の問題や補習校の心配があったり、赴任後に日本へ帰国した際の勉強や受験についても、頭を抱えるかもしれません。子供の年齢によっては、お父さんだけが海外赴任をして家族は日本に残るという選択をすることもあります。

そうした精神的なストレスは、現地採用にはありません。

現地採用は実力主義

現地採用=安月給、というわけではありません。アメリカは特に、その人のスキルによって給料は大きく変わります。年収2万ドル(260万円程度)で働く人もいれば、スキルと経験を評価されて20万ドル(2600万円)で働く人もいます。

海外駐在でも、どこまで会社が経費を負担してくれるかはケースバイケースで異なります。負担が少ない会社に勤めていると、アメリカに来ても自身の持ち出しが多すぎて嫌になると感じることがあるかもしれません。

海外駐在と現地採用とでは、労働契約が根本的に違います。良い面もあればそうでない面もあるわけです。受け取る給料の額面だけを見て高いとか安いというのは、比較方法としては正しくないのかもしれませんね。

出費も多い

海外へ赴任すると、落ち着くまでにいろいろな費用がかかります。その中には、会社が負担してくれない出費もかなり多いと思います。例えば、自動車の購入費を会社が負担してくれなければ、自己負担で購入しなければいけません。中古車と言っても、年式や状態によっては1万ドル(130万円程度)以上するものが多いでしょう。

またアパートを契約すれば、カーテンや家具なども必要です。日本から引っ越しで持ってきた家具が破壊されていた、なんてこともあります。家電製品は日本のものが使えないことも多く、買い替えなければいけません。

そうしたこまごまとした費用がかさみ、引っ越し貧乏となってしまう人もいます。近年ではアメリカでも家具のレンタルサービスがありますが、かなり割高です。

アメリカで2,000ドルの詐欺にあった話

私は、オレオレ詐欺などに引っかかった経験はありませんし、セールス電話に対しても、話をじっくり聞くことはありません。しかし人格者の夫はとても善人で、相手を疑わずに信じてしまう傾向があります。今回は、そんな夫が詐欺被害にあったエピソードをご紹介します。

目次

  1. 買った家にフェンスがなかった
  2. 半額は手付金、施工後に残金
  3. 訴えるか?泣き寝入りか?
  4. 解決には至らなかったけれど
  5. 詐欺に引っかからないことはできるのか?

1.買った家にフェンスがなかった

私が以前住んでいた家は、庭にフェンスがついていて、犬はいつでも外に行きたいときには自由に外に出ることができました。しかし夫の異動で引っ越すことになり、新天地で購入した家には、フェンスがついていませんでした。

ワンコのために、フェンスは必要です。私たちよりも一足早く新天地に越してきた夫は、忙しい合間を縫いながら様々な業者にアポを取り、私たちが越してくるための準備を整えていてくれました。

フェンス以外にも、壁にペンキを塗ったり、窓にブラインドをつけたり、庭にパティオを設置するなど、やることはたくさんあります。以前の家は中古住宅だったので、その辺は何もする必要がなかったのですが、今回購入した家は新築だったため、そうした作業はすべて自分たちでしなければいけませんでした。

すべて業者へ依頼しましたが、フェンス以外は問題なく対応してもらうことができました。

2.半額は手付金、施工後に残金

フェンス業者は、HomeAdvisorというアプリで見つけました。このアプリは、アメリカの巨大ホームセンターチェーンのLowesなども利用しており、Lowesで対応していない取り付け施工をしてくれる業者を簡単に見つけることができる、便利なアプリです。

そこで見つけた業者へ連絡し、見積もりを取ってもらったところ、4,000ドルだと言われました。私も夫も相場を知らなかったため、4,000ドルだと言われれば、それが安いのか高いのかもよく分からず、そういうものなのだろうとしか思いませんでした。

その業者は夫に「手付金として半額、あとは施工後に残額」と言い、夫は半額の2,000ドルを支払いました。

その後、その業者はトン面を決め込んだのです。

夫が連絡するといつも、材料を注文して納品を待ってるとか、まだ来ない、親が死んだ、Permitを待ってる、今日は大雨だから施工できない、など色々な言い訳をしてきました。そんな中2か月が過ぎ、私も息子も、そしてワンコも引っ越し先の家に合流しました。それでもフェンスはまだありません。

冷静に考えたところ、どうやら詐欺なのではないかという結論に至りました。

Permitの申請はされているのかを役所へ問い合わせたところ、それすら出ていませんでいた。はい、これで詐欺決定です。

警察へ相談に行ったら、民事案件だから裁判所へ行けと言われました。

裁判所へ行ったら、Small Court案件なのでここではない、別の場所だ、と。

3.訴えるか?泣き寝入りか?

brown wooden gavel on brown wooden table

たらい回しにされるうちに、夫も私も半分あきらめの境地になりました。でも夫は、2,000ドルは大金だから取り返すべきだ、と主張しました。

私も賛成でした。しかし、この物騒なアメリカで、なんとなくいやな予感がしたのも事実です。

業者の男は単独犯なのですが、私たちがどこに住んでいるかを知っています。もしも訴えて2,000ドルを取り返したとしても、逆恨みされて仕返しされることは、十分に考えられます。

例えば、家の前のドライブウェイに駐車している2台の車、すべてのタイヤを深夜にパンクさせられることだって考えられます。朝起きて、夫は仕事に行けず、息子は学校に行けず、車庫に入っている私の車も出せずで、家族は自宅で立ち往生することでしょう。タイヤを全交換する費用や手間、精神的なストレスや労力を考えると、2,000ドルで訴える意味はないのではないか、という気がしてきました。

4.解決には至らなかったけれど

それに、うちには子供がいます。すでにハイスクールで大きい男子ですが、まだ16歳の子供です。もしも奴が逆恨みで息子を攻撃することだって考えられます。返してほしい、たった2,000ドルと思っていても、それが詐欺師を経済的にどこまで追い詰めるかはわかりませんし、それが原因で息子に何かされたらと考えると、心配でたまらなくなりました。

だって、失うものが何もない奴は最強なのです。何をするか分かりません。

その気持ちを夫に話したところ、夫は理解してくれました。そして、じゃあ今回は泣き寝入りをしようという結論に至りました。

しかし、何もしないというのはやはり胸糞悪いものです。そのため、私はできることはしました。

警察へ被害届

auto automobile blur buildings

まず、警察に行って被害届を提出しました。やはりカネのことは民事案件だから裁判所へ行けと言われましたが、カネのことではなく詐欺被害を刑事事件として被害届を提出したい旨を伝えました。捜査や逮捕を望んでいるわけではないけれど、別の案件でそいつの名前が浮上したら、ぜひ私の案件も加えてほしい、と依頼しました。

Home Advisorへ報告

詐欺師を紹介したのは、Home Advisorです。私は、このアプリ管理会社へ報告しました。アプリ会社はあの手この手で詐欺師へ連絡を取ろうと努力してくれたようでしたが、詐欺師なので返信するはずがありません。それに、Home Advisorはユーザーと業者をマッチングするだけのサービスで、法的効力を持っているわけでもありません。運営会社側でいろいろ調査及び審議した結果、金銭的な弁済はできないし詐欺師に対して法的な措置もできないけれど、Home Advisorからは除名しました、と報告を受けました。

Taxでも申告

a woman holding white printer paper

Taxには、犯罪の被害にあった場合、その被害額を申告できるCasualtyという項目があります。そこで、申請しました。私は公認会計士ではないので、その項目が税金にどのぐらい影響を与えたかはわかりませんけれど、申告しただけでも少しだけ気分は晴れました。

BBBへ報告

BBBにも報告しました。BBBは法的措置をとれるわけではありませんし、相手は詐欺師なので、おそらく次の詐欺を働く際には社名を変更することでしょう。しかしそれでも、一応報告しておきました。

BBBについてはこちらから

関連書類はすべてデジタル保管

関連する書類は、万が一の時にさっと提出できるよう、すべてスキャンしてデジタル保管しています。テキストのやり取りは、スクショしたものを保存しました。日の目を見る日がやってくるとは思っていないものの、1%でも可能性があることに関しては、アメリカにおいては特に書類の保管はマストです。

5.詐欺に引っかからないことはできるのか?

個人の業者に依頼する場合、完全に詐欺を回避することはできないと思います。ネットで見ても、我が家より多額の被害を受けている人はたくさんいますし、中にはキッチンのキャビネットをすべて除去した後に高跳びされた、なんて被害も見かけます。

我が家ではあの一件以来、業者を探す際にはまず最初にLowesへ足を運ぶようにしました。Lowesに依頼しても、実際に施工するのは業者なのですが、間にLowesを入れることによって、万が一の時にはLowesが対応してくれるからです。この安心感は、私と夫にとっては重要ですね。

友人の中には、「Lowesから紹介される業者は、自身で集客できない業者だから、腕はイマイチ。しかもLowesから安く叩かれているので、テキトーな仕事しかしない。」と否定的な人もいます。もちろん、その理論は理解できますし、そうなのかもしれません。

信頼できる業者を友人に紹介してもらえるなら、その方法もアリでしょう。しかし、そうしたコネやツテが一切ない引っ越し先などでは、安心感のためにLowesを通すという方法も悪くない選択肢だと思います。

ちなみに、Lowesを通してプロジェクトを施行すると、もれなく1年間の保証がついています。その間に不具合が見つかれば、無償で対応してもらえます。

わがやのフェンスも、Lowesに依頼してようやく施工してもらうことができました。詐欺師が言う4,000ドルでは全く収まらず、9,000ドルもかかりました。しかし、庭にはフェンスが建ち、私も夫も、そして今は亡きワンコ様も大満足だったので、結果オーライです。

夫の死後に怒り爆発!遺族年金の闇

アメリカの年金制度は、ソーシャルセキュリティ(Social Security)という公的年金のほかに、職場を通して加入するリタイヤメントのプログラムがあります。日本でいうところの、厚生年金のようなものでしょうか。

この年金制度は、仕組みが分かればそれほど難しいものではありません。しかし、すべてを夫任せにしている専業主婦の人は、夫が亡くなった後に受け取れたはずの遺族年金がもらえず、怒り心頭となってしまうことがあります。

目次

  1. 公的年金制度ソーシャルセキュリティの仕組み
  2. 民間の年金制度はオプションが多い
  3. Survivors Benefitを選ぶとどうなる?
  4. 自分勝手な男が多くて制度がチェンジ

1.公的年金制度ソーシャルセキュリティの仕組み

アメリカの公的な年金制度は、ソーシャルセキュリティと呼ばれています。この制度には遺族年金があり、ソーシャルセキュリティを受給していた人が亡くなると、その配偶者は故人が受け取っていた金額と同額を、遺族年金として受け取ることができます。

遺族年金を受け取れれるかどうかという点については、婚姻期間などの条件はありますが、10年以上結婚していた夫婦なら、自身に全く稼ぎがなくてソーシャルセキュリティの受給要件を満たしていなくても、配偶者の立場で受給ができます。

ソーシャルセキュリティ番号についてはこちらから

2.民間の年金制度はオプションが多い

民間の年金制度にもいろいろありますが、大企業の多くは、年金制度を社員に提供しています。これはどういうものかというと、雇用期間中に毎月一定額を収め続けると、定年後には年金を受け取れるという仕組みです。加入期間、そして所得によって計算されることが多いです。

定年を迎える際には、どのような受け取り方をしたいかという点で、いくつかの選択肢が従業員へ与えられます。

  • まとまった金額を一括で受け取る
  • 毎月同じ金額を自身が亡くなるまで年金として受給し続けたい
  • 毎月同じ金額を、自身だけでなく配偶者が亡くなるまで年金として受給し続けたい

大きく分けると、この3つがあります。企業によっては、一括受け取りという選択肢がないケースもありますが、年金(Annuity)というオプションを提供している場合には、自分が亡くなるまで受給が続くのか、それとも自分の死後も配偶者が亡くなるまで受給が続くのか(Survivors benefit)かを選べるケースがほとんどです。

3.Survivors Benefitを選ぶとどうなる?

何歳まで生きるか分からない場合、亡くなるまで年金として毎月受け取ることを希望する人は多いでしょう。我が家もそうです。

しかし、自分が死ぬまでなのか、それとも配偶者が死ぬまでなのかは、できるだけ早い段階で夫婦で話し合っておく必要があります。相手を信頼しきっていると、稼ぎがない配偶者は地獄を見ることになりかねません。

働いていた自分が死ぬまでの受給、自身より長生きする配偶者が死ぬまでの受給を比べると、毎月の受給額は10%~15%程度変わります。そう、減ります。だから人によっては、配偶者のための遺族年金は付けずに、その代わり多めの金額を自分の生きている時にもらおうと考える人がいるのです。

例えば「自身が亡くなるまで」を選択すれば毎月$3,000受給できる人がいたとしましょう。自分の死後に残される配偶者の面倒を見ようとすると、毎月の受給額は10%~15%下がるため、$300~$450程度少なくなります。

それだけではありません。仮にそのオプションを選んでも、自身の死後に配偶者が同額を受給できるというわけではなく、多くの場合には、自身が受給していた金額の約半額程度となります。

つまりこの場合には、毎月$3,000もらえるはずの受給額が、遺族年金にすると受給額が減って$2,500程度となってしまい、自身の死後に配偶者が受け取れる額は$1,300程度になるというわけです。

この差をどう受け止めるかは、世帯ごとに様々だと思います。

4.自分勝手な男が多くて制度がチェンジ

もしも妻が専業主婦だとしたら、妻にとっては年金に関してもすべて夫頼りとなります。妻が稼いで夫が専業主夫の家庭なら、立場は逆ですね。

「きっと夫がきちんとしてくれているだろう」と思っていても、夫がSurvivors Benefitを選択しなかった場合、夫が亡くなると妻の手元に入ってくるのは、公的年金以外はゼロです。

「あのクソ野郎!死んでからとうとう本性を見せやがったな!」

と憤っても、後の祭りです。

私の知り合いでも、そういう方がいました。夫が亡くなってから遺族年金が入ってこなくなり、公的年金だけを月に800ドル程度受給している、とその女性はおっしゃっていました。ちなみに、公的年金は、遺族年金をつけないという選択肢はありません。そのおかげで、彼女は800ドルを受給できているのです。もしも公的年金に遺族年金を付けないという選択肢があったとしたら、彼女の亡くなった旦那様はおそらく、「つけない」を選択していたかもしれません。そうしたら、彼女は高齢で無収入、路頭に迷うことになります。

体は健康でまだまだ元気な方でしたけれど、生活ができないため、泣く泣く子供の家に同居させてもらっているそうです。子供がいただけラッキーでした。そして、子供が受け入れてくれたこともまた、ラッキーだったと思います。

ちなみに、こういう人は、決して少数派ではありません。「自分が稼いだ金なのだから、自分でどう使おうと勝手だろ!」という考え方の人が少し前のアメリカにはとても多かったらしく、そのせいで路頭に迷う未亡人が多発してしまったのです。

そのために現在では、Survivors Benefitを選択しない場合には、配偶者の署名捺印だけでなく、公証人の元で公証してもらうという面倒な手続きが必要となりました。

クレジットカードの不正利用は日常茶飯事!どうすれば良い?

クレジットカードを利用する人にとっては、万が一の不正利用の際にどう対処すればよいかを知っているかどうかで、安心感は大きく変わりますよね。私は基本的にキャッシュレスな生活をしていて、お財布の中に現金は2,3ドル程度しか入っていません。少額な買い物でも、駐車場の支払なども、そして自動販売機でも全てカードが使えるので、現金が必要なことって、近年では本当に少なくなりました。

しかし、クレジットカードやデビットカードを使う機会が増えれば増えるほど、やはり不正利用の被害にある確率は高くなります。私自身、これまでカードを紛失したとか、友人に貸したということは一度もありませんが、それでも不正利用されたことは何回かあります。どのように解決すれば良いのかを、ご紹介しますね。

目次

  1. 不正利用は増えている、しかし消費者は守られている!
  2. アメリカのDisputeはオンラインでもできる!
  3. Disputeの流れ
    1. カード会社のマイアカウントにログインする
    2. 不正利用された取引をピンポイントで選択する
    3. 報告すると、カードは使用停止
    4. すぐに返金してくれる、そして調査がスタート
    5. 調査にかかる期間は約1ヶ月程度
    6. うっかりDisputeしたものが自分のチャージだった!どうする?
  4. Disputeはクレジットスコアに影響する?

1.不正利用は増えている、しかし消費者は守られている!

日本よりもキャッシュレス化が進んでいるアメリカでは、ほぼすべてのクレジットカードおよびデビットカードに対して、「万が一の際の不正利用に関しては、ユーザーに支払い責任はありませんよ」というプロテクションがついています。以前では、クレジットカードだけについていた補償で、デビットカードにはついていませんでした。でも現在では、デビットカードにもついているので、不正なチャージがあっても、ユーザーは費用負担する必要はありませんし、裁判で戦う必要もありません。全て、カード会社および金融機関が代理で対応してくれます。

ほぼすべてのカードにこの補償はついていますけれど、100%ついているかどうかは、ごめんなさい、ちょっとわかりません。そのため、もしもこれから新規でカードを作るなら、この補償がついていることを確認した上で申し込むことをおすすめします。

この補償はスタンダードな補償としてついています。有料オプションではありません。もしも有料オプションだとしたら、別のカードを検討したほうが良いかもしれませんね。

ちなみに、不正利用を報告することを、Dispute(ディスピュート)と言います。日本では、チャージバックと呼ばれている制度ですね。

2.アメリカのDisputeはオンラインでもできる!

私は、日本でチャージバックをした経験がないので、どのぐらい面倒な手続きなのかは分かりません。しかしアメリカでは、複数の金融機関でDisputeをしており、流れはだいたい把握しています。

アメリカのDisputeは、金融機関によって、オンラインでできることもあれば、カスタマーサービスへ電話をかけてDisputeする場合もあります。英語が苦手な人にとっては、オンラインの方が便利だと思います。でも、Disputeの手続がオンラインでも電話でも、手続きの流れ自体は変わりません。

3.Disputeの流れ

Disputeの流れをご紹介しましょう。

  1. カード会社のマイアカウントにログインする
  2. 不正利用された取引をピンポイントで選択する
  3. 報告すると、カードは使用停止
  4. すぐに返金してくれる、そして調査がスタート
  5. 調査にかかる期間は約1ヶ月程度
  6. うっかりDisputeしたものが自分のチャージだった!どうする?

カード会社のマイアカウントにログインする

オンラインでDisputeする場合には、カードの公式ホームページからログインしてください。どこにDisputeのメニューがあるかは、ホームページごとに異なりますが、カスタマーサービスのメニュー内に設置されていることもあれば、一つ一つの取引(Transaction)の画面からDisputeできることもあります。

不正利用された取引をピンポイントで選択する

どの取引が不正利用されたのかを、ピンポイントで選択していきます。1つだけ不正利用された場合もあれば、複数の不正利用もあります。一つ一つに対してDisputeが必要なこともあれば、複数まとめてDisputeできることもあり、金融機関ごとに異なります。

報告すると、カードは使用停止

不正利用をDisputeすると、多くの場合には、そのカードはCompromiseされたとみなされて、使用が停止となります。もしも夫婦Joint名義で持っていたクレジットカードなら、同じカード番号なので、どちらも使用停止となります。デビットカードの場合には、口座名義はJointでも、カードの番号は夫婦で異なり、不正利用された人のカードのみが使用停止となります。

カードが使用停止になっても、すぐに新しい番号のカードを郵送してくれます。ただし、今日Disputeしたら明日に新しいカードが届くというほどの迅速さではありません。早くても数日、遅ければ1週間程度は、カードがなくて不便極まりない生活となってしまう可能性はあります。

アメリカのクレジットカード事情についてはこちらから

まず返金、そして調査がスタート

Disputeすると、当日もしくは翌日あたりに、不正利用分の金額と同額を、とりあえず返金してくれます。この「とりあえず」というのは、その後金融機関が調査を行い、もしも不正利用でなくてユーザーに非があると分かった場合には、再度その金額がチャージされるからです。

しかし、本当に不正利用なら、堂々としていて問題ありません。

調査にかかる期間は約1ヶ月程度

金融機関の調査は、早ければ2週間程度、平均すると約1ヶ月ぐらいかかることが多いですね。どんな調査をするのかというと、不正利用があった業者やショップへ問い合わせをして、その利用に関して、不正な利用かどうかを確認します。例えば、支払いの際に署名をしているなら、署名を確認して、本人ではないことを確認するのだと思います。

もしも海外で不正利用されたという場合には、Disputeの調査は結構素早く終することが多いようです。私は以前、自宅から車で約2時間のロケーションで、不正利用をされました。その時には、Home Depotで$1,000、Bed Bath&Beyondで$400程度の利用でした。その時にはオンラインではなく電話でのDisputeでしたが、カスタマーサービスの人に「自宅から結構近いですよね?」的な質問を受けたことを覚えています。

しかしそういう質問は、決して「実は不正利用じゃないのでは?」という疑いではなくて、カード払いをしたけれど覚えていないというケースがあるからなのでは、と思います。だって、自分が使ったものをうっかり忘れていた場合でも、Disputeをすれば金融機関は人件費をかけて調査するわけです。無駄な手間を省くために、確認しているのでしょう。

Disputeの調査が終了すると、金融機関によっては、「Disputeの調査が終了しました」というレターを郵送してきます。何も送ってこない金融機関もあります。

うっかりDisputeしたものが自分のチャージだった!どうする?

お恥ずかしながら、私はコレ、一度だけ経験があります。我が家では、光熱費などもすべてクレジットカード払いにしており、給料日に必要経費をカードへ支払っています。ショップでの買い物なら、Macy’sとかBestBuyなど店名がはっきり取引明細に記載されるので、自分が使ったかどうかは明白です。

しかし、光熱費の支払だと、利用している業者とは全く違う、聞いたことがない業者からのチャージになっていることがあります。要注意です!これは、公共料金を提供している業者が、支払い業務を他社に委託していることで起こります。

私がうっかりDisputeしたものは、電気料金でした。この時には、Disputeしてから2週間ぐらいで金融機関から電話がかかって来て、「この料金、公共料金っぽいのですが、本当に身に覚えがありませんか?」と質問されました。

「え?公共料金はカード払いしてるので、もしかしたら自分かもしれない」と思い、その場でパソコンを立ち上げて確認した所、電気代とぴったり同額でした。この時には、悪意があるDisputeではなかったので、ごめんなさいと謝罪をして許してもらえました。

ちなみに、悪意のあるDisputeをすると、カードが使用停止になるだけでなく、訴訟問題とか刑事事件に発展するリスクもあります。くれぐれも、悪知恵は働かさないようにしましょう!

4.Disputeはクレジットスコアに影響する?

クレジットカードやデビットカードの不正利用をDisputeした場合、基本的にはクレジットスコアにマイナスの影響はありません。しかし、場合によっては不正利用のせいで不本意にクレジットスコアに影響が出てしまうケースはあります。

クレジットスコアやクレジットレポートについてはこちらから

不正利用のせいで自動引き落としができなかった場合

デビットカードを使っていると、クレジットカードへの支払やローンの支払いを、自動振り替えできる設定にしている人は多いですよね。自分自身ではきちんと十分な残高が口座に残っていることを確認していても、不正利用のおかげで残高不足となり、自動引き落としができない可能性は、ゼロではありません。

もしも残高不足で引き落とし不能となってしまったら、自動車のローンでも住宅ローンでも、支払い遅延というマイナスの影響を受けてしまいます。多くの金融機関では、ローンやカードの支払期日を設定するだけでなく、数日間のGrace Periodという枠を設けており、その期間内に支払いをすれば、遅延の扱いにはなりませんよ、というルールがあります。

不正利用にすぐに気づいてすぐにDisputeすれば、即日もしくは翌日あたりに返金されるので、ローンの引き落としも遅延にならない枠内で対処できる可能性は高くなるでしょう。しかし、精神的なストレスがマックスになることは、言うまでもありませんね。

そうした悲劇を回避するためには、銀行口座にOverdraft Protectionを付けることをおすすめします。これは、例えばChecking Accountの口座が不足しているけれどショッピングやカードの支払いなどが必要な時には、ペナルティを払うことでSavingAccountから自動的に口座振替してくれる、というサービスです。多くの銀行では、無料で設定できることが多いですし、オンラインでも簡単に設定できます。

ちなみに、このOverdraft ProtectionによってSaving口座から自動振替されると、ペナルティとして約12ドルぐらいがチャージされます。これは1日1回のペナルティです。同じ日に何回もショッピングや支払いがあってマイナスが大きくなっても、ペナルティは12ドル程度。わずか1ドルの残高不足でSavingから自動振替された場合でもペナルティは12ドルとなります。

一般的に、店舗を持たないネット銀行では、このペナルティは無料の設定が多いです。そのせいでしょうか、近年では規模が大きな銀行でも、ペナルティを無料にするところが増えています。とても良いですね。

20年で元金が勝手に2倍!専業主婦や学生におすすめの少額積立投資はコレ!

日本では、マイナス金利など金融に関してはあまり嬉しくない情報ばかりですが、アメリカの金融市場は、日本ほど悲惨なわけではありません。以前と比べると金利は全般的に少なくなっているものの、長期的なスパンならかなり高い確率で増えてくれます。

投資というと、

「まとまったお金がなければどうせ増えない」

「専業主婦だし、知識もないし、無理」

という人が多いと思います。簡単そうに見えて、現実的には意外とハードルが高いんですよね。ここでは、私が1年ほど前から始めて息子と一緒にしている「少額積立投資」をご紹介しますね。

目次

  1. 積立投資って何?
  2. 積立投資のメリットとデメリット
  3. 少額で始める人はコレで選ぶべし
  4. 超簡単、しかもほぼ放置、それでも増えるのはAcorns

1.積立投資って何?

積立投資とは、市場の変動に関係なく、週に1回とか月に1回という頻度で、定期的に一定額を積み立てるタイプの投資方法です。短期スパンではなく長期スパンで行うのが特徴で、10年後、20年後を見据えて大きなリターンが期待できます。

積立投資商品は、アメリカだけではなく、もちろん日本にもあります。少額で始められるものもあって、よく知られている所なら「積立NISA」などがあるのではないでしょうか。

積立投資の特徴は、

  • 自分で銘柄を選ぶ必要がない→専門知識がなくてもOK
  • 少額で始められる→積み立てていけばやがては大きな資金となる
  • 市場の動きを考える必要なく、どのタイミングでも始められる

などがあります。これまで投資に挑戦したことがない人にとっては、どれもプラスなメリットのような気がしませんか?積立投資は、専門知識がない人や、少額でコツコツ始めたい人のための商品だと思います。

2.積立投資のメリットとデメリット

メリット

  • 銘柄は投資のプロが選んでくれるので、私たちは選ぶ必要がない
  • 複数の銘柄が信託としてまとめられているので、分散投資ができる
  • 長期間コツコツ積み立てることで、時間分散効果もある
  • 市場の変動はほぼ気にならない。放置状態でもOK
  • 専門知識がなくても始めやすい
  • リスクが限りなくゼロに近い(投資である限り、ゼロにはなりません)

デメリット

  • サービス料がかかる→金融機関ごとに異なるので、上手く選べば問題なし
  • 短期間で解約すると、期待するほど増えないし、市場の状況によっては原価割れするリスクもある→長期間続ければ、このリスクは限りなくゼロになります
  • 自分で銘柄を選べない→AppleとGoogleだけに投資、ということはできません
  • 一度にまとまった金額を銘柄に突っ込むタイプの投資ではない
  • 株価が安い時に買っても、長期的にはほぼ意味がない
  • 金融機関が倒産すると、全てを失う→だいたいM&Aで乗り切るので心配不要

3.少額で始める人はコレで選ぶべし

株や投資に慣れていない人にとっては、正直、話を聞いているだけで眠くなると思います。私も最初はそうでした。でも大丈夫。アメリカにはたくさんの金融機関があって、その中には少額で積立投資したい人でも大きく増やせる商品が、いくつかあります。

積立投資を始める際には、いくつか注意点があります。何でもOKというわけではありません。これを知らないと、口座を開設して始めたけれど、不満ばかりが募る結果になるかもしれないので、注意してくださいね。

少額で始める人がまず最初にチェックすることは、

手数料ができるだけかからない商品を選ぶこと

が何よりも大切です。手数料のかかり方などは金融機関によって違いますが、積立投資商品の場合には、毎月いくらと言う感じで手数料がかかる所が多いです。例えば、5ドルを積み立てたのに、手数料が4ドル持っていかれたのでは、実質的に投資できる金額はたったの1ドルとなってしまいますよね。手数料が4ドルの金融商品は、毎月500ドル投資できる人にとってはリーズナブルかもしれませんが、毎月5ドルを積み立てたい人には、向いていないのです。

4.超簡単、しかもほぼ放置、それでも増えるのはAcorns

私がオススメするのは、実際に去年あたりに息子に紹介して、良さそうだったので私自身もその後始めたAcornsという積立投資商品です。これは、

積立は毎週5ドル~

この部分が、私が息子にAcornsをすすめた大きな理由の一つです。息子はまだ大学生ですが、アルバイトでわずかばかりの収入があります。働き始めたら安定した収入が入ってくるのでしょうけれど、それまでに投資や金融のざっくりとした仕組みやメカニズムを体感してもらいたかった、というのが私の考えでした。

毎週5ドルなら、月に換算しても20ドルです。このぐらいなら、学生でも十分に可能な金額ですし、「精神的に負担にならない金額」だと思います。積立投資に関しては、どんな時でも金銭的かつ精神的に負担が少なく家計を圧迫しない金額であることが、とても大切です。

ちなみに、私も息子から数か月遅れて始めましたが、毎週10ドルを積み立てています。このぐらいの金額なら、専業主婦の人でも十分にできると思いますし、もしかしたら旦那さんにもバレることなく財を築けるかもしれません(笑)。

「知らない間に勝手に貯まる」ことは、大きな魅力だと思います。

ちなみに20歳の息子が60歳まで続けた場合、日常生活の中でほぼ「忘れてた」積み立てが、なんと$100Kとなります。これはあくまでも平均的なリターンによってAcornが計算した予想ですが、60歳になった時に「大昔にママが勧めて初めたもの」がまとまった資金になることは、決してマイナスにはならないと思います!

手数料は月に3ドル~

手数料が毎月たったの3ドル~というのも、私がAcornsを気に入った理由ですね。上記しましたけれど、少額での積立をマックスに増やすためには、手数料を可能な限り減らすことが得策です。

Round-up制度

これはどういうものかというと、例えばスーパーに行って$49.50使ったとしましょう。$49.50を支払うと感覚的には$50払った気がする人は多いですよね。AcornsのRound-upシステムでは、この差額の$0.50を投資に回す、という仕組みです。週に1度、それぞれいくら使ったのかを計算して、Round-up分が定期的な積立とは別に、投資口座に入るのです。

ただしこれはオプションなので、毎週の積立金だけで良いという人は、する必要はありません。私自身は、このRound-up制度を利用していますが、息子は使っていません。

リタイアメント向けのIRAにすることもできる

基本的に、この積立投資は課税対象ですが、Traditional IRAやRoth IRAにしてもらうこともできます。私の場合、既に別の所で既にIRAはしているので、AcornsではIRAタイプにはしていません。

Checking Accountも作れる

Acornsは投資がメインの金融機関ですが、Checking Accountも作れます。その他には、子供の教育費を貯めたい人向けのサービスもあるようですね。

ちなみに近年では、金融機関の中には、給料日よりも1日とか2日早くお金を入金しますよ、という所が増えています。会社は何日も前にお給料の振込手続きをしているので、金融機関にとっては、それを1日や2日早めにリリースした所で、大きな痛手にはならないのでしょう。

Acornsでは、Checking Accountを作ってお給料の振込口座にすると、給料日よりも2日間早く入金してくれるというサービスがついています。

ちなみに、Acornsは店舗を持たないネット型の金融機関です。Checking Accountを開設すると、デビットカードを発行してもらうことができますが、ATMを利用した時にかかる手数料は、全て返金してくれるというサービスがついています。

それ以外にも、Overdraft Protection Feeがかからないという魅力もあります。大手の銀行だと、Checking Accountが残高不足になってOverdraft Protectionが発動すると、手数料が1日当たり12ドルかかる所があります。それがかからないということは、残高ギリギリでやりくりしている家庭にとっては、大きなメリットだと思います。

アプリが使える

アプリが使えると、時間のある時に「いくらぐらい増えているのかな?」と気軽にアプリで残高チェックができます。始めたばかりの頃には、それほど大きく増えませんけれど、何年も継続すれば、残高を見る度にワクワクするぐらい増えているはず。スマホを手放せない人が多い時代だからこそ、ワクワクできるアプリって大切です。

ちなみに、アプリを使うと、将来どのぐらい元金が増えるかという見通しを、グラフで表示してくれます。これは現在の市場動向に基づいたリターン予測ですが、それによると20年で元金とリターンが同額、つまり投資した元金が2倍に増えるという計算です。

日本の積立投資では、20年で元金が2倍には増えてくれません。そう考えると、アメリカにいるからこそ、アメリカ金融市場の旨味を少しぐらい味わいたいものです。

Acornsをチェックしてみたい人はこちらから

[マネー講座3]カネは平等じゃない!

これまでのマネー講座では、どんな収入でもしっかりと将来に向けて資産形成するために必要なマインドについて学びました。いよいよ今回は、より実践的な内容になります!いきなりここから読んでいただいても置いてきぼりを食らうということはありませんが、まずは正しいマインドを持ったうえでこの実践編を読んでいただいた方が、より納得できるかと思います。

[マネー講座1]カネに舐められるな!主導権を掴め!はこちらから

[マネー講座2]過去を振り返るべからず!無意味な期待もするべからず!はこちらから

目次

  1. 人生は一度きり、だからこそ心の平和が欲しい!
  2. 考えられる最悪の状況とは?
  3. 心とカネの関係
  4. 親も子も悩む「教育費」
  5. 首を絞める「クレジットカード」の対処法
  6. まとめ

1.人生は一度きり、だからこそ心の平和が欲しい!

人生は一度しかありません。YOLO(You Only Live Once)という言葉もあり、一度きりの人生なのだから充実したものにしようという意味で使われています。しかしこうした言葉を聞くと、とかく

「人生は楽しむべき。貯金なんてしてる場合じゃない」

「なるようになる。若いうちはどんどん使ってどんどん遊べ」

「資産形成?そんなものは年取ってから考えればよい」

と刹那的な発想になってしまう人は少なくありません。ハッピーという感情と、カネという現実を切り離して考えることができず、どちらか一方を選ばなければいけないと考えてしまうのです。

ケーススタディ:9-11のその後

アメリカでは、2001年にニューヨークの貿易センタービルがテロリストによって攻撃されるというショッキングな出来事がありました。多くの人が亡くなりました。政府から遺族へ支給されたお見舞金はとても少なかったと以前メディアで話題になりましたが、それとは別に、多くの人が生命保険によってまとまったお金を手にしました。

生命保険というのはもともと、自身に万が一のことがあった時に家族が路頭に迷わずに済む、という目的で加入するものです。9-11で保険金を受け取った遺族の中には、もちろん当面の生活費に充てるなど、必要な所に使った人はたくさんいました。

しかしその一方で、それまでの人生で手にしたことがない大金を手にしたあまり、完全に間違った使い方をしてしまった人がたくさんいたことはご存知でしょうか?

  • お金に困っていた友人に、まとまった金額を渡して助けた
  • 故人が生前に夢だと語っていたビーチフロントに別荘を買った
  • 親戚がおカネを貸してほしいと寄って来て、手元にほとんど残っていない
  • 自分をハッピーにするために使わなければいけないと考え、欲しくもない高級ブランドのバッグを買いあさった

など、例を挙げたらきりがありません。

どんなおカネの使い方をしても、使ったその時には一時的にハッピーな気持ちになれるかもしれません。しかし、その後の生活は大丈夫なのでしょうか?

多くの人は、生命保険を受け取ったものの、何に使ったのかよくわからないうちになくなってしまい、愛する人を失った悲しみが消えるわけでもなく、それでいて生活にも困窮するという事態に陥ってしまいました。

ケーススタディ:アリとキリギリス

日本人なら誰もが知っているイソップ童話の一つに、アリとキリギリスがあります。これは、夏の間に働きもせずに遊び惚けていたキリギリスと、冬に備えて夏の間、遊びを我慢してコツコツと働き続けたアリを描いた寓話です。

この物語の結末には、いろいろなパターンがあります。その中でも、後から書き換えられた結末ではなく、オリジナルの結末はどうだったのか、知っていますか?

これは、「アリはキリギリスを助けず、キリギリスは死んでしまう」という結末です。モラル的に問題があるということで、アリはキリギリスを助けるという結末に後から書き換えられたりもしましたが、残念ながら助けてしまったのでは、イソップが最初に目的としていた「学び」の方向がずれてしまいます。

アリとキリギリスは、私が大好きな寓話です。その理由は、アリとキリギリスそれぞれの生き方と結末が、おカネに対する考え方と将来起こるであろう結末に、非常に類似しているからです。

アリが夏に必死に働いたのは、どうしてでしょうか?働きたいからではありません。遊びたくなかったわけでもないでしょう。遊びたいという「感情」を我慢して、「必ずやってくる冬」のために、コツコツと貯蓄をしたのです。

その一方でキリギリスは、「将来のことを考えず」「なんとかなるさ」という気持ちを持ち続け、「今の幸せ」を重視していました。その後に回ってきた「ツケ」が、死だったのです。

2.考えられる最悪の状況とは?

おカネが全てではありません。しかし生きていくうえでは、全ての事におカネが必要です。これ、闇金ウシジマ君の名言の一つです。私達の人生にとって、考えられる最悪の状況とは、何なのでしょうか?

そうです、キリギリスのような「死」です。

具体的には、

  • 年金が入ってこない(働いて年金を収めていなければ、一定の年齢に達しても年金はもらえません)
  • 生命保険がない(加入して長期間払い続けなければ、受け取れません)
  • 貯金がない(これもコツコツと貯め続ける作業が必要です)

これらが全て当てはまってしまうと、老後はとても大変な貧困を経験することになるでしょう。現代社会なら、公的機関からの福祉サービスがありますから、キリギリスのような死を迎えずに済むかもしれません。しかしその場合でも、決してハッピーとは言えない生活が永遠と続いてしまいます。

どうすれば良かったのか?

生命保険を受け取った遺族を思い出してください。この遺族たちは、どうするのが正解だったのでしょうか?

おカネの観点からみる正解は、「負債を可能な限り完済する」の一択です。

世帯ごとに、抱えている負債は異なります。金額が大きいものだと、家のモゲージ(住宅ローン)があるでしょう。その他には、自動車ローンやクレジットカードの返済、その他学生ローンの返済もあるかもしれません。

生命保険のようなまとまった金額が入ってきた場合には、まず最初に、負債をできるだけ完済するのが、将来的にハッピーになるためには最善です。返済してもしなくても、故人をなくした悲しみは消えません。数年後に振り返った時、生命保険で負債がなくなっていれば、心情的な悲しみは残っていたとしても、金銭的な苦しみは軽減できるでしょう。

しかし返済していない場合には、心情的な悲しみに加えて金銭的な悲しみも加わって、二重の苦しみが続くことになってしまいます。

ちなみに、臨時収入が入った場合の賢い対応という点では、宝くじに当たった場合や、ボーナスが入った場合なども該当します。

3.心とカネの関係

人生は一度しかありません。だからこそ、できるだけ多くの時間をハッピーに過ごしたいものです。しかしハッピーでいることは、必ずしも散財しろとか浪費するのが良いというわけでもないのです。

ハッピーな人は、心に余裕が生まれます。焦りや恐怖、不安から解放されて、もっと幅広く物事を見ることができるようになります。おカネについても、例外ではありません。

ケーススタディ:株価急落

stock exchange board

全く同じ状況にいても、心にどれだけの余裕があるかどうかで、対応は大きく変わります。例えば、同じ時期に同じ証券会社で、同じ株銘柄を同額購入した2人がいたとしましょう。

Aさんは、株だけでなく他にも預貯金を持っており、長期的な資産形成に積極的に取り組んでいます。一方のBさんは預貯金が全くなく、この銘柄の株価が上昇してくれなければ真剣に困るという状況です。

この二人、株価が急落した場合に、どんな対応をすると思いますか?仮に、同じファイナンシャルアドバイザーが「もう少し待つと株価は再上昇するから、待った方が良い」とアドバイスをしても、心の余裕で人の行動は大きく変わります。

Aさんは専門家のアドバイスを受け、「底値なら買い増そうかな」と考え、更に投資をしました。

しかしBさんは、専門家にそうアドバイスされても不安を抑えられず、手持ちの75%を手放してしまいました。

全く同じ条件で同じものを購入しているわけですから、AさんとBさんが持っている銘柄の時価は全く同じです。その状況でも、心に余裕がある人なら「底値なら買い増して、将来増えることに期待しようかな」と考えられます。しかし余裕がなければ、「このまま下がり続けたら自分には何も残っていない」という恐怖心から、損切りという手段を選択するのです。

株価が急落した時に、買い増すことが良いのか、それとも損切りするのが良いのかについては、市場の状況によっても変わるため、必ずしも買い増すことが良いというわけではないでしょう。しかし、心の余裕という点では、AさんとBさんとでは明確な差があることはお判りいただけたのではないでしょうか。

4.親も子も悩む「教育費」

毎年上がり続ける教育費ですが、アメリカの私立大学の中には、年間の学費が8万ドル(約880万円)という信じられない大学もたくさんあります。4年間通えば、かかる学費だけでも家が一軒買えるほどになってしまうでしょう。

私立大学にかかる学費がこんなに高くても、アメリカ人全員がこの金額を子供が大学へ進学するまでに貯蓄できるわけではありません。一部の上級国民を除いた大半は、教育ローンなどのローンを頼らなければ、学費を工面できません。

ケーススタディ:学費地獄で親破滅

group of friends hanging out

多くの子供は、親の真の経済状況を理解しているわけではありません。私の父親のように、親が毎日のように「あーうちはカネがねー」と言っていれば、そうなのだろうという気もするでしょう。しかし多くの場合には、親は子供に気を遣わせないように、少しぐらい苦しい状況でも隠そうとしますよね。子供が大学を選ぶ際にも、カネが原因であきらめさせたくないという一心から、ついつい無理をしてしまいがちです。

Aさんは、子供のころから比較的欲しいものは何でも親に買ってもらえたので、「うちはそれなりに裕福な家庭なのだ」という意識を持っていました。大学を選ぶ際にも、田舎にある大学ではなく、刺激的な都会にある大学へ行きたいと思いました。親に相談したら、二つ返事で「行きたいところに行けば良い」と言われたほどです。

彼女が進学した大学は、ニューヨークのマンハッタンにある大学でした。学費と寮費だけでも結構な金額を親は負担してくれていましたが、Aさんは大学2年生から、友達とアパートを借りて住むことにしたのです。寮費と比べるとアパート代は若干高かったのですが、Aさんは「うちの親なら大丈夫」と思っていました。

その後も、休みには友達とショッピングや外食を楽しんだAさん。正直なところ、親にどのぐらいの金銭的負担がかかっているかは、あまり考えていませんでした。

そんなAさんが大学4年生の時、両親が持ち家を手放してアパートへ引っ越すことを知りました。不思議に思ったAさんは、両親に聞きました。父親は「アパート生活も悪くないと思ってね」とダウンサイズを強調していましたが、母親の表情が暗いことに気づいたAさんは、母を問い詰めたのです。そうして母の口からきいたことは、Aさんにとって衝撃的でした。

なんとAさんの両親は、Aさんの学費を捻出するために、ローンを借り、それでも足りない分はクレジットカードを使い、それでも足りなくなったために自宅を担保に入れてお金を工面していたのです。そんな時、父親の会社が倒産してしまい、毎月の支払ができなくなってしまったのです。

Aさんは憤慨しました。自分は別に、生活費が高い都会の大学へ進学する必要はなかった。なんなら地元の大学へ進学して自宅から通学し、アルバイトをしながら自分で学費を工面することもできた。寮からアパートに引っ越す必要もなかったし、外食やショッピングもする必要がなかった。もしも親がそんな状態だと知っていたのなら…。

しかし、どう思ってももう遅すぎます。

何が間違っていたのか?

このケーススタディでは、何が間違っていたのでしょうか?

間違い1:親子で経済状態の認識が違っていた

親子でも、家庭の経済状態を正しく認識しておくことは、とても大切なことです。しかも子供は、大学へ進学するぐらいの年齢になれば、大抵のことは理解できます。Aさんの場合には、親がAさんに対して家庭の経済的な事情を一切話さないまま、Aさんは裕福な家庭だと思い込んでしまったことが1つ目の間違いです。

経済状態を理解した上で、それでもAさんが都会の大学へ進学したいと考えるなら、奨学金に応募して負担分を減らしたり、アパートではなく寮に住むとか、キャンパス内でアルバイトをして生活費で親に負担をかけないようにするなど、できる事はたくさんあったでしょう。

間違い2:親が教育ローンを組んだ

親が教育ローンを組む家庭は、たくさんあります。必ずしも、これが間違っているというわけではありません。しかし、自宅を担保にしてまで借りなければいけない経済状態の場合には、親は教育ローンを汲むべきではないのです。

教育ローンは、大学に進学する子供自身でも借りることができます。金利の面で若干のハンデはあるものの、子供は大学を卒業した後に何十年という期間があり、働きながら少しずつ返済できます。

しかし親はどうでしょうか?多くの場合、子供が大学に進学する頃には、親は定年を迎えるまで残り僅かという年齢です。その時点でそれまでの貯蓄を使い果たしたり、自宅を担保に入れてまでローンを借りることは、どんな目的であっても賢明ではありません。

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どうするのが正解だったのか?

それでは、Aさん親子はどうすることが正解だったのでしょうか?

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進学前に親子で心を開いて家庭の金銭事情を話し合うべきだった

Aさん親子に限ったことではありませんが、大学への進学を控えている子どもがいる家庭なら、家庭がどういう経済状態なのかを話し合うことは、決して悪いことではないと思います。私の親のように、口を開けば「うちはカネがない」と言うのはNGです。それでは子供が、「本当は持っているのに出したくないから嘘をついている」という気持ちになってしまうでしょう。

話し合う際には、親も正直に状況を説明しましょう。

「大学進学用としてXXXドル貯めてきた。この金額までならキャッシュで払うことができる。しかし、それを超える金額は、教育ローンを借りなければいけない、親の定年まであとXX年ということを考えると、親が借りられるローンの金額は、XXXドルぐらいだと思う。4年間にかかる学費がそれ以上の場合には、申し訳ないが、自身でローンを組んでもらうしかない。収入がなくても学生なら教育ローンを借りることは可能だ。その場合には、親が連帯保証人になっても良いと持っている。」

と正直に説明すれば、子供も大学選びをより真剣に、費用のことも考えながらしたのではないでしょうか。

子供にNOというべきだった

Aさん家庭では、Aさんの大学生活に水を差してはいけないという思いから、親が経済的な困窮に陥っても、Aさんにはできるだけの工面をしてきました。しかし、それは本当にAさんのためになったのでしょうか?事情を知ったAさんに、罪悪感ばかりを植え付けてしまったのではないでしょうか。

Aさんの両親は、父親の会社が倒産した時に、Aさんに隠さず正直に報告するべきでした。また自宅を担保に入れてお金を借りる前に、Aさんに教育ローンを借りて欲しいと言うべきでした。それに、Aさんからショッピングや外食でお小遣いが足りないとおねだりされた時に、アルバイトをして自分でお金を稼ぎなさいと諭すべきでした。

後から後悔しても、全て後の祭りです。

この状態で子供はどうすべきか?

Aさん家庭では、Aさんが無事に大学を卒業するまでに、気が遠くなるような負債を抱えることになってしまいました。この負債、全てAさんの学費や生活費、その他娯楽費として使われたものです。

Aさんに支払い義務があると思いますか?それとも、親が勝手にしたことだから、親が黙って受け入れるべきだと思いますか?

おカネに対して賢い選択をしたいなら、この負債は、親が返済を続けるべきです。理由をお話ししますね。

Aさんの両親は、既に預貯金を失い、自宅も失い、大きな負債を抱えています。たとえAさんが大学卒業後に自宅のそばで仕事を見つけたとしても、簡単に完済できる金額ではありません。それどころか、共倒れになってしまう可能性が高いでしょう。

Aさんには未来があります。大学で学んだ知識があります。それを生かして、自分のポテンシャルを最大にできるような仕事に就くべきです。自分の足で立ち、安定した生活を手に入れることができれば、もしかしたら将来的には両親の金銭的なサポートができるかもしれません。

Aさんの両親は、既に収入と支出のバランスが取れず、経済的な下り坂を猛スピードで転がり続けています。年齢のことを考慮すると、この状態から負債を完済して元通りの生活を手に入れることは、難しいでしょう。

この場合、Aさんの両親にできる事は、債務整理、つまり破産です。破産しても、教育ローンについては返済免除はありません。しかしそれ以外の負債に関しては、たとえばローンやクレジットカードの支払などは、全て返済免除となります。返済額が少なくなったうえで、Debt Consolidateという「おまとめ」のサービスを利用すれば、毎月返済ができる金額で、最低限の生活が遅れる可能性が見えてきます。

5.首を絞める「クレジットカード」の対処法

a person holding cards

日本では、クレジットカードは利用した分を全額、翌月に完済するシステムですよね。近年ではリボ払いや分割払いも利用しやすくなっていますが、それでもアメリカの「完全リボ払い」システムと比較すると、クレジットカード地獄に陥るリスクは少ないと思います。

アメリカでは、クレジットカードの返済は基本的に、利用金額に対して数パーセント程度を支払えばよいというシステムになっています。それに、クレジットカード会社は年に1度ぐらいの頻度で、利用金額の上限をアップしてくれます。日本よりもカード払いが一般的ですし、複数のカードを使いながら、あっという間に多重債務者になってしまう人は少なくありません。

どこの国に住んでいても、これからの社会は確実にキャッシュレス化が進みます。そのため、カードを持たないという選択は、賢明ではないでしょう。しかし、だからと言って複数枚のカードを同じように使うのは、賢くありません。

クレジットカードは多くても3枚まで

所有するクレジットカードは、理想は2枚まで、多くても3枚までがベストです。このうち、最も年利が少ないクレジットカードのみをお財布に入れ、そのカードだけを使うようにしてください。そうすることで、毎月のカードの返済が1つだけになります。

残りのカードは、お財布に入っていると誘惑に駆られてしまう可能性があるので、できるだけ自宅で保管することをおすすめします。よくファイナンシャルアドバイザーは、「水にカードを鎮めて凍らせれば、使いたくても使えないから良し」というアドバイスをしますが、氷漬けにしなくても、手が届きにくい場所に閉まっておけばOKです。

テレビを見ながらサッと出せてオンラインショッピングの決済に使えるような場所はNGです。できるだけ、取り出すのが面倒な場所に閉まっておくのがベストです。

複数のクレジットカードの返済をまとめたい、どうする?

複数のクレジットカードを使っていて、今更1枚にしろと言われても無理!という時には、どうすれば良いのでしょうか?

これは、パワーペイメント(Power Payment)のスキルを使うのがおすすめです。

クレジットカードはそれぞれ、金利が異なります。金利を比較して、最も高いカードから、集中的に返済していくのが、パワーペイメントです。他のカードの返済をミニマムにおさえ、余力を金利が最も高いカードへ注ぎます。こうすることで、金利が高いカードの残高が下がってきます。

もしも可能なら、金利が高いカードから低いカードへのTransferという方法もあります。ただし、Transferの際には手数料が取られることがあるため、カード会社から送られてくるキャンペーンなどを利用することをおすすめします。

どのぐらいの残高があるかによって、クレジットカードを完済する期間は異なります。しかし、カードは使わなければ残高は増えません。せいぜい、毎月かかる利子の分だけ増えます。毎月400ドル(4万5千円程度)を返済し、利息分が80ドル(8,800円程度)かかるなら、毎月カードの残高320ドルずつ減る計算となりますよね。、これで、あと何ヶ月で完済できるかの見通しが立つでしょう。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、私達の日常生活の中でも役立つマネーの賢い対処法をご紹介しました。

  • 生命保険(宝くじなども含む)まとまった一時金が入ったら、まずはローンなどの負債を完済
  • 教育費が親の老後資金を脅かしてはいけない
  • 大学生の子供でも教育ローンは借りられる
  • クレジットカードは多くても3枚まで、そのうち使うのは1枚のみ
  • 複数のクレジットカードがあるならパワーペイメントで数を減らそう

知っておくだけでも将来どこかで役立つことがあるかもしれません。

もしよろしければ、他のマネー講座記事もご覧ください。

    読んでいただき、ありがとうございました。

    [マネー講座2]過去を振り返るべからず!無意味な期待もするべからず!

    人間は誰でも、自分が現在置かれている状況を、客観的に把握することは難しいものです、簡単だと思っても、そこに過去の栄光や未来への期待が混ざってしまうことが多く、自身で冷静かつ客観的に状況把握できる人は、それほど多くありません。しかし、自身の環境を正確に把握することで、思い描いたとおりの未来への一歩を踏み出すことができます。

    目次

    1. 人は過去にとらわれやすい
    2. 過去にとらわれると何がいけないのか?
    3. 家庭で徹底しておきたいこととは?
    4. まとめ

    1.人は過去にとらわれやすい

    私たちは、100人いれば100通りの性格があります。その中には、過去にとらわれやすい人もいれば、過去は全く振り返らず前だけを見て生きている人もいるでしょう。

    「自分は過去にとらわれていない」

    と考えている人でも、実際には過去を引きずりながら、過去の姿を現在の自分に投影していることが少なくありません。

    • 自分は月収100万円を達成した過去があるから、やればできるのだ
    • 異性にモテすぎてウハウハだったことがある。
    • 投資で元本を10倍に増やした実績がある

    など、過去の栄光とも呼べるような素晴らしく輝かしい過去を持っているかもしれません。またその一方で、

    • 貧しい家庭で育ったので、今でも貧乏根性が残っている
    • 子供の頃にいじめられた経験があるので、今でも人と話すことがストレス

    など、ネガティブな過去が現在の自分に大きな影響を及ぼしていることもあるでしょう。

    私たちの性格や習慣、クセや価値観は、子供の頃の生活環境やこれまでの経験によってつくられています。過去の経験なくして、現在の自分はあり得ません。

    性格や考え方は遺伝?それとも環境によって決まる?

    blonde haired woman lying on bed

    私たちは、生まれ持った性格があります。これは、母親と父親から受け継いだ「遺伝」で、私たち自身で選ぶことはできません。

    しかし、性格は遺伝だけによって決まるわけではありません。生まれてからどんな環境で育つかという点によっても、大きく変わります。海外では、同じ母親から生まれた双子を、全く異なる環境で育てて性格や行動にどのような違いがあるかを研究するという実験が行われたことがありました。

    親が同じなので、遺伝的な性格はある程度共通している部分はあったものの、育つ環境によって性格や価値観は大きく影響を受け、思春期を迎えるころには双子とは思えないほどの差が出たそうです。ちなみにこの実験は、成長した双子からの申し出により、打ち切りとなりました。

    実際に、遺伝的な要素と環境的な要素が自身の性格形成に占める割合を見ると、だいたい半分ずつぐらいなのだとか。しかし遺伝的な要素はあくまでも潜在的なポテンシャルなので、育つ環境によってはポテンシャルが大きく開花することもあれば、影をひそめたまま全く表に出てこないということもあるようです。

    カネの扱いが苦手なのは、遺伝ではない

    貯金や資産形成の点でも、これは適用されます。貯金をすることが苦手な人の中には、

    「性格的に貯金は好きじゃない」

    「江戸っ子だから宵越しの鐘は持たない主義」

    「貯金できないのは、遺伝」

    のように、責任は自分以外の所にあるような物言いをします。しかしこれは、決して本人の性格ではありません。生まれた後に植え付けられた後天的な価値観や習慣によって,カネに好かれない体質を自分自身で作ってしまった結果です。

    後天的に植え付けられた価値観や習慣は、変えることができます。時間がかかるかもしれませんし、本人の強い意志と継続的な努力も必要ですが、変えることは可能なのです。

    2.過去にとらわれると何がいけないのか?

    資産を形成する上では、現在の自分が置かれている状況を冷静かつ客観的に判断して、それにあった決断をすることが必要です。具体的な例を出してご説明しましょう。

    ケーススタディ:幻の株価

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    株取引など、投資をしたことがある人なら、株価が常に変動していることはご存知でしょう。全ての株価は、上下に変動します。また特定の銘柄だけでなく、業界全体でも上向きのトレンドにあったり、逆のトレンドになることもあり、現在の株価が半年後、1年後にも同じということはありません。今よりも上がる事もあるでしょうし、下がることもあるでしょう。

    銀行に勤務するAさんは、子供のころから親に「投資はギャンブルだから、絶対に手を出してはいけない」と教えられて育ちました。そのため、社会人になって周囲が投資に熱くなっても、彼だけはどこか冷めた考えを持っていました。

    Aさんには、学生時代から仲良くしていた親友がいました。半年ほど前に親友から、「今XX業界が延びているから、資産を増やすなら今投資したほうが良い」というアドバイスを受けました。しかしAさんは全くやる気にならなかったどころか、親友に「気を付けろ」とアドバイスをしたほどです。そう、投資はAさんにとっては怪しすぎるアクティビティだったのです。

    しかし先日、再び親友と飲みに行ったとき、彼は半年前に購入した株が爆上がりして、価値が10倍になったと大喜びでした。飲み代も、太っ腹な彼がおごってくれました。

    帰り道で、Aさんは考えました。半年で資産価値が10倍になるなら、50万円が半年後には500万円になるということだよな。これは試す価値があるかもしれない、と。

    そうです。Aさんは取らぬ狸の皮算用をしてしまったのです。

    実際にAさんは、50万円を投資しました。すると、半年どころか3か月程度で、価値は10倍になりました。これに味を占めたAさんは、更に150万円を追加投資。それも面白いぐらいに増えたため、更に300万円を投資しました。

    Aさんが1年間に投資した金額は、なんと500万円。これはAさんがこれまでコツコツ貯蓄してきた全額です。彼は元手500万円を、時価総額9000万円までに増やすことに成功したのです。これで彼は、成功者の仲間入りという夢を達成しました。

    さて、この先の展開は、みなさんの予想通りです。

    株価の変動は、常にあがりっぱなしということはなく、下がることももちろんあります。それに、バブルが崩壊したように、業界バブルが崩壊することもあります。Aさんも場合にも、9000万円まで増えた株が遅かれ早かれ下がるとは全く思わず、さらに増えるだろさんは考えてしまったのです。

    しかし株価は下がり始めました。株価の低下はAさんにはどうすることもできず、もしかしたら再び上昇してくれるのではないかという淡い期待を胸に、下がり続ける株価を見守るしかありませんでした。

    Aさんが気づいた時には、株価を手放せば元本の500万円すら回収できない状態となっていたのです。

    考察:Aさんの何がいけなかったのか?

    それでは、Aさんの一連の行動の中で、何がいけなかったのでしょうか?

    親友の影響で始めた株投資で、Aさんはこれまで手にしたことがない「巨額の富」を手に入れることができました。しかし、Aさんはこれまで投資の経験がなく、買うタイミングも売るタイミングも考えずに、ただ「元金が増える」ことを夢見て投資を続けてしましました。

    その結果、株価が下がり始めても迅速に行動できなかったのです。ここが、Aさんのいけなかった部分かもしれません。

    投資についての詳しい解説は避けますが、投資においては損切りと呼ばれるリスクヘッジがあります。これは、株価が一定額もしくは一定割合以上下がった場合には、それまでの利益を確定するために、もしくは損失を最小限に抑えるために、持ち株を売却するという戦略です。

    もしもAさんが、天井高から下がり始めて雲行きが怪しくなってきた頃に、このリスクヘッジをしていたなら、ここまで泣きを見る羽目にはならなかったでしょう。9000万円の時価をそのまま教授というわけにはいかなかったかもしれませんが、それに近い額を手元に残せたのではないでしょうか。

    過去の栄光はかなぐり捨てるべし

    過去の経験によって培われた性格や価値観の中には、捨てずに持っていたほうが良いものもあるでしょう。しかし輝かしい過去の栄光に関しては、とくにカネに関しては、持っていても現在と未来の自身には何の役にも立ちません。

    「輝かしい過去の栄光」とは、現在がそれほど輝いていないから使う言葉です。過去よりも今の方が輝いていたとしたら、決して「過去の栄光」とは呼ばないでしょう。まずこの点は、理解しておきましょう。

    また私たちは、「過去の栄光」という言葉を使うことで、その時に戻れたらよいのにという根拠のない期待をしてしまいます。特に自身の経済的状況が下り坂の時には、現在の客観的な状況を受け入れたくないために、過去の幻にしがみつきたくなってしまうのです。人間の心は弱いため、それは仕方ないことです。

    しかし、心が弱いから仕方ないと考えることは、残念ながら自身にとっては何の役にも立ちません。事態を好転してもくれません。自己満足の域を出ないでしょう。

    だからこそ弱い心をかなぐり捨て、これからの自分に目を向けるべきです。それが、カネを引き寄せるために必要な策です。

    投資するなら現在を直視するべし

    Aさんのように、投資で少ない元手を大きく増やすことは、決して間違ったことではありません。しかし、

    「この銘柄は過去にXXX円まで上がった実績があるから信頼できる」

    「この業界は波がきてるから、持っていれば必ず得をする」

    などという考え方は、残念ながら全く自身の投資には役に立ちません。もちろん、信頼に値する銘柄なのかという分析をする際には、過去のパフォーマンスなども含めて情報収集が必要でしょう。また、業界全体にトレンドが来ていることも、どの銘柄を購入するかを決める際には、役立つ情報かもしれません。

    しかし実際に投資をして銘柄を購入する際には、いくらで購入したのかを覚えておき、いくらの利益が出れば満足できるのか、そのためには株価がいくらまで上がればよいのかという点をメモしておきます。買取挽き直後に売却の予約注文を入れてしまうという方法も良いでしょう。目安としては、5%から10%の上昇で売る、というスタンスが賢明です。

    また銘柄を購入する際には、いくらまでの損失なら受け入れられるのかに合わせて、損切り注文も入れておくことをおすすめします。このラインをあらかじめ設定しておかなければ、根が下がり始めた時に「持ち直すはず」「いや、Ⅴ字回復するのでは?」と淡い期待を持ってしまいます。そうした感情が、銘柄を手放すタイミングを狂わせてしまうのです。

    ポイント:投資をするなら、利益を確定するライン、損切りするラインを最初に決めておくこと。

    過去の自分は入らなくなったジーンズと同じ

    blue jeans side by side

    私達の体型は、年齢と共に少しずつ変わっています。10代の頃に履けていたジーンズが、40代になって入らなくなってしまうのは、いたって自然なことですよね。体重が増えたという理由もあるでしょう。しかし、仮に体重が同じだったとしても、年齢によって体型は少しずつ変化しますし、醸し出す雰囲気も年齢によって変わるので、入ったとしても似合わなくなってしまうのです。

    過去と現在の自分も、ジーンズのようなものではないでしょうか。過去と現在の自分とでは、年齢が違うだけでなく、考え方や経験値が異なります。仮に同じ金額の資産を持っていたとしても、過去の自分と現在の自分とでは、資産の活用方法が大きく変わるでしょう。

    過去にとらわれていると、「あの時はこうして成功したから、今回もうまくいくはず」と考えてしまいます。しかし、時代やトレンドなども変わっているので、過去に照準を合わせて何かをしようとしても、上手くいかないことは多いでしょう。

    大切なのは、現在です。今。今の状況に合わせて必要なことをすべきなのです。

    3.家庭で徹底しておきたいこととは?

    過去にとらわれ過ぎていたり、根拠のない未来を夢見ることは、経済的な視点からみるととてもリスキーです。それは、個人や世帯の家計という小さな規模だけでなく、会社のような大きな組織規模になっても、基本的なメカニズムは同じです。

    それでは私たちは、これから家庭という単位において、何をすれば良いのでしょうか?できることはたくさんあります。

    お金の話はしにくい。それでもする。

    結婚している世帯では、夫と妻、どちらが家計を管理していますか?夫が管理しているという世帯もあれば、妻が管理している世帯もあるでしょう。共働きの世帯なら、共同の口座を作ってお互いが毎月一定額をそこに家賃や食費などの経費として入れていて、その中でやりくりしているかもしれませんね。

    どちらが管理するかは、ここでは大きな問題ではありません。大切なことは、夫婦で定期的にお金の話をできているかということです。これは、一方が専業主婦や専業主夫でも同じです。

    「夫はお金にしっかりした人だから、管理してくれているはず」

    「妻に任せっきりなので、僕は一切関知していない」

    何て事態になっていませんか?他人事なら、「なんてラクチンなのだろう」と羨ましく思うかもしれませんね。しかし、定期的にお金の話をしていなければ、経済的な現在地の認識にギャップが生じてしまいます。

    10年前にはしっかりお金の管理をしてくれていたパートナーでも、もしかしたら日常的なイライラやストレスによって浪費癖がついてしまった可能性があります。それに、親が金銭的な苦境に立たされたために、パートナーに内緒で貯金を渡してしまった可能性もあるでしょう。

    数年前には「これで毎月5万円ぐらい貯金ができそうだね」と言っていたパートナーの言葉を信じてざっくり現在の貯蓄高を予測してみたけれど、実際はそれよりずっと少なかったというガッカリな経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。

    日常生活の中では、不測の事態が起こるものです。夫婦で同じ立ち位置で同じ認識を持ち続けることは、定期的にお金の話をしている夫婦にとっても、簡単なことではありません。お金の話をしにくい雰囲気のカップルなら、経済的な現在地が大きく異なっている可能性は大きいでしょう。

    「でもお金の事って話しづらい」

    「カネにがめつい奴だと思われたくない」

    「お金の話をしようとすると不機嫌になったりキレたりする」

    という夫婦もいるかもしれません。それでも、お金の話をする事は大切です。決して相手を責めるのではなく、二人が同じ場所にいることを確認し、同じ方向を向いて歩み続けるためには、これは必要不可欠な作業です。

    我が家の決算は年に1度

    我が家では、夫も私も収入がありますが、私が全てを管理しています。夫はお給料をもらってくるだけで、後はどこにいくらかかっているかすら知りません。きっと、どの金融機関にどんな口座を持っているかすら知らないと思います。

    これは、夫婦間で絶対的な信頼があるからできることなのですが、この信頼関係を築くには紆余曲折医でした。

    私はもともとマネー教育を受けて育ったので、カネに関しては子供のころからしっかりしていました。数百円のお小遣いをもらっても小遣い帳をつけていたほどです。

    しかし夫は貯金という概念を持たず、収入に合わせて使い、余ったら貯金すれば良いと気楽に考えていた人でした。

    結婚後、アメリカで生活していたため、銀行口座はすべてジョイントとなり、私一人が管理しても、見ていない所で夫が散在しまくる生活となったのです。

    →アメリカのジョイント口座についてはこちらの記事で

    その後二人で話し合い、結婚3年目あたりからは、私が全てを管理するようにしています。我が家の場合には、これでうまくいっています。

    しかし、管理させてもらっているからと言って、そこに胡坐をかくのはよくありませんよね。夫から絶対の信頼を受けているわけですし、夫にも資産状況を知る権利はもちろんあります。

    なので我が家では、年に1回、これは毎年変わらず12月31日なのですが、どの口座にいくらの残高があり、去年と比較してどのぐらい増えたかという点を、全てチャートやグラフにまとめて夫と共有しています。職場でのちょっとしたプレゼンのようですね。

    どんな方法でも良いので、夫婦が世帯の資産について同じ認識を持つことは、これからの資産形成においては、とても重要なことなのです。

    情弱は罪である。

    laptop technology ipad tablet

    情弱とは、情報弱者の事です。ネットに接続すればどんな情報でも収集できる昨今において、情弱であることは自身にとって大きなハンデとなります。インターネットが存在しなかった時代なら、情報を収集するためにはセミナーに行ったりして経験者から知識をおすそ分けしてもらうしかなかったわけですが、現在ではネット上にたくさんの情報があふれています。それらを取捨選択しながら、情報のクロスチェックもしながら真偽を確認することもできます。

    情弱であることは、何かに挑戦する際にもスキルが低いということを意味します。ケーススタディで説明したAさんにしても、投資についての情報収集をほとんどしないまま突入してしまったために、引き際を見極めることができずに大きな損失を抱えることになってしまいました。

    情報は、ネットさえあれば誰でも収集できます。専業主婦とか専業主夫、学生だから、ということは言い訳にしかなりません。ネットで情報収集をする中で分からないことが出てきたら、ネットで質問すれば先輩たちが教えてくれます。動画を活用するのも良いでしょう。

    資産形成において自身が情弱だと自覚することは、危険行為です。まずは可能な限り必要だと思われる情報を徹底的に収集して、ザックリとでも良いので基本的な知識を手に入れましょう。その上で、実践しながら同時進行で学び、限られた収入を賢く効率的に、そして効果的に資産形成したいものですね。

    4.まとめ

    いかがでしたでしょうか?今回のマネー講座では、資産形成をする上で、多くの人が陥りやすい「過去と未来にとらわれる」トラブルを解説しました。今回学んだことは、

    • カネに対する考え方や習慣は、遺伝ではない。後天的に植え付けられたもの。だから軌道修正できる。
    • 過去にどうだったかは自己満足にすぎない。今を客観的かつ冷静に判断するべし。
    • 過去の栄光にしがみつくのはリスキー
    • 投資をするなら、利益確定と損切りを最初に決めた上で始める。感情に流されてはいけない。
    • 夫婦では資産の現在位置を定期的に確認する
    • 情弱にならないように、ネットを駆使しでできるだけたくさんの情報を収集する。

    です。

    読んでいただき、ありがとうございました!